話しをしているときにうまく伝っていないかも、と思って他の何かに例えて表現したら、理解してもらえたという経験ありませんか?比喩は小説や詩だけでなく、日常会話やスピーチ、色々な文章中でも使用されます。
日本語だと例えば「借りてきた猫」などの表現や、「馬の耳に念仏」といったことわざも比喩の一種です。では英語ではどのような表現があるのでしょうか。英語の比喩の種類と代表的な比喩表現について解説します。
そもそも比喩って?
比喩というのは、あるものを別のものに例えて表現する方法です。たとえば、何かを説明するときに、そのものが他のものと似ていることを使って、わかりやすくするための方法です。
比喩にはいくつか種類があり、「直喩(ちょくゆ)= simile」「隠喩(いんゆ)、暗喩(あんゆ)=metaphor」などがよく使われます。
直喩:「〜のようだ」や「〜みたいに」といった言葉を使って、はっきりと具体的に例える方法です。
She is (as) cute as a button.(彼女はすごく可愛い)
He is (as) brave as a lion.(彼は獅子のように勇敢だ)
She slept like a log.(彼女は丸太のように眠った)
隠喩、暗喩:「〜のようだ」や「〜みたいに」といった言葉を使わず、特徴を他のものに例える方法です。
She’s a shining star.(彼女は輝く星のようだ)
The world is a stage.(世界は舞台のようなものだ)
Life is a journey.(人生は旅のようなものだ)
英語の比喩の種類
英語の比喩は、日常的によく使われ、会話、文学や詩、広告など幅広い文脈で見られます。日本語の比喩もいろいろな種類ありますが、普段意識して過ごすことはあまりないと思います。英語の比喩の種類も覚える必要はありませんが、英文を読んだり聞いたりしたときに比喩だと認識できるように「こういうものがあるんだ」という参考にしてください。分け方によってさらにもっと細かく分けられることもありますが、基本的には次の6つになります。
会話で使われる比喩の種類
● 絶対比喩(absolute metaphor)
全くつながりのない2つの事柄を「X is Y」という基本構文を使って比較するものです。
Life is a journey.(人生は旅だ)
She is doing a tightrope walk with her studies this year.(彼女は今年、勉強で綱渡りをしている)
● 暗喩(implied metaphor)
文章の主旨をそのまま述べず暗に示すこと、2つのことを「具体的な言葉を使わずに」比較することです。このとき読者や聞き手が理解できることが前提となっています。
Tim squawked when the teacher gave the assignment.(先生が課題を出すと、ティムはぎゃあぎゃあ騒いだ)
→ティムをアヒルに例えていますが、具体的にアヒルという言葉は出てきません。
Rachel finally lured Jason into her web.(レイチェルはついにジェイソンを自分の巣に誘い込んだ)
→レイチェルを蜘蛛に例えていますが、具体的には「蜘蛛」は出てきません。
● 概念比喩(conceptual metaphor)
概念比喩では、ある概念や抽象的なものが別のものを基準にして理解されます。例えば「Time is money.(時は金なり)」という概念を基準にすると、次のような比喩例が考えられます。
This broken computer cost me four hours.(この壊れたコンピュータのせいで4時間無駄にした)
→「Time is money.(時は金なり)」という概念を基準にした比喩
He won the argument.(彼は議論に勝った)
→「Argument is war.(議論は戦争だ)」という概念を基準にした比喩
会話であまり使われない比喩の種類
● 混合比喩(mixed metaphor)
論理的な根拠なく、比較対象をごちゃまぜにして使う比喩です。混同比喩はぎこちない印象を与えたり、ポイントが理解されなくなる危険があります。基本的には面白く聞こえさせようとしている場合以外には使いません。
The new job has allowed her to spread her wings and really blossom.(新しい仕事のおかげで、彼女は羽を伸ばし本当に花開くことができた)
→女性が鳥と花の両方に例えられており、奇妙な組み合わせになっています。
面白く聞こえる混合比喩の例もご紹介します。ドラマなどで時々混合比喩が出てきますが、背景知識がないと英語学習者には理解が難しいので、英語学習者泣かせの比喩といえます。
This is not rocket surgery.(難しい手術ではない)
→難しい知識を必要としないことをよく「It’s not a rocket science」と言いますが、この比喩表現と手術をミックスして別の比喩表現を作っています。
I’ll be here till the cows come home to roost.(しばらくここにいるよ)
→長時間を意味する比喩表現の「till the cows come home」に、本来つける必要のない言葉であるroost(鶏のねぐら)を加えています。
● 拡張比喩(extended metaphor)
通常1つ以上の文章を含んだ長い比喩で、段落内の多数の文からなるものです。時には段落がまるごと比喩表現で埋め尽くされることもあります。言葉の意味をわざと定義し直し、わかりにくくすることで「難しい話をしていて頭が良い」と思わせる効果もありますが、正しい方法で行わなければ相手を混乱させるだけです。
会話で使われることはなく、詩集や文学書に使われる比喩です。
● 枯れ比喩(dead metaphor)
比喩が繰り返し、特に長期間にわたって使用された場合、元のイメージとの関連性が失われることがあります。これが「枯れ比喩」です。非常に一般的に使用されているため、以前の意味合いを知らなくても、その比喩的な意味を完全に理解することができるものを指します。
中にはクリシェ、つまり使われすぎでありきたりの表現となり避けた方が良いものもあります。わざと皮肉っぽく使ったり、臭い表現として使うこともあります。
I wrote the body of the essay.(私はエッセイの本文を書いた)
→エッセイの本体を体に例えてbodyと比喩されましたが、「本文」を意味する一般的な名詞になっています。
I looked at the hands on the clock.(私は時計の針に目をやった)
→時計の針を2本の手に例えて使われた比喩ですが、現在では時計の針をさす一般的な名詞となっています。
イディオムとの違い
イディオムとメタファーの最大の違いは、その使われ方です。イディオムは一般的に広く使われている、言葉そのものはほとんど無意味な表現であるのに対し、メタファーには明確な比較対象があります。
もちろんイディオムが比喩である場合もありますが、文脈から意味を理解するということが必要ないこと、必ず2語以上で成り立っていることがあげられます。
It’s raining cats and dogs.(雨が激しく降っている)
→イディオム。猫・犬と雨は比較対象ではなく、文脈自体に意味はない
The sound of rain is music to my ears.(雨音は心地よい)
→比喩。音楽は聞いていて気持ちのいいもの。雨を音楽に例えている
You’re an angel!(あなたは本当に優しいのね!)
→比喩。相手の優しさを天使のような素晴らしい慈愛や優しさと比較している
よく使われる比喩表現
日常会話では比喩がスラングとしてもよく使われます。中には使われる場面によって意味が変わるものもあるので、比喩が出てきたらどういう意味かその場で尋ねたり、英英辞書などで調べるようにしましょう。
I could eat a horse.(お腹がペコペコだ)
I feel under the weather.(具合が悪い)
She’s a chicken.(彼女は弱虫だ)
He is a night owl.(彼は夜型だ)
She’s an early bird.(彼女は早起きだ)
He is a pig.(彼は薄汚い・不快だ)
He has a heart of stone.(彼は冷酷だ)
He is a rat.(彼は裏切り者だ)
His heart is made of gold.(彼はめちゃめちゃいい人だ)
Your words cut deeper than a knife.(君の言葉はグサッとくる)
She is a shark.(<文脈によって>彼女は達人だ、肉食女だ、詐欺師だ)
It’s showtime.(さあ始めるぞ)
My hands are tied.(手が放せない)
She is an open book.(彼女には秘密がない)
I was a million miles away.(ぼーっとしてた)
She’s a mama bear.(彼女は過保護だ)
He’s a monster.(彼は残酷だ)
She’s my old flame.(彼女は私の昔の恋人だ)
This place is a zoo.(ここはめちゃくちゃだ)
The snow is a white blanket.(一面雪で真っ白だ)
I have clean hands.(私は無実だ)
I feel butterflies in my stomach.(ときめいている)
Her voice is music to my ears.(彼女の声は心地よい)
She lost a screw today.(彼女はネジが飛んでいる=おかしい)
I need to put the batteries.(頑張らないと)
*逆の「リラックスする」という意味でrecharge the batteriesも覚えましょう。
It’s the tip of the iceberg.(それは氷山の一角だ)
比喩を使ったことわざ
The squeaky wheel gets the goose. (きしむ車輪はガチョウを得る=声の大きい者が勝つ)
Don’t judge a book by its cover.(表紙で本を評価するな=人は見かけによらない)
Laughter is the best medicine.(笑いは最高の薬=笑うことで全てがうまくいく)
The grass is always greener on the other side of the fence.(隣の芝生は青い=他人の生活はよく見えるが実際は違うこともある)
Curiosity killed the cat.(好奇心が猫を殺した=他人の問題には首を突っ込まない方がいい)
You can’t make an omelette without breaking eggs.(卵を割らなければオムレツは作れない=問題や犠牲無くして成功はない)
Don’t bite off more than you can chew.(噛める量以上を噛まない=一度にこなせる量以上の仕事や責務を負わない)
The early bird catches the worm.(早起きの鳥が虫を掴む=早起きは三文の徳)
Always put your best foot forward. (常に利き足を前に出せ=常に最善を尽くせ)
A rolling stone gathers no moss.(転がる石に苔は生えない=コロコロ仕事や家を変える人は成功できない)
*逆の意味で「忙しい人は停滞することなく、創造性と生産性を維持することができる」という意味で使われることもあります。
他にもことわざを使った英語表現について知りたいときは、「「猫の手も借りたい」って何ていう?よく使う日本のことわざ20選の英語表現集」を読んで、理解を深めましょう。
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