誤ったハンドサインで命の危険も?覚えておきたい英語圏のハンドサイン

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英語でコミュニケーションをとっているとき、思うように伝わなかったり適切な表現が思い浮かばなかったりして、ついつい手振り身振りを使うことはありませんか?けれども日本で使われるハンドサインやジェスチャーが、英語圏で同じ意味だとは限りません。そのため間違えたハンドサインを使うと、円滑なコミュニケーションがとれないばかりか、誤解が生じてトラブルに発展してしまう可能性もあります。

そこで今回は、英語圏で使われる代表的なハンドサインやジェスチャーをご紹介します!

日本でよく使うハンドサインと海外での意味

英語圏の人に比べると日本人はあまりハンドサインやジェスチャーを使わないイメージがありますが、日本人も「おじぎ」をしたり「ピースサイン」をしたりしますよね。何気なくするハンドサインですが、国が変われば意味も変わることがあるので、さっそく見ていきましょう。

「はいチーズ」でお馴染みのピースサイン

日本では写真を撮るとき、「はいチーズ」というかけ声に合わせてみんなが「ピースサイン」をしますよね。英語圏ではこのピースサインを「Vサイン(V sign)」と言い、「勝利(Victory)」を表します。もちろん、日本と同じように「平和(Peace)」という意味もあり、その由来はアメリカの平和運動だそう。どちらにしても、ポジティブな意味です。

ところが手の甲を相手に向けてVサインを下から上に移動させる「裏ピースサイン」は、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカなどでは「侮辱」「軽蔑」「卑猥」という悪い意味。中指を立てるのと同様の意味を持つ攻撃的なハンドサインです。

最近、女性が小顔に見えるからと手の甲を相手に向けてVサイン(裏ピース)をしてアゴにあてるポーズが人気ですが、外国人の前でこのハンドサインをするのはおすすめできません。

「いいよ」「わかった」を表すオッケーサイン

日本でもよく使われる、親指と人差し指で輪を作るオッケーサイン。「いいよ」「わかった」などの承認や、「おいしい!」「いいね!」のようなポジティブの意味で使います。

けれども海外ではオッケーサインがネガティブな意味に受けたられるリスクがあります。アメリカでは近年、オッケーサインが「白人至上主義のシンボル」となり、アメリカ最大のユダヤ人団体である「名誉毀損防止同盟(Anti-Defamation League)」は、2019年にオッケーサインを「ヘイト(増悪)シンボル」のリストに追加したと発表。アメリカのテーマパークできぐるみを着たスタッフの一人が来園中の子どもと記念撮影をした際、オッケーサインをしていたことで騒ぎになったことが背景にあるようです。と言うのも、写真撮影をした子どもが白人と黒人のハーフだったから。このきぐるみの人物は以前にもヒスパニック系の子どもと写真撮影した際にオッケーサインをしていたため、両家族がテーマパークを訴えたそうです。

また、オッケーサインがヘイトシンボルのリストに追加された翌2020年には、ニュージーランドのクライストチャーチにあるモスクで銃乱射事件を起こした犯人が、初公判で手錠をはめられたままオッケーサインをしている写真が報道されて話題になりました。

さらに、ラテンアメリカなどではオッケーサインが相手を侮辱する意味となり、フランスでは「ゼロ」や「無能」を表します。日本では何気なく使うオッケーサインですが、海外では誤解を招く恐れがあるので使用には注意しましょう。

参考:OK hand sign added to list of hate symbols – BBC News,気をつけたい、OKサインは白人至上主義のシンボル!? | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

「やったー!」と喜びを表すガッツポーズ

「やったー!」「よし!」と拳を上に突き出すガッツポーズは、勝利などの喜びを表します。また、「頑張れ!」と応援するときにもするジェスチャーですよね。けれども、パキスタンではガッツポーズが相手を「侮辱」する意味になるそう。

さらに、フランスやブラジルではガッツポーズをして反対の手でガッツポーズをしている方の腕をトントンと叩くと、中指を立てるのと同じように相手を侮辱する意味になります。これらは英語圏ではありませんが、覚えておいた方がいいでしょう。

「おいで!おいで!」の手招きジェスチャー

手のひらを下に向けて、親指以外の4本の指を前後に動かして「おいで!おいで!」と手招きするジェスチャー。海外ではまったく反対の意味になり、「あっちに行け!」と野良犬を「シッ!シッ!」と追い払うようなニュアンスです。また、顔の横で「おいで!おいで!」の手招きジェスチャーをすると、「Hello!」と手を振っていると受け取られ、手を振り返されるかもしれません。

英語圏で「こっちへ来て」という意味でハンドサインを使うなら、「おいで!」の手招きの手をひっくり返して手のひらを上にし、4本の指を前後に動かしましょう。

「違います」を表す顔の前で手を左右に動かすジェスチャー

「違います」「私じゃないです」と何かを否定するとき、顔の前で手を左右に動かしますが、このハンドサインは英語圏で「臭い」という意味。否定するときに使うと相手が「?」となってしまうので注意が必要です。

「違います」「私じゃないです」と否定するときには、Noを意味する「首を横に振る」動作でOK!ハンドサインは必要ありません。

英語圏でよく使われるハンドサイン

次に、英語圏でよく使われるハンドサインやボディーランゲージを見ていきましょう。日本で使われるものもありますが、英語圏特有のものもあるので、この機会に覚えておきましょう。洋画や海外ドラマなどを見るときにも、より理解しやすくなるはずです。

goodを表すサムズアップ

親指を立てるサムズアップ(thumbs up)は、日常生活で頻繁に使われるハンドサインです。英語圏では「good」や「OK」など肯定的な意味を表すので、日本での使われ方と同じと言えるでしょう。

ソーシャルメディアなどの「いいね」ボタンや絵文字でも広く使われているので、ネガティブな意味はないだろうと思われがちですが、中東やアフリカなどの一部の国では「侮辱」を表します。

また、サムズアップの親指を自分の胸のあたりに向けると「私?」という意味。日本人が人差し指を自分の顔に向けて「私?」とする仕草と同じ意味です。そう言えば、ヒッチハイクするときにもサムズアップのハンドサインですね。ヒッチハイクのサムズアップは世界共通のようで、国によってはサムズアップのハンドサインに赤い取り消し線が引かれた道路標識があり、その意味は「ヒッチハイク禁止」を表します。

good luckを表すフィンガーズ・クロスド

人差し指と中指を交差させて手のひらを相手に向けるハンドサインがフィンガーズ・クロスド(fingers crossed)で、「I’ll keep my fingers crossed(幸運を祈っているよ)」という意味。日本ではあまり馴染みがないハンドサインかもしれませんが、英語圏ではよく使われます。

「Good luck!」と相手の幸運を願ったり、「頑張ってね!」「うまく行きますように」と相手にエールを送ったりするときに使います。もちろん、「来週英語の試験があるんだよね。受かるといいんだけど」のように、自分が願っていることなどを話すときにこのハンドサインを使っても構いません。

「知らない」「仕方がない」を表すシュラグ

シュラグ(shrug)は「肩をすくめる」こと。「知らない」「わからない」「仕方がない」「関係ない」「さあね」という意味で使うジェスチャーで、ときには腕を少し外側へ広げて手のひらを上に向ける仕草とともに肩をすくめます。洋画や海外ドラマなどでよく目にするのではないでしょうか。

「知らない」や「さあね」などの言葉とともに肩をすくめるときもあれば、何も言わずに肩だけすくめるのが返事になるときもあります。慣れないと不快感を覚えるかもしれませんが、肩をすくめている人に悪気は一切ありません。

「まあまあ」を表すソーソー

so-so(ソーソー)が「まあまあ」という意味だと知っている人は多いでしょう。よくもなく悪くもない状態を表しますよね。この「まあまあ」を表すハンドサインは、手のひらを下にして左右を上下にヒラヒラと動かします。

たいてい相手の質問に対する返事として、「まあまあだね」と答えるときに使います。「so-so」と言いながら手のひらをヒラヒラさせることもあれば、何も言わずにハンドサインだけで返事をすることも。

もちろん、「How are you?(元気?)」や「What’s up?(調子はどう?)」などの挨拶の返事にも、このハンドサインが使えます。ただし、この場合はネガティブに受け取られるので、「What’s wrong?(どうしたの?)」のように聞かれるかもしれません。

皮肉やからかいを表す引用のエアクオーツ

Vサインした人差し指と中指をクイクイっと曲げるハンドサインがエアクオーツ(air quotes)です。洋画や海外ドラマなどで見たことがあるかもしれませんね。quoteは「引用」という意味で、英語では引用するときにダブルクオーテーションマーク(double quotation marks)「“ ”」が使われます。このマークを二本の指で表し、その仕草を空気中で行うため、このハンドサインをエアクオーツと呼びます。

引用を表すサインですが、実際に誰かの発言を引用するときに使うのではなく、たいてい皮肉やからかいを込めた発言や、何かを強調したいときに使います。英語圏では非常によく使われるハンドサインなので覚えておきましょう。

称賛や祝勝を表すハイファイブ

ハイファイブ(high five)は二人がお互いの手のひらを同時に叩き合わせるジェスチャーのこと。たいてい腕を伸ばして高い位置で手のひらを叩き合いますが、顔の位置で叩き合うこともあります。「やったねー!」「すごいじゃん!」「イエ~イ!」と、何かが成功したときに称賛や祝いの気持ちを分かち合う仕草です。

「High five!」と声をかけながら手を叩き合うこともありますが、会話では「Give me five!」とHighを略す場合もあります。日本語では「ハイタッチ」と言いますが、これは和製英語なのでネイティブには通じません。

ちなみに、ハイファイブや握手をしようとしたのに空振りになってしまうことを、「left hanging(レフト・ハンギング)」と言います。「left hanging」とYou Tubeで検索すると、面白い動画が見られますよ!

「見ているからな」を表すウォッチングユー

ウォッチングユー(watching you)は、日本であまり馴染みがないハンドサインかもしれませんね。Vサインの人差し指と中指の指先を自分の両目に向けたあと、その二本の指先を相手に向けるハンドサイン。「I’m watching you(自分はあなたのことを見ているからな)」と相手に忠告を与えるときなどに使います。

深刻な場面だけでなく、先生がいたずらっ子にウォッチングユーのハンドサインをして、「いたずらするんじゃないよ」「ちゃんとやりなさい」と注意を促すような場面でも使われます。

いろいろな意味があるコルナサイン

人差し指と小指を伸ばして角のようにしたコルナサイン(Corona Hand Gesture)には幅広い意味があります。ハードロックのバンドやファンが「Rock on!(思いっきりロックしようぜ!)」という意味で使っているのを目にしたことがあるかもしれませんね。彼らにとっては「承認」や「喜び」のシンボルです。

一方、多くのヨーロッパ諸国では、コルナサインが「悪魔」を意味します。「コルナ」はイタリア語で「角」という意味なので、「角のサイン(Sign of the horns)」とも呼ばれ、地中海に面した国やラテン諸国では侮辱的な意味になり、パートナーの浮気を表すそう。

また、ハタ・ヨーガ(ヨーガの一種)ではコルナサインが体を若返らせると信じられ、仏教では悪魔を追い払う厄除けのジェスチャーだと考えられています。

ちなみにコルナサインに加えて親指も立てると、アメリカの手話で「I love you(愛している)」という意味です。

「アロハ!」を意味するハワイのシャカサイン

シャカサイン(Shaka sign)はコルナサインに似ていますが、立てる指が異なり、親指と小指を立てて手の甲を相手の方に向けます。このサインはハワイの挨拶である「アロハ!(Aloha)」を意味するジェスチャーです。日本語では「アロハポーズ」と呼ばれているようですね。

シャカサインはハワイで日常的に使われますが、その後だんだんとサーファーの間で使われるようになり、世界へ広がっていきました。

海外ではNG!注意しておきたい危険なハンドサイン

「裏ピース」「手招き」「オッケー」など海外で注意が必要なハンドサインがあるとお伝えしましたが、最後にやらない方がいい危険なNGハンドサインを見ていきます。

英語圏でNGになる危険なハンドサイン

国が変わればハンドサインの意味が変わることは十分に理解できたはずです。ここでご紹介するハンドサインは、面白半分でするとトラブルになる可能性があるので注意しましょう。

中指を立てる

手の甲を相手に向けて中指を立てるハンドサインは、洋画や海外ドラマなどで見かけたことがあるでしょう。日本でも外国人のマネをしてこのハンドサインをする人を見かけますが、「くたばれ!」という意味になるので喧嘩を売っていると思われてしまいます。

英語圏だけでなく世界的に「強い侮辱」を表すので、トラブルに巻き込まれないためにもむやみに使わない方が無難です。

サムズダウン

サムズダウン(thumbs down)はサムズアップの親指を下に向けたハンドサインで、絵文字でも使われていますよね。サムズアップの反対の意味になるので、「Bad(悪い)」や「Not OK(よくない)」のような否定や不承認を表します。スポーツなどのブーイングなどでも使われるハンドサインです。

中指を立てるほど危険なハンドサインではありませんが、古代ローマの剣闘士競技で観客が「殺せ!」という意味で使っていたという由来があるので、挑発的なハンドサインであることには違いありません。

英語圏以外でNGになる危険なハンドサイン

最後に、英語圏以外でNGになるハンドサインやジェスチャーもいくつか見ていきましょう。

手のひらで頭を撫でる

日本ではよく「いい子だね」「よしよし」と子どもの頭を撫でますが、タイでは絶対にやってはいけません。なぜなら、頭は神聖なもの、魂が宿る場所と考えられているからです。親しい間柄でも頭を触られると不快に感じる人がいるので注意しましょう。

腕を伸ばして斜め上に突き出す

腕を伸ばして斜め上に突き出すジェスチャーは、「ナチス式敬礼」と同じ形になるのでドイツではNG!法律で禁止されているので、腕を伸ばして斜め上に突き出すと逮捕されます。ドイツ国内ではもちろんですが、他の国でもしない方がいいでしょう。なぜなら、この敬礼は世界的に知られているからです。

手のひらを相手に向ける

日本では手のひらを相手に向けると、「もう結構です」と何かをストップさせたり「ちょっと待って」と相手を静止したりするときに使います。特にネガティブな意味はありませんが、ギリシャではこのように五本の指を広げて見せるのを「moutza」と呼び、最も一般的な「相手を侮辱する」ジェスチャーです。

また、パキスタンやペルシャ湾周辺でもネガティブな意味になるので、うっかり手のひらを相手に向けないように注意しましょう。

ちなみに、英語圏では「これ以上話したくない」と不快感を示すときに、「Talk to the hand」と言いながら手のひらを相手に向けます。

左手で食事や握手をする

ヒンズー教やイスラム教の国では、左手で食事をしたり握手をしたりするのはNGです。なぜなら、左手はトイレでおしりを拭くときに使われるので汚れていると考えられているから。左手でものを渡すと不快に思われるので注意が必要です。

海外のハンドサインが理解できたら

国が変わればハンドサインやジェスチャーの意味は大きく異なります。ちょっとした仕草で誤解を招いてトラブルになるのは避けたいもの。訪日外国人も多いので、よく理解して日頃から注意しましょう。

海外のハンドサインが理解できたら、次はコミュニケーションの主体となる英語スキルを磨いてみてはどうでしょう。ハンドサインと流暢な英語で、コミュニケーションの質も上がるはず!より効果的に英語を身につけたい人には、レアジョブ英会話がおすすめです。経験豊富な講師陣のレッスンには定評があり、無料体験レッスンも利用できます。

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