文法ができる人ほど読めない?!「英字新聞」の「見出し」のルールを理解しよう

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英語学習に欠かせないのが英字新聞を読むことですが、英語の新聞の「見出し(headline)」は理解が難しいと思われたことはありませんか?これまで学んできた英文法とは違い、英語の新聞の見出しは色々な言葉の省略など、特殊なルールのもとに記載されており、英文法ができる人ほど、違和感を感じてしまいます。そこで今回はそんな英字新聞の見出しのルールを一つ一つご紹介していきたいと思います。

絶対知っておきたい見出しのルール6選

日本語でもそうですが、新聞の見出しは、「短くて簡潔なタイトル」である必要がありますよね。短いタイトルの中で内容をしっかり要約して伝えるため、英語の新聞の見出しも、たくさんの省略や簡略化が行われています。まずはそんな英字新聞の「見出し(Headline)」を理解するために必須のルールを6つご紹介しましょう。

冠詞は省略される

Prime Minister to step down in September(首相、9月に退任へ)

見出しでは、「a」「an」「the」などの冠詞は省略されます。上記の見出しを見てみましょう。「Prime Minister(首相)」は通常の文章では「The Prime Minister」と「定冠詞」の「the」をつけて表現しますが、新聞の見出しでは冠詞は省略されます。冠詞はそれがなくても大体の意味は通るため、省略されてしまうのです。

また、冠詞だけではなく、「his」「her」といった「所有格」も原則として省略されますよ。

be動詞は省略される

One dead from Nipah virus in India’s kerala(インド、ニパウイルスで死亡者)

見出しでは、「are」や「is」などの「be動詞」も省略されます。見出しでも、本来であれば、「is dead(なくなった)」となるところを、「dead」とだけ表現されていますね。このように英字新聞飲み出しでは、be動詞がなくとも意味が通るとみなされ、省略されてしまいます。

既に起きたことでも現在形で表す

JAXA successfully launches next-generation H3 rocket(H3ロケット2号機、打ち上げ成功)

英字新聞の見出しでは、過去形で表現すべき内容でも、現在形を用います。例えば上記の例文では、「ロケットの打ち上げは成功」ということなので、もちろん既にロケットは打ち上げられています。しかし過去形の「launched」ではなく、現在形の「launches」で表現されています。よく考えたら日本語の新聞でも見出しで「ロケットを打ち上げた」とは書かず、「ロケット打ち上げる」と表現しますよね。英字新聞ではその他、完了形や進行形のかわりにも、原則「現在形」が使われますので注意しましょう。

過去形のようで、実は受け身

Mayor arrested for giving inmates alcohol(受刑者への置き土産に酒で市長を逮捕)

「過去形は現在形で表す」というのが先程の説明でしたが、見出しで過去形のような動詞をみつけたら、実はそれは過去形ではなく、「受け身の過去分詞」であることがほとんどです。というのも「be動詞」は省略されてしまうので、残った過去分詞形がまるで過去形に見えてしまうのですね。

例えば上記の例文の場合、通常なら「Mayor was arrested(市長は逮捕された)」となるところですが、「be動詞の省略」によって、「was」がなくなり、「Mayor arrested」と記載されています。

未来は「to do」で表す

Honda to launch self-driving taxis in 2026(ホンダ、2026年に自動運転タクシー開始へ)

未来のことを表す場合、「will」や「be going to」を使って表現すると通常は習いますが、新聞の見出しでは「to do」というto不定詞の形で未来形を表現します。例えば上記の例文であれば、「will launch」とするところを、「to launch」と書いて未来形を表現していますね。見出しに「to + 動詞の原形」が出てきたら、「これは未来形を意味しているのかな?」と思って読んでみてくださいね。

進行形「〜ing」は現在起こっていることを表す

Obesity among Japanese men rising : survey(調査によると、男性の肥満者、増加傾向)

「現在も起こっている」ということを表現したいときは、「〜ing」の形をとります。現在進行形は通常「be 〜ing」で表しますが、be動詞は省略されるので、「〜ing」となるのです。例文でも、本来であれば「is rising」となるところを、「rising」とだけ表現されていますね。

その他、例えば山火事や水害などの災害のように、未だ収束していない災害を報道する際も、進行形で報道されます。

急に〜ingがでてきたら、「現在も進行して続いているのかも」と考えてみてください。

追加で知りたい見出し中の「記号」見出しルール4選

次にご紹介するのは、追加で知っておくと更に理解が深まる新聞見出しのルールたちです。使用頻度は高くないけれど、知っていないと文章が完全に読み取れないものもありますので、一緒にマスターしておきましょう。

コロン( : )は情報源

Japan Police:This year, 68,000 people aged 65 or older will die alone at home.(警察によると、自宅でなくなる独居の高齢者 推計年間6万8000人に。)

見出しに「コロン(:)」がついている場合、「コロン(:)」以下の情報がどこから来たのか、という情報源を示します。上記の例文の場合、頭に「Japan Police:」とあるので、「日本の警察によると」といった具合で読むことができます。他にも「Study :」であれば「研究によると」といった具合で見出しに登場することがありますよ。

コンマ( , )は「and」のかわり

Senior Japanese, Russian diplomats hold talks(日露の外務省局長が会談)

すべてではありませんが、「コンマ( , )」は「and」のかわりをすることが多くあります。例えば上の例文では、「Senior Japanese and Russian diplomats(日本とロシアの外務省局長)」と表現すべきところ、「and」がコンマで表現されているわけです。ただし、コンマがあれば、全て「and」の意味、というわけではありません。通常の語句の区切りでコンマを使うこともありますので、注意してくださいね。

セミコロン( ; )は文の区切りで「and」か「but」

Hundreds of sea lions take over beach in California ; officials close off area(カリフォルニアの海岸に数百頭のアシカ集結、エリアは立ち入り禁止に)

Hamas accepts cease-fire ; Israel rejects it(ハマス、ガザ休戦案受け入れも、イスラエル当局は合意せず)

見出しにおいて、2つの文章を表現したい時には、「セミコロン( ; )」で区切ります。その時、そのセミコロンの意味は「and(そして)」か「but(しかし)」となります。

例文の場合、「Hundreds of sea lions take over beach in California」と「officials close off area」という2つの文をわかりやすく区切るために「セミコロン( ; )」が用いられています。そして訳す際は、この場合、「and(そして)」が適切になりますね。

一方、2つ目の例文の場合、「Hamas accepts cease-fire」と「Israel rejects it」の2つの文章は「but」でつなぐ方が自然となります。

クォーテーションマーク(‘ ’)は発言を表す

Vatican says ‘no’ to sex change and surrogacy(バチカン、性転換や代理出産に反対を表明)

誰かの発言を明らかにするために「クォーテーションマーク(‘ ’)」で囲って表現します。例文のように「says(言った)」と見出しで入っていることもあれば、「says」すらも省略されることも多々あります。そんな時に「クォーテーションマーク(‘ ’)」があれば、その前の名詞が発言者であり、その人の発言した内容が「クォーテーションマーク(‘ ’)」内であるとわかります。

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英字新聞を読むのは英語学習において非常によい勉強方法ですが、見出しから意味がわからないとなると、怖気づいてしまうものですよね。今回お伝えしたルールを頭にいれておくだけで、ずいぶん理解がしやすくなりますので、ぜひ見出しの読解にも挑戦してみてくださいね。

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