porpor(ぽるぽる)こと渡邉淳です。前回は「単語」についてお話しました。以下のポイントを挙げましたので、まだご覧になっていない方はぜひ!
ということで、引き続き、今回も「単語」についてお話させていただきます。まずは、意外と驚かれる単語帳の使い方から。
知らない単語は「手持ちの単語帳」で調べよう
ぼくはTOEIC対策を行う際に、(電子)辞書を使いません。辞書代わりに単語帳を使うようにしています。
これを言うと驚かれるとともに、次の質問を必ず受けます。まるで台本があるかのような話の展開がなされるのです。
質問者「知らない語句はどのように調べるのですか?」
ぽる「信頼できる単語帳で調べるのです」
質問者「辞書は使わないのですか?」
ぽる「TOEIC対策、という点においては使用しません」
質問者「では、単語帳に載っていない語句はどうするのですか?」
ぽる「スルーです」
質問者「スルーですか…えええええええええええ?」
という、最後の反応は誇張しましたが、大体このような感じです。
なぜ辞書は使わず、手持ちの単語帳で調べようとしているかと言うと、試験に出る語句が限られているためです。辞書で調べると、TOEIC対策をしている皆さんにとって大切な
「TOEICで出るかどうかの判断がつかない」
のです。そのため、単語帳を辞書代わりに使ってください。(今時の辞書であれば、調べた語句が「TOEICに出る/出ない/◯点レベル」など出るのかもしれません。)
「問題⇔単語帳」の反復を頻繁にしよう
前回のコラムの中で、「単語帳で学習をすることからは早めに脱却してほしい」というメッセージをお伝えしました。単語帳を終えた後は、実際の問題に取り組んでいただきたいのですが、やはり知らない語句が出てくることでしょう。そして、見たことはあるのに思い出せない語句も出てくることでしょう。誰しも落ち込んでしまうところですが、ここはチャンスだと肯定的にとらえてください!
なぜならば、語句と仲良くなるための素晴らしい機会だからです。
問題と単語帳という別々の場面で出会うことによって、記憶に残りやすくなるという利点があります。ですから、単語帳が完璧とまでは行かなくとも、問題を解きはじめる利点はここにもあるのです。問題演習の中で、単語帳と問題を行き来する癖をつけることができれば、自分の頭の中に語句のネットワークができ、徐々に強固なものになるのは間違いありません。単語帳に掲載されている「情報」と問題にある「文脈」が結びつくことは、皆さんが思う以上に大きなインパクトを残してくれます。
先に申し上げたように、単語帳を辞書代わりにして問題に取り組むことは、大学受験の頃から実践してきました。そして、結果が出ていることを体感しています。ぜひ皆さんも単語帳と英文の反復横跳びに取り組んでみてはいかがでしょうか?
出会う回数を自分で増やそう
最後に、厳しめとして以下のことを申し上げます。「語句を覚えられない」理由として「記憶力が悪い」とおっしゃる方がいます。もちろん、記憶力が低下しているという事実があるのかもしれませんが、ぼくはそういった相談をされた方に次のように尋ねます。
「覚えられないという語句を何度目にしましたか?」
1,2回だったら、ぶっとば…いえ、「甘い」と率直に申し上げます。なぜならば、その回数で覚えることは難しいからです。何も英語の語句に限った話ではありませんよね。日本語でもそうですし、人の名前でもそうでしょう。にもかかわらず、語句は数回で覚えようとする……甘いんです! そこを自覚してください。
自覚していただくだけでは、語句は覚えられませんから、ぜひ次のことも意識していただきたいと思います。それは、
「自力で語句に出会う回数を増やす」
というものです。単語帳を1日1回引っ張りだしてざーっと眺めてみるのもよいでしょう。自分が知らないと判別した語句を1日数回書き出してみるのもよいでしょう。発音とスペルが結びつかない語句を集中的に聞いては書いてみるのもよいでしょう。ここに挙げた意外にも方法はいくらでもあります。とにかく語句との接触回数を増やしてください。その回数が増えれば増えるほど、その語句との距離は縮まりますから。
前回も含めて、もちろん、言うは易し、行うは難しの内容です。しかし、語句で悩む方が変わるためには、新しい一歩を踏み出さなくてはいつまで経っても同じです。すべてを取り入れるべきという極論を言うつもりはありません。ただ、この記事を読んで「何かやってやろう」と思われたのであれば、一つからでよいですから、実践していただきたいと強く願います。
勇気を出して踏み出した一歩があなたの語彙力を高めてくれると信じて。
(おまけ)
以前、池袋にある天狼院書店さんのご協力を得て、単語についてのイベントを行いました。その際に、プチセミナーのような形で、動画で対談を行いました。1時間と少し長めの動画となりますが、今回の記事と関係のあるお話ですので、よろしければぜひ。
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