イディオムとは、ある考えや意見を表現するために日常的によく使われるフレーズや格言のことで2語以上の単語で成り立つものです。英語ネイティブは日常会話や英文の中で多くのイディオムを使うので、英語力向上にイディオムの知識が欠かせません。
イディオムは一見複雑に見えますが、実は学ぶととても楽しいものです。意味のない単語同士が組み合わさっている場合も多いですが、自分なりのイメージを思い浮かべると格段に覚えやすくなります。例えば、「hold your horses」というイディオムは、今にも走り出そうとして暴れている馬を抑える姿をイメージすると、「落ち着く」「少し待つ」という言葉の意味を覚えることが楽になりませんか?
このように状況をイメージしながら覚える工夫をしてみてください。イディオム帳を作って、絵を描いたり自分なりの解説を加えてもいいですね。イディオムにはクスッと笑えるようなものもたくさんありますし、使うイディオムによって自分の個性やユーモアのセンスをアピールすることもできる便利なものですので、たくさん覚えて使いこなせるようになるといいですね。
この記事では「動物」を使った面白いイディオムをリストアップしています。イディオムがサッと口から出るようになるには慣れるしかありません。英会話レッスンでどんどん使ってみましょう。
イディオムを学ぶ理由
英語力アップにイディオムを学ぶことは必須です。英文を読んでいたり会話中に出てきたイディオムを知らないと意味を取り違えたり、文章の意味が理解できなくなること以外の大きな理由として次の3つがあげられます。
英語の表現力を広げる
イディオムは英会話で聞いたり文章で目にする2つ以上の単語からなる言葉で、特定の意味を持ち、英語文化のエッセンスを引き出した言葉の集まり。それぞれのイディオムがもつ意味は、文字通りの意味ではなく英語独特の味わいがあるのが特徴です。
イディオムを使うと会話を単調にせず、楽しくすることができるほか、緊張した場面やそのまま言葉にすると嫌な感じに取られかねない場面で、話し方にユーモアを加えることができるというメリットもあります。
英語を料理に例えてみましょう。基本的な部分はよくても、さらに美味しくしたり美しく仕上げるためはちょっとした味付けや盛り付けの工夫が必要になりますよね。イディオムはその意味で「ワンランク上に仕上げるための隠し技」ともいうべき存在です。イディオムを覚えて使いこなせるようになることで、ワンランク上の表現力を身につけることができます。
会話力アップ
ネイティブスピーカーは、さまざまな種類のイディオムを口語や文章で頻繁に使います。それはイディオムに慣れ親しみ、それがどのような文脈で使われるべきかを知っていて、イディオムを使って話すことが簡単で自然だと感じているからです。
日本語も同じです。「揚げ足をとる」「長い目でみる」「顔が広い」「口が軽い」といった慣用句を、日常で特に意識せずに自然に使いこなしていますよね。でも私たち日本人のように自然に使いこなすのは、日本語が相当上手な外国人でも難しいことでしょう。
ある意味ネイティブかそうではないかは、発音やアクセントを除き、その純粋な言語能力だけにフォーカスすると、イディオムをどれだけ知っているか、使いこなせるかが重要なカギとなります。つまりイディオムを使いこなせるようになると、よりネイティブスピーカーの会話力に近づくことができるということになるのです。
また、イディオムやことわざの適切な活用は、聞き手にインパクトを与えたり印象を強く残すという効果もあります。フォーマル・インフォーマル両方の場面でよく使わるので、ドラマや映画、ニュース、TEDのスピーチなどで、どのイディオムがどんな場面で使用されているかチェックしてみましょう。きになるもの、使いたいものがあればメモして、イディオムが含まれている文章ごと覚えるようにすると、より実践で使いやすくなります。
リスニング力アップ
リスニング力アップにもイディオムの知識は欠かせません。特定の意図を持ってイディオムを使っている場合、例えばリスニング力が高くても、その言葉がわからないと話している内容が理解できないことがあります。個々の単語の意味は理解できても、イディオムとして使われている場合は全く別の意味になっているからです。
ネイティブではない外国人が話す英語の方が理解しやすいというのは、話すスピードや発音ではなく、実はイディオムを使う頻度や使われる英単語・イディオムのレベルの違いにあります。一般的に同じ国の人のアクセントはお互い聴き慣れているため理解しやすいですが、ネイティブ並みにイディオムを駆使した人の話は母国同士で同じようなアクセントがあっても非常に聴きにくく感じると思います。
リスニング力アップには、ネイティブの話すスピードに慣れることも大事ですが、それと合わせてイディオム学習を積極的に取り入れましょう。単語帳で必死に単語を覚えるよりも英文をたくさん読んで、より多くのイディオムを覚える方がリスニング力アップ、全体の英語力アップにつながります。
動物を使ったイディオム20選
数ある動物を使った面白いイディオムの中で、特によく使われるもの、覚えておきたいものをリストアップしました。イメージしながら覚えていきましょう。
hold your horses「少し待つ、止まる」
冒頭で例としましたが、走り出そうとする馬の手綱を引いて抑えることをイメージするといいでしょう。文脈によって「落ち着く」「少し待つ」「止まる」などの意味で使われます。
Hold your horses! You’re walking too fast! (ちょっと待ってよ!早く歩きすぎ!)
I need to tidy up here before we leave. Hold your horses.(出かける前にここを片付けないと。ちょっと待ってて)
raining cats and dogs「どしゃ降り」
このイディオムはご存知の方も多いのではないでしょうか。猫と犬は仲が悪いもの同士の典型です。ギャンギャンと喧嘩していることをイメージしてすると覚えやすいです。通常、進行形で使われます。
Oh, no! It’s raining cats and dogs! I forgot my umbrella…(参ったなあ、どしゃ降りだ!傘忘れちゃったよ)
Let’s cancel the picnic. It’s been raining cats and dogs for 3 days and I don’t think it will be better tomorrow.(ピクニックはキャンセルしよう。3日間どしゃ降りで、明日天気が回復するとは思えないし)
Has the cat got your tongue?「どうして黙り込んでるの?」
Has theを省略して、会話では「Cat got your tongue? 」あるいは「Cat’s got your tongue?」と使われることが多い言葉です。恥ずかしくて黙っている相手や、「いうことはないわけ!?」と相手をなじる場合に使われます。猫に舌を抑えられては確かに話すことはできませんね。
What’s wrong? Cat got your tongue?(どうかした?どうして黙っているの?)
Did you cheat on me? Answer me! Cat got your tongue?(浮気したの?答えて!何かいうことはないわけ?)
when pigs fly / pigs might fly「まさか、そんなことあるわけない」
豚が空を飛ぶのは、天と地がひっくり返ってもありえないことです。まさにありえないことに対して使う言葉で、ありえないことを言っている相手に対してからかった調子で返事するときに使うことができます。豚に羽が生えて空を飛んでいる姿を想像するとクスッと笑えますね。
A: I think she likes me and wants to go out with me. (彼女は僕に気があって、付き合いたいんじゃないかな)
B: Yeah, and pigs might fly!(そうだね、まああり得ないけど!)
A: This is gonna work! I’ll be super rich and buy a real castle!(これはうまくいくよ!大金持ちになって本物の城を買うんだ!)
B: Oh, come on! When pigs fly!(おいおい、何言ってんだか)
pig out「大食いする」
豚は与えれば際限なく食べるイメージがありますね。一度にたくさん食べることを意味します。「〜を大食いする」という場合はonをつけます。
I pigged out on cupcakes at the party. I’m not feeling well.(パーティーでカップケーキ食べすぎちゃって。具合悪いの)
I always pig out during my holiday and put on some weight!(休暇中はいつも食べすぎて太っちゃうのよね)
chicken out「怖気づく」
名詞のchickenはスラングで、無防備で弱々しいイメージの鶏に例えて「臆病者」を意味しますが、それが動詞になって使われている形です。
I wanted to ask her out, but I chickened out when I saw her.(彼女をデートに誘いたかったんだけど、会ったら怖気付いちゃってさ)
My friend invited me to bungee jumping, but I chickened out at the last minute. (友達がバンジージャンプに誘ってくれたけど、直前で怖気付いちゃって)
in the doghouse「面目を失う、まずい状況にいる」
飼い主に怒られた犬が犬小屋でしょんぼりしている様子のイメージです。特に彼女や奥さんに怒られた男性に対して使われることが多いイディオムです。
I’m in the doghouse – I forgot to buy a birthday present for my girlfriend!(やばい、彼女に誕プレ買うの忘れてた!)
If I forget our anniversary again, I’ll really be in the doghouse with my wife.(もしまた結婚記念日忘れたら、奥さんに殺されちゃうよ)
ants in one’s pants「興奮や心配で落ち着かない」
アリが服の中を這いずり回っていたら、ぞわぞわして落ち着きませんよね。ポジティブにもネガティブにも両方の意味で使える面白いイディオムです。少し古風な表現ですが、こういう少し古臭い感じの方言をあえて使ってみるのもユニークな印象を与えます。
I’m giving a speech at the conference tomorrow. I’ve got ants in my pants.(明日の会議でスピーチをするんだけど、緊張しちゃって落ち着かない)
We’re going on holiday tomorrow. My girls have ants in their pants. (明日からホリデーなんだ。娘たちは大興奮してるよ)
an elephant in the room「誰も話題にしたくない問題」
その部屋にいる人々の間で議論するのが難しいか、対立を引き起こす可能性があるため、誰も話したがらない明らかな問題や困難な状況があることを意味するイディオムです。ゾウのように目立つものを逆にあえて見過ごすことです。部屋にゾウがいて変な状況なのにみんな見て見ぬふりをしている感じのイメージでしょうか。
His drinking problem was the elephant in the room.(彼の飲酒問題を誰も話題にしたがらなかった)
Increasing poverty in Japan is the elephant in the room. (日本における貧困の増大について誰しもが見て見ぬ振りをしている)
let the cat out of the bag「秘密を漏らす」
広く言われている言葉の由来は、豚を売る悪徳商人が、購入した豚を運びやすいように袋に入れて猫とすり替え、騙された購入者は家に帰ってから猫を袋から出して初めてそのことに気がつくというものです。普通に考えたら大きさも重さも違うので無理がありますが、面白い説ですね。
Somebody must have let the cat out of the bag about her surprise birthday party.(誰かが、彼女のサプライズ誕生パーティーのことを漏らしたに違いない)
I won the lottery but don’t let the cat out of the bag!(宝くじに当たったんだけど、誰にも言わないでね)
get/have your ducks in a row「事前に準備する・組織する」
母親の後ろについていく子ガモを想像すると、大抵の場合は横並びなどではなく一直線です。そのイメージから、仕事上のプロジェクトやタスク、計画などをきちんとオーガナイズしておくという意味で使われます。
It would help if you had had your ducks in a row before your retirement.(退職前にきちんと準備しておくべきだったね)
I’m trying to get my ducks in a row before I meet my potential client.(見込み客に会う前に色々準備しておくつもりです)
butterflies in your stomach「緊張してそわそわする、ドキドキする」
日常会話でよく使われる表現です。緊張した時にお腹がムズムズする感じがありますが、それを蝶々がひらひら舞う感じに例えています。
I’ve given many speeches, but I still get butterflies in my stomach before speaking in front of many people.(何度もスピーチをしたことがあるけど、やはり多くの人の前で話す前は、緊張するなあ)
Whenever I see him, he gives me butterflies in my stomach.(彼に会うといつもドキドキしちゃうの)
make a beeline「一直線に進む」
ハチは巣に戻る時、一番近い距離を使ってまっすぐ帰るとされています。その様子から何かを目指して素早く直進する様子を表しています。
When she saw Tim talking to a girl, she made a beeline for him.(ティムが女の子と話しているのを見て、彼女は一直線に彼の元へ向かった)
My son made a beeline for his room as soon as he came back.(息子は帰ってくるとすぐに自分の部屋へ一直線に向かった)
the lion’s share「大部分、一番大きな分け前」
イソップ寓話の「獅子の分け前」で、ライオンは他の獣たちと一緒に狩りをした後、戦利品の大部分を得ることから生まれたイディオムです。
My uncle got the lion’s share of the inheritance.(私の叔父は遺産の大部分を手に入れた)
He is upset that his sister ate the lion’s share of the pizza.(彼は妹がピザの大部分を食べたことに腹を立てている)
like a bull in a china shop「不器用、不注意」
陶器のお店に大きな牛がいて破壊されるようなイメージです。そのことから慎重な思考や行動を必要とする状況であるにも関わらず、動きや振る舞いが非常に不注意だったり不器用であることを指します。
You broke a plate again! You really are like a bull in a china shop.(また皿を割ったの!?本当に不器用ねえ)
The prime minister often behaves like a bull in a china shop in a delicate situation.(首相はデリケートな場面でよく無神経な行動をする)
you can’t teach an old dog new tricks「新しいことは無理だ」
このイディオムのそのままの意味では「老犬に新しい芸を教えることは無理」ですが、そこから特に年配者にとって新しいことを学んだり、性格や習慣を変えることが難しいことを表しています。
My grandfather is 80 years old, but he has his channel on YouTube! Who says you can’t teach an old dog new tricks?(私の祖父は80歳だけど、YouTubeに自分のチャンネルを持ってる。年寄りに新しいことは無理なんて誰が言ったの?
My son bought me a new phone, but I don’t know how to use it. You can’t teach an old dog new tricks!(息子に新しい携帯を買ってもらったけど、使い方がわからないんだ。やっぱり年寄りには難しいな)
(as) busy as a bee「非常に忙しい」
ハチは花から花へと、常にせわしなく動き回っているイメージですよね。そんなハチに例えて、忙しい状況を表しています。また、いつも忙しくしている人のことをa busy beeと呼ぶこともあります。
Sorry for not calling you back. I’ve been such a busy bee!(電話しなくてごめんね。 めちゃ忙しくて)
Can we raincheck our catchup? I’m busy as a bee with my report.(会う約束はまた今度にしてもらってもいい?レポートに追われてて)
a little bird told me「小耳にはさんだ」
誰が言ったか不明だったり、秘密にしたい時に使う表現で、可愛らしい小鳥が耳にささやくイメージです。
A little bird told me that you got engaged. I’m so happy for you. Congratulations!(小耳にはさんだけど婚約したんだってね。本当によかったね、おめでとう!)
A little bird told me that our boss is getting fired, but please don’t tell anyone else about it.(小耳にはさんだけど、上司がクビになるらしいよ。でも誰にも言わないでね)
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