皆さんはマンブリングという言葉を聞かれたことがありますか？英語学習において耳で聞こえた英語音声に続いて真似をする「シャドーイング」は有名ですが、「マンブリング」はその派生形となる学習法。シャドーイングしたいけれど移動中に声を出せなくて困る…というときにうってつけなんです。また、英語を発声するのにまだ慣れていないという英会話初心者のひとにもおすすめ。今回はそんなマンブリングについてご紹介します。
マンブリングって何？
マンブリングとは「mumble」、つまり「口の中でモゴモゴとつぶやく」という英語からきている英語学習方法です。その名の通り、英語を口の中でモゴモゴとつぶやくのですが、まずは具体的にどのように行うのかをご説明しましょう。
マンブリングの方法
マンブリングはシャドーイングの派生形です。シャドーイングのように、まずは英語音声を耳から取り入れます。そしてその音に続いて同じ音声を真似していくという学習方法です。
ただし、シャドーイングがはっきりとした大きな声で真似をするのに比べ、マンブリングは口の中でモゴモゴと、自分にも聞こえるか聞こえないかのような小さい声でささやくところに特徴があります。
マンブリングの際の声の大小は、あなたがやりやすい大きさでOK。最初は口を動かすだけでほとんど声に出さなくてもいいでしょう。慣れてきたら少しずつささやき声のボリュームを上げていくといいですよ。
初心者必見！マンブリングのメリット
マンブリングが英語学習にとっておすすめなメリットは沢山あります。特に時間がない方にはシャドーイングよりもこちらをおすすめしています。この学習法のメリットを詳しくご説明しましょう。
英語音声がかき消されない
シャドーイングは一般に、英語学習初心者さんには難しいとされる英語学習法です。理由としては、耳で音声を聞き続けながらも、自分が真似をして発話をするため、自分の声に英語音声がかき消されて、次のフレーズがわからなくなってしまう、という点が挙げられます。その点マンブリングであれば、口の中でモゴモゴと発話するだけですので、耳から聞こえる英語音声はずっとクリアに聞き取り続けることができ、音声がかき消されません。
自分の発話に気をとられない
シャドーイングのように大きな声で真似をすると、自分の発話した「英語の未熟さ」に気を取られる事が多くあります。例えば「イントネーションがおかしくなった」や、「舌が上手に動かず意図した発音にならなかった」といった失敗に気を取られて、長い文章をシャドーイングする集中力が削られてしまうのです。その点、マンブリングでは、自分の声が耳から聞こえないため、英語音声にのみ集中することができます。
音を認識する初期の練習に適している
「英語音声を耳で聞いて、その音を認識し、それを真似して言う」というシャドーイングの練習は、「音声認識の自動化」にうってつけのトレーニングです。つまり耳で聞いた音をすぐに認識しなければ真似はできませんので、相手が話したことをすぐに理解し、会話を即座に続けるためのトレーニングになるわけです。
とはいえ、これまでにも述べた通り、シャドーイングは「聞く」と「話す」のマルチタスク力が問われるため、英語学習初心者さんにはかなりレベルの高い勉強法です。そこで、同じ回路のトレーニングができる「マンブリング」から始めることで、初心者さんでも無理なく「音声認識の自動化」が可能になるわけです。「真似して言う」という部分の正確さはとりあえず置いておいて、まずはこの「音声認識の自動化」を身につけるトレーニングとして「マンブリング」が効果的だと言えます。
初めての英文の準備体操ができる
シャドーイングをする際、初めて行うスクリプトや英文の場合には、初見である分、初心者さんでなくても難しく感じることがあります。例えば、「アメリカ英語じゃなくイギリス英語である」とか、「思いの外スピードが速い」など、初回は戸惑いが多く、うまくシャドーイングの波に乗れないこともしばしばです。そこで、最初はマンブリングを行い、耳から聞こえる音声にフォーカスをして、このスクリプトの音のリズムやペースを掴むとよいでしょう。最初からシャドーイングだと戸惑いがちな初見のスクリプトでも、マンブリングをすることにより、ちょうどよい準備体操となるのです。
場所を選ばずトレーニングができる
シャドーイングが英会話力の向上にとって効果的なトレーニングであることはよく謳われていますが、実際にシャドーイングを行おうとすると、「学習する場所」に制約があるという事に気づきます。例えば忙しいビジネスパーソンや学生さんの場合、自宅で一人きりで勉強をする時間があまり取れず、通勤中や移動中の電車の中が主な英語学習時間になっているという方も多いのではないでしょうか。声をださなければいけないシャドーイングは、こうした「公衆の面前」ではやりにくい勉強方法ですよね。
そんな時、周りに聞こえず「シャドーイングもどき」を行う方法として、「マンブリング」がおすすめです。マンブリングであればイヤホンで英語音声を聞き、外に聞こえない声でブツブツと音声をつぶやけばOK。口を動かす必要はありますが、声は出さなくていいので、いつでもどこでもやることができます。
シャドーイングをやりたいけれど、声を出せないので挫折をしていた英語学習者の方にとって、「マンブリング」はかなりおすすめの学習法なのです。
マンブリングに慣れたらシャドーイングに移行
マンブリングは、シャドーイングと似て非なるもの。英語学習初心者さんには圧倒的にマンブリングをおすすめしますが、慣れてきたらシャドーイングもぜひ取り入れて頂きたいところです。その理由としては、マンブリングではどうしても得られないシャドーイングの効果があるためです。そこで最後に、マンブリングに慣れたらシャドーイングに移行してほしい理由をご紹介しましょう。
英語発声に必要な口の筋肉を鍛えられる
マンブリングは、口の中でモゴモゴブツブツと発話するため、どうしても英語独特に口の動きを練習することができず、口の筋肉が鍛えられません。英語は特に口の筋肉が必要な言語ですので、いずれかはしっかり発話をして、口の動きを鍛える必要があるのです。マンブリングに慣れたら、しっかり発声して英語筋を鍛えるシャドーイングに移行しましょう。
自分の発声を確認できる
マンブリングは、まずは音の認識をするというトレーニングですので、自分が同じように真似をしてしっかり発声できたがどうかは度外視したトレーニングです。しかし慣れてきたら、シャドーイングでしっかり声を出すことで、「自分がしっかり正しい英語を発声できているのか？」といった部分も確認していきましょう。正しく言えていなければ、正す必要がありますし、言えていれば自信にも繋がります。こうした本当のスピーキング力を鍛えるには、最終的にはシャドーイングを取り入れていただくと良いでしょう。
マンブリングの方法やメリットがわかったら
シャドーイングは英会話力を鍛える有名な学習法ではありますが、初心者さんや忙しい方には取り入れにくい勉強法であることも事実です。そんな時、まずはマンブリングから始めてみるといいでしょう。モゴモゴというだけなのでハードルも低く、場所を選びません。しかし英語音声の認識力はしっかり身につきますので、安心して取り入れてくださいね。
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