グローバル人材に必要なスキルとは?外国人と協働して成果を出す方法【EVOLABLE ASIAベトナム法人代表 薛氏×レアジョブ社長 中村対談】

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海外とビジネスをすることや外国人と働くことが決して珍しくなくなりつつある昨今、「自分も海外で働きたい…」「グローバルに活躍したい」、そんな思いを抱いている方も多いかもしれません。では、言語も文化も違う海外で成果を上げるためには、具体的にどういったスキルが重要なのでしょうか?そんな疑問に答える対談セミナーが、先日、レアジョブ本社にて開催されました。

セミナーでは、ベトナムでラボ型オフショア開発を中心に事業を展開するEVOLABLE ASIA Co., Ltd.(以下エボラブルアジア)の薛悠司社長をお迎えし、離職率が高いと言われるベトナムで事業を発展させてきた経験を元に「外国人と協働して成果を出す方法」を語っていただきました。ファシリテーターとしては、レアジョブの代表取締役社長である中村が登壇。自身のフィリピンにおけるマネジメントについての事例もご紹介しつつ、外国人従業員との関わり方や、グローバル人材に必要なスキルを探ります。

外国人と協働で成果を出すための組織づくりとは

中村:弊社はフィリピンでスタートした時、日本人を現地には置きませんでした。現地スタッフに自ら考えて動いてもらいながら、日本とフィリピンが一緒になってやっていくという組織体制を敷いたんです。エボラブルアジアの場合は、どのように組織づくりをしてきましたか?

薛さん:ベトナムはITに関して非常に優秀な人材が集まっていますから、その強みを活かしたITの会社としてエボラブルアジアを立ち上げました。立ち上げた当初から、出向社員は1人もおりません。1つの企業に複数の人事制度があるというのは、企業内が不平等になってしまうという点で、マイナスの側面の方が大きいと僕は思っています。出向社員かどうかや国籍などは関係なく、パフォーマンスと役職と業績で給料を決める制度をとっています。そうすることで、主体的に動くカルチャーが生まれますからね。

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中村:なるほど。弊社も同じように主体的に動くカルチャーを築いてきたんです。方法としては「Chances for everyone, everywhere.」をグループビジョンとして掲げ、立ち上げ時には『7つの習慣』という本を現地スタッフにも読んでもらい、考え方を共有しました。薛さんがカルチャーを築くために意識したことは、何かありますか?

薛さん:透明な評価基準を設けて、フェアに評価したことが影響していると思います。手段ではなく、出ているパフォーマンスそのものが評価基準です。例えば、日本人のお客さんの対応を日本人社員がすれば、ベトナム人がするよりもスムーズにいきますから、その結果パフォーマンスも上がります。逆にベトナム人のマネジメントは、ベトナム人がやった方がパフォーマンスは高いです。このように国籍などの背景によって得意不得意はありますが、結果だけをフラットに見て評価しています

日本人が海外で活躍するために知っておくべきこと

中村:薛さんの経験上、海外で活躍している日本人の共通点って何だと思いますか?

薛さん:やはりコミットメントの高さだと思います。日本人でも外国人でも、成果を出す人に共通することですよね。やっていることに対してどういう主語で語っているのかを見ると、その人のコミットメントの高さがわかります。要するに「自分」が主語になっているかどうか、主体性があるかどうかです。

中村:当事者意識は本当に大事ですよね。ちなみに外国人をマネジメントする際に、日本人が気を付けるべきことはどんなことだと思いますか?

薛さん:海外でやっている場合は、その国の人たちを尊重することが大事ですよね。例えば僕はベトナムで話す時に「日本とベトナム」とは言わず、「ベトナムと日本」と言うようにしています。小さなことではありますが、その国に対するリスペクトが重要だと思うのです。

中村:弊社もフィリピン人スタッフとは英語で意思疎通ができますが、スピーチの最後には現地のタガログ語を使って話すようにしています。言語も文化も違いますから、そのあたりも含めてリスペクトが必要ですよね。

薛さん:そうですね。文化背景の違いって、わかったようでもなかなか理解できていなかったりしますし、ちゃんと理解するのには時間がかかるなと思います。例えば仕事が立て込んでいるにも関わらず、社員が「明日、母が来るので休みます」と前日に言ってきたとしたら、もっと早く言ってほしいと思ってしまいますよね。

でも文化背景が違えば、「母が来る」ということの重要度が違ったりするんです。そこを日本の尺度で考えてしまうと、すれ違いが生じます。その感覚をすり合わせていくのは、なかなか難しいです。

中村:難しいところですよね。薛さんは、現地スタッフに仕事を依頼する上で気を付けていることはありますか?

薛さん:明確に指示を出すようにしています。曖昧にならないように。日本人同士だったら言わなくても伝わることもあると思いますが、外国人の場合はより相手にわかりやすく伝える努力をしないといけませんね。

現地スタッフとのコミュニケーションで一番辛かったのが、朝礼で毎回同じことを言っても、社員に伝わっていないように感じたことです。同じことを繰り返し言うことに疲れてしまい、あきらめかけた時がありました。でも「まだ50回しか言ってないもんな……よし、5,000回言ってみよう」と考え方を変えました。その時は伝わってなかったとしても、伝え続ければ手ごたえが出てくるものなんですよね。『暖簾に腕押し』であっても、押し続けるためのマインドセットが重要だと思います。

中村:どれだけコミュニケーションをとれるかは、重要ですよね。僕も言語や文化が違う海外の人だからこそ、日本人の3倍のコミュニケーションをとるようにしています。日本人とだったら30分のミーティングで100%伝わることも、言語が異なるフィリピン人が相手だと同じ時間で100%伝えるのは難しいです。だからこそ日本人の3倍のコミュニケーション量で、面倒くさがらずにしっかり伝えることが大事だと思っています。

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薛さん:それと、自分事にしてもらうためにも、スピーチの最後は必ず社員目線での言葉で締めくくるようにしています。「良い商品をつくったら、良い値段で売れて、そうするとあなたにこんなメリットがありますよ」と、どのように還元されるかを最後に必ず伝えます。日本人以上に、ここを強調して伝え続けることが大事だと思うのです。

活躍するために必要な英語力と異文化対応力

中村:海外で仕事をするにあたって、日本人にどれくらいの英語力を求めていますか?

薛さん:部署によっても違いますが、英語で会議ができるとか、それぐらいのレベルであれば良いと思います。ただ、英語力は必須ではないです。一応採用面接の中でもチェックはしますが、英語力は後天的に身につけられるものだと思っています。

実際、僕自身も英語がもともと話せたわけではなかったんです。留学経験もないですし、日本の大学を卒業していますから。ただ「自分は英語を話せるはずだ!」と言い聞かせて実践を繰り返し、喋らざるをえない状況を作り出して鍛えてきました。

中村:実践の場があると、英語力は伸びますよね。僕自身も大学時代までは座学で英語を勉強しただけだったので、実際にフィリピン人と話すという状況になってから、英語力をブラッシュアップしてきました。異文化コミュニケーションについては、何か意識していることはありますか?

薛さん:実はさっき述べた「フェアに評価する」というのは自分への戒めでもあるんです。異文化への完全な理解はなかなか難しい問題であり、やはり誰にだって偏見みたいなものがあるんですよね。と言うのも、創業して2年目に工場の金庫が破られて、100万円を盗まれたことがあったんです。明らかに内部の犯行でした。自分なりに社員とコミュニケーションを取ってはいたんですが、それが裏切られたような気持になってしまい、その瞬間に「アイツら!」って思ってしまったんです。

でも、それは違うんですよね。実際100人の社員の中で、数人がそういう犯行に及んだだけであって、残りの97人はまったく関係ありません。それでも人間は相対化したがる生き物であり、つい人種とか国籍で線を引いてしまうかもしれない……。だからこそ、それ以降は毎朝「自分はそういうことをしない」と肝に銘じて、自分自身をマネジメントしています。

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中村:偏見を持ってしまう可能性があることを自覚して、自分をマネジメントすることが重要なのですね。異文化コミュニケーションの点で言うと、現地の生活に入り込むことも重要だと思います。食事や通勤スタイルも含めて、その国の文化を知ろうと努力することが大事ですよね。ちなみにこれから海外で働く人に対して、何か事前にやっておいた方が良いと思うことはありますか?

薛さん:可能ならば、外国人と一緒に仕事をする経験をしておくと良いと思います。日本国内でも良いので一度経験しておくことで、異文化に対する耐性ができますからね。

中村:たしかに、慣れておくことは重要ですね。違う文化の人と話せるだけのコミュニケーション能力をトレーニングしておくと、海外に行ってからも溶け込みやすいと思います。英語力のブラッシュアップと異文化に対する耐性、この2つが大事なのではないかと感じました。

おわりに

外国人と一緒に働く上で大事なこととして、粘り強くコミュニケーションをとることや、相手の文化を理解しようと努力すること、フェアな評価で主体的に動くカルチャーを築くことなどをお話していただきました。

対談の中でお2人が述べていたように、英語力や異文化対応力とはもともと備わっているものではなく、後天的に身に付けることができるものです。とにかく主体的に言語や文化の壁を乗り越えようと行動し続けること、これこそがグローバルに活躍するために何より大切なことなのかもしれません。

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