話せる英語が身につく「英会話のためのリーディング」学習法とは?

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英語を学校でしっかり学び、文法も一通りわかるはずだけど、スピーキングで長々と英語を話すことができないというお悩みをお持ちの方は多いと思います。それはもしかすると、「英会話のためのリーディング」を経験していないからかもしれません。そこで今回は、スピーキングで長々と話せるようになるためのリーディング法をご紹介していきたいと思います。

多くの日本人が「英会話のためのリーディング」を経験していない

多くの日本人が、少なくとも中学校から英語を学びはじめ、長ければ大学や大学院まで英語を学び続けてこられたのではないかと思います。基本的な英単語や文法はしっかり学び、受験のための長文読解などもこなしてきたにもかかわらず、「スピーキングで長々と話すことができない」という方は多いのではないでしょうか。

その原因の一つが、「英会話のためのリーディング」を経験していないというところにあるといえます。日本の英語教育では、文章を読む際、「訳しあげる」という方法が取られてきました。

たとえば「I’m reading the book which he wrote.」という文を読解する際、授業では、
最初に文の後半の「the book which he wrote」を「彼が書いた本」と訳し、

I‘m reading the book which he wrote
「彼が書いた本を」

それから、下記のように文頭の「I’m reading」を「私は読んでいる」と訳し、

I‘m reading the book which he wrote
②「私は読んでいる」①「彼が書いた本を」

結果的に、「彼が書いた本を読んでいる」という日本語に訳して理解する、という作業を行ってきたかと思います。このように、私達が行ってきた長文読解法は、

<過去の長文読解法>
1.後ろから前に訳しあげていく
2.英語を日本語に訳して意味を理解する

という方法だったことがわかります。しかしこの長文読解法では、文の意味を理解できるようにはなっても、スピーキングは上達しにくいというのが現実です。

英会話のためのリーディング法とは

ではスピーキングを上達させるためのリーディング法とはどのようなものなのでしょうか。それは、実は

<英会話のためのリーディング法>
1.前から順番に意味を理解していく
2.英語を英語として理解し、他の言語に訳さない

というものになります。つまり「後ろから訳しあげたり、日本語に訳して理解する」というこれまでの読解方法は、残念ながらスピーキング力を阻害する勉強方法であったということがわかります。

そもそも「日本語で考えたものを英語に訳す」という回路が基本になっていては、いざスピーキングで英語を口から発しようとした際に、すらすらと英語が出てきません。

すらすらと英語を話すには、英語で考えたものを口からそのまま英語で出すという「英語脳」が必要になります。

この英語脳を育てるのに、「長文読解」、つまりリーディングは効果的なトレーニング方法の一つと言えます。英語脳を作るためには、長文読解の際には、英語を前から後ろに読み進め、その都度「英語をそのまま」理解していくという訓練が大切です。ですので「後ろから前に訳しあげ」たり、「英語を日本語に訳し」たりという従来の長文読解法では、スピーキングに必要な「英語脳」を作ることは不可能なのです。

「英会話のためのリーディング法」の具体的方法

では具体的にどのようにリーディングを行っていけばよいのでしょうか。順を追ってご紹介しましょう。

とにかく簡単な単語と内容の文章ばかり読む

英会話のためのリーディング法を始める上で重要なのは、「とにかく簡単な単語と内容のものを選ぶ」ということです。とくに大学受験を経験した方は、社会学や医学、政治などかなり内容の難しい長文読解を訓練してこられたかと思います。しかし文章の内容や単語の意味が難しければ難しいほど、英語を英語として理解することが難しくなるため、どうしても「訳し上げ」や「日本語への翻訳」が入ってしまいます。

まずは、とても簡単な「子供向けの絵本」などから始めましょう。知らない単語がほとんどないようなものがおすすめです。内容も理解しやすく単純なものがいいでしょう。すらすらと先々読んでいけるものをおすすめします。

多読+音読をする

簡単な英語の絵本を多読し、英語を英語で理解していく癖をつけていきます。できれば声にだして音読をしましょう。音読をすることで、目だけでなく、口と耳も使うことになり、より英語の刺激を受けやすくなりますし、何よりスピーキングの直接のトレーニングにもなります。

少しずつレベルを上げていく

絵本を沢山読み、英語を英語として理解できるようになってきたら、少しだけレベルを上げましょう。例えば中学校の英語教材や、英検教材の4級など、級の低いものから取り組んでいくのもいいでしょう。物語が好きな方であれば、子供向けの英語本でもいいでしょうし、さらに慣れてきたら、子供向けの英字新聞などはおすすめです。しかし難しくて読み進めないと思ったら、レベルを上げるのは控え、同じレベルのものをたくさん読むように心がけてください。簡単だと思っても、そういったものをたくさん読むことが、英語脳を作る近道なのです。

単語がわからなくても基本スルー

子供向けの絵本であっても、分からない単語は出てくるかもしれません。しかし全体の意味が何となく取れるのであれば、そのまま読みすすめるようにしましょう。辞書を引く必要はありません。辞書を引いてしまうと「日本を介して」理解することになってしまいます。あくまで前から後ろに、どんどん読み進めていき、英語を英語として理解していくのです。

「英会話のためのリーディング」におすすめの英語本

英語の絵本はたくさんあり、どんなものでも構いませんが、その中のいくつかをご紹介しておきましょう。

英語版「バムとケロシリーズ」

日本で子供に大人気の「バムとケロ」シリーズ。その多くが英語版も存在します。絵が可愛くてわかりやすくて、大人が読んでいても面白いので、ぜひ一度手に取ってみてください。

Where The Wild Things Are

日本語では「かいじゅうたちのいるところ」として有名な絵本。英語圏の国でも知らない子はいないというくらい人気のある絵本です。何度読んでもまた読み返したくなる名作ですよ。

The Giving Tree

子供の時より、大人になってから読んだほうが心に染みるという不朽の名作。日本では村上春樹さんが「おおきな木」と題して翻訳していることでも有名です。読んだことがない方はぜひハンカチを準備してご一読ください。

「スピーキングのためのリーディング法」がわかったら

長い文章を話すことができないという方は、日本語で考えて英語に訳すという回路ができてしまっているためかもしれません。英語をスラスラ話すには、かならず「英語脳」が必要です。英語を英語で考えて話すために、日本語に訳して理解する長文読解法をやめて、英語を英語で頭から理解していくリーディング法に変えていきましょう。まずは簡単な絵本から始めて、楽しみながらたくさん読むことを心がけてくださいね。

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