世界が注目するYOYOKA登場!北海道から海外へ移住の葛藤と英語の壁│前編

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北海道石狩市に住む12歳のYOYOKAさんは、史上最年少で「世界TOP500ドラマー」の一人に選出された天才ドラマー。English Labでも、2019年に世界から熱い注目を浴びる彼女をご紹介しました。

そんな彼女は今年、ついにロックの本場であるアメリカへ活動拠点を移そうと一家での移住を決意しました。

その決断の中で大きなハードルとなったのが「英語」だったそう。English Lab運営会社のレアジョブは、YOYOKAさん・そして家族のチャレンジに共感し、グローバルで活躍するためのサポートを行うこととなりました。

北海道で生まれ育ち、安定した生活を大事にしてきたご両親にとっても、この決断の背景には大きな覚悟がありました。

YOYOKAさん一家の人生を変えた出来事、移住に向けて数々の壁に挑む家族のチャレンジ、その先に見つめる夢を、ご紹介いたします。

  • YOYOKA(よよか)
    2009年10月生まれ。趣味で音楽活動をしている両親の影響で1歳半頃から自然とドラムを始める。2018年、8歳の時にLed Zeppelinの「Good Times Bad Times」をカヴァー演奏した動画が、アメリカのNBC、ローリングストーン誌、ビルボード、イギリスのBBCなど世界中のメディアで特集される。この動画は世界中で拡散され、各SNSで合計5,000万回以上の再生を記録。シンディー・ローパーやFall Out Boy、イアン・ペイス、ビリー・シーンなどと共演やコラボレーション。2021年末 本格的に世界に挑戦するため、日本の大手事務所を退所し独立。YouTubeは登録者数20.8万人。

人生を変えた一本の動画

YOYOKAさんは、北海道石狩市を拠点に国内外で活動を展開するドラマー・アーティストです。バンドをやっていたご両親の影響で、音楽はいつもそばにあるのが当たり前の存在でした。ドラムを始めたのは1歳半の頃。4歳の頃にはライブ活動を始め、家族でバンドも組んでいます。

2018年、YOYOKAさんが8歳の時のこと。世界の女性ドラマーのコンテスト用にとある動画を公開しました。

コンテストへの応募と同じものを後日YouTubeに公開

ここから、彼女の世界は激変します。大人でさえ、むしろ熟達したドラマーでさえも難しいと言われるLed Zeppelinの「Good Times Bad Times」を笑顔で演奏する姿に、世界中から注目が集まりました。アメリカやイギリスなど世界中のメディアに取り上げられ、国内外からさまざまなオファーが舞い込んできたのです。

YOYOKAさん「正直、なんだかよくわからない状況でした。いろんな国の人、いろんなアーティストや会社の人からどんどん連絡が来て…。でも、海外に行くのは楽しかったです。同じ曲を演奏しているのに日本とは反応が違ったりして『こんな世界もあるんだ!』と、純粋におもしろいと感じていました」

YOYOKAさん

振り返ってみると、物心つく前から海外のアニメやトークショーが好きだったと言うYOYOKAさん。英語か日本語かどうかは関係なく、感覚的に海外の雰囲気が好きだったそうです。

YOYOKAさん「でも、だからといって将来海外に行くなんて思ってもなかったし、アメリカがどこにあるかも知らなかった。動画が拡散されたことで、かけ離れた世界だと思っていた場所が急に向こうからやってきた、という感じでした」

お父さんの章文さんも「喜びよりも驚きと戸惑いの方が大きかった」と振り返ります。

章文さん「親として、娘にはいずれ世界に通用する人に育ってほしいとの想いで育てていたものの、こんなに早く世界で認知されるとはまったく予想していませんでした。私も妻も北海道生まれの北海道育ち。仕事も公務員で、その時は地元を離れるつもりは全くなかったです」

帰国子女でもなければ、海外志向でもない。ただ、家族みんな音楽が好き。 そんなYOYOKAさん一家がアメリカ移住を決めた背景には、どんな出来事があったのでしょうか?

世界を飛び回った2年間、そしてコロナ禍。アメリカ移住を決意するまで

そもそも、2018年以降の2年間は、海外からのオファーが絶えず続いた激動の日々だったそうです。名だたるミュージシャンとのセッション、C M出演、アメリカの人気トークショー・エレンの部屋(The Ellen DeGeneres Show)へ、日本人として異例の快挙となる2度にわたる出演も果たしました。さらには、弱冠9歳にしてNewsweekの「世界が尊敬する日本人100」に史上最年少で選ばれるなど、国内外を飛び回って活躍の場を広げていました。

エレンの部屋に2回目出演された時の様子

しかし、コロナ禍によって、あらゆるイベント出演やオファーはすべてキャンセルされました。

章文さん「本当に残念なことでしたが、今思うと怒涛の2年間の後でもあり、休息も必要なタイミングでした。あまりにも目まぐるしい変化のさなかにいたので、一旦立ち止まって家族だけの時間を持てたことは大きかったです。状況が変わってまた海外渡航できるようになった時に、どんな挑戦をしたいのかもみんなで考えました」

YOYOKAさんのお父様・章文さん

世界中のミュージシャンとのコラボレーションや楽曲制作、動画配信やオンラインイベントへの出演などの音楽活動は続けつつ、中学校入学を目前に控えた2021年11月。YOYOKAさんは自分の夢を確かめるため、約2年ぶりに一家揃って再びアメリカに行くことにしたのです。

YOYOKAさん「現地に着いて空港を出た瞬間に、『やっぱりここが私のいる場所だ』と感じたんです。自分が自分らしく、自然体で居られる場所。それはアメリカだったんだ、と思いました」

この直感が、アメリカ移住という構想が具体的な行動と決意に変わったきっかけとなったそうです。

章文さん「YOYOKAは特にアメリカのファンが多く、2018年の時点から、就労ビザの取得に向けて検討し始めてはいました。就労ビザがなくてオファーが来ても出演できないTVやイベントもあり、悔しい思いもしていたからです。YOYOKAの評価は日本よりも海外の方が高かったですし、彼女自身のプレイスタイルは、海外との親和性が高いと思います。さらに、志向する音楽がロックなので、本場・アメリカで腕を磨くという発想は、ごく自然な流れだったと思います」

不安と葛藤の先に、覚悟を決めた決断

だからといって、生活拠点を海外へ移すというのは並大抵の決断ではないうえに、まったくの予想外だった、と章文さんは言います。

章文さん「私は14年間、札幌市の小中学校の事務職員として地元に根ざした仕事をしてきました。安定して働ける職業で生活基盤を築いて、子どもたちを健康に育てたい。高校卒業まで見届けたら、その後はそれぞれが自由にはばたいていけばいい…というプランを描いていました。

一方で、安定を優先するのは親のエゴではないか?との葛藤があったのも事実です。世界に挑戦できる才能とチャンスがあるYOYOKAを、このまま日本に押し込めておいていいのだろうか? そして感受性豊かな成長期にこそ、よりハイレベルな環境で挑戦させるべきではないだろうか?

だけど我が家は裕福ではないし、仕事のこと、資金のこと、就労ビザのこと、そして英語のことも不安だし…。と、相反する想いがずっとぶつかりあっていました」 覚悟を決める後押しとなったのは、YOYOKAさんの「自分はアメリカが合ってる。ここで挑戦したい」という強い意志でした。

この決意を聞いて、章文さんは誰よりも間近でYOYOKAさんのドラムプレイを見ていたからこそ、仕事を辞めてでも、彼女の挑戦やさらなる活躍をサポートすべきだ、との覚悟を決めました。

たとえリスクが伴うとしても、彼女の可能性とチャンスを奪ってはいけない。それほどの覚悟なくして、日本人が世界に太刀打ちできるわけがない、と。

こうして、2021年末に従来の所属事務所との契約を終了。一家でのアメリカ移住に向けて本格的に動き始めました。

とはいえ、生活拠点を海外へ移すとなればすべてゼロからの始まりです。

資金は? 現地での生計は? 住まいは? 言葉の壁は? 学校は?
英語もままならないなか、アメリカでどうやっていくべきか?

押し寄せてくる不安や懸念に対し、YOYOKAさん一家はどう向き合っていくのでしょうか?

後編「英語・ビザ・家探し…海外移住を決意した12歳ドラマーYOYOKAを阻む壁│後編はこちら

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