日本語には「ガタガタ」「いやいや」「わざわざ」のような同じ言葉が繰り返される表現が数多くありますが、英語も同様に同じ単語が繰り返されて使われる表現があります。
今回はそういった同じ単語を繰り返してカジュアルな場で使われるフレーズをご紹介します。普段英会話のレッスンで習うことはないかもしれませんが、映画やドラマ、日常会話で出てくることがあるので、覚えておくといいでしょう。
英会話で使われる繰り返し単語のパターン
繰り返し単語のパターンはいくつかありますが、特に日常会話では次の2つのパターンで使われるものが多いです。
同じ単語を繰り返す
「So-so.(まあまあ)」のように日常会話でよく使われる形で、2度繰り返すことで単語そのものの意味と変わって使われるパターンです。
同じ単語を繰り返して元の意味を強調
もう一つの代表的なパターンは、同じ単語を繰り返すことで単語本来の意味を強調する使い方で、主に名詞や形容詞を使います。例えば次のようなものです。
house house(アパートではなく一戸建て)
salad salad(マカロニやツナに味付けしたものではなく生野菜のサラダ)
mine mine(賃貸や借りて自分の所有物となっているのではなく、本当に自分のもの)
now now(もう少し後でも大丈夫なすぐではなく、まさに今すぐ)
hot hot(辛いhotではなく熱いこと)
英会話でよく使われる繰り返し単語
日常で使われる繰り返し単語の代表的なものを学びましょう。この中のいくつかは耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか。
Knock-knock.(ドアを叩く音)
このフレーズはジョークで使われる場合と、誰かに「どいてくれ」と頼むときや、「話を聞いてくれ」と言うとき2通りの使い方があります。ただ「Excuse me」と言うのではなく、別の方法として相手の注意を引くためにカジュアルな場面で使えます。
Knock knock. (トントン )
Who’s there? (誰?)
Naomi.(ナオミよ)
Naomi who? (ナオミ何さん?)
Naomi! Cut the talking and open the door!(ナオミ!話をやめてドアを開けて!)
So-so.(まあまあ)
このフレーズは英会話でも普段使うことが多いのではないでしょうか。単独では「〜なので、だから」を意味する「so」ですが、2つ続くと何かがあまり良くもなく、悪くもない場合をさします。映画や料理が「So-so.」なら、驚くようなものではないということを意味します。
How was the movie?(映画どうだった?)
So-so.(まあまあだね)
Chop chop.(急いで)
単独の「chop」の意味は「切る」ですが、2回繰り返すことで「急いで欲しい」という意味になります。身支度など何か行っていることに時間がかかっている相手に対して使うことができます。
Chop chop, we’re getting late!(早くして、遅れちゃうよ!)
Hear hear.(全くその通り)
「hear」は単体では「聞く」という意味ですが、2回繰り返すことで、何かに強く同意していることを示したいときにカジュアルな言い方として使うわれます。17世紀の英国議会での議論から広まった表現で、何かについて議論しているときに完全に同意して、「はい、その通り」というような感じです。特にスピーチや議論、ディベートの際に強い同意を示すために使われます。イギリスの政治家が議会でよく使う表現です。
その他の使い方としては、乾杯の最後に観客がスピーカーに 「hear, hear」と返したり、手拍子で拍手する代わりに、「hear, hear」を使って歓声をあげることができます。特に拍手を控えるような状況で使われます。
There, there!(ほらほら)
動揺している人、泣いている人、何か不満がある人などへの慰めの言葉です。特に何か嫌なことがあって泣いている子供を大人が慰めるときに使われます。
there-there, everything is going to be fine. (ほらほら、すべてうまくいくよ)
Fifty-fifty.(五分五分)
日本語と同じく、何かについて確信が持てないとき確率が50%であること意味します。
The operation has a fifty-fifty chance of success.(手術の成功率は五分五分です)
Aye aye.(はい)
ayeはyesという意味の単語です。日本語の昔のアニメなどで「アイアイサー」と言っている場面を覚えている方もいらっしゃるかもしれませんが、まさにその「アイアイ」です。カジュアルで少し古風な「はい」の言い方で、特に水兵や海兵は、海軍士官や艦長などの目上の人対して命令を肯定的に認める意味で「アイアイ」と言います。
Well well.(おやおや)
映画や日常会話でもよく使われるフレーズで、カジュアルな会話で皮肉や軽い驚きを表すときに使います。例えば友人と喧嘩をして、相手が「もう二度と会わない」と言っていたのに、あなたがその場に来ることを知っていて飲み会に来た場合などに、「Well well.」ということで、皮肉を込めた驚きを表現できます。
Well well, look who’s here! (おやおや、誰かと思えば)
Rabit, rabit.(いい月になりますように)
イギリスやアメリカ北部に伝わる迷信で、月の初めの日に目覚めたときに「Rabit, rabit, rabit!」と声に出して言うことで、その月の幸運を願うものです、人によっては「うさぎ」を3回繰り返すのではなく、「White rabbit(白うさぎ)」ということもあります。また、次の初めの日にまず起きたときに言い忘れて何かをしてしまった場合、「Tibbar、tibbar」と逆読みすると大丈夫という迷信もあります。面白いですね。
同じ単語が繰り返して使われる代表的なイディオム
前置詞や接続詞をはさんで、同じ単語が繰り返されるイディオムもたくさんあります。その中でいくつかよく使われるものをみてみましょう。
time after time(何度も)
頻繁に、なんども繰り返されることを意味します。文字通りの意味で「時間の後にまた時間がくる」ことをイメージするとわかりやすいですね。
She failed time after time, but her determination kept her trying.(何度も失敗を繰り返し、それでも彼女は決意を持って挑戦し続けた)
We’re hearing the same story time after time.(私たちは同じような話を何度も聞いている)
hand in hand(手に手をとって)
文字通り「手を繋ぐ」場合と、協力したり、気持ちが結びついている場合の両方の意味で使われます。
I saw Jim and Cathy wallking hand in hand the other day.(先日、ジムとキャシーが手をつないで歩いているのを見かけた)
We need to approach this problem hand in hand.(私たちは手を取り合ってこの問題に取り組む必要があります)
hour to hour(一刻一刻)
ずっと続く時間の中での毎時間を意味しますが、特に状況が刻一刻と変わっていく場合に使う表現です。「何時間もずっと」という場合は「hour after hour」が使われるので、混同しないようにしましょう。
I checked the stock market prices hour to hour.(株価を一刻一刻チェックした)
His fever seemed to get worse hour to hour.(彼の熱は刻一刻と悪化しているようだ)
home from home (UK) / home away from home (US)(マイホーム)
マイホームといっても実際の家のことではなく、心の拠り所となるほっとできるような場所を意味します。
We’ve never felt so welcomed in a foreign country—it was like a home from home.(外国でこれほど歓迎されたことはなかった。まるで我が家のように安心できた)
The cottage was a real home away from home.(コテージは本当に我が家のように居心地がよかった)
day by day(日に日に)
「毎日、時がたつにつれてより一層」ということを表現するフレーズです。他にも同じ形で、week by week(週ごとに)、 month by (月ごとに)、 year by year(年ごとに)といった使い方ができます。
I can feel myself getting healthier day by day.(日に日に健康になっていく自分を実感している)
My confidence is increasing day by day.(日に日に自信がついてきた)
more and more(だんだんと)
特定のことに対する意識や感情、様子など、徐々に何かが大きくなる様子を表します。
I find myself relying on technology more and more.(技術に頼ることが多くなってきたと感じる)
He became more and more frustrated.(彼はだんだんイライラしてきた)
time and time again(何度も)
何かが非常に頻繁に、繰り返し起こることを意味します。
I’ve told you time and time again to lock both doors before you leave.(何度も言うようだけど、出かけるときは両方のドアをロックしてね)
I have heard the same story time and time again.(何度も同じ話を聞いてきた)
round and round(ぐるぐると)
スケーターがくるくると回ったり、メリーゴーランドが回っている様子などに使える表現です。
She danced round and round the living room.(彼女はリビングルームの周りをぐるぐると踊った)
I watched the windmill blades go round and round in a mesmerizing fashion.(私は風車の羽根がぐるぐると魅惑的に回るのを見た)
on and on(延々と)
同じことがずっと続くことを意味します。
She went on and on about how much she disliked his style of music.(彼女は、彼の音楽スタイルがいかに嫌いであるかを延々と語り続けた)
She just kept complaining about her job on and on.(彼女は自分の仕事について延々と文句を言い続けた)
all in all(全体的には)
総じて見ると、つまり全部ひっくるめて考えると、ということを表わすフレーズです。
All in all, I think it was a successful evening.(総じて見ると、成功した夜だったと思う)
The trip wasn’t perfect, but all in all, it was pretty good.(旅行は完璧ではなかったけど、全体としてみればかなり良かったよ)
day after day(来る日も来る日も)
毎日同じことが繰り返されることを表す言葉です。文によっては少しうんざりした気持ちも表すことができます。他にも同じ形でweek after week(毎週毎週)、month after month(毎月毎月)、year after year(毎年毎年)も同じように使うことができます。
The same problems keep coming up day after day.(来る日も来る日も同じ問題が出てくる)
With motivation and patience, she continued to grow day after day.(彼女はやる気と根気で日々成長し続けた)
word for word(一字一句)
全く同じ言葉を使う状態を表します。
She listened to everything I said and repeated it word for word.(彼女は私が言ったことを全部聞き、それを一字一句同じように繰り返した)
I’m trying to memorize it word for word.(一字一句覚えようとしているところだ)
man-to-man(一対一で)
日本語だとマンツーマンは、物理的に一対一ということのみ指しますが、英語では「正直で直接的な会話」を表現するためにもよく使われます。
My brother and I had a man-to-man conversation last night about our plans.(昨夜、弟と一対一で顔をつき合わせて予定について話し合った)
The professor gave each student a man-to-man tutorial to ensure they fully understood the material.(教授は各学生が教材を完全に理解したことを確認するためにマンツーマンの個別指導を行った)
英語の繰り返す単語がわかったら
Baffalo baffalo Baffalo baffalo baffalo baffalo Baffalo baffalo.
NY州バッファロー出身のバッファローであるバッファローが怯えさせている(3-5個目のBaffalo baffalo baffalo)別のNY州バッファロー出身のバッファロー(最初2つのBaffalo baffalo)は、さらに別のバッファロー出身のバッファローを怯えさせている(最後3つのbaffalo Baffalo baffalo)
英語は奥が深く、面白いですね!
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