読者の皆さんの中には、仕事や将来の為に英語を勉強しなければならないけれど、「実は英語が嫌い」という方や、英語への苦手意識が強いという方もいらっしゃると思います。しかし「英語が嫌い」や「英語が苦手」という意識のままで英語学習に取り組んでしまうと、学習がスムーズに進まないことも。そこで今回は苦手意識を克服するための「自己カウンセリング法」をご紹介したいと思います。自己カウンセリングで英語が苦手という意識を取り除き、英語嫌いを克服しましょう。
「英語への苦手意識」は克服しなければならない理由
多くの人は学校ではじめて英語に触れ、単語テストや定期試験、入試という関わり方で英語に触れてこられたと思います。こうした英語経験を経て、「英語が嫌い」「英語は苦手だった」という英語に対する苦手意識が植えつけられている方は多いのではないでしょうか。
大人になって英会話力が必要になったり、留学で英語を勉強しなければならないといったとき、こうした英語への苦手意識は大きな足かせになってしまいます。
「嫌い」という意識で物事をすすめると、どうしても「やらされている感」が拭えず、新しい知識が頭に入りにくかったり、継続する力も生まれにくくなります。
逆に英語だけでなく、何をやるにしても、ポジティブパワーというのは大きな力を発揮しますよね。「好き」というだけで物事は続けやすくなりますし、もっと知りたいという気持ちが貪欲に生まれてくるものです。これから英語を勉強しようという方は、絶対に「苦手意識」を克服してから始めることをおすすめします。
自己カウンセリングで苦手意識を克服しよう
英語の苦手意識を克服するには、「自己カウンセリング法」が有効です。通常カウンセリングというのは、第三者のカウンセラーに話を聞いてもらいながら、自分の真の気持ちを発見していくことが多いのですが、実は自分でそれを行うことも不可能ではありません。早速その方法をご紹介しましょう。
英語に対する嫌な思い出を思い浮かべる
まずは英語に関する「嫌な思い出」を頭に思い浮かべてみてください。初めて英語を習ったときのこと、英語の教科書や、英語の先生とのやり取りなど、英語に関することなら何でも結構です。時系列に思い出す必要はありません。一番最初に鮮明に思い出すことは何でしょう?辛い思い出でしょうか?恥ずかしい思い出でしょうか?テストの点数?入試でできなかったことでしょうか?
思い出すと苦々しい気持ちになることがあるかもしれませんが、真正面から思い出と向かい合ってみてください。
思い出したことを紙に書き出す
先程思い出した「嫌な思い出」を、次は紙に書きだしてみてください。自己カウンセリングを行う上で、紙に書き出すことは最も重要です。書くことで紙面上の自分と対峙でき、感情を客観視することができます。
書き方は自由で結構です。短くてもいいでしょうし、その時の情景を詳しく書いてもOKです。複数ある場合は、詰めて書かないで、なるべく空白を沢山空けて書いてください。
筆者の場合は、ノートにこのような内容を書き出しました。
・5歳のとき連れていかれた英会話教室の体験レッスンで、「ばなーな(バナナ)」と何度も発音させられて、それが嫌で英会話教室には行かなかった。
・高校1年生の時に受けた最初のリスニングの授業で、外国人の先生が「次回は、教材代として千円を持ってくるように」と英語で言ったらしいが、まったく聞き取れず、次の授業で私だけ千円持っていかなかった。
その時感じた気持ちを書き出す
先程書き出した思い出に関して、その時感じた気持ちや、今も感じる気持ちを書き出してみましょう。
例えば、「恥ずかしかった」「劣等感を感じた」など、まとめようとせず、自分の言葉で結構ですので、ありのままに書いてみてください。
「なぜ?」を書き出す
先程書き出した「恥ずかしかった」や「劣等感を感じた」というような感情に対し、「なぜそのように感じたのか?」を考えて、書き出してみてください。
筆者はこのように書きました。
・5歳のとき連れていかれた英会話教室の体験レッスンで、「ばなーな(バナナ)」と何度も発音させられて、それが嫌で英会話教室には行かなかった。
→恥ずかしかった (感情)
→なぜなら、皆の前で何度もやり直しさせられた。「バナーナ」だけ、何度も皆の前で言わされて、そうじゃないよと訂正されて、恥ずかしかった。(感情の理由)
・高校1年の最初のリスニングの授業で外国人の先生が、次回、教材代として千円を持ってくるようにと英語で言ったらしいが、まったく聞き取れず、次の授業で私だけ千円持っていってなかった。
→恥ずかしかったし、劣等感を感じた。(感情)
→みんなはわかっているのに、自分だけ聞き取れていなかったから周りと比べてしまい、劣等感を感じた。(感情の理由)
反論し、自分をゆるしてあげる
次に、「感情の理由」として書いたことを考察しながら、反論を考えてみます。反論を考える際には「でも」という言葉を使うと見つけやすいでしょう。
例えば、下記について。
→なぜなら、皆の前で何度もやり直しさせられた。「バナーナ」だけ、何度も皆の前で言わされて、そうじゃないよと訂正されて、できなくて恥ずかしかった。(感情の理由)
<反論>
「でも誰だって皆の前で何度も訂正されたら恥ずかしいのは当たり前だよな」
「でもバナーナだけひたすら言わされるとか、不自然だし子供ならそりゃあ恥ずかしいよね」
「でも皆の前でそうじゃないと訂正するんじゃなくて、できているところを褒めてほしかったなあ」
「でも最初なんだから訂正するばかりじゃなくて楽しめることだけさせてくれたらよかったなあ」
冷静に考えてみると筆者の場合こんな反論がでてきました。
そしてこうした反論を書いた結果、
「自分が悪かったんじゃないよね」
という気持ちに至りました。
英語がどうこうというより、このときの「皆の前で」「訂正される」という英語自体とは離れた出来事が恥ずかしさやトラウマに至っていることがわかったのと、「自分が悪かったわけではない」という気持ちになれ、その時の自分を許してあげることができました。
もう一方の出来事についても考えてみましょう。
→みんなはわかっているのに、自分だけ聞き取れていなかったから周りと比べてしまい、劣等感を感じた。(感情の理由)
<反論>
「でも、そういえばあの授業は選択制で、一緒に授業を受けていた他の人の多くは英語科だったな。私はそれに比べて普通科だった。」
「でも、英会話を小さい時から習っている子が多かったし、そうじゃない子はラジオ英会話を聞いていて英語が得意だった」
「でも、私はあの時初めて外国人の先生の英語を生で聞いたんだった」
と考察しました。
そうすると
「いや、聞きとれなくて当たり前だったよね?!私にとっては初めての英語の授業だったんだし・・・英会話を習っていた周囲の生徒とハンデがあるのは当たりまえ」
という気持ちになりました。反論することで、自分が特別落ちこぼれていたというよりは、単なる周囲との経験の違いだったと今では思えます。
こうして、反論を考えていくと、英語嫌いの原因は、実は「自分以外の環境や状況に原因があった」と気づくことが多いのです。たいていの場合、「英語」そのものに、なにか決定的に嫌いになる原因はなく、その周囲の「状況」や「環境」などが原因で「英語」が嫌いになってしまっている場合が多いもの。「自分は悪くなかった」と自分を許し、癒やしてあげることで、「英語への苦手意識」を消す手がかりになるはずです。
「英語嫌いを克服する自己カウンセリングの方法」がわかったら
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