「ちょっと困っている」「困ったなあ、どうしよう?」「それは困るよ」など、「困る」は日本語で日常的に使われる表現ですが、日本語の「困る」は英単語1つで表現できません。そのため、英語で「困る」を表現するのはちょっと困ってしまうかもしれません。対応する英単語がない理由は、日本語の「困る」にいくつかの意味があるからです。
この記事では、日本語の「困る」の意味別に英語フレーズを解説!また、「困る」に関連した表現やビジネスで使える表現もご紹介します。
「困る」の英語表現【日本語の意味別】
日本語の「困る」の意味は、以下のように大別できます。英語ではそれぞれ異なった表現を使うため、ここでは意味別に見ていきましょう。基本的な考え方は、自分が置かれた状況によりワードチョイスすることです。
<日本語の「困る」の意味>
・判断や処理に悩む・途方に暮れる・困惑する
・つらいことで苦しむ・難儀する
・迷惑する
・金銭的に苦しむ・困窮する
「判断や処理に悩む」などを意味する「困る」
1つ目は、判断や処理に悩んだり途方に暮れたりしたときの表現です。
don’t know what / how to doで表す「困る」
don’t know what to doは「どうしたらいいのかわからない」、don’t know how to doは「どうやればいいのかわからない」という意味。「困る」とは直訳されませんが、「困ったな」という気持ちを表します。1人で解決できない問題などに直面したときに使いましょう。
I lost my smartphone. I don’t know what to do. (スマホを失くしちゃった。どうしたらいいのかわからないよ)
I bought a new computer, but I don’t know how to set it up. (新しいパソコンを買ったんだけど、設定方法がわからないんだ)
のような困った状況で相手からアドバイスを受けたい場合は、「What should I do? (どうすればいいかな?)」と尋ねてみましょう。
be at a lossで表す「困る」
be at a lossは「途方に暮れる」という意味。何らかの問題が発生して、何を考え、何を言い、何をすべきか当惑した不確かな状態を表すのに最適です。カジュアルな会話では、「参ったな」「やばいな」のようなニュアンスでも使えます。
I’m at a loss. It’s impossible to finish it by tomorrow. (参ったなぁ。明日までに終わらせるなんて無理だよ)
The government is at a loss as to how to deal with this violence. (政府はこの暴力にどう対処すべきか途方に暮れている)
When he complained to me, I was at a loss for an answer.(彼が私に文句を言ったとき、私は答えに困った)
be confusedで表す「困る」
be confusedは「当惑する」「まごつく」という意味。「困る」という意味ではありませんが、何らかの問題に面食らって困ったときに使います。
I was confused by unexpected events. (私は予想外の出来事に戸惑った)
We are confused by cultural differences. (私たちは文化の違いに戸惑っている)
be puzzledで表す「困る」
be puzzledはbe confusedと非常に似た表現で、「困惑する」「途方に暮れる」という意味。puzzledは「当惑した」「困惑した」という意味の形容詞です。
I was puzzled by the look on her face. (私は彼女の表情に戸惑った)
Everyone was a little puzzled by his sudden departure. (彼の突然の出発に誰もが少し困惑した)
You look puzzled. (お困りのようですね)
「難儀する」などを意味する「困る」
2つ目は、つらいことで苦しんだり難儀したりして困ったときの表現です。
troubleで表す「困る」
ここで使うtrouble は「困難」「面倒なこと」「問題」という意味の名詞。日本語でも「トラブル(名詞)」や「トラブる(動詞)」のように使われるので、イメージしやすいのではないでしょうか。
troubleを使った「困る」は、「be in trouble」「get into trouble(面倒なことになる)」「have trouble with ~(~に手を焼く・ともめる)」「have trouble doing(~するのに苦労する)」「The trouble is /was that ~(困ったことに~)」の形で表現。日本語の「困る」に一番近いニュアンスで、英語でもよく使われます。
I’m in trouble. (ちょっと困っているんだ)
Are you in trouble? (トラブっているの?)
She seems to be in trouble with her car. (彼女は車のことで困っているようだ)
I don’t want to get in trouble. (私はトラブルに巻き込まれたくない)
You will get into trouble. (面倒なことになるよ)
They always have trouble with computer repairs. (彼らはコンピューターの修理にいつも手を焼いている[困っている])
He has trouble controlling his anger. (彼は怒りを抑えるのに苦労している[抑えられなくて困っている])
The trouble is she doesn’t have enough money. (困ったことに、彼女は十分なお金を持っていない)
difficultyで表す「困る」
difficultyは「難しさ」「困難なこと」という意味の名詞。troubleと同じようなニュアンスで使われます。difficultyを使った「困る」は、「have difficulty with ~(~に困る・苦労する)」「have difficulty (in) doing ~(~するのに苦労する・困る)」の形で表現。inは省略しても構いません。
Do you have any difficulties in learning the English language? (英語の勉強で何か困ったことはありますか?)
We are having difficulty (in) paying for the medical expenses of the children. (私たちは子どもの医療費の支払いに困っている[苦労している])
problemで表す「困る」
problemは解決すべき困難な「問題」「疑問」「状況」や「扱いにくい人」という意味の名詞。
problemを使った「困る」は、「have a problem with ~(~に問題を抱えている・困る)」「have a problem doing ~(~するのに問題を抱えている・困る)」の形で表現。また、「There is a problem(問題がある)」も困っている状況を婉曲的に表現できます。これらは何らかの問題に直面して困っているときに最適な表現です。
What is your problem? (何か困ったことがあるの?)
I have a problem with my neighbor.(私は隣人と問題を抱えている[隣人とのつき合いに困っている])
I have a problem concentrating on my work. (私は仕事に集中できなくて困っている)
There’s a contract problem.(私たちの契約に問題があって困っている)
hard / difficult timeで表す「困る」
hard timeとdifficult timeはどちらも直訳すれば「大変なとき」という意味ですが、troubleやdifficultyのように「困難」という意味もあります。「困る」を表現する場合は、「have a hard / difficult time with ~(~に困る・苦労する)」「have a hard / difficult time doing ~(~するのに困る・苦労する)」の形で表現しましょう。
I have a hard time with the pronunciation of the English language. (私は英語の発音に苦労している[困っている])
I had a difficult time trying to lose my weight. (私は体重を減らすのに苦労した[困った])
struggleで表す「困る」
struggleは課題や困難などに「悪戦苦闘する」「苦労して進む」という意味の動詞で、もがき苦しんでいるというニュアンス。「be struggling with ~(~に苦労している・困っている)」の形で表現しましょう。
I’m struggling with the grammar of Spanish. (私はスペイン語の文法に苦労している[困っている])
He was struggling with a mountain of debt. (彼は山のような借金に苦労していた[困っていた])
suffer fromで表す「困る」
sufferは肉体的・精神的に「苦しむ」「不快な経験をする」という意味の動詞。苦しみの期間がある程度続くときに使い、「suffer from ~(つらい思いをする・悩まされる)」で表現します。
She was suffering from the menopause. (彼女は更年期障害に苦しんでいた[で困っていた])
Many immigrants suffer from feelings of alienation. (多くの移民は疎外感に苦しんでいる)
be stuckで表す「困る」
stuckは「行き詰まった」「にっちもさっちもいかない」「困った」という意味の形容詞。「身動きがとれない」「八方ふさがり」というニュアンスです。渋滞で身動きがとれないときにもstuckで表現できます。
I’m currently stuck on this task. (私は現在、この作業で困っている[お手上げ状態だ])
Come out with us if you are stuck for something to do this evening! (今夜やることに困っているなら、私たちと一緒に出かけよう!)
I was stuck in a traffic jam on my way home.(帰り道で渋滞にハマっちゃった)
be screwedで表す「困る」
screwedは「ネジで留めた」という意味の形容詞。be stuckと同様に、「身動きがとれない」「八方ふさがり」という困難な状態です。また、非常に悪いことをしたり何かを台なしにしたりしたときに、screwed upで「しくじった」と表現できます。どちらにしてもscrewedを使った表現はスラングなので、目上の人には使わない方がいいでしょう。
I’m screwed. (困ったな)
If this doesn’t finish in time, you’re going to be screwed.(これが時間内に終わらない場合、あなたは困ったことになるだろうね)
You screwed up! (しくじったな!)
「迷惑する」を意味する「困る」
3つ目は、「迷惑する」という意味の「困る」を表す英語表現です。
botherで表す「困る」
botherは「悩ます」「困らせる」「迷惑をかける」「邪魔をする」という意味の動詞。迷惑の度合いが軽いときに使います。be bothered by ~と受け身にすると「~で困る」という意味。
Don’t bother me! (困らせないで!)
I don’t want to bother you. (あなたを困らせたくないよ)
Let me know if she bothers you again. (彼女がまたあなたを困らせたら知らせてください)
These children don’t bother their parents at all. (この子どもたちはまったく両親を困らせない)
I was bothered by the sudden downpour of rain. (私は突然の雨に困った)
annoyで表す「困る」
annoyは「困らせる」「いらだたせる」「悩ませる」という意味の動詞。迷惑の度合いはbotherよりも強いです。botherと同様にbe annoyed with / at / by / about ~とすると「~にイライラする・ムッとする」という意味。
He annoys my sister sometimes. (彼は時々妹を困らせる)
Her selfishness annoyed me a great deal. (彼女の利己主義は私をとても困らせた = 私は彼女の利己主義にかなりムッとした)
I was annoyed by his constant chatter. (彼の絶え間ないおしゃべりにイライラした)
Her drunken husband annoyed her. (酔っ払った夫は彼女をイライラさせた)
It annoyed me when my cat scratched my leg. (ネコが私の足を引っかいたときムッとした)
「金銭的に苦しむ」を意味する「困る」
4つ目は、金銭的に苦しむ「困る」を見ていきます。金銭的に困っている状況は、すでに示したhave trouble withやhave difficulty withを使っても表現可能。withの後にmoneyを続ければ、「お金に困る」となります。
What do you do when you have money problems? (お金に困ったときどうしますか?)
be in bindで表す「困る」
bindは「縛る」「結びつける」という意味の動詞と、「縛るもの」という意味の名詞の働きがあります。縄で縛られて逃げられないイメージで、be in bindは口語的表現で「困った状況」や「苦境」に陥るという意味。ほとんどの場合、逃げられないものは金銭的あるいはスケジュールの問題です。難しい状況、特に解決や脱出が容易ではない状況のときに使います。
If this loan is not approved, I will be in a bind. (このローンが承認されない場合、私は苦境に陥ることになるだろう)
He is in a bind to be able to pay his rent. (彼は家賃の支払いに困っている)
be pressed for moneyで表す「困る」
be pressedは「苦しんでいる」「悩んでいる」という意味で、be pressed for ~で「~が足りなくて困る」となります。
At that time we were pressed for money. (当時私たちはお金がなくて困っていた)
He is hard-pressed to get paid. (彼は資金がなくてひどく困っていた)
be short of money
short of ~は「~が不足して」という意味で、be short of moneyで「お金に困る」となります。
They seem to be short of money these days. (彼らは最近お金に困っているようだ)
She is always short of money. (彼女はいつもお金に困っている)
be badly off for moneyで表す「困る」
badly offはhard upと同じように、「~がなくて困っている」という意味。足りないものはお金に限りません。
We’re badly off for money. (私たちはお金がなくて困っている)
They were badly needing groceries to eat. (彼らは食料品がなくて困っていた)
その他の「困る」を意味する英語表現
次に、「困る」に関連したその他の英語表現とビジネスで役立つ「困る」の英語表現を見ていきます。
「困る」に関連した英語表現
ここでは「困ったことになった」や「それは困る」など、「困る」に関連した英語表現を見ていきます。
それは困りましたね
相手から何らかの悩みや困りごとを告げられたときに、思いやりや同情を示すフレーズ。「それは困りましたね」はThat’s too badとI’m sorry to hear thatで表現可能です。
too badは「気の毒な」「残念な」という意味で、That’s too badで「それは困りましたね」「それはまずね」「お気の毒に」という意味。一方、I’m sorry to hear thatは相手に起こったことを悲しく感じるというニュアンスで、「それはお気の毒ですね」「それは大変ですね」「それは困りましたね」という意味です。
A: I lost my wallet yesterday. (昨日財布を失くしてしまったんだ)
B: That’s too bad. (それは困りましたね)
A: My father is seriously ill. (父が重病なんです)
B: I’m sorry to hear that. (それは困りましたね = それはお気の毒に)
それは困る
起きたことや起きようとしていることに、「それは困る」と意義を唱えるようなときに使う表現をいくつか示します。
That’s trouble. / That’s a problem. (それは困る = 問題だ)
It is troublesome. (それは困る = 面倒だ)
That’s pretty awkward. (それはかなり困る = 厄介だ)
That’s annoying. (それは困る = うっとうしい)
困ったことになった
「困ったことになった」はThere is a problemで表現できますが、その他のフレーズも示しておきます。
We’re sunk! (困ったことになった = 参った)
We have a situation. / We got a situation (困ったことになった = 問題が生じた)
Something is wrong. (困ったことになった = 何かがおかしい)
Things have come to such a pass. (困ったことになった = ひどい状況に陥った)
困り顔
困り顔は、troubled face(困った顔)やworried expression(心配そうな表情)で表現します。
He looked into her troubled face. (彼は彼女の困った顔を覗き込んだ)
She looked at me with a worried expression. (彼女は心配そうな表情で私を見た)
「困難」を使った英語表現
「困る」とは「苦難を抱える」ことなので、「困難に直面する」「困難に陥る」の2つを確認しましょう。
困難に直面する
「直面する」は動詞のface、be confronted withで表現できます。
Since I came to Japan, I’ve faced many difficulties. (日本に来てから、私は多くの困難に直面した)
Ethnic minorities are confronted with a difficulty. (少数民族は困難に直面している)
ビジネスで役立つ「困る」の英語表現
ビジネスで役立つ「困る」の表現は、それぞれの状況に応じて使い分けましょう。以下で示すフレーズは、ビジネスの場では定型表現なので、そのまま使っても問題ありません。
We can’t have that.
ビジネス相手からの申し出等を「それは受け入れられません」「それは許容できません」「それは困ります」と拒否するときの表現。haveには「許す」「受ける」という意味があります。
The project has been delayed? We can’t have that. (プロジェクトが遅れている?それは困ります)
その他の「許容できない」ときの表現は以下の通り。
We can’t accept that.(それは受け入れられません)
It’s not acceptable. (受け入れられません)
I’m afraid I wouldn’t be comfortable with that.
I’m afraidは言いにくいことを丁寧に伝えるときの定番フレーズで、「申し訳ございませんが」という意味。ビジネスの場ではよく使われます。comfortable with ~は「~を快く受け入れる」「~に異存がない」という意味。wouldn’tで否定して「受け入れられない」「異存がある」となります。完全に拒否しないソフトな表現。
I’m afraid I wouldn’t be comfortable with that. (申し訳ございませんが、それはお引き受けしかねます = それはちょっと困ります)
I’m afraid I wouldn’t be comfortable with that suggestion. (申し訳ございませんが、そのご提案はお引き受けできません = それはちょっと困ります)
Please don’t.
相手にやめてほしいときに「困ります」と強めに伝える表現。「お願いだからやめてください」というニュアンスです。例えば、何度も注意喚起しても繰り返されるときなどに使います。強めの表現ですが、こちらが困っていることが伝わるでしょう。
Please don’t. Would it be possible to double check? (本当に困ります。ダブルチェックしていただくことは可能でしょうか?)
さまざまな「困る」の英語表現を実践で使ってみたいなら
「困る」は対応する英単語がないので、英語で表現するときには「どんな困った状況」なのかを考えることが使い分けのポイントです。自分が置かれた状況に応じて、示した例文をカスタマイズして使ってみましょう。
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