オリンピックが4年後に迫り、インバウンド景気に沸く日本。ですが、接客業界隈では、「実際にお店に来たお客様に英語で話しかけられて困った」「会話が成り立たなかったがために、お客さまを逃してしまった」そんな英語にまつわる悩みをよく耳にします。
今回は、外国人に向けた「おもてなし」のコツを聞くため、訪日観光客を対象に日本酒のイベントを数多く開いているリカー・イノベーション株式会社のクリストファー・ヒューズさんにお話を伺いました。
リカー・イノベーションは「料理持ち込み自由」や「時間無制限の飲み比べ」など、ユニークなサービス内容で日本酒業界に新風をもたらしているベンチャー酒屋KURAND SAKE MARKETの運営会社です。その中で唯一の外国人としてインバウンド向けのPRをしているクリストファー・ヒューズさん。ロンドン生まれ、マンチェスター育ちの生粋のイギリス人の目に、日本の「おもてなし」はどのように映っているのでしょうか。
クリストファー・ヒューズ
ロンドン生まれ、マンチェスター育ち。大学では日本語を専攻し、ロンドンで和食の卸業者をしていた時期に日本酒と出会う。日系メーカーの代理店で2年働いた後、日本酒の勉強をするために日本に移る。アルバイトをしながら全国の日本酒の蔵を巡る中で、ある蔵元と出会い、営業マンとして1年間勤務。2015年よりKURANDにジョインし、主に訪日客向けのPRに取り組む。
イギリス人酒屋が語る、外国人への「おもてなし」の秘訣
Q: リカー・イノベーションさんでは酒蔵ツーリズムや飲み比べイベントなど、訪日客に向けて積極的に日本酒の普及をされていますね。
クリストファー: 私たちは、日本酒を飲むだけではなくて、日本酒の文化や魅力を伝えていきたいと思っています。例えば、浅草の店舗では、蔵元が使う道具を持って記念撮影ができるようになっています。それは普通の酒屋ではできないことですし、海外だったら考えられないようなホスピタリティーだと思います。
KURAND SAKE MARKETでは、日本人も外国の方も、日本酒の文化にできるだけ触れ合っていただきたいと思っています。そのためにも社員みんなで毎週考えているのが、「どうやって新しい付加価値を与えられるか?」ということ。この仕事を通じて「日本酒と外国人の架け橋となる」ことが私自身の使命だと思っています。
Q: そのような形で訪日客にアプローチできているのも、クリストファーさんのように、日本酒の知見に長けたネイティブの方がいるからだと思いますが、英語ネイティブのスタッフがいないお店の場合、訪日客に対してどのようなコミュニケーションを取れば良いでしょうか。
クリストファー: しっかり外国人に対応するつもりなら、メニューや注意書きなどで誤解が生じないようにネイティブレベルの英語での対応をするのがとても大切です。印刷物の場合、もしお店にネイティブがいないのであれば翻訳会社に頼むのもありだと思います。実際、笑ってしまうような文法のミスを見ることも少なくないです。今は翻訳ソフトなどあると思いますが、現段階ではどれだけ良い辞書や文法チェッカーでも必ず間違いが生じるので、やはりネイティブのチェックを通すべきです。
また、自分の業界について外国人が持っている誤解も知っていないとダメだと思います。例えば日本酒の場合、「必ず熱燗で飲むもの」「食べ物には合わせられない」のような誤解を持ってらっしゃる方もいます。そういった誤解について知っておかなければ、必ずコミュニケーションの齟齬が起きてしまうでしょう。
それから、サービスの内容についても調整する必要があります。文化の違いというものがあるので、日本人とまったく同じメニューのサービスをするのではなく、外国人が楽しめる、受け入れるものだけに絞ってもいいでしょう。
さらに外国人へのおもてなしにおいて必須とも言えるサービス、たとえばWi-Fiの用意やクレジットカードへの対応、観光地の近くにお店があるなら観光ガイドなどの用意も必要ですね。
Q: では、これからも増える訪日客を迎えるために、店舗の経営者やスタッフはどのような準備をすれば良いでしょうか?
クリストファー: まずは、外国人がよく行く観光地に行ってみて、外国人が何に困っているか観察したり、上手な外国人対応を参考にするのが大事だと思います。良い例はたくさんあります。
それから、私のような、日本語を喋れる外国人にヒアリングするのも大事です。日本でも外国人がたくさん集まるスポットがあるので、一度訪れてみると良いですね。
訪日客向けに押さえておきたい!英語接客の基本フレーズ10
ではここからは、クリストファーさんにうかがった、外国人を接客する上で覚えておきたい効果的なフレーズをご紹介しましょう。
1. “We have a menu in English.”
(英語のメニュー、あります。)
クリストファー: まず、自分のお店が英語に対応しているということを伝えないといけません。日本のお店は英語に対応していないのが当たり前だと思っている外国人は多いためです。逆に、英語対応できるお店の情報は口コミやサイトのレビューを通じて訪日外国人客に伝わるため、継続的な集客が見込めます。
2. “How can I help you?”
(いらっしゃいませ。)
3. “If you need any help, please ask our staff.”
(用がありましたらスタッフをお呼びください)
クリストファー:本当に基本的なフレーズですけれど、これさえ言えないお店は多いです。右も左もわからない異国の地で、親身になって応対してくれた!という思い出を持ち帰ってもらうには、このような小さな声かけが本当に重要です。
4. “Have you ever been here before?”
(以前来店されたことはありますか?)
5. “Where did you hear about us?”
(どこでお店のことを聞きましたか?)
クリストファー: このフレーズは単なるアイスブレイクのようにも聞こえますが、それ以上の効果があります。どういう客層がどういうルートでお店を知るのか、というリサーチにもなるからです。いつの間にか、自分のお店が海外のサイトや雑誌に載っていたという例もよくありますし、こうした情報を集めることで次の集客につながるヒントを得ることができます。
6. “You can pay separately.”
(個別で支払いができます。)
クリストファー: 海外では割り勘という考え方がない国も多いので、個別での支払いの可否は伝えておいたほうがいいですね。逆に、別々での支払いを受け付けていないのであれば、“I’m sorry but we cannot separate payments.”(申し訳ありませんが、個別での支払いはできません)と一言添えるようにしましょう。
7. “We don’t accept credit card.”
(クレジットカードは使用できません。)
8. “Cash only please.”
(支払いは現金のみです。)
9.“We provide Wi-Fi free of charge.”
(Wi-Fiを無料で利用できます。)
クリストファー: 先ほどお話ししましたが、クレジットカードの使用可否やWi-Fiの無料提供は、訪日外国人の集客においてとても重要な要素です。そのため、まだその準備ができていないお店は早急に対処した方がいいでしょう。
10.“You’ll find the toilet over there.”
(お手洗いはあちらです。)
クリストファー:お手洗いに限らず、近くの駅などを聞かれることもあるので、行き方や場所を教える基本的な英語ができるのも必要ですね。仕事だけでなくても、困っている外国人を助けられる人が増えて欲しいです。
4年後を見据えるなら、今が英語を学ぶチャンス!
クリストファーさんのお話にもありましたが、訪日客を迎えるに当たって大事なのは、相手のニーズを知ろうとする気持ち。訪日客が本当に望んでいるサービスを理解して英語で対応できれば、きっと口コミが口コミを呼び、インバウンド景気の波に乗ることができるはずです。
インバウンド景気がピークを迎える4年後を見据えるなら、今が英語を学ぶ絶好の機会ではないでしょうか。
Please SHARE this article.
英語を話せるようになりたいなら
学習のプロにみてもらおう
英語を学んできたのに、いざ話そうとなると全く言葉が出てこない、その原因は圧倒的にアウトプット量が不足していることにあります。
英会話の経験量を増やしたいなら断然オンライン英会話がおすすめ。1日25分だけ英語を話す習慣が鍵を握っています。高いお金を払って海外留学する必要はないのです。
無料登録しておくとお得な情報が届きます
今すぐ無料体験する最適な学習サイクルが
レアジョブ英会話ひとつで完結
※「ソロトレ」は有料会員様のみご利用いただけます
レアジョブ英会話なら、英会話レッスンはもちろんのこと、「聞いて話す」発話トレーニング「ソロトレ」や一歩一歩英語力を積み上げられるオリジナル教材など、オンライン英会話市場で長年培ってできたコンテンツを豊富に取り揃えています。(追加料金なし/教材無料)苦手を克服したいなら使うべき選りすぐりのコンテンツです。
利用者インタビュー
無料登録~7日以内なら初月半額
今すぐ無料体験する