【前編】TOEIC® スコアと英語力を一度にアップするための英語学習の最短ルートは?/赤井田拓弥さん

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TOEICテストのスタート直後から、受験者のデータ分析を行ってきたという赤井田拓弥さん。著書『日本人の英語力と効果的な英語の学習法』のなかで、「TOEICが900点を超えても英語が話せない理由」を分析されています。長くTOEICテストに携わって来られた赤井田さんに、「スコアと実際のスピーキング力になぜ開きがあるのか?」をお話しいただきました。

TOEICは900点! どうして英語が話せないの!?

Q:ご著書『日本人の英語力と効果的な英語の学習法』で「TOEICが900点を超えても英語が話せない理由」を分析されています。

私はTOEICテストのスタート直後から、考案・開発に携わった故・三枝幸夫元早稲田大学教授とともに受験者のデータ分析を行ってきました。そのデータから、多くの受験者のスピーキング力がTOEIC(R)スコアに伴っていない理由を次のように分析しました。

(1)実力以上のスコア!?

毎回TOEICテストを受験していると、思った以上にスコアが上がっていくという声を聞くことがあります。これには、「イクエイティング」というシステムが関連していると思われます。

「イクエイティング」は、過去問題の一部を流用してデータを比較することで評価基準の普遍性を構築するシステムです。実際に過去何回までさかのぼっているか、どのテストフォームからどの問題を再利用したかは公表されていませんが、IP(Institutional Program)テストのテストフォームが「過去5、6回以前」とされていることから推測すると、過去4、5回のテストからの再利用が予想されます。

しかし、TOEICテストを続けて受験していると、見覚え、聞き覚えのある問題にあたることもありますし、受験時に問題を手分けして覚え、試験終了直後に再現し、それらを教材として、次回TOEIC受験対策講座を実施しているものもあると聞いています。つまり、過去数回分の問題を記憶しておけば、実際の実力以上のスコアを出せる可能性があるでしょう。

(2)スコアに伴わない英語力!?

TOEICのルールでは、どの国のどんな職業の人も、公平に英語力が評価されるように、カルチュラルバイアスがかかった内容の問題は出題されません。また、「センシティブレビュー」によって、ネガティブな語彙や要素も除外されています。そのため、市販のTOEIC対策本や対策講座では、この傾向を熟知していますから、文化的な話題も、ネガティブな語彙や要素は扱われることはありません。

しかし、海外の人とビジネスにおいてコミュニケーションを取るときには、それぞれの国の文化を知ることはもちろん、ネガティブな語彙や表現も知らなくてはなりません。

以上を考えると、英語学習者も、スコアを評価する企業の人事担当者も、TOEICの特性を知り、スコアだけを追い求めるのではなく、真の英語運用能力を身に付け、それに沿ったTOEICスコアを取得する、あるいは評価する、という姿勢が重要です。

リスニングとリーディング、どちらが重要?

Q:企業の英語研修担当者からも、研修による英語力の伸びが鈍化しているという声があがっているそうですね。

リスニングとリーディング、どちらが重要?

先に述べたようなデータ分析から、20年くらい前は100時間、200時間の英語学習後のTOEICのスコアの伸びが何点といった目安を算出し、それを企業研修担当者に活用してもらっていました。しかし、当時と比較すると、現在は研修と、研修に伴う自己学習による英語力の伸びは明らかに鈍化しています。その理由として、社会人に必要な英語力が「リーディング>リスニング」から「リスニング>リーディング」にシフトしているにも関わらず、TOEICのトータルスコアでのみ、英語力が判断されているためではないかと考えています。

TOEICスコアが同じ500点でも、リスニング200点・リーディング300点の人と、リスニング300点・リーディング200点の人の英語力は異なります。実際に、必要な英語学習時間をデータから算出してみても、前者と後者では、約百数十時間異なります。そのため、英語力を把握するためにTOEIC(R)テストを活用する場合は、リスニングスコアとリーディングスコアを分けて考える必要性を喚起しているのです。

Q:英語4技能の能力を向上させるための効果的な学習順序はありますか?

英語4技能の能力を向上させるための効果的な学習順序

英語には、「リスニング」「リーディング」「スピーキング」「ライティング」という4技能があります。「その能力を知るためには、それぞれを測定する必要がある」ことは、近年、文部科学省が英語教育改革の中でも盛んに叫ばれているので、ご存じの方もいらっしゃるでしょう。

この4技能は、「リスニング」と「リーディング」の「理解言語」、「スピーキング」と「ライティング」の「表現言語」に分類することができます。「理解言語」である「リスニング」と「リーディング」は、独学で学習を進めることができるのに対して、「スピーキング」と「ライティング」の「表現言語」は、相手に理解されているかどうかを確認する必要があるため、独学が難しい分野です。

英語レベルがどのくらいであっても、英語4技能を同時に学習することは効率的ではありません。聞いて理解できても、いざ話すとなると使えない言葉というのは「理解言語」ではありますが、「表現言語」ではありません。読めても書けない漢字があるのと同様です。

「『理解言語』が常に『表現言語』に先んじ、そして大きく上回る」という大原則がありますが、「文字(リーディングとライティング)では「1:2(3)」程度、音声(リスニングとスピーキング)では「1:10」程度といわれています。すなわち、1の内容を書きたければ、2〜3倍、話したければ、10倍の「理解言語」が必要であるということです。

したがって、英語4技能の能力を向上させる早道は、まず「理解言語」の素地を独学で早期に完成することだと考えています。 

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