英会話が苦手なひとでも話せるようになる?消極的なひとも話せる英語の上達法

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英会話の本を読むと、たいてい「ネイティブと積極的にはなしてトレーニングしましょう」と締めくくられています。たしかに、実際に英語を使うことは、英語の上達のために必要かもしれません。

ですが、ここに1つの問題が持ち上がってきます。「ネイティブとたくさん話して上達」という勉強法は、人とはなすのが好きな人のためのものなのです! そもそもはなすのが苦手な人には、この練習は苦痛かもしれません。

実際の英会話でも、口下手な人は苦労するものです。日本語でも話すのが苦手なのですから、外国語ではなおさら口が重くなってしまいます。筆者も口下手で、親しくない人とはなすのはあまり得意ではありません。なので、語学の勉強ではいつも苦労しました。

今回はその経験から、口下手な人でも英会話が上達する方法や心構えを考えてみます。

いきなり人間とはなさなくても大丈夫

口下手な私たちは、「ぶっつけ本番」が苦手だと思います。即興でスピーチをしろなどといわれたら、頭が真っ白になってしまうでしょう。ですが、しっかり準備した後のプレゼンテーションなら少しは緊張がやわらぐのではないでしょうか。

私が実践しているのは、この「事前準備」です。必要なのは、録音機能があるスマートフォンだけです。

イメージトレーニング

場面を設定して、目の前に相手がいると想像しながら、スマートフォンに向かって声を吹き込みます。

<場面>
初対面の人にあいさつ、仕事の段取りを説明
同年代の男性
ネイティブ
など、場面は細かく設定します。そして、実際に会話しているようなテンポではなします。言えない表現があれば、そこだけ日本語で吹き込んでおいて、後で調べておきます。

Good morning Mr. Chen, nice to meet you.

相手(“Nice to meet you to”)

Did you have lunch? I know a great one around here.

相手(”That’s great. Let’s go”)

Then I will explain the ……手続き(procedure) there.

このように、頭の中で会話を進めていくのです。

このトレーニングは、会話の練習というよりイメージトレーニングに近いです。相手がこう言ってきたらこう返す、というシミュレーションです。実際に口を使って練習しますので、ただイメージするよりリアルな練習ができます。

英語で日記を吹き込む

これに似たトレーニングに、英語で日記を吹き込むというものがあります。英語で日記を書くトレーニングは有名ですが、口を使ってするのです。日記に出てくるのはどれも日常的な表現ばかりですよね。それが実際に口から出るようになれば、日常会話でも役に立ちます。

先日、筆者が英語で日記を吹き込んでいたところ、「申しわけなく思った」という表現がでてこなかったことにおどろきました。「友達を2時間待たせてしまって、申しわけなく思った」と言おうとして

I made him wait for 2 hours, and I … I just…申し訳なかった

辞書を引いてみると、「feel sorry for 人」で、その人に申し訳ないという意味です。読んだりきいたりしたら絶対にわかる表現でも、口からは意外と出てこないのです。

英語日記で、無理なく日常的な表現を身につけることができます。

主役にならなくても大丈夫

開放的な外国人と英語をはなしていると、「自分の意見を強く言わなければ」とか、「みんなを盛り上げなければ」と不安になることがあります。でも、これは私たちのようなタイプの人間には難しいことです。

とはいえ、冷静に考えてみると、全員が自分の意見ばかり言いつづければ、はなしはまとまらなくなってしまいます。はなしには「聞き手」がかならず必要なのです。ですから、口下手な人は聞き役にまわることで、会話に一番貢献することができます。

相手のはなしをきき、たまにその意見をまとめてあげるのが、聞き手の仕事です。

You just said you did your best, you mean passed the test?
(さっき全力を出し切ったみたいに言ってたけど、テストに合格したってこと?)
You said you will do your best at work, what will you exactly do?
(仕事を頑張るっていうのは、具体的になにをするの?)

いったん聴き手にまわることで、自分の意見を強く主張しなくても、会話に入ることができます。

外交的でなくても大丈夫

外国人はオープンだというイメージがありませんか? 特にアメリカの人たちは、「積極的で話が好き」というイメージが強いと思います。英語教材はたいていアメリカ英語・アメリカ的な話し方ですから、勉強していると「アメリカ人のように積極的に明るく話さなければ……」というプレッシャーを感じてしまいがちです。

「自信満々で、強気で、社交的」というのは、アメリカ人にとっての理想的な人柄です。学校では社交性が強く要求され、自分の意見を言うことが求められます。とはいえ、すべての人がこういう性格というわけではありません。他ならぬアメリカ人が、そのイメージのせいで苦しんでいるとしたらどうでしょうか?

アメリカにも、積極的に自分の意見を言えない、穏やかな性格の人がたくさんいます。そういう人のことを、英語で「introvert」とよびます。社交性が高く評価されるアメリカ社会では、このタイプの人は生きづらいようです。そのため、アメリカの出版界では、こういった人向けのライフハックの本がたくさん出版されています。

スーザン・ケイン『内向型人間のすごい力』
原題『The Power of Introverts in a World That Can’t Stop Talking(話すことを止められない世界での、内向的人間の強み)』

この本の中では、社交性で評価が決まってしまうアメリカ社会の中で苦労しているアメリカ人がたくさん描かれています。

筆者のスーザン・ケインは元弁護士ですが、穏やかで口下手な人です。自分の意見を徹底的に主張する「アメリカらしい」話し方が苦手な彼女は、自分の対人スキルが劣っていると思っていました。

そんな彼女が見つけたのが、「冷静に聞き役に回る」はなし方でした。相手の意見に口をはさまず、最後まで聞いて、その後に静かに意見する。「口下手な人には、冷静であるという強みがある」と語るスーザンは、その強みをコミュニケーションしたのです。

「introvert」や「HSP」、「social anxiety」といった言葉で検索すれば、たくさんのアメリカ人が「外交的」に振る舞うことができずに困っていることがわかります。

英語をはなす人たちといっても、みんなが社交的なわけではありません。私たちも、穏やかさ、冷静さを活かしたコミュニケーションをしてもいいのではないでしょうか?

まとめ

「英語」というと、大げさな身振り手振り・大きな声・明るいふるまいというイメージがついて回ります。しかし実際には、もっと穏やかな話し方をしてもいいのです。口下手な人でも、冷静に聞き役に回ることで、会話の潤滑油になることができます。自分に合った会話スタイルをえらんで練習していきましょう。

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