会話の中で「率」という言葉を耳にすることは意外と多いものです。「打率」「確率」「収益率」など、「率」を含んだ色々な表現が日本語にはありますが、英語でそれを表現しようと思うと意外とすぐ口から出てこないという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、まず「率」を表す「rate」「proportion」「ratio」「percentage」などの基本英単語をご紹介し、その使い分け方とともに、「率」を含む様々な英語表現をご紹介したいと思います。
基本単語「rate」「proportion」「ratio」「percentage」の使い分け方
「率」にあたる英単語を調べると「rate」「proportion」「ratio」「percentage」の4つの基本単語をよく目にすることになると思います。「割合」を意味する言葉で、ビジネスパーソンの方もよく口にするこれらの英単語ですが、どのように使い分ければよいのでしょうか。その違いや使い分け方をまずはご紹介したいと思います。
rate:一定の基準、尺度に基づく比率、割合
The train is traveling at the rate of 50 miles an hour.
(その列車は時速50マイルの速さで走っている。)
This firm manufactures cars at the rate of two hundred per day.
(この会社は1日に200台のペースで車を製造している。)
「rate」は「1時間あたり」や「1日あたり」など、一定の基準や尺度に対しての比率を表わす際に用いる単語です。1つ目の例文の場合は「1時間あたり」が基準に、2つ目の例文では「1日あたり」が基準になっていますね。その他「10人あたり1名の合格率」等、基準を自由に設定することができるのがrateの特徴です。
なお、例文で出てくる「at the rate of 〜」は「〜の割合で」という意味で、よく耳にします。またその後の「1時間あたり〜」に関する表現ですが、「50 miles per hour」と「per(あたり)」を使って表現することもあれば、「50 miles an hour」と表現することもできますので、こちらも覚えておくと便利ですよ。
ratio:2つを比べたときの比率
The male to female ratio is 4 : 6.
(男女比は4対6です。)
The ratio of students to teachers is four to one.
(学生と教師の比は4対1です。)
「ratio」は2つの量や大きさを比べた際の「比」を表す表現で、「A : B」で表現する際にも使われる比率の英単語です。1つ目の例文の場合「4 : 6」は英語で「four to six」と発音します。また、「4 : 6」は「4/6」と書かれることもありますが、その際も「four to six」と発音することになります。
proportion:全体に対する割合、比率
The overall proportion of smokers is decreasing.
(喫煙者の全体の割合は減少しています。)
A large proportion of the earth’s surface is covered with water.
(地球表面のかなりの部分が水に覆われている。)
The proportion of births to the population.
(人口に対する出生比率)
「proportion」は「全体に対する」割合や比率を出す際に使われる英単語で、「全体のバランス」という意味もあります。日本語でも、体全体に対する足の長さなどの割合が整っている際に「プロポーションがいい」という表現がありますよね。
例文でも、「全体に対する喫煙者の割合」や「地球全体の表面に対するかなりの部分」など、全体に対する割合を表現しています。なお例文の「overall」は「全体の」という意味、「surface」は「表面」、「be covered with」は「〜で覆われている」という意味になります。
percentage:100を基準としたときの割合、比率
This question had a low percentage of correct answers.
(この問題は正答率が低かった。)
What is the winning percentage?
(勝率はどのくらいですか?)
「percentage」は100を基準としたときの比率を表現する英単語です。「percentage」は「percent」の名詞形です。「percent」は元々ラテン語の「per centum」が語源で、perは「毎に」、centumは「百」を意味します。つまり「百ごとに」という意味ですね。ちなみに具体的に60%などの数字を表現する際は「percentage」ではなく「percent」を用いて、「60 percent」と表しますよ。
「率」を含んだいろいろな英語表現
次に「率」という言葉を含んだ色々な英語の表現方法を例文とともにご紹介しましょう。先程ご紹介した「rate」や「proportion」を使わず表現する言葉も多々ありますので、見かけたら一つひとつ覚えて慣れていくと安心ですよ。
打率:batting average
Otani ended his first major league season with a batting average of .285
(大谷選手はメジャーリーグの最初のシーズンの打率を、2割8分5厘で終えた。)
野球でおなじみの「打率」は、「batting average」と表現します。「agerage」は「平均」「平均値」という意味で、スポーツの「勝率」や「打率」を表す際に用いられます。ちなみに勝率は「winning average」や「winning percentage」ともいいますよ。
エネルギー効率:energy efficiency
The energy efficiency should be promoted.
(エネルギー効率を促進すべきだ。)
「効率」という場合には「efficiency」という英単語が存在します。エネルギー効率と言いたいときには「energy efficiency」、その他「space efficiency(スペース効率)」「work efficiency(作業効率)」といったように使える便利な表現ですよ。なお例文の「promote」は「促進する」という意味の英単語です。
市場占有率:market share
We have to improve the market share.
(市場占有率を改善しなければならない。)
日本語でも「マーケットシェア」と言われる「市場占有率」。この「share」には「割合」という意味があり、市場に占める割合という意味で「market share」という言葉を使います。なお例文の「improve」は「改善する」の意味。
確率:probability
The probability of the team winning is one in five.
(あのチームが勝つ確率は5分の1だ)
起こりやすさの指標を表す「確率」は「probability」という単語で表します。「probability」は「ありそうなこと」「起こりそうなこと」という意味で、「probably(たぶん)」はその副詞形ですね。また、賭け事などでの「勝つ確率」などを表現する際には、「odds(勝ち目)」という言葉も用いられます。(例:The odds on that horse are ten to one.「あの馬が勝つ確率は10分の1だ。」)
降水確率:the chance of rain
There is a 50 percent chance of rain today.
(今日の降水確率は50パーセントです。)
「chance of」は「〜の見込み」という意味で「雨の降る見込み」、つまり「降水確率」のことを「chance of rain」と表現することがあります。なお、「降水確率」は、先程お伝えした「probability(確率)」を使って「the probability of rain」と表現することもできます。
収益率:profitability
This led to a rise in sales and improvements to profitability.
(これが売上増、そして、収益率の向上につながっています。)
企業などでよく使う「収益率」という言葉は、「profitability」という英単語一つで表現することがあります。正確には「profitability rate(収益率)」ですが、「rate」を省くこともしばしばあります。
なお「profit」が「利益」「収益」という意味で、そこに「able(できる)」をつけた「profitable」が「利益になる」という意味。「profitability」はその名詞形で、「収益性」というのが元々の意味です。ちなみに、収益率はその他に「rate of return(収益率、利益率)」とも表現します。例文の「led」は「lead」の過去形で「導く」という意味になります。
「率」の英語表現がわかったら
「率」という言葉は日本語でも色々な場面で登場します。まずは基本の英単語である「rate」「ratio」「proportion」「percentage」の使い分け方を理解しておくと便利でしょう。その他の単語を用いた表現は、その都度覚えていくといいですよ。
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