「とにかく好き」「とにかく今回はこれにしよう」など、日本語で「とにかく」という言葉を口にすることは多いですよね。同様に、英語でも色々な場面で口にする「とにかく」という言葉ですが、その英語表現はたくさん存在します。今回は「とにかく」を意味する英語表現の種類やその違いをご紹介したいと思います。
必ず知っておきたい「とにかく」の英語
話題を変えたり終わらせたりしたいときに言う「とにかく」という言葉は便利ですよね。この「とにかく」って英語でなんて言うんだっけ?と思った時、とりあえず知っておきたい英語表現をまずは3つご紹介したいと思います。例文を声に出して音読してこの機会に自分のものにしてみてくださいね。
anyway:よく使うカジュアルな「とにかく」
I love this shoes anyway.(とにかく、私はこの靴が好きなの。)
Thanks anyway.(とにかくありがとう。)
「とにかく」の英訳として最も有名な英単語がanywayでしょう。文頭や文末において、話題を終わらせたり、話題を変える際に使える「anyway」という表現は、どちらかというとカジュアルな印象を持つ単語です。脱線した話を本題に戻したい時や、会話を切り上げたい時などに使われるため、目上の方やビジネスの場でむやみに使うと、少し失礼な印象を与えてしまうこともあります。しかし、友人や同僚、家族間ではよく使われる便利な表現ですので覚えておきましょう。
ちなみに例文の2つ目「Thanks anyway.(とにかくありがとう)」は非常によく使われる表現ですので、覚えておくといいですよ。
anyhow:anywayよりフォーマルな「とにかく」
Anyhow, I am fine.(とにかく、私は元気です。)
I have to do it anyhow.(とにかくやらなければなりません。)
anywayと同じように使える表現が、「anyhow」です。話題を終わらせたり、話題を変えたりというときに使えますが、anywayよりフォーマルな表現です。少しあらたまった印象を与えますので、目上の方と話したり、ビジネスの場など、丁寧な表現が必要なときにはanywayよりanyhowを使うといいでしょう。
at any rate:「いずれにせよ」の「とにかく」
I’ll have to meet him at any rate.(とにかく彼に会う必要がある。)
At any rate, I did my duty.(とにかく義務だけは果たした。)
「rate」は「割合」「程度」という意味の英単語で、「at any rate」を直訳すると「どんな割合であっても」「どんな程度であっても」というような意味になります。そこから、「どんなことがあっても」「いずれにせよ」という意味合いで使われる表現です。また2つ目の例文のように、ネガティブな状況の中に「少なくともポジティブなこともある」というふうに伝えたいときにも使える便利な表現です。
anywayよりは使用頻度は低くなりますが、メールなどのネット上では「AAR」と訳されて登場することがあるので覚えておきましょう。
知っておきたいその他の「とにかく」
「とにかく」といえばまずは「anyway」ですが、それ以外にも耳にする「とにかく」の英語表現が存在します。話題を変えたり会話を終わらせる「とにかく」も、丁寧さに違いがあったり、「とにかくがむしゃらに」というような意味合いで使う「とにかく」もあります。次にそんなニュアンスや丁寧さの異なる「とにかく」の英語表現をご紹介したいと思います。
anyways:anywayのスラング
Anyways, thanks for the info.(とにかく情報をありがとう。)
Anyways, I have to go now.(とにかくもう行くね。)
「anyways」という言葉をネイティブの口からよく耳にすることがあると思います。「anyway」とどう違うのかな?と疑問に思うこともあるでしょう。このanywaysはanywayのスラングで、使い方や意味は同じですが、anywayよりさらにインフォーマルな言葉です。ですので、ビジネスの場や正式な場では使わないほうがいいでしょう。
anyhoo:スラングで口語の「とにかく」
Anyhoo, it doesn’t matter who’s in charge.(とにかく、誰が責任者なんてどっちでもいいの。)
Not sure if this is a good place to post this comment, but I will do it anyhoo.(このコメントを投稿するのがここでいいのかわからないけど、とりあえずするね。)
anywayと同じ意味ですが、かなりカジュアルな話しことばで、仲の良い友達同士でのみ使われることばが「anyhoo」です。「エニフゥー」というように発音します。2つ目の例文のようにSNSやチャットでも見られる表現ですが、ビジネスの場や公式な場、文語では使わないようにしましょう。
in any case:「どんな事情にせよ」の「とにかく」
You must dry your clothes in any case.(とにかく服を乾かしなさい。)
In any case, it’s none of your business.(とにかく君の知ったことではない。)
「case」は「場合」という意味で、「in any case」は直訳すると「どんな場合で」「いかなる場合においても」という意味。そこから、「どんな事情にせよ」「とにかく」という意味として使われます。これまでの話を受けて、「それとは無関係に」結論を述べる際に使われる表現です。
In any event:フォーマルな「いずれにしても」
In any event, the government faced a serious protest.(いずれにしても、政府は深刻な抗議に直面しています。)
In any event, I am committed to continuing to take appropriate steps to ensure the stability of markets in Japan.(いずれにいたしましても、我が国の市場の安定性の確保に向けて、今後とも適切に対処して参りたいと思っております。)
「event」は「事件」「出来事」という意味の英単語で、「in any event」で「どんなことが起きても」「いずれにしても」「とにかく」という意味があります。「anyway」に比べてフォーマルで、議論の場で用いられたり、契約書、法律などの公的な文書などでも使われます。
なお、2つ目の例文の「be committed to 〜ing」は「〜することに専念する」という意味で、「appropriate」は「適切な」、「ensure」は「確保する」、「stability」は「安定性」という意味ですよ。
regardless:「かまわずに」という意味の「とにかく」
We passed on, regardless.(我々はとにかく突き進んだ。)
It rained during the vacation, but I had fun regardless.(休暇中は雨だったけど、私はとにかく楽しんだ。)
「regardless」は「関係なく」「お構いなく」という意味があり、何があっても、状況にも関係なく、「とにかく無頓着に」何かをやる、という意味合いで訳されることもあります。
just:動詞とセットで「とにかく〜する」
I just wanted to let you know that.(とにかくそれについて知らせたかったのです。)
Just hurry up.(とにかく急いで)
動詞の前に「just」をつけると「とにかく、ただ〜をやる」という意味になります。「just do it.(とにかくやって)」など、短い命令文や指示表現でもよく耳にします。
1つ目の例文のように、「I just wanted to 〜」も便利な表現で、「私はとにかくただ〜したかった」といいたいときに使えます。
no matter what:「何があろうと、とにかく」
He had decided to publish the manuscript no matter what.(彼はとにかくその原稿を出版することに決めていた。)
I’ll do it no matter what.(とにかくやります。)
No matter whatは「何があっても」「どんな事が起ころうと」という意味で、「何があってもとにかく」というニュアンスで使われることがあります。文の頭に置かれ、強調される形で「No matter what, do it!(とにかく!やりなさい!)」のように使われることもありますよ。
at all:肯定文で「とにかく」
I am happy to have any job at all.(とにかくどんな仕事でも喜んでやります。)
I got there at all.(とにかくそこに着いた。)
「at all」といえば、否定文で用いられて「全く〜ない」という意味でよく使われる言葉ですが、まれに肯定文でも使われて「とにかく」という意味になります。否定文でばかり耳にする言葉なので、急にネイティブが肯定文で発言すると意味が分からず、混乱してしまうことにも繋がりますので、知っておいて損はありませんよ。また、似た意味で「at all event」という表現もあり、こちらも「とにかく」の意味で使われます。
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