幅広い年代のロックやポップスなどの洋楽が流れ、マイケル・ジャクソンや、マドンナ、エリック・クラプトン、グリーンデイ、レディー・ガガなど著名なミュージシャンゆかりの楽器や衣装などが展示された空間で、本格的なアメリカンフードが楽しめるハードロックカフェ。日本では東京、横浜、大阪、福岡など計6カ所で店舗展開をするハードロックカフェ ジャパンが、この夏全店で開催中のハンバーガーに関するキャンペーンについてと、英語学習者にうれしい店舗利用の方法を、ディレクターの笠信太郎さんに伺った。また、アメリカでの留学や就労経験もあるという笠さん。一体どんなふうに英語を身に着けていったのかも合わせて教えていただいた。
ハードロックカフェ、実はfrom Londonだった!?
Q:誰もが知っているハードロックカフェですが、もともとアメリカのどこで、いつごろオープンしたんですか?
ハンバーガーやサンドイッチ、バーベキューリブ、ステーキ、マック&チーズ、グリルド・シュリンプなど、アメリカンフードが楽しめる店ですのでアメリカ発だと思われている方は非常に多いんですが、実はハードロックカフェ誕生の地はイギリスはロンドンなんですよ。1971年のことです。当時、ロンドンには上記のようなアメリカンな食べ物を気軽に、おいしく食べられる場所がなかったので、「ならば自分たちが」とロンドン在住のアメリカ人2人が1号店を出店したんです。
Q:そうだったんですね!最初から著名ミュージシャンゆかりの品を店内に展示していたんですか?
いいえ、メモラビリア(有名人の記念品、思い出の品)のdisplayが始まったのは1979年ぐらいからです。ロンドンの1号店にお客さんとしてやってきたエリック・クラプトンがとても店を気に入って、自分のギターを寄贈してくれたのが、もともとの始まりだったんです。今では譲りうけたり、オークションで買ったおよそ7万7千点のメモラビリアが、世界55カ国以上の 140店舗に置かれているんです。日本には1983年に東京店が六本木にオープンしたのが最初ですが、現在は日本国内6店舗で約200点ほどのメモラビリアが飾られています。
Q:膨大な数のメモラビリアですね!それらがお目当てのお客さんも多いんでしょうね?
そうですね。ただ、店内にかかる70、80年代の本格ロックからワン・ダイレクションなど最近人気のポップスまで多岐にわたる洋楽は、すべて音質に気を配って流していますし、フード類もアメリカ本場の味にこだわったものを提供しています。ですから、純粋に音楽と食事を楽しみに来てくださるお客様も多いんです。私たちとしても、一流の音楽と食べ物を楽しい環境で、あるゆる世代のお客さまに堪能していただけるよう、日々努力しています。
世界のご当地ハンバーガーが集結!
Q:食べ物にもこだわっているそうですが、アメリカンフードが自慢のハードロックカフェの一番人気と言えば、やはりハンバーガーですか?
ええ、ハンバーガーは他のメイン料理などと並んで最も人気の高いメニューです。
Q:そのハンバーガーをフィーチャーしたキャンペーンがこの夏あるとか?
その通りです。日本の6店舗で世界12カ国18都市のご当地バーガーが楽しめる「ハードロックカフェ ワールドバーガーツアー」です!既に7月1日から始まっていて9月30日まで開催されます。
Q:ハードロックカフェにご当地バーガーがあるんですか?
ええ。所在地のご当地的な味わいを取り入れたオリジナルレシピのハンバーガーを世界の全店舗が持っているんです。私たちは「Local Legendary Burger(以下LLB)」と呼んでいるこのご当地バーガーは、本来はその店舗を訪れた人だけが食べられる限定品ですが、今回、世界中から厳選した18の都市のLLBが日本に初上陸したんです。1店舗あたり1カ月に1品を販売すると共に、それぞれの都市をイメージしたドリンク2種も販売します。また、都市をイメージしたライブも開催する予定です。
Q:楽しそうですね!おいしそうですね!!どんな都市、国のものがあるんですか?
SF、NY、ハリウッド、アトランタ、ホノルルなどアメリカから7都市、イギリス(ロンドン)、フランス(パリ)、イタリア(ローマ)、タイ(バンコク)、シンガポール、インドネシア(ジャカルタ)、エジプト(ナブク)、インド(ムンバイ)、ベネズエラ(カラカス)などです。
Q:本当にワールドワイドですね。どんなところがご当地なんですか?
たとえば1号店のロンドンのRoast Dinner Burgerであれば、パテの上にエッグプディングが載っているのが特徴です。バンコクのThai Green Curry Bergerであればソースがカレー風味でバジルがトッピングされているといった感じですね。普通サイズでもパテは240グラムのお肉を使用したものですから、味、ボリューの両方で満足していただけると思います。
Q:できるなら6店舗をハシゴして18種類のバーガーを制覇したいところです。
ぜひ(笑)。スタンプカードを用意していて、2種類のバーガーを食べたお客様にはオリジナル手帳と旅行ギフトが当たる抽選権、6種類だとTシャツ、全18種類だとピンパッジをプレゼントしますので。
80’sロックと映画サントラ、そしてアメリカ留学のこと
Q:笠さんご自身のお話に移りますが、笠さんが英語に興味を持つきっかけはやはり洋楽ですか?
ええ。80’sロックが最盛期のときに小学生、中学生だったので、日本語と英語の歌詞を交互に見ながら「ああ、こんなことを言っているんだ」というのを繰り返しました。しゃべれないのに、さびのフレーズを一緒に口ずさんだりよくしていました。映画も好きだったのでサントラをよく聞きました。「グーニーズ」「ゴーストバスターズ」「トップガン」とかね。洋楽好きの父親が買ってきたマイケル・ジャクソンの「スリラー」やペットショップボーイズのCDも全部聞きましたね。
Q:アメリカの大学に4年間行かれたそうですが?
はい、ペンシルバニア州のフィラデルフィアにある大学で映画を専攻しました。自分で脚本を買いて撮影、編集もして短編を作ったりもしましたよ。
Q:英語でそんなことができるなんてすごいですね!
いえ、そんなこともありません。当時は授業でプレゼンする機会などもありましたが、日本人の弱点と言われるスピーキングの力は、やはりかなり弱かったですね。卒業後1年、フロリダのユニバーサル・スタジオ・リゾートで働いたときは接客業も担当したのですが、英語で何かを説明するのに本当に苦労しました。
仕事の英語は“真似て学ぶ”
Q:どうやって上達させたのですか?
毎日必死で仕事をこなすうちに、徐々にという感じでした。もう必要に迫られていましからね。また、同じような説明を繰り返すので答えのストックがたまっていったということはあるかもしれません。
Q:同じ答えを繰り返すことで、自分のものになっていくんですね。帰国されてからも、英語は仕事で使う環境だったんですか?
はい、前職でも今の仕事でも職場で英語を使ってきました。
Q:仕事の英語は、学生時代の英語とはまた違った難しさがあったのでは?
ええ、日常会話はある程度の単語の組み合わせでなんとかなります。また、多少フランクな言い方でも大丈夫な場合が多い。それがビジネスだと単語数も増えるし、相手の心情も探りながら難しいことをどう表現するかというスキルも身に着けなければなりません。誰かがそういったビジネス英語を教えてくれるという環境ではなかったので、同僚や仕事相手が言っていることをひたすら真似しました。メールの文面もパクリばかりで(笑)。とにかく「真似て学び」ました。Would you?やCould you?といった表現が使えるようになったのも社会人になってからだと思います。
Q:今は仕事ではどんな場面で英語を使うのですか?
今は、アメリカンダイニング事業部という、トニー・ローマ、ババ・ガンプ・シュリンプなど、アメリカのレストランを日本でフランチャイズ展開している部署にいます。本社がアメリカのフロリダにあるので電話会議や、本社からの担当者が日本に来たときなどの打ち合わせはすべて英語ですね。
Q:日本のスタッフのみなさんはやはり英語は堪能ですか?
堪能ではないですね・・・。実は、最初は、本社に送るメールは私がすべて英訳していたんですが、そうすると主な業務が翻訳だけになってしまったので(笑)、だんだんと各自でやってもらうようにしました。
メールは、すべての文面を日本語で考えてから英訳すると変な部分が出てきてしまうことがあります。日本語なら「大変申し訳ないのですが〜」と初めてもおかしくないのに、そのまま英訳してI am very sorry…とメールを初めてしまうと、向こうは何事かとびっくりしてしまう。そういったことは、やっていくうちにわかるようになるので、スタッフには「間違っても大丈夫だから」と言い続けています。個人差はありますが、メールで言いたいことはだいたいみんな通じるようになってきました。
私もまだまだ未熟なところはあるし、会話は毎日していないとなまってしまう部分があるので、仕事以外でも積極的に英語に触れていきたいと思っています。
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