ベーコン、目玉焼き、ポテトにサクサクのトースト。アメリカでは1日の中で朝食が一番好きという人が多く、アメリカのダイナーと言われる食堂では1日中朝食が食べられるということも珍しくありません。しかしそんなアメリカンブレックファーストは、実は通じない英語がたくさん潜んでいて、注文で冷や汗をかいてしまうこともしばしば。そこで今回は注文時に注意すべき朝ごはんメニューをまとめてご紹介したいと思います。
オーブンやグリルで焼くときの英語
roast chicken(ローストチキン)、grilled chicken(グリルチキン)など、肉や野菜を「焼く」ときにはさまざまな言い方があり、カタカナでも混乱してしまうのでは?海外でメニューを選ぶときに一番大切な、「焼く」英語の違いを知っておきましょう。
オーブンでじっくり焼いたroast
roast beef(ローストビーフ)、roast chicken(ローストチキン)、roast pork(ローストポーク)
roastはオーブンで全体をまんべんなくじっくり焼くこと。表面に軽く焦げ目がついます。魚や野菜をroastすることもありますが、主に肉に使われます。
網で焼いたgrilled
grilled chicken(グリルチキン)、grilled sandwich(グリルサンドイッチ)
grill(網)を使って焼いたものをgrilled ○○(網で焼いた○○)と呼びます。表面に網目がついているのが特徴。強い火で香ばしく焼きます。
炭火で網焼きしたchar-grilled
char-grilled steak(炭火焼ステーキ)、char-grilled oysters(炭火焼のカキ)
charcoal(炭)のcharには「炭にする、黒焦げにする」という意味があり、char-grilledは「炭火で網焼きした」。外はカリカリ、中にはふんわりうまみが閉じ込められます。
barbequedは基本的に炭火焼
barbequed chicken(バーベキューチキン)、barbequed corn(焼きトウモロコシ)
英語のbarbequeは「バーベキューをする調理道具」を指し、基本的に炭火で網焼き。「それではchar-grilledと同じでは?」と思うかもしれませんが、barbequedは、大きな塊を弱めの火でじっくり焼き上げるイメージです。
あぶって焦げ目をつけたbroiled
broiled chicken(チキンのあぶり焼き)、broiled lamb chops(ラムチョップのあぶり焼き)
broilは「あぶる」という意味で、例えばオーブンでは上火だけ強く高温にします。roastに比べ、部分的に黒く焦げた部分ができていたりします。
焦がさずまんべんなく焼いたbaked
baked potatoes(ベークドポテト)、baked beans(ベークドビーンズ)
bakedは表面をあまり焦がさずオーブンで全体をまんべんなく焼くことで、肉よりも野菜やパン、お菓子などに向いた調理法。海外のオーブンには、roast(高温で全体にまんべんなく焼く)、broil(上火を強くする)、bake(中温で全体にまんべんなく焼く)というモード切替がついていることがあります。
炒める、揚げるを英語で言うと?
英語のpanは「浅めの鍋」で、frying pan(フライパン)を単にpanと呼ぶことがあります。このpanを使った調理法の英語を知っておくと、魚や野菜をオーダーするときに役に立ちます。
フライパンで焦げ目をつけたpan-seared
pan-seared sea bass(スズキのフライパン焼き)、pan-seared scallops(ホタテのフライパン焼き)
油少なめ、高温で表面にさっと焦げ目をつけるイメージ。魚をおいしく焼くのにピッタリです。
ジュウジュウ炒めたsauteed
sauteed vegetables(野菜炒め)、sauteed mushrooms(マッシュルームのソテー)
中華料理のように、具材をかきまぜながらジュウジュウ炒めるのがsauteeです。西洋料理では、野菜を炒めたものはよくサイドディッシュとして出てきます。
多めの油で焼く/揚げるfried
fried cod(タラのフライ)、fried shrimp(エビフライ)
日本語の「揚げる」はたっぷりの油に浸して熱することですが、英語のfryは「フライパンのような浅めの鍋で、多めの油で焼く」こと。そのため、friedと書いてあっても「揚げ物」ではなく、ただ焼いてあるだけ、ということもあります。日本の「揚げ物」のように「たっぷりの油に浸して熱した」ということを強調するためdeep-friedという言い方を使うこともあります。
カリカリに焦げて縮れたfrizzled
frizzled bacon(カリカリベーコン)、frizzled onions(タマネギの焦がし焼き)
調理法としてはfriedやsauteedと共通していますが、縮れてカリカリになるまで焦がしたのがfrizzled。髪の毛の「縮れ毛」のことをfrizzled hairと言ったりします。
ゆでる、煮る、煮込む英語のバリエーション
「煮る」と聞いて真っ先に思い浮かぶのはboilかもしれませんが、これは「沸騰したお湯でぐつぐつゆでる」ということで、メニューに出てくるのはboiled egg(ゆで卵)くらい。英語でスムーズに注文できるよう、さまざまな「煮る」「煮込む」のバリエーションを知っておきましょう。「蒸す」食べ物についてもお教えします。
沸騰したお湯でぐつぐつゆでたboiled
boiled egg(ゆで卵)
boilは「沸騰させる」ことで、boiled water(沸騰した水)のように言います。料理のレシピにはよく登場する言葉です。
じっくり煮込んだsimmered
simmered beans(煮豆)、simmered fish(煮魚)
沸騰直前の状態でじっくり煮込むのがsimmer。肉料理にも使われますが、一般には野菜や魚をsimmeredにすることが多いようです。
「煮物」をイメージさせるstewed
stewed chicken(チキンの煮込み)、stewed vegetables(野菜の煮込み=煮物)
stewは日本語の「シチュー」の元になっている語。実際には水分少なめで、日本の「煮込み」「煮物」に近いものができ上がります。日本語の「シチュー」に近いのは、英語のsoupです(soupは「液体状の食べ物」で、調理法を表す言葉としては使われません)。
ほかほかに蒸したsteamed
steamed buns(中華まん)、steamed potatoes(蒸しポテト)
steamは「蒸気」で、「蒸した」はsteamedと言い、「中華まん」はsteamed bunsと表現できます。bunは「丸いパン、まんじゅう」のこと。
「蒸し煮」にしたbraised
braised pork(豚の蒸し煮)、braised carrots(ニンジンの蒸し煮)
油で炒めて少量の水やソースで蒸し煮にしたのがbraised。肉のうまみを逃さず柔らかく調理できるのがポイント。
調理法を覚えて、英語でスマートに注文
ここでご紹介した表現を知っておけば、海外のレストランで英語のメニューを見てもあわてずに済みます。わからなかったら、思い切って聞いてみるのもいいですね。例えば以下の会話例を参考にしてください。
英語メニューを見て注文する
A: May I take your order?
(ご注文をうかがいます)
B: I’ll have the char-grilled steak. And can you make the potato steamed, not fried?
(炭火焼ステーキにします。ポテトは揚げるのでなく、蒸してもらえますか?)
A: Certainly, ma’am.
(かしこまりました、お客様)
メニューでわからないことを聞く
A: Excuse me. What is this braised pork?
(すみません、このbraised porkって何ですか?)
B: Pork tenderloin lightly fried and steamed with sauce.
(軽く炒めてソースで蒸し煮にした豚ヒレです)
A: Sounds delicious. I’ll have it.
(おいしそうですね。それにします)
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