海外の学校ってどんな感じ?海外の学校生活を詳しく紹介

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x中高生の夏休みや春休みを利用した短期留学や1年間の交換留学は、以前と比べてより一般的になってきています。私立校ではカリキュラムに海外研修が含まれている学校も多いでしょう。

今回は国内のインターナショナルスクール進学や海外留学に興味ある方を対象に、私の子どもたちを通して学んだ海外の学校生活についてお話します。国や学校によって違いはありますが、なんとなく雰囲気がイメージできるのではないかと思います。

海外の学校の勉強面や日常について

学校にいる間の生活は、国や学校によって違いはあっても、大きく異なることはないと思います。インターナショナルスクールと私立、公立では、休み中の過ごし方が一番違う部分かもしれません。

学校のシステム

アメリカ式では日本と同じ小学校(elementary)6年、中高(middle/high school)6年の12年が基本ですが、イギリス式では幼稚園年長に当たる学年が小学校(primary)1年生となり、高校(secondary)卒業まで13年間となります。海外のインターナショナルスクールは、学年によってキャンパスが変わる学校があるとはいえ、幼稚園から高校までの一貫教育です。

全てを仕切る学園長(Head of School)の下にそれぞれ校長(Principal)がいて、事務員や人事担当、学生担当などのスタッフと教師がいます。高校では大学出願について相談できる専任のガイダンスチームや精神面をサポートするカウンセラーが常駐しているのも特徴的です。日本の私立校の体制をイメージすると似ているかもしれません。

カリキュラム

大学受験に関するもの

インターナショナルスクールでは、学年ごとに決まったカリキュラムがあります。ただし、10年生と11年生はCambridge IGCCSE(イギリスのGCSEにあたります)、12年生と13年生はInternational Baccarreaut(通称IB:国際バカロレア)のそれぞれ2年間のコースに参加となる学校が多いです。大学出願にはこの両方の最終スコアと過去3-4年分の学校の成績を提出することになりますが、これらのコースがない学校もたくさんあるので、ケースバイケースです。

IBコースはかなり大変ですが、遊ぶ時間がないというほどではありません。選択教科は希望する専攻の大学でrequirement(要求科目)と要求スコアが異なるので、慎重に選ぶ必要があります。

IGCCSEからはハイレベル(HL)と通常(SL)に分かれますが、ハイレベルに進むには先生からの推薦が必要です。なお、IBをハイレベルで終了した科目は大学の単位(credit)として移行できます。私の子どもは今年カナダの大学へ進学予定ですが、IBの単位が最大数(大学によりますが、通常30単位強。卒業に必要な単位は120強)活用できるため、最初の1年がまるまる免除されることになるそうです。

IGCCSEやIBは最終試験結果がスコアとして反映されるものの、単発の試験ではなく、あくまで2年間のコースです。普段の宿題や小テスト(quiz)、定期テストなども対象なので、一発逆転はできません。

IBコースから大学で理系を専攻するためには、中堅からトップレベルのほとんどの大学が数学や物理のHLの履修済みを条件としています。アメリカではAPコースが相当するのではないかと思います。大学の単位として移行できるものを入学条件にするとは少しおかしな話ですが、もちろんどの大学もIBなしで受験できますし、出身国の教育システムによっても条件が変わります。

なお、息子によると、アメリカの多くの大学が要求するSATは、レベル的にはIGCSEと同じくらいだとのことです。

担当する先生

小学校では日本と同じように担任の先生(class teacher)がほとんどの科目を教えますが、中高になると各教科は専任の先生になります。ホームルームという学年やクラスによる決まった教室がないので、生徒は自分のロッカーに荷物を預けて、自分の選択した授業へそれぞれ向かうことになります。これは日本とは大きく異なる点ではないでしょうか。

ホームルーム

一応クラスは決まっていますが、形式的なものです。全員一緒に顔を合わせるのは、PSHE(日本でいう道徳のクラス)のときぐらいです。PSHEではいじめやLGBT、ドラッグなど様々な問題が取り上げられますが、クラスや学年全体への連絡もこの時に行われることが多いです。

外国語

日本では英語を外国語として学びますが、英語が第一言語の学校では、中国語・フランス語・スペイン語などを選ぶことができます。これもレベル別になります。外国語として学んでも、かなりのレベルで話すことができ、また読み書きができるようになる生徒もたくさんいます。卒業時には一番下のレベルでA2、上でB2-C1ぐらいです。

IT

海外の学校と日本との一番の違いはIT教育ではないでしょうか。小学校からプレゼンテーションはパワーポイントを使って行ったり、授業の一貫でアニメーションを作ったりしますし、Scratchの基本も学びます。

中高ではホームページ制作に必要なhtmlやcssをはじめとして、Excel、JavaScript、SQL、Unity、Python、Photoshopなどを学習します。つまり高校卒業までに一通りのプログラミング言語の基礎は履修済みです。パンデミック中に「明日からオンライン授業です」と言われても問題なく移行できたのは、普段から当たり前にITが授業に取り入れられていたからでしょう。

授業形式

中高では普通に前に向かって座る形ですが、小学校では日本の給食の時間のように机をお互い向き合わせて行う授業も多いです。担任の先生の好みによって教室に大きなソファが置かれていたりするのも面白いです。

授業は一人で黙々と勉強するというより、ペアワークやグループワークが多く、ディスカッションやプレゼンテーション能力が重要視されます。引っ込み思案のお子さんには大変ですが、授業への参加度合いが成績に関係するとなってくると、徐々に改善されていく場合も多いです。自分の意見をしっかり言うことが大事で、そういう生徒ほど周りの生徒からも信頼され、尊敬されるというのも、海外ならでしょう。

中高では学校にノートパソコンを持っていくことがほぼ必須です。レポートやその他の宿題、学校からの連絡、先生から生徒への連絡、生徒同士のグループワークなどは全てオンライン上あるいはペーパーレスで処理されます。パソコンが苦手でも、授業についていくために必要なので、自然と身につくという感じですね。

個人的には、授業の一貫で、各グループで模擬企業を作って、事業計画を作って発表したり、保護者会や先生方を投資家に見立てて資金集めをして、マーケティング戦略を練って売上管理や事業の改善計画を立てたり、という授業があってとてもいい取り組みだと思いました。

試験

小テスト(quiz)はしょっちゅうあり、外国語や数学など繰り返しの学習が必要なものなど、毎週テストがある科目もあります。学校によりますが、1年は2-3の学期(semester)で構成されています。中間テストというものはありませんが、学期末の試験(semester exams)があり、成績評価(evaluation/grading)と三者面談(3 way conference)あるいは保護者面談(parent-teacher meeting)があります。

中高は当然のこと、小学校でも留年がありますので、赤点スレスレの生徒は家庭教師をつけたりなどの対応が必要です。基本的に学校の先生は学校以外の時間で活動をしませんので、個別に面倒を見てもらうなどの対応は期待できません。

クラブ活動

日本では能力に関係なく好きなものでクラブに参加できるイメージですが、海外では特にスポーツ系は能力が高い子向けです。大会や試合に出場するチームを作っているというイメージでしょうか。入部試験があるものもあります。

普通の運動神経の生徒は有料の課外活動(extracurricular)としてのクラスに参加するか、学外にコーチやクラスを見つけて習うことが一般的です。自分の得意なことで人を集めてクラブを作る生徒もいます。

学校や先生との関係・連絡

小学生までは担任の先生との関係もより深いですが、中高となると相当ドライです。担任というより、学年担当の先生なので、学外のプライベートには一切関与しませんので、「家庭で対処してください」「必要ならカウンセラーを紹介します」と言われます。先生方は教える専門であると言ってしまってもいいでしょう。

ただし、いじめに関してだけは別です。対処も早くいじめに関してはかなり厳しい対応がなされます。また、子ども同士・親同士での対応ではなく学校が間に入るので、相手の親や子どもと直接対応する必要はありません。いじめの疑いがあれば、即学校に言うときちんと対処してもらえます。生徒からカウンセラーや先生に直接相談して発覚する場合もあります。

学校や先生との連絡は全てメールです。先生とも学校が開いている時間内に、事前にアポイントメントを取らないといけません。日本のように何時だろうと構わず連絡したり、アポイントメントなく数十分の面談を希望したりはできず、線引きが必要です。逆に先生からの苦情で学内立ち入り禁止になる場合もあります。

休暇

一番長い休みは夏休みの2ヶ月です。そのほかに秋休みが1−2週間10月中旬あるいは下旬のハロウィン前後に、冬休みがクリスマスからお正月の2−3週間、春休みが復活祭前後の2週間あります。あとは国よって旧正月休みなども。

休暇中は先生にとっても休暇のため、日本のように大量の宿題が出ることはありません。休むときはしっかり休むということでしょうか。ただ、夏休みは長いので、推薦図書のリスト(reading list)を渡されて、1年の復習をするように言われることもあります。

IGCSEやIBコースの生徒は夏休みには過去問を解いたりする時間に使いますが、勉強漬けではなく、1日数時間程度学習時間に当てるようです。その他の学年は、基本的には読書や苦手科目の復習をしながら、サマースクール(summer camp)に参加したり、祖父母宅を訪問したりしてのんびり過ごします。

インターナショナルスクールは様々な国からの生徒がいるので、休み前はどこでどう過ごすかが話題になります。基本的には祖父母宅を訪問し、近隣諸国へ旅行するパターンが多いようです。家庭によっては世界一周旅行に近いことをする場合もあります。

海外の学校のイベントについて

ここでは学校での主なイベントについてお話します。

入学式・卒業式

日本と大きな違いは、入学式や始業式・修了式がないことです。中学に入る前にオリエンテーションはありますが、入学式はありません。一学年が終わって、家庭によっては学年末試験が終わってすぐに母国へ一時帰国したり、旅行に出る人もいるので、なんとなく終わる感じです。学年の始めも同じです。

卒業式(graduation ceremony)は小学校と高校の2回あります。格式ばったものではなく、和気藹々とした雰囲気のものです。そのあとすぐパーティーが行われる場合は、男子生徒はスーツ、女子生徒はドレスで参加します。高校の卒業式は、女子生徒の背中が大きく開いたイブニングドレスを着ていました。

卒業ディナーは両親も参加して、会員制クラブを借りたり、ホテルで行われます。18歳でお酒が飲める国では、生徒もアルコールを飲むことができます。

パーティー

海外の学校の大きなパーティーの一つにプロム(prom)があります。プロムは特にアメリカの学校では欠かせないものでしょう。映画でも男の子が気になる女の子を誘うのに必死だったりしますよね。その他の国では、特に女の子とペアで行かなければならないということもないので、友達同士で参加します。

基本的にはDJやライブバンドによる演奏があって、踊ったり、軽食をつまんだりドリンクを飲みながら友達と過ごす形です。場所は学校のカフェテリアを使ったり、外部の施設を借りたりして行われます。参加は任意なので、必ず参加が必要というわけではありません。時間は夜7時か8時くらいから10時、11時くらいまでです。

修学旅行

小学生の修学旅行(school trip)は、学年によって親のボランティアがお手伝いとして参加することもあります。外部の業者に頼んで行う場合は、親のお手伝い参加はありません。

行き先は国内から海外まで様々です。小学生のときは、みんな同じく決まった行き先でしたが、中高になると行き先やプログラムが選べるようになります。サマースクールと似ていますが、違いは先生が同行すること、通うのではなくホテルやキャンプ地に宿泊することです。

内容もプログラムによってボランティア中心のものであったり、スタディツアー的なものだったり、観光と文化交流が中心であったりさまざまです。参加金額も異なるので、家庭の事情や子どもの希望で決めます。いろいろな学年が参加するので、異なる学年の生徒と交流できる点もいいですね。

さらに卒業旅行や、一部の学年に特化したものも企画される場合があります。

大会

数学大会、スポーツ大会、ディベート大会など、意欲があればいろいろな大会に参加する機会があります。アカデミック系の大会は、先生から優秀な生徒に「こんな大会があるけど参加してみてないか」と声がかかる場合が多いです。’

国内だけではなく、国際大会も多いので、地区予選を抜けると海外に行く機会もあります。こういった国際大会の多くが、最終ラウンドは海外の大学の協力で行われますので、キャンパスライフを覗き見る機会に恵まれます。

大会中はいろいろな学校や国の生徒と触れる機会も多いので、プレッシャーはあっても非常に楽しいもののようです。数学大会やディベート大会などのアカデミック系は、朝から晩まで数日にわたって数学漬け、ディベート漬けになるので、大会に参加してラウンドを勝ち抜けていくだけでも、相当レベルアップできます。

その他のイベント

季節に合わせたイベントや、授業の一貫としてのプロジェクト単位でのイベント、生徒によるアートエキシビジョンや、デザイナーたちが行うようなキャットウォークを使用してのファッションショー、著名人や大学の教授を招聘してスピーチをしてもらうなどの授業があります。

社会見学も組み込まれていて、舞台鑑賞や工場・施設訪問などが行われます。

全学年参加の学園祭もあります。クラス発表や学校で行われる課外活動の発表、生徒によるパファーマンス、カフェテリアでの飲食提供など’、これは日本の学校とあまり変わらないですが、親もボランティアとしてお手伝いする点がちょっと違うかもしれません。

海外の学校生活がわかったら

海外の学校生活は日本と似ている部分と違う部分があります。生徒が教室を掃除することはない、というのは大きな違いです。自主性が重んじられるので、生徒主導で行われるイベントも多いです。アメリカの大学のように課外活動が重視される国では、リーダーシップを発揮した経歴があると大学入試に有利だという点もあるでしょう。

インターナショナルスクールは生徒の入れ替わりがわりと激しいので、新しく入学した生徒もすぐ打ち解けられる雰囲気がある一方、ずっと長い間一緒に育った友達という関係性が希薄であるという点でデメリットです。もちろん家庭でしっかり堅実性を教育している家庭も多いので、子どもたち同士では「相手に合わせないと」という感覚は薄い気がします。

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