宇宙飛行士だけでなく民間人も宇宙旅行が可能となったり、米国では月面着陸を目指すアルテミス計画が進んでいますよね。また、南米ペルーで発見された地球外生命体のミイラの真偽や、米国防総省が「異星人の存在を示す証拠は見つかっていない」と発表するなど、宇宙や宇宙人の話題はつきません。
宇宙人が存在するかどうかはさておき、宇宙に関することを英語で表現したことがありますか?「宇宙」と聞いて最初に思い浮かぶ英単語は、スペースシャトルなどで使われる「Space」かもしれませんね。けれども、「宇宙」を表す英単語にはUniverseやCosmosもあります。
日本語では「宇宙」とひとまとめに表現しますが、3つの英単語は微妙に意味が異なるので、今回はそれぞれの違いや宇宙に関する英語表現について解説します!
「宇宙」を表すSpace, Universe, Cosmos 3つの違い
まず、冒頭で示した「宇宙」を表すSpace, Universe, Cosmosの意味の違いを見ていきましょう。
「大気圏外の宇宙」を表すSpace
「宇宙」を意味する英単語として最もよく知られているSpaceは「大気圏外の宇宙」を表します。つまり、地球の大気圏を超えた惑星や恒星が無数に存在する広大な領域のこと。本来は「outer space(外宇宙)」ですが、略してspaceと表現するのが一般的。
Spaceは惑星間、恒星間、銀河間の空間を指すことが多く、宇宙全体を包括するというよりは特定の領域あるいは空間の概念自体を指すこともあります。
Many countries launch satellites into space for communication, navigation, and research purposes. (多くの国が、通信、航行、研究を目的として衛星を宇宙に打ち上げている)
spaceには形容詞としての用法もあり、「宇宙の」という意味。spaceが形容詞として使われる言葉には、space probe(宇宙探査ロケット)やspace science(宇宙科学)などがあります。
The space race of the 20th century led to significant advancements in technology. (20 世紀の宇宙の開発競争は技術の大幅な進歩をもたらした)
「宇宙全体」を表すUniverse
Spaceが空間の概念や特定の宇宙領域を指すのに対し、Universeは「宇宙全体とその中にあるすべてのもの」を指します。つまり両者の違いは、扱う範囲と視点が異なるということ。universeは常に冠詞を伴って「the universe」と表します。
Humanity has always been fascinated by the mysteries of the universe. (人類は常に宇宙の謎に魅了されてきた)
universeが使われる言葉には、origin of the universe(宇宙の起源)、ancient universe(古代宇宙)、end of the universe(宇宙の果て)などがあります。
「秩序ある体系としての宇宙」を表すCosmos
SpaceやUniverseほど知られていませんが、Cosmosも「宇宙」を意味します。cosmosはchaos(無秩序)に対して「秩序ある体系としての宇宙」を表し、その秩序や調和を強調する言葉として使用。宇宙全体が一つの統合されたシステムとして機能しているという考えを反映しています。
cosmosは科学的な文脈だけでなく哲学的または詩的な文脈で特に好んで使われ、宇宙の神秘や壮大さを表現する際にspaceやuniverseよりも使われることがあります。cosmosも冠詞を伴って「the cosmos」と表現し、発音は「コズモs」のような感じで、語尾はs音を残す程度です。
Through the telescope, we can catch a glimpse of the vast and beautiful cosmos. (望遠鏡を通して、私たちは広大で美しい宇宙の一端を垣間見ることができる)
cosmosの形容詞はcosmicで、「宇宙の」「広大無辺な」という意味。cosmicが使われる言葉には、cosmic dust(宇宙塵)、cosmic radiation(宇宙放射線)、cosmic space(宇宙空間)などがあります。「宇宙空間」はouter spaceでも表現可能です。
宇宙人や宇宙船に関する英語表現
次いで、宇宙人や宇宙船などに関する英語表現を見ていきます。
宇宙人やUFOに関する英語表現
「宇宙人」や「異星人」のことをよく「エイリアン」と言いますが、alienには「外国人(名詞)」「外国の(形容詞)」という意味もあり、特に法律上では「Prohibit discrimination against aliens in jobs(職業における外国人差別を禁止する)」のように使われます。もちろん、foreigner(外国人)やforeign(外国の)が一般的です。
「宇宙人」を意味する英語表現:
alien | 宇宙人、異星人、エイリアン |
---|---|
alien from (outer) space | 宇宙から来た異星人 |
extraterrestrial (ET) | 地球外生物、宇宙人、異星人 |
extraterrestrial intelligence | 地球外知的生命体 |
beings from (outer) space | 宇宙から来た存在 |
creature from a different planet | 異なる惑星から来た生き物 |
The science fiction movie depicted an encounter with aliens from another planet.(そのSF映画は別の惑星から来たエイリアンとの遭遇を描いていた)
「UFO」を意味する英語表現:
UFO(Unidentified flying object) | 未確認飛行物体 |
---|---|
UAP(Unidentified aerial phenomenon) | 未確認空中現象 |
flying saucer | 空飛ぶ円盤 |
日本語ではUFOを「ユーフォー」と言いますが、英語ではそれぞれのアルファベットを「ユー・エフ・オー」のように発音しなければ通じないので注意しましょう。
Many UFO sightings have been reported around the world, but many remain unexplained. (世界中で多くのUFO目撃が報告されているが、その多くは未だに解明されていない)
宇宙船や宇宙飛行士に関する英語表現
次は、宇宙船や宇宙飛行士にまつわる英語表現です。すべてspaceで表します。
spaceship | 宇宙船 |
---|---|
space station | 宇宙ステーション |
astronaut | 宇宙飛行士 |
space suit | 宇宙服 |
space food / space ration / space diet | 宇宙食 |
spacewalk / take a spacewalk | 宇宙遊泳 / 宇宙遊泳をする |
space sickness | 宇宙酔い |
space communications | 宇宙通信 |
space flight | 宇宙飛行 |
space travel | 宇宙旅行 |
Astronauts undergo rigorous training to prepare them for the challenges of living and working in outer space. (宇宙飛行士は宇宙空間での生活と作業の課題に備えるために厳しい訓練を受ける)
Space travel has always been a dream for many people, and recent advances in technology are bringing it closer to reality. (宇宙旅行は常に多くの人にとって夢であり、最近の技術の進歩により現実に近づきつつある)
「宇宙」に関連する英語のイディオム
最後に、「宇宙」に関連するイディオムをご紹介します。
be on another planet
be on another planetは「別の惑星にいる」という意味ですが、イディオムでは別の惑星にいるように「上の空である」「心ここにあらずといった様子である」という意味。他の人とのコミュニケーションや理解が難しいなど、その人の考え方や行動が一般的ではない場合に使われます。
During team meetings, John is always on another planet. He never pays attention to what’s being discussed. (チームのミーティング中、ジョンはいつも心ここにあらずといった様子だ。彼は議論されていることに決して注意を払っていない)
once in a blue moon
「blue moon(ブルームーン)」はひと月の間に現れる2度目の満月のことで、2.5年に1回程度しか起こらないまれな現象のこと。once in a blue moonは「長い周期に一度(once)しか見られない月」となるので、非常にまれなことを指します。「ときたま」「めったに~しない」という意味。
Living in the city, I see stars in the night sky only once in a blue moon. (都会で暮らしていると、夜空に星を見ることはほとんどない)
over the moon
over the moonは「大喜びして」「有頂天になって」という意味。so excited(とてもワクワクする)やoverjoyed(大喜びして)と同じような意味で使い、非常に幸せで興奮しているさまを表します。
The kids were over the moon when they heard they were going to Disney World during the holidays. (休暇中にディズニーランドに行くと聞いて子どもたちは大喜びだった)
reach for the stars
reach for the starsは直訳すれば「星に手を伸ばす」で、まさに届かない星に手を伸ばすように不可能と思えるものを得ようとすることを表す比喩表現で、「望みを高く持つ」という意味。大きな目標や夢を追求することを奨励するメッセージとしてよく使われます。
Don’t be afraid to reach for the stars and pursue your dreams, no matter how big they may seem. (夢がどんなに大きく見えても夢を追い求め、望みを高く持つことを恐れないでください)
come back down to Earth
come back down to Earthは「夢から現実に戻る」「現実的な視点に戻る」という意味。comeをbringにしてbring back down to Earthとしても同じ意味です。
When he started talking about plans to quit his job and travel the world without his savings, his parents brought him back to Earth. (彼が仕事を辞めて貯金なしで世界を旅する計画について話し始めたとき、両親は彼を現実に引き戻した)
under the sun
under the sunは直訳すれば「太陽の下で」という意味ですが、イディオムでは「地球上で」「世界中で」という意味。everything under the sunとすると「ありとあらゆる」という意味になります。
In the desert, you will encounter some of the harshest conditions under the sun. (砂漠では地上で最も厳しい条件に遭遇するだろう)
During the meeting, we discussed everything under the sun, from marketing strategies to budget allocations. (会議で私たちはマーケティング戦略から予算配分まで、あらゆることを議論した)
「宇宙」に関する英語表現がわかったら
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