英語と日本語の発音の違いから学ぶ!効果的な発音学習のコツとは

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英語と日本語にはさまざまな違いがあります。当然のことながら文法は大きく異なり、その最たるものが語順です。英語は一般的にSVO(主語・動詞・目的語)型と言われ、日本語はSOV型、つまり動詞が文末にくる言語で、文末まで疑問文なのか否定文なのか肯定文なのかわかりません。これは英語ネイティブが日本語を学ぶときに難しく感じる点の1つです。

英語と日本語は、言語を構成する「文法」「語彙」「発音」という要素のどれをとってもまったく異なります。特に「発音」は学校教育で深く学習しなかった上に、日本語にない音が多く存在するので難しいですよね。

このような「違い」は言語を学ぶ上での難しさですが、突き詰めると「おもしろさ」でもあります。

そこで今回は、英語と日本語の「発音の違い」を探っていきましょう。違いを知れば、どのように発音学習をすればいいのかという「おもしろさ」が得られ、効果的に上達する発音学習のコツが掴めるはずです!

英語と日本語の発音の違い

英語はそこそこ読めるけど「話すのは苦手」という人は少なくありません。日本の学校教育では文法をたくさん学習しますが、発音や双方向のコミュニケーションには重点が置かれていなかったからでしょう。

さっそく、英語と日本語の「発音の違い」を見ていきます。

母音・子音の数

まず、母音と子音の数の違いからです。どんな言語でも声が喉を通って口から発せられるには、舌の位置や唇の形を変えなければなりません。この位置や形の違いにより、さまざまな音を発することが可能になります。

その中で母音は舌や唇などの妨害を受けずに、舌の前後の位置と口の開き具合により音を変化させます。要するに、声帯振動が加わった息を妨害せずに、口の中に音を共鳴させるのが母音ということ。一方、子音は舌や唇など口のどこかで音を妨害して作る音のことです。

母音の数

日本語の母音はご存じの通り、「ア [ɑ]・イ [i]・ウ [ɯ]・エ [e]・オ [o]」の5つ。また、「おばさん(obasan)」「おばあさん(obaasan)」のように母音の長短で意味を区別します。

一方、英語の母音は少なくとも15、長母音を含めると約20もあり、日本語の3~4倍の数です。下の2つの単語はカタカナ読みをすれば「カット」「キャット」と「ア」の音ですが、それぞれ異なる母音であるため、発音は微妙に違います。

cut:/ kʌt /

cat:/ kæt /

ネイティブはこの母音の音の違いを聞き分けて単語を区別しているため、正確に発音しないとなかなか伝わりません。以下に代表的な英語の母音の発音記号と対応する英単語を示しますので、音の違いをチェックしてみてください。辞書により発音記号が異なることがあるので、ここではOxford Advanced Learner’s Dictionaryのアメリカ英語の発音記号を記します。

<英語の母音の例>

i easy / ˈiːzi any / ˈeni between / bɪˈtwiːn
ɪ is / ɪz information / ˌɪnfərˈmeɪʃn import / ˈɪmpɔːrt
e bed / bed game / ɡeɪm hate / heɪt
æ after / ˈæftə animal / ˈænɪml contact / ˈkɑːntækt
ʊ good / ɡʊd sugar / ˈʃʊɡər woman / ˈwʊmən
ə again / əˈɡen another / əˈnʌðər ahead / əˈhed
ʌ but / bʌt bus / bʌs summer / ˈsʌmər
ɑ stop / stɑp copy / ˈkɑpi honest / ˈɑnəst
feel / fiːl easy / ˈiːzi beach / biːtʃ
moon / muːn June / dʒuːn chew / tʃuː
ɔː cost / kɔːst dog / dɔːɡ strong / strɔːŋ
ɑː spa / spɑː palm / pɑːm not / nɑːt
life / laɪf myself / maɪˈself idea / aɪˈdiːə
age / eɪdʒ they / ðeɪ make / meɪk
ɔɪ oil / ɔɪl boy / bɔɪ choice / tʃɔɪs
house / haʊs town / taʊn outside / ˌaʊtˈsaɪd
əʊ goat / ɡəʊt note / nəʊt almost / ˈɔːlməʊst
ɪr mirror / ˈmɪrər beer / bɪr clear / klɪr
ʊr mature / məˈtʃʊr tour / tʊr courier / ˈkʊriər
ɑːr star / stɑːr cart / kɑːrt mart / mɑːrt

・子音の数

日本語の子音は「アイウエオ」と「ン」以外は母音とセットで使われ、基本的な音は[p] [b] [t] [d] [k] [g] [c] [s] [z] [h] [m] [n] [r] [w] [j]で、撥音「ン」の[N]、促音「ッ」もあります。

また、「チ」は [tʃ]、「ツ」は [ts]、ザ行では [dz] と [z]、「シ」は [ɕi]、「ハヒフヘホ」は [ha] [çi] [ɸɯ] [he] [ho] と3つの子音が使われるなど、特殊な発音も含まれているのが特徴。さらに、「まんが」のように続く音により「ン」が [N] ではなく [ŋ] のように鼻音になったり、方言などによっても音が変わったりします。

一方、英語の子音は24です。それぞれの発音記号と単語を示しますので、1語ずつ声に出して確認してみてください。日本語の子音とはかなり異なるのがわかるはずです。

<英語の子音の例>

p pay / peɪ play / pleɪ apple / ˈæpl
b bay / beɪ baby / ˈbeɪbi club / klʌb
m may / meɪ money / ˈmʌni remember / rɪˈmembər
t tie /taɪ take / teɪk stand / stænd
d diet / ˈdaɪət day / deɪ candle / ˈkændl
n no / nəʊ news / nuːz down / daʊn
k cake / keɪk coffee / ˈkɔːfi rocket / ˈrɑːkɪt
ɡ get / get guitar / ɡɪˈtɑːr finger / ˈfɪŋɡər
ŋ young / jʌŋ king / kɪŋ think / θɪŋk
f feel / fiːl fake / feɪk difficult / ˈdɪfɪkəlt
v voice / vɔɪs over / ˈəʊvər have / həv
s some / sʌm person / ˈpɜːrsn choice / tʃɔɪs
z zoo / zuː reason / ˈriːzn as / əz
θ thank / θæŋk health / helθ bath / bæθ
ð that / ðæt brother / ˈbrʌðər weather / ˈweðər
ʃ sure / ʃʊr social / ˈsəʊʃl push / pʊʃ
ʒ usual / ˈjuːʒuəl television / ˈtelɪvɪʒn decision / dɪˈsɪʒn
church / tʃɜːrtʃ change / tʃeɪndʒ march / mɑːrtʃ
orange / ˈɔːrɪndʒ village / ˈvɪlɪdʒ budget / ˈbʌdʒɪt
l look / lʊk class / klæs school / skuːl
r river / ˈrɪvər different / ˈdɪfrənt risk / rɪsk
j year / jɪr few / fjuː union / juːniən
w week / wiːk question / kwestʃən everyone / ˈevriwʌn
h home / həʊm here / hɪr behind / bɪˈhaɪnd

単語の語末が母音か子音か

日本語の単語は「ン」を除けば、母音のa [ɑ]・i [i]・u [ɯ]・e [e]・o [o]で終わりますよね。このように母音で終わる音節を「開音節(open syllable)」と言います。

一方、英語の単語は上記で示した通り、多くの場合、語末が子音です。このように子音で終わる音節を「閉音節(closed syllable)」と言います。

「私は自転車に乗れません」をローマ字と英語と発音記号で示すと以下のようになります。日本語では各音が「母音」あるいは「ン」で終わっているのがわかるでしょう。一方、英語では「I」と「a」以外は子音で終わっています。

WA TA SHI WA JI TE N SHA NI NO RE MA SE N.
I can’t ride a bicycle.
/ aɪ kænt raɪd ə ˈbaɪsɪkl /

この文をカタカナ英語で母音まで含めて、「アイ キャーント ライド ア バイスクール」と発音すると、残念ながらなかなかネイティブには通じません。なぜなら、can’tのtは母音のoがないので「ト」とは発音せず、tだけの発音「トゥ」のような音になるから。rideもbicycleも同様です。ちなみに、最後のeは「サイレントe」と呼ばれる発音されないe。takeやcuteやuseなどがその例です。

このような音の違いを理解すると発音練習がより効率的に進められ、上達も加速するはずです!

シラブルの有無

日本語は「お・じ・さ・ん(4拍)」と「お・じ・い・さ・ん(5拍)」のように、拍(音)の数でそれぞれの単語を認識します。一方、英語はシラブル(syllable)の数と強勢アクセントで単語を区別する言語です。

シラブルは「音節」、つまり「ひとまとまりの音」のことで、1つの母音で1シラブルとなります。日本語にはない概念なので、しっかり覚えておくことをおすすめします。なぜならシラブル数を正しく発音すれば、ネイティブに通じる英語になるからです。

1シラブル:eye / aɪ / ⇒ eye (母音は [aɪ] )
2シラブル:language / ˈlæŋɡwɪdʒ / ⇒ lan・guage / ˈlæŋ・ɡwɪdʒ / (母音は [æ] [ɪ] )
3シラブル:factory / ˈfæktəri / ⇒ fac・to・ry / ˈfæk・tə・ri / (母音は [æ] [ə] [i] )
4シラブル:activity / ækˈtɪvəti / ⇒ ac・tiv・i・ty / æk・ˈtɪv・ə・ti / (母音は [æ] [ɪ] [ə] [i] )
5シラブル: unfortunately / ʌnˈfɔːrtʃənətli / ⇒ un・for・tu・nate・ly / ʌn・ˈfɔːr・tʃə・nə・tli / (母音は [ʌ] [ɔːr] [ə] [ə] [i] )

強勢アクセント

日本語には音の高低で単語を区別する「ピッチアクセント」があります。例えば、「朝(あ・さ↘)」と「麻(あ・さ↗)」、「箸(は・し↘)」と「橋(は・し↗)」、「雨(あ・め↘)」と「飴(あ・め↗)」など。ただし、方言によりピッチアクセントは異なります。

一方、英語には先にもふれた「強勢アクセント(stress)」があります。これは単語の中で強く発音する箇所のことです。実際には日本語のピッチアクセントのように高低で表現し、アクセント位置を高く発話します。この強勢アクセントとシラブルを組み合わせて単語の発音練習をすれば完璧です。

なぜなら、すでに述べたように英語は「シラブルと強勢アクセント」の言語だから。同じ綴りでもアクセントの位置で品詞を区別する場合もあります。シラブルと強勢アクセントをアクセント記号の通りに練習すれば、それだけでも発音に大きな違いが生まれるでしょう。

PER-mit(名詞):許可証

per-MIT(動詞):許可する

RE-cord(名詞):録音

re-CORD(動詞):録音・録画する、記録する

リズム

日本語は比較的一本調子で、英語のようなリズムはあまりありません。けれども英語には、強勢アクセントとシラブル数の他に独特なリズムがあります。このリズムを理解しないと、リスニングはもちろん、発話もなかなか伝わりません。簡単に英語の音の変化をまとめます。

連結(リンキング)

連結とは、音のつながりのこと。語末の子音と次に続く単語の語頭が母音のときに起こります。

I have a car. (私は車を所有している)

I like it. (好きです)

上の文では、have / həv / の [v](子音)と次に続くa [ə](母音)がつながり、have aが「ハヴァ」のような発音になります。また、下の文では、like / laɪk / の [k](子音)と次に続くit / ɪt / の[ɪ](母音)がつながり、like itは「ライキッ」となるのです。(haveとlikeのeはサイレントe)

<その他の例>

stand up:スタンドアップ ⇒ スタンダップ

keep in touch:キープ イン タッチ ⇒ キーピンタッチ

shake it:シェイク イット ⇒ シェイキッ

in an hour:イン アン アウァ ⇒ インナナウァ

far away:ファー アウェイ ⇒ ファーラウェイ

脱落(リダクション)

脱落とは、語末が破裂音のときに語末の音が消失する現象のこと。破裂音とは、[p] [t] [k] [b] [d] [g] の音で、口の中や唇で息を溜めてから一気に出す音のことです。

Good morning:グッド モーニング ⇒ グッモーニン

take care:テイク ケアー ⇒ テイッケアー

every night:エヴリー ナイト ⇒ エヴリー ナイッ

I think:アイ スィンク ⇒ アイ スィン

part time:パート タイム ⇒ パーッタイム

また、andやbutのような機能語が脱落する場合もあります。もともと、機能語は小さく早く発話される部分です。単語は「機能語」と「内容語」に分けられ、機能語は語の意味が曖昧で文中で文法的な役割を果たす語のことで、内容語は語彙的な意味は持つけれども文法的な役割を果たさない語のこと。

機能語:冠詞・前置詞・助動詞・接続詞など
内容語:名詞・形容詞・数詞・動詞・副詞・疑問代名詞など

さらに、hisやher、hasといった語頭のHがしばしば脱落。例えば、hasなら「ァズ」のようになります。

同化(アシミレーション)

同化とは、2つの音がつながることで異なる音に変化すること。語末の子音と次に続く単語の語頭が子音、特に子音がyのときに起こります。

meet you:ミート ユー ⇒ ミーチュー

Would you:ウッドゥ ユー ⇒ ウッジュー

Thank you:スェンク ユー ⇒ スェンキュー

need you:ニード ユー ⇒ ニージュー

touch you:タッチ ユー ⇒ タッチュー

フラップのT

フラップのTとは、2つ母音の間にtが挟まれたときに起こる現象で、tの発音が [d] もしくは [r] の音に変化します。また、Tのすぐ前に母音の強勢アクセントがある場合も同様です。

water:ウォーター ⇒ ウォーラー

letter:レター ⇒ レラー

a lot of:ア ロット オブ ⇒ アラロブ

at all:アット オール ⇒ アロー

party:パーティー ⇒ パーリー

綴り通りの発音か否か

日本語は文字で示した通りに発音しますが、英語は綴り通りの発音ではありません。例えば、honest(正直な)は語頭のHが発音されず、/ ˈɑːnɪst / と発音します。同じような例をいくつか示しておきますね。

knowのk
oftenのt
climbのb
writeのw
Wednesdayのdとeなど

このように綴り通りに発音しない言語なので、発音練習は「文字ではなく耳から覚える」のが重要なポイント。文字から覚えるのはすぐに止めた方がいいでしょう。

英語の発音を効果的に上達させるコツ

ここまで英語と日本語の発音の違いを見てきたので、どんなポイントに注意すれば発音が上達するのかが掴めてきたのではないでしょうか。最後に、英語と日本語の発音の違いを活用して効果的に上達させるコツを見ていきます。

効果的な上達を目指すときに大切なこと

効果的に発音を上達させるためには、これまで見てきた英語と日本語の発音の違いを生かすことが大切です。ここまで見てきた違いを以下にざっくりとまとめておきます。

<大切なこと>

・英語と日本語では母音・子音の音が異なることを理解する
・シラブル数・強勢アクセントを意識して、発音記号に忠実に発音する
・音の変化を捉える
・文字ではなく音で覚える

具体的な練習法

英語のレベルにより具体的な練習法は変わりますが、まずは基本から見直すようにしましょう。

1音から単語レベルに移行しながら練習

基本は1音レベルからの練習です。シラブル数・強勢アクセントを意識して、発音記号に忠実に発音します。できれば音声を活用して耳から学ぶのが最適な方法なので、以下のようなアプリがおすすめです。

Say It: English Pronunciation
iOS
Android

このアプリは、母音・子音レベルから聞いて練習でき、単語も聞いてから自分の発音を録音して確認できます。レベル別のテストなどもあり、自分で発音練習をするのに最適。無料でダウンロードできますが、すべての機能を使う場合は有料です。

文レベルで練習

単語レベルまで練習した後は、文レベルに移行します。この練習では、連結や同化などの音の変化やリズムを意識しましょう。上記で紹介したアプリと同じような機能がある以下のアプリがおすすめです。

ELSA Speak
iOS
Android

このアプリでは単語だけでなく、短文までテーマやシーン別に学べます。また自分の発音を評価してくれ、その課題をクリアすることで上達を確認できるのが特徴。もちろん有料会員になれば、すべての機能が使えて上達も加速するでしょう。

オンライン英会話の活用

文レベルの練習の後は、双方向のコミュニケーションで英語の発音が通用するのかオンライン英会話で確認します。当然のことながら、オンライン英会話には発音に特化したレッスンがあるので、最初からオンライン英会話を活用するのも1つの方法です。

どちらにしても、発音は会話をする相手に伝わらなければ意味がありませんから、発音のプロである英語講師にチェックしてもうようにしましょう。

英語の発音が正しくできているか確認したいなら

英語と日本語には発音の違いがありますが、違いをよく理解するとただ聞いて真似しているより習得が加速されます。「難しい」と諦める前に違いを理解し、言語習得の醍醐味を味わいましょう!

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