「おおよそ」「だいたい」「ざっくり」「ほぼ」といった、正確ではないアバウトな数字や様子を表す言葉は日本語でも日常的によく使われます。英語ですぐ思いつくのはaboutやaroundといったものはではないかと思いますが、今回はこれらを含めたほかの英語表現についても解説します。
日常生活・ビジネスどちらでも使われる「おおよそ」を表す英語基本表現
ざっくりとした数や時間などを表す、日常生活・ビジネスの場の両方でよく使われる英語表現には次のようなものがあります。
about / around「だいたい、頃、この辺」
「おおよそ」を表す英語としてもっとも一般的な単語が「about」と「around」です。2つとも数や時間、量、場所に対して「だいたいこれぐらい」「この辺り」「この近く」といった意味で使われますので、どちらを使ってもかまいません。
大きな違いとして、イギリス英語では空間を指す時は「about」を、アメリカ英語では「around」を使い、アメリカで「この辺りの場所」という意味では「about」は一般的に使われないことがあげられます。
I ate about 10 pieces of chocolate.(チョコレートを10枚くらい食べた)
Can you finish the report by about 3 o’clock?(3時頃までにレポートを仕上げてもらえますか?)
I’ll be there around 7 p.m.(午後7時ごろに行くよ)
We had around 100 guests at our wedding.(私たちの結婚式には100人ほどのゲストが来ました)
We walked about the neighbourhood.(私たちは近所を散歩した/英)
We walked around the neighborhood.(私たちは近所を散歩した/米)
ただし、よく使われるもので、「今出るところ(=支度がほぼ終わり)」「今日はこの辺で終わりにしよう(=ほぼやっていることは終わった)」という決まった表現には「about」を使い、「around」は使われないのでこのまま覚えておきましょう。
We are about to leave. (私たちは今出るところです)
(around to leaveとは言わない)
That’s about it for today. (今日はこの辺で)
(around itとは言わない)
approximately「約」
「about」「around」と同じ意味ですが、よりフォーマルな言葉であることと、空間には使われず限定的であるという点で少し異なります。カジュアルな会話で「approximately」を使うと少し違和感がありますが、学術的な文章や、スピーチ、プレゼンテーション、見積もりの提案などでのビジネスの場で数や時間について述べる場合はぜひ「approximately」を使いましょう。
Approximately 300 people will attend the conference.(会議には約300名の方が参加される予定です)
You can expect the report to be ready in approximately 10 days.(報告書の完成は約10日後を予定しています)
The estimated cost is approximately 300,000 yen.(見積もり費用は約30万円となります)
roughly 「おおむね、およそ」
「approximately」はフォーマルな言葉ですが、「roughly」はカジュアルに使えるおおよその量を表す表現です。「about」や「around」に比べてより数字の許容範囲が広い印象です。数字だけではなく、好みなどの概念的なものにも使われることがあります。
His dad is roughly 70 years old.(彼の父親はおよそ70歳だ)
He earns roughly $4000 a month.(彼の月収はおよそ4000ドルだ)
Tom and I have roughly the same tastes.(トムと私は好みがだいたい同じだ)
Roughly speaking, 70% of the population suffers from mild depression.(おおよそ人口の7割が軽い鬱を患っている)
more or less「おおむね」
「approximately」と同じ意味で使われますが、文中で使う場合、数字だけではなく動詞の前にも置くことができます。一般的には文の末尾に使われることが多い表現です。
一つ注意すべきなのは、年齢の前には使わないこと。年齢について語る場合は「about」や「around」を使いましょう。例えば「彼女は45歳ぐらいだ」と言いたい場合、「(誤)She’s more or less 45. 」「(正)She’s about 45.」となります。
We can go for lunch soon. I’ve more or less finished.(もうちょっとしたらランチに行こう。だいたい終わったから)
What she just said is more or less true.(彼女は今言ったことことは、概ね合っています)
It’s not cheap – from my experience, it would cost $500, more or less. You can fix it by yourself. I’ll show you.(安くないよ、経験からいうと500ドルくらいかな。自分で直せるよ。教えてあげるし)
almost「ほぼ」
これまで出てきた表現との大きな違いとして、「almost」はその数値にほぼ近いけれども超えていない場合を表すということです。また、「almost always(ほぼ常に)」、「almost certainly(ほぼ確実に)」、「almost immediately(ほぼすぐに)」などのように、副詞の前に使われることが多い単語です。
My son is almost 7 years old.(私の息子はもうすぐ7歳になります)
He left the office at almost 10 p.m.(彼は夜10時近くに会社を出た)
Almost all the students failed the exam. Their professor must be furious!(ほぼすべての生徒が試験に落ちた。教授は激怒しているに違いない!)
He is almost always late.(彼はほぼいつも遅刻だ)
nearly「ほぼ、近く」
「almost」と同じようにその数字の少し下を表しますが、ニュースなどより専門的な場面でよく使われます。「almost」が不確実な数字などの意味合いが近いことに対し、「nearly」はその数字までの近さがより強調されるニュアンスがあります。
It took nearly a year to finish the project.(完成まで1年近くかかりました)
They spend nearly one-third of their salary on rent.(彼らは給料の3分の1近くを家賃に費やしている)
Nearly all my friends have been to Kyoto.(友人のほとんどが京都に行ったことがある)
It’s nearly midnight. I have to go home.(もう真夜中に近い。家に帰らないと)
ballpark figure「概算、おおよその数字」
ballparkとは球場を意味します。球場は広いので正確に大きさが把握にくいですよね。そこから何かの大きさや量を正確に測定することがまだできない場合に、議論や取引を進めるために使用される見積もりのことです。一般に、会計士や営業マン、株式ブローカーなどの専門家が、現在または将来の結果を推定するために使用する数値です。使用範囲は広く、ビジネスでも日常でも使われています。
ビジネスでは、ある市場に進出するための費用や、利益を上げられるようになるまでにかかる年数、大きな投資をするのに必要な売上高を見積もる、といった場面で使われます。一方日常生活では、パーティーに必要なドリンクや食べ物の量や金額、借金の返済にかかる年数などに使用されます。
I’m not sure how much a flight to Johannesburg would cost, but the website should give you a ballpark figure.(ヨハネスブルグまでの航空券がいくらかかるか知らないけど、ウェブサイトを見ればだいたいの金額がわかるんじゃないかな)
How much will it cost to install your new software in our system? Could you give me a ballpark figure?(新しいソフトを我が社のシステムにインストールするのにいくらかかるのでしょうか?おおよその金額を教えてください)
カジュアルな会話でしか使われない「おおよそ」を表す英語基本表現」
インフォーマルな英会話でよく使われる「おおよそ」を表現する英語もあわせて覚えましょう。
something like「だいたい〜という感じ」
I can get something like 2,000,000 yen if this works.(これがうまくいくと200万円とかもらえるんだ)
She’s on page 150 or something like that.(彼女は150ページ目とかそんな感じ)
Let’s catch up soon! Something like next Thursday?(近いうちに会おうよ!来週木曜日あたりとか?)
-ish「おおよそ、〜ごろ」
数字の後につけることで「おおよそ」という意味を表すことができます。またカジュアルな会話では相手の問いかけに単独で使うことで、「まあそんな感じ」という意味を表現できます。
Let’s meet up at 7ish.(7時ごろに会おう)
I’ll call you tomorrow. Noonish.(明日電話するね。昼ぐらいかな)
When I first met her, she was 20ish.(彼女と初めて出会った時、彼女は20歳ぐらいだった)
A:You see her every weekend?(彼女と毎週末会ってるの?)
B:Ish.(だいたいね)
A:Do you drink every night? A few beers?(毎晩お酒飲んでるの?ビール何本かとか?)
B:Ish.(まあそうな感じ)
pretty much「だいたい」
「almost」と同じ意味ですが、さらにカジュアルな場面で使われる言葉です。文中でも使えますが、会話ではほとんどの場合で返事として単独で使われます。
I’ve tried pretty much everything, but nothing works! Help me!(できることはほぼ全て試したけど、できない!助けて!)
I’m pretty much done with him!(彼とはもうほぼ終わりよ)
These bags look pretty much the same.(このバッグ、ほぼ同じ感じに見えるね)
A: You finished the report?(レポート終わったの?)
B: Pretty much.(だいたいね)
A: So, you’re saying he’s not the person we thought he was?(つまり、彼は私たちが思っていたような人じゃなかったってこと?)
B: Pretty much.(そんな感じ)
or so「〜ほど、そこらで」
「approximately」と同じように使われますが、こちらはカジュアルな表現で、数字などの後ろにつきます。
Last time, I stayed at her place for a week or so.(前回は彼女の家に1週間ほど滞在した)
We raised $5,000 or so for charity.(チャリティで5,000ドルほど集めた)
I usually sleep for 7 hours or so.(普段は7時間くらい寝てるよ)
It takes me 2 hours or so to get to the office.(オフィスまで2時間ぐらいかかるんだ)
「おおよそ」を表す表現がわかったら
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