ネイティブとの決定的な差は冠詞の使い方!冠詞の基本をおさらいしよう

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英語がネイティブ並みに話せても、ちょっとしたところで「外国人だな」ということがわかる部分があります。それが「a, an, the」の3つの冠詞の使い方です。日本人が「は」「が」「に」「を」の使い方が少しでもおかしいと違和感を感じるのと同じ感覚で、ネイティブは乱れた英語を話す人でも冠詞の使い方を間違うことはまずありません。小さい時から繰り返し覚えて、生活の中で感覚的なもので理解しているため、間違っている場合は違和感を感じるからです。

今回は文法の基本中の基本ともいえる冠詞についておさらいします。学校英語では冠詞がつく場合を学んだと思いますが、冠詞は必ずつくわけではありません。その点についても確認しましょう。

冠詞とは

冠詞とは、名詞が特定のものかどうかを定義するために使用される、短い単音節の単語を指します。通常、冠詞は名詞の前に使用され、名詞について話すために使用されるため、形容詞と見なすことができます。

英語では、’a’ と ‘an’ を不定冠詞、’the’ を定冠詞と呼びます。

冠詞a, an, theの基本的な使い方

冠詞の基本的な用法をおさらいしましょう。

不定冠詞(a / an)がつく形

冠詞の「an」と「an」は不定冠詞と呼ばれます。不定冠詞は、その名前が示すように、確定的でないもの、または特定のものを示すために使用され、数えられる単体のものに対して不定冠詞が用いられます。

例えば、テーブルの上にこぼれた水について話す場合、テーブルの上の水は1滴(単数)または2滴以上(複数)である可能性があります。滴の数を数えることができるのでdrop(水滴)という単語は数詞になり、a dropまたは the dropをということができます。

しかし、もしテーブルの上にこぼれた水全般について話しているのであれば、1つの水や2つの水を数えることは適切ではありません。water(水)という単語には数を数えられるものに使われる不定冠詞のaは使わず、文脈によって定冠詞のtheを使うか、冠詞なしになります。

基本的な使い方

不定冠詞 a または an は、読み手に特定の身元がわからない単数かつカウントできる名詞にのみ使用します。

母音で始まるものはan

Apple、eggなど母音「a e i o u」で始まるものはanがつきます。hour(1時間)やMBA・MAのように音が「エム」になるもの、X-rayやXmasなどのようにスペルが子音で始まるものでも、音が母音の場合もanになることに注意しましょう。

I’m looking for an apartment.(アパートを探しています)

He is an unhappy boy.(彼は不幸な少年だ)

It’s an unusual situation.(それは異常な状況だ)

It took an hour to reach the station.(駅に着くまで1時間かかった)

→hourはスペルは子音だが音は「ア」の母音で始まるためanがつく

I got an MBA in the US. (アメリカでMBAを取得した)

→音が「エ」という母音で始まるのでanがつく

子音で始まるものはa

子音で始まるものはaがつきます。例外として気をつけなければいけないのは、university、Euro、 Eucalyptus(ユーカリ)、UFOなどスペルでは母音で始まっていても、音が子音のものはaとなることです。

I have a dog and a cat.(私は犬と猫を一匹ずつ飼っている)

That’s a unique idea.(それは面白いアイデアだね)

I went to a university in Tokyo.(東京の大学へ行った)

A Euro equals 140 yen.(1ユーロは140円だ)

→音が「ユ」という子音で始まるのでanではなくaがつく

定冠詞(the)がつく形

特定のものをさす場合、あるいは相手が何について話しているのかわかっている場合は定冠詞theがつきます。

特定のもの・グループ

The name of the boy sitting next to her is Tom.
(彼女の隣に座っている男の子の名前はトムだ)

→どこにでもいる不特定の男の子や名前ではなく、特定の男の子

Thank you for the advice.(アドバイスしてくれてありがとう)

→すでにもらったアドバイスで、相手もどのアドバイスかわかっているもの

The 2023 federal budget provides funding for education, health care, and other domestic programs.
(2023年の連邦予算は、教育、医療、その他の国内プログラムのための資金を提供するものだ)

→2023年に限った特定の予算

We went to the zoo and saw the elephants.(私たちは動物園へ行って像を見た)

→一般的な像ではなく、その動物園にいる特定の像

国や都市・土地名

国や都市によって定冠詞がつくものがあります。そのほか、地理的な特定をさす場合や大河や砂漠・半島の名前などにも定冠詞がつきます。

ただし、国名や都市名に定冠詞がつかないものでもthe country ofやthe city ofをつける場合があり、ニュースや政治家の演説などで時々見られる形です。

The United States of Americaアメリカ合衆国
The United Kingdom英国
The Netherlandsオランダ
The United Arab of Emiratesアラブ首長国連邦
The Philippinesフィリピン
The Hagueハーグ
the Nileナイル河
the Middle East中東
the Saharaサハラ砂漠
the city of Los Angelesロスアンジェルス市
the country of Japan日本国

冠詞がつかないもの

冠詞は必ずしもつくわけではなく、一般的に数えられないものには冠詞がつきません。特に英会話中級レベルの方はは冠詞がつかない場合についても理解しておきましょう。

数を数えられるものの複数形

There are cakes on the table.(ケーキがテーブルの上にある)

Children are playing the park.(子供達が公園で遊んでいる)

ただし、特定のものを指す場合は定冠詞がつきます。

Where are the children?(子供達はどこ?)

→自分たちの、あるい特定の子供を指している

The cakes you baked yesterday were delicious.(昨日君が作ったケーキは美味しかった)

→ある人が作った特定のケーキ

食べ物・飲み物

dinner、lunch、breakfastのほか、rice、sugar、beef、wineのように食べ物や飲み物で数えられないものには冠詞がつきません。

I eat breakfast at 7 a.m.(朝食を7時に食べる)

I like beef.(牛肉が好きです)

Sugar is bad for health.(砂糖は健康に悪い)

ただし、特定のものをさす場合は定冠詞がつきます。

Would you pass me the sugar?((その)砂糖を取ってくれる?)

I will cook the beef we bought today.(今日買った牛肉を料理するね)

The dinner we had last night was great.(昨日のディナーは美味しかった)

また、dinner、lunch、breakfastなど食事の名前の前に形容詞がおかれる場合は、不定冠詞を使います。

I had a late lunch today.(今日は遅いランチだった)

Jamie prepared us an amazing dinner.(ジェイミーが素晴らしいディナーを用意してくれた)

学校や病院など一般的な概念のもの

I learned English at school.(英語は学校で学んだ)

My mom is in hospital.(母は入院中だ)

I study at university.(大学で勉強中です)

We go to church every Sunday.(毎週日曜日は教会に行きます)

ただし、アクティビティとしてではなく、建物を指す場合は定冠詞がつきます。

I met Amy at the church.(エイミーとは教会で会った)

→教会で行う行事ではなく、建物としての教会

I have to go to the hospital to visit my father.(病院に父のお見舞いに行かないと)

→病気を治療するというアクティビティではなく、建物としての病院

アカデミックな分野・スポーツ・言語・国籍

mathematics(数学という教育分野) 

volleyball(バレーボールというスポーツ)

Japanese(日本語・国籍としての日本)

→ただし、日本人のように国民をさす場合はThe Japaneseのように定冠詞がつく

前置詞が前につく決まった用法

at home(家で)、at noon(正午に)、by train(電車で)、on horseback(馬上で)、at dinner(夕食時に)などのように場所や手段を表す前置詞と一緒になると冠詞がつかないものがあります。
決まった使い方として、そのまま覚えましょう。

自分の親戚や親子関係

Father、Motherのように自分の親戚や親子関係を表す単語は大文字になり、冠詞もつきません。my father、my motherのように所有を意味する代名詞がつく場合は小文字になります。

Father gave me a car.(父が車をくれた)

Aunt wants me to visit her.(叔母が私に会いたいようだ)

Mom wants me to go grocery shopping.(母に買い物を頼まれている)

My father is very strict.(父はとても厳しい)

My aunt is very beautiful.(叔母はとてもきれいな人だ)

一人だけがもつ地位

presidentやchairmanのように、通常一人だけが一度に持つポジションを表す述語名詞の前では、冠詞を省略することができます。

He was appointed president of the US.(彼はアメリカ大統領に任命された)

Ken became chairman of the club.(ケンはクラブの会長になった)

After two years of management experience, Stephanie became director of the marketing department.
(2年間のマネジメント経験を経て、ステファニーはマーケティング部門のディレクターに就任した)

a kind of(のような)の後にくる言葉

What kind of dog do you have?(犬は何を飼ってる?)

What kind of exercise should I do?(どんな運動をしたらいいですか?)

I am not very sure what kind of car I want to buy.(どんな車を買いたいのか、よくわからない)

冠詞の使い方がわかったら

冠詞は英語の授業でも最初に学ぶ部分で、おろそかにしがちです。会話の中で冠詞を間違えることなく使うことや、冠詞をつけない場合の判断は難しいかもしれませんが、英会話のレッスンや友達との会話では、ぜひ意識してみてくださいね。

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