英文法で最初に学ぶ現在形と現在進行形。普段は何気なく使っていて、深く考えたりどちらか悩むことがない人がほとんどでしょう。しかし意外にも海外のSNSで質問が多いのがこの型です。
現在形は日常会話でもっとも多く使われる型で、基本的な使い方だけではなく、応用を知っておくとよりナチュラルな会話ができるようになります。
この記事では現在形と現在進行形の使い分けに加え、応用的な使い方について解説します。「現在形なんて簡単!」と思っている人も、知識があやふやだったところがないからチェックしてみてくださいね。
現在形・現在進行形はどう使い分ける?
現在形・現在進行形の違いは次の3つになります。
「一般的な事実や特徴」を表す現在形 vs 「その瞬間の出来事」を表す現在進行形
現在形は、例えば「水は100度で沸騰する」「1+1=2」といった誰もが知っている事実や、「○○さんは優しい」「私はスポーツが好き」といった人の性格や特徴を表すときに使われます。
それに対して現在進行形は、「今は仕事中だ」「TV見ているところ」といったその瞬間に起きていることを表現します。
It snows a lot in winter.(冬は雪がたくさん降る)
→現在形(一般的事実)
It’s snowing a lot now.(今雪がたくさん降っている)
→現在進行形(瞬間の出来事)
One plus one equals two.(1+1=2)
→現在形(一般的事実)
×誤った使い方:One plus one is equaling two. (1+1=2)
→現在進行形にはならない
I like tennis.(テニスが好きだ)
→現在形(人の特徴)
△誤りではないがあまり使われない使い方:I’m liking tennis. (テニスが好きになってきた)
→現在進行形(一般的には使われないが、口語で「好みが変わってきた」ことを強調するために使われることがある)
次の5つのような状態動詞は、一般的に現在形が使われます。
・know(知る)、think(考える)、understand(理解する)、forget(忘れる)などの精神的状態を表す動詞
・admire(賞賛する)、hate(嫌う)、like(好む)、respect(尊敬する)などの感情を表す動詞
・smell(匂いをかぐ・匂う)、taste(味わう・味がする)、hear(聞く)などの感覚を表す動詞
・consist(構成する)、last(持続する) などの変わることなく続く性質を表す動詞
・swear(誓う)、 promise(約束する) bet(賭ける) warn(警告する)などの発話行為動詞
*発話行為(speech act)とは、コミュニケーションにおいて特定の目的や意図のある発話のことで、「謝罪、挨拶、要求、苦情、招待、賛辞、拒否」などがこれにあたります。
これら5つの場合で使われる現在進行形は、徐々に気持ちが変わっている様子を強調したり、「Are you forgetting the magic word?(魔法の言葉=pleaseを忘れてない?)」のようにリマインドするなど、口語で行為を強調したい場面で使われることがありますが、書き言葉では使わないようにしましょう。
「変わらず続いている状況」を表す現在形 vs 「一時的状況」を表す現在進行形
現在形は「私は東京に住んでいる」「銀行で働いている」など当面はずっと続くと思われている状況を表します。
それに対して現在進行形は、「彼女は、今東京に住んでいる(将来的には引っ越す予定である)」といったこの先変わると思われる、一時的な状況について使われます。
I live in Tokyo.(東京に住んでいます)
→現在形(ずっと変わらないであろう状況)
I’m living in Tokyo for a few months.(東京には数ヶ月間住んでいます)
→現在進行形(普段は別の場所に住んでいて、一時期な状況)
東京に数ヶ月住んでいて、かつ一時的ではなく常にしかも今現在も住んでいるならば、現在完了進行形のI’ve been living in Tokyo for a few months.になり、以前数か月住んでいたけれども現在は住んでいない過去のことであれば、現在完了形のI have lived in Tokyo for a few months.となります。
I work in a bank.(銀行で働いています)
→現在形(業界を変わる予定もなく、変化なく続く状況)
I’m working in a bank.(今銀行で働いています)
→現在進行形(今は銀行で働いているが、将来的に変わる可能性が高い)
「第三者によって日時が確約されている予定」を表す現在形 vs 「自分で定めた予定」を表す現在進行形
「私のフライトは8時だ」「映画は午後3時に始まる」など第三者によって決められたタイムテーブルに基づく未来について話すときは現在形を使います。その場合、未来形の文節の後にwhen / until / after / before / as soon asなどの接続詞+現在形を使い、将来について表現することができます。
それに対して、「明日彼氏に会う(つもりだ)」「週末にキャンプに行く(つもりだ)」「2時に家を出る(つもりだ)」といった、自ら事前に立てた計画で、確実に起きるであろう未来は現在進行形を使って表します。
My plane leaves at eight tomorrow.(私のフライトは明日8時です)
→現在形(決められたタイムテーブルに基づいた未来)
×誤った使い方:My plane is leaving at eight tomorrow.(私のフライトは明日8時です)
→決められたタイムテーブルに基づいているものは現在進行形にならない
I’m taking the eight o’clock flight tomorrow.(明日8時の便に乗ります)
→現在進行形(自分で立てた計画で確実に起こるであろう未来)
We’re going camping this weekend.(私たちは今週末にキャンプに行きます)
→現在進行形(自分で立てた計画で確実に起こるであろう未来)
×誤った使い方:We go camping this weekend.(私たちは今週末にキャンプに行きます)
→決められたタイムテーブルに基づいているものではないので現在形にならない
The movie starts at three.(映画は3時に始まる)
→現在形(決められたタイムテーブルに基づいた未来)
×誤った使い方:The movie is starting at three.(映画は3時に始まる)
→決められたタイムテーブルに基づいているものは現在進行形にならない
I’m watching a movie at three.(3時に映画を見ます)
→現在進行形(自分で立てた計画で確実に起こるであろう未来)
I will wait until it stops raining.(雨がやむまで待ちます)
→時を表す接続詞の後の現在形。「I will wait until it’ll stop raining.」 や「I will wait until it’s stopping raining.」とはならない
知っておくとためになる応用的な現在形・現在進行形の使い分け方
現在形・現在進行形の基本的な使い方の確認ができたら、もう少し踏み込んだ使い方の違いも学びましょう。
「本・映画での状況説明」を表す現在形 vs 「絵や写真での人の行動」を表す現在進行形
本や映画、演劇などで一連の出来事には現在形を使いますが、絵や写真での行動を説明する時には現在進行形を使います。
映画化も予定されているJeneva Rose作のベストセラー小説『Perfect Marriage』冒頭の一節を例として見てみましょう。この一節の後も現在形で語られていきます。
(このスリラー小説の映画化は『ハンガーゲーム』や『Mr. & Mrs.スミス』の製作チームのパトリック・ワックスバーガーがプロデュース、脚本は『アポロ13』やゼメキス監督の『キャスタウェイ』を担当したウィリアム・ブロイルズ、監督はTVシリーズ『迷宮のアリス』やセクハラ撲滅プロジェクトの動画を監督したシーガル・アヴィンに決定しています。)
“Not again.” The disappoint in his voice fills the room and hangs there like a light fog, clouding us from one another. I take in a deep breath, removing the haze, and let it out just as quickly, clearing the path back between us.
(「またか」彼の声に含まれる失望感が部屋に満ちる。それが薄い霧のように立ち込め、互いを曇らせている。私はもやを取り去ろうと大きく息を吸い込み、私たちの間に再び道を切り開こうと、吸い込んだもやをすぐに吐き出す。)
本の内容について説明する時も、日本語のように過去形は使われず、現在形が使われます。映画について説明する時も同様です。
(以下、Princetonbookreview.comから引用)
Out in the secluded woods, at the couple’s lake house, Adam engages in a passionate affair with Kelly Summers. But one morning everything changes. Kelly is found brutally stabbed to death and now, Sarah must take on her hardest case yet, defending her own husband, a man accused of murdering his mistress.
(人里離れた森の中、夫婦の住む湖畔の家で、アダムはケリー・サマーズと情熱的な交際を続けていた。しかしある朝、すべてが一変する。ケリーが無残にも刺殺されているのが発見され、サラは愛人殺害の容疑をかけられた自分の夫を弁護するという、これまでで最も困難な事件に挑まなければならなくなった。)
このように本の内容や映画について簡単に説明する時は現在形が使われますが、絵や写真に映る人物の行動について説明する時は現在進行形が使われることが多いです。
In this photo, my sister is playing with her favorite toy.
(この写真で私の妹はお気に入りのおもちゃで遊んでいます)
「習慣」を表す現在形 vs 「一時的・新しいあるいは頻繁に起こる習慣」を表す現在進行形
「毎朝コーヒーを飲む」「週に2回ジムに通っている」というような習慣や定期的に行うことは現在形で表します。習慣を表す場合、always、often、every weekなどの頻度を表す副詞が一緒に使われることが多いです。
一方、現在進行形は一時的あるいは新しい習慣に対して使われます。この場合に一緒に使われることの多い頻度を表す副詞としてはthese days(最近)や at the moment(今のところ)があります。
She’s eating a lot these days.(彼女は最近よく食べるね)
→前はそれほど食べなかったことが推測される
She’s going for a walk every morning.(彼女は毎朝散歩に出かける)
→前は毎朝散歩に行ってなくて、新しく始まった習慣
「いつも電車に乗り遅れる」「よくお皿を割る」といった、常にではないけれど頻繁に起こる習慣についても現在進行形が使われます。その際は、alwaysやconstantlyなどの副詞を強調する意味で一緒に使われることが多いです。
I’m constantly missing the train.(私はいつも電車に遅れる)
→毎日ではないが、しょっちゅう電車に遅れる
You’re always losing your keys.(よく鍵なくしてるよね)
→常に起こるわけではないが、頻繁に起こる
「現在進行形+always」で、あたかも常にそうであるかのように誇張してイラっとしている気持ちを表すこともできます。日常会話でよく使われる形なので、ぜひ覚えておきましょう。
She’s always leaving her room in a mess! (彼女はいつも部屋を散らかしっぱなし!)
You’re always blaming me! (あなたはいつも私のせいにするのね!)
「スポーツの解説」を表す現在形
スポーツの解説をする時、「投げた」「キャッチした」「ゴールした」とその瞬間に起こっていることを説明しますが、現在進行形ではなく現在形が使われます。
Neymar takes the ball, runs toward the keeper, shoots, and scores!
(ネイマールがボールを取って、キーパーに向かって走る、そしてシュート!ゴール!)
スポーツ実況などいつもと違うその場だけの行動を表すbe動詞の現在進行形
be動詞の現在進行形は会話ではよく使われますので、ぜひ覚えておきたい用法です。普段の性格や性質と違ってその場だけあるいは短期的な行動を表します。日本語では「かわいこぶってる」「意地悪したくなっちゃった」のようなニュアンスに近いものがあります。
She’s mean.(彼女は意地悪だ)
→性格的にいつも意地悪だ
She’s being mean.(彼女は意地悪になっている)
→性格的に意地悪というわけではなく、意地悪な行動をしている
A: I’ll do the dishes. (洗い物しておくよ)
B: Wow, it’s the first time you have offered to do it.(ワオ、そんなこと言うの初めてね)
A: I’m being nice.((今だけ)優しくしてるだけだよ)
英語の現在形と現在進行形の使い分けがわかったら
日本語と同じように、英語でも書き言葉としては正しくないけれど、会話ではよく使われる形もあるので迷うことも多いと思います。状況に応じてサッと使い分けられるようになると、日常会話における上級者の仲間入りが見えてきます。なんども練習して使いこなせるようになりましょう。
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