AI翻訳やChatGPTが便利になり、「もう英語を勉強しなくてもAIが翻訳してくれる」といった声や、「今後は語学ができなくても世界の人とコミュニケーションを取れる」といった声を耳にするようになりました。しかし筆者は果たしてそれは本当なのか?と疑問に思っています。むしろAI時代になるからこそ、英語を話せる人は優位に立つのではないか、とすら感じています。今回はそう思う理由と、AI時代にすべき英語学習法をご紹介したいと思います。
「AI時代に語学力は不要」は嘘!その理由をご説明します
Google翻訳などのAI翻訳や、質問したことに答えてくれるChatGPTなどが現れ、語学を巡る私達の世界はとても便利になりました。すでに旅先でも翻訳機を使ってホテルでのコミュニケーションがなされるなど、生活にAIが浸透しつつあります。
しかし、「AIが発達したから英語を勉強しなくていい」「AIが世界中の人とのコミュニケーションを助けてくれるから語学力は不要になる」という意見に関して、筆者は疑問を抱いています。まずはその理由をご説明しましょう。
タイムラグが障害になる
AI翻訳のリアルタイム翻訳は日々精度を上げているのは事実です。しかしまだまだタイムラグがあるのは否めません。特に長い文章を訳してもらうと、そのタイムラグはどうしても気になるもの。
タイムラグというと、昔でいうところの「長距離電話」や、現在の「ネット回線の状況が悪い中でのオンライン会話」などもその一例です。Zoomなどで会話をしていて相手との会話の中にタイムラグがあると、どうしてもコミュニケーションがしづらく、気まずい雰囲気になるというのを感じたことがある方は多いでしょう。その気まずさが嫌だから、あえて無駄な発言はしない、という人もいるようです。
AI翻訳を通した人と人とのコミュニケーションでは、かならずタイムラグが生じ、それが気まずさを生んで、スムーズなコミュニケーションや、会話の盛り上がりの妨げになってしまいます。意思疎通はできたとしても、スムーズにいかないコミュニケーションの中で、「この人と心から通じあえた」と思うことが本当にできるでしょうか?
人は言葉だけでコミュニケーションをとっていない
人と人がコミュニケーションを取る時、表面的な字面だけで思いを伝えているのではありません。例えば「すいません」という言葉を発する時、「とてもか細い声と、今にも泣き出しそうな顔」で言う場合と、「強気な態度と苛立った声」で言う場合とでは、相手に伝わる印象はまったく違ったものになりますよね。
AIはそうした言葉以外の情報も汲み取って表現してくれるレベルにはありません。ただ機械的に「すいません=I’m sorry」とだけ翻訳するのです。
あなたが本当に申し訳ない気持ちを相手に伝えたくても、AIには「感情を訳す」ことはできません。自分の口から発する言葉と共に、自らの態度や表情で思いを伝えてこそ、相手に真の意味が伝わるのです。
複数の人数がいる時に会話には向かない
AI翻訳は、例えば4−5人のグループでワイワイ会話を楽しむには、かなり不向きなツールです。日常の中で、複数で楽しくおしゃべりをする時、一人が話している途中で別の人が話を被せたり、割って入ったりすることがあります。またその間に別の人が「そうそう」「わかるわかる」と相槌を打ったりと、様々なアクションが同時に取られることが多いものです。AI翻訳は一人一人の発言を順番に翻訳することはできても、一度に多人数の翻訳を行うことは難しく、理解する人間側も話についていきにくくなります。
そうなると、結局「AI翻訳を介さなくてもいい、自分の口から同じ言語を話せる人」だけがグループを作って、会話を楽しむことになるでしょう。「自分の口から同じ言語を話せない人」は会話に入りにくい環境ができてしまい、学校や職場で疎外感を感じてしまうかもしれません。楽しく大人数で会話する場合には、やはり一人ひとりが自分の言葉を自分の口で発せなければ、円滑なコミュニケーションは難しいのです。
AIは文化的背景を翻訳できない
各言語には、その国や地域の文化的背景が潜んでいます。例えば日本人がビジネスの場でよく使う「検討します」という言葉は、本当に前向きに検討したいという場合もあるかもしれませんが、状況によっては断りに近い文句である場合があります。こうした、「日本語に付随した日本の文化」を、AIは正確に訳し伝えることができません。
同じようなことが他の言語でもあり、その国の言語と文化を人間である自分自身が理解していなければ、いくらAIに表面的な翻訳を頼っても、真の意味を理解することができないままになってしまうでしょう。
「英語を努力して学んで理解できるようになる」ということは、単に英語の表面的な意味を理解できるようになるだけでなく、その国の文化も一緒に理解できるようになるということです。その文化的理解ができない限り、ネイティブスピーカーと真にわかり合うことはできなくなってしまうのです。
マネジメントでも不利
人を束ねるマネージャーや管理職。今後、少子化社会が進む日本では、日本人だけではなく、英語を話す外国籍の部下を持つことも更に増えると見込まれます。部下がどの国の人であれ、マネジメントは「この人についていきたい」と思わせる人間性が問われるものですよね。
その人間性は、マネージャーが発する言葉選びや表情、語彙などから部下が自然と感じとり、判断するものです。万が一AIが翻訳した文章をそのまま使ってマネジメントをしては、自分の言葉でないことはすぐに分かってしまう上、ニュアンスの取り違いなども生じ、誤解さえ産みかねません。管理職になって仕事で成功したい人ほど、自分の言葉で話すスキルが必要になってくるのです。
AIが進出するからこそ、喋れる人との触れ合いが求められる
マネジメントだけでなく、人を説得して購買を促す営業や、人の心を感動させるサービス業などでも、AIからどれほど説得されたり、感動させられることができるのかは甚だ疑問です。例えば、スーパーのレジなどでも、愛想のよいスタッフの方がいるお店には「このお店は感じがいいから、またこのお店に行こう」となりますが、自動会計機で精算が済み、まったく人と触れ合うことのない店舗の場合、「またこのお店に来よう」と顧客に思ってもらえる機会を取り逃しているとも考えられます。
そこで企業は、AIが戦力になる中でも、少数精鋭の人間のみを配置することになるでしょう。そんな時、「日本語だけ話せる人」よりは、「多言語を話せる人」のほうが、優遇されるのは目に見えています。
AIが仕事をまかなう時代がやってくるからこそ、「言語を話せる人間」は企業にとって、より優遇される立場になるのです。
AI時代の英語学習法
ここまでで、AI時代においてもやはり英語力が必要とされることになるということをご説明しました。ではこのAI時代においてどのように英語を学習していけばよいのでしょうか?
AIは学習ツールとして活用しよう
ChatGPTやAI翻訳などはもちろん素晴らしいツールです。しかしそれを使ってコミュニケーションを取るのではなく、あくまで「学習ツールである」ということを認識しましょう。
例えば「takeとgiveという英単語の使い分け方」が分からなかった場合、ChatGPTに「takeとgiveの使い分け方を教えて」と聞いてみるのはいいでしょう。
しかし、ChatGPTがその使い分け方の100%を教えてくれているわけではないということも自覚する必要があります。あくまでそれを実際の場面で、ネイティブを相手に使ってみて初めて、その文化的背景やニュアンスを認識することができるのです。
学んだことを生身のネイティブに投げかけよう
繰り返しになりますが、AI翻訳やChatGPTで学んだり教えてもらったことを、そのまま鵜呑みにせず、実際にネイティブとの会話で使ってみる必要があります。使ってみて、相手の反応を見て、はじめてその「ニュアンス」を理解することができます。
語学学習は最終的には、オンライン英会話など、とにかく生身の人間を相手にするしかありません。その言語を日常的に使っている生身の人間を相手に、言葉を投げかけ、その反応を見ることで、「本当の使い方を体で習得する」のです。
「言葉自体は正しくても、その場には適さない言葉だった」であるとか、「その言葉は現在その国ではタブーとされる言葉だった」など、ネイティブに投げかけ、反応を見ることでわかる真の使い方があります。それは残念ながら、AI翻訳を相手にしてはできない学習法なのです。
AI時代にこそ喋れる人が優位に立つ理由がわかったら
語学学習はもちろん大変で、地道な作業ですよね。しかしその努力の分だけ、人間しか習得できない確かなスキルが身につきます。世界中の人とコミュニケーションを取り、本当に相手の文化を理解してわかりあうために、人間が語学を習得し続けることはとても大切なことではないでしょうか。
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