目標を達成するためには、モチベーションが必要ですが、ずっと高いこともあれば、低下して動けなくなることもあります。モチベーションを保ち続けるのは、相当強い意志と努力が必要で、やる気の欠如はほとんどの人が経験していることでしょう。
しかし、もしスランプに陥ったとしても、それが道の終わりを意味するわけではなく、またやる気を取り戻すことができます。今回は、モチベーションを高めて維持し続けるためのヒントをいくつか紹介します。「英語学習のモチベーションが下がってきた」と感じるひとは参考にしてみてください。
モチベーションについて知る
まず最初にモチベーションとは何か、なぜ必要なのかについて考えてみましょう。
モチベーションとは
モチベーションとは最も単純な言葉で言えば、人に何らかの行動を起こさせる「理由」です。挫折、先延ばし、自信喪失、ストレス、そのほかのさまざまな障害に直面しても、目標を追求する原動力になるものです。
しかし頭でわかっていても、その時の気分に左右されることが多く、モチベーションを保ち続けるのは大変です。ある日「自分は何でもできる」「これを続ければ絶対成功する」と思いたっても、いつの間にか目標に向かって努力するどころか、目標について考える気力もなくなってしまった経験を持つ人は多いと思います。
本当の意味での持続的なモチベーションは自分の内側から生まれるものです。いくらSNSの「ためになる」投稿や、YouTube、本を読んでも高いやる気を維持することはできません。その場限りのやる気は持続できないことを肝に銘じておきましょう。
なぜモチベーションが必要なのか
ではなぜ何かを達成するためにモチベーションが必要なのでしょうか。それには大きく分けて次の2つの理由があります。
新しいことをスタートさせるためのエネルギー
「今年こそは英語力をあげよう」と決めても、モチベーションがなければ、「今すぐに必要なわけじゃない。時間もあまりないし、毎日学習する自信がないから、もう少し考えてみる」とためらうひともいるかもしれません。しかし高いモチベーションがあれば行動に移すことが簡単になります。
英語学習に限らず、何か新しいことを始めるのは勇気のいることです。「本当に続けられるのか」「自分のためになるのか」「これを始めて成功できるのだろうか」などの迷いを吹っ切るためのエネルギーとしてのモチベーションは欠かすことができません。
始めたことをやり遂げるための原動力
モチベーションは、最初は高くても段々と下がってくるのが普通で、ときにはゼロになることもあるでしょう。しかしモチベーション、つまり行動し続けるための理由がなくなると、始めたことをやり遂げるのはほぼ不可能になってしまいます。
特に何か困難なこと、例えば金銭的な問題や家庭の事情などの個人的な障害や「やっぱり自分には無理だ」と思って自信が失われると、それまで続けてきたことをやめてしまうこともあるかもしれません。
しかしモチベーションという原動力があれば、こういった困難や障害を乗り越え、目標に向かって努力し続けることが可能となります。
モチベーションを上げる方法
モチベーションを上げるのは比較的簡単です。これから英語学習や新しい習い事、仕事などを始める方は次のことを試して、さらにモチベーションを上げてみましょう。
短期間で達成しやすい目標の設定
長期的な目標として、例えば英語学習では「字幕なしで映画が楽しめる」「外国人と問題なく議論できるようになる」などがあるかもしれませんが、そこまでの道が長いので挫折しやすくなります。
・TOEICの点数を50点上げる
・レストランで英語で注文できるようになる
・英語で行われる会議で一度は発言する
・連絡メールを辞書なしで読めるようになる
まずは、こういった比較的短期間で達成可能な小さな目標をいくつか立ててください。達成のたびに満足感が得られるため、モチベーションをキープしやすくなります。もっと先にある大きな目標を達成するためには、「小さな目標達成」という積み重ねと成功体験によるモチベーション維持が大切です。
目標の視覚化
目標の視覚化にはいくつか方法がありますが、私のお気に入りの方法は写真を使うこと。イメージは脳が物事を記憶する方法であることが多く、言葉よりも効果的です。
「旅行先で困らない英語力を身につけたい」という目標があるのなら、行きたい国のきれいな写真や英会話している写真などを、デスク周りやキッチンなど自分の目につく場所に置きます。こうすることで常に「自分の目標はこれである」という意識を持ち、脳の潜在意識に働きかけることができます。PCや携帯の待受画面にするのもいいですね。
また、常に目標を意識するために、目標やその理由を書いた付箋をあちこちに貼ったり、ビジョンボードを作るのもおすすめ。
ビジョンボードは気に入った画像や絵を探してきたり、自分で言葉を書いたりという手間がかかりますが、自分の夢や将来の目標のことを考えながら作るので、作業はとても楽しいものです。自分が撮った写真や絵・雑誌の切り抜きなどを利用してステキなボードを作りましょう。
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成功した自分の想像
目標を達成した自分を想像してみるのも、その場でモチベーションを上げるのに役立ちますが、現在の自分とのギャップに逆にモチベーションが下がることもあります。人によっては新しいことを始める「ここぞ」というときや、「最近モチベーションがない」と感じるときに限定して使う方がいいかもしれません。
モチベーションをキープする6つの方法
モチベーションを高め、維持するための方法を紹介します。スランプに陥っている人、やりたいことを実現するためのスタートを切ったばかりの人も、これらのヒントを参考にしてくださいね。
ルーティン化
前進し続けるために、毎日すべきことをルーティン化してしまいましょう。目標に向かってコツコツと努力することは大変ですが、一旦慣れてしまえば逆に「今日もやらないと気持ちが悪い」という状態になります。
・新しい単語を2つ覚える
・文法問題を1ページやる
・覚えた単語を使って5つ文章を作る
・英語のポッドキャストのエピソードを一つ聴く
・ドラマ・映画を5分間観て聞き取れたものを書く
・ニュースを一つ読む
中身はなんでもいいのですが、ルーティン化することは、「無理なく毎日できること」にしましょう。飲み会や残業があっても必ずできることは何でしょうか。
あれもこれもとハードルを上げてしまうとモチベーションの保持が難しくなります。最初は少しずつ様子を見ながら内容を調整していってくださいね。
理由を思い出す
モチベーションは、目標に到達するための鍵であり、行動を起こすための原動力。「Why（なぜ）」を忘れないようにすることがモチベーション維持に重要です。
学習がつまらなくなったり続けるのが難しいと感じたときに、モチベーションを維持すべき理由を思い出すことで「また頑張ろう」という気になるはずです。
気を楽にする
もし全くやる気がなくなったら、一休みしましょう。モチベーションがなくなったり、落ち込んだり、疲れ果ててしまうのは、過労のせいの場合もあります。定期的に休憩を取り、頭を整理し、今取り組んでいることから一旦離れることで、再開する意欲が湧いてきます。
また計画通りに進まなかったり、失敗しても落ち込まないようにしましょう。それで命がなくなるわけではありません。失敗したら、またそこから学んでやり直せばいいのです。「自分の製品が思ったように売れない」「ミスをしてクライアントや上司に叱られた」など、うまくいかないことがあると、それだけでやる気を失ってしまうこともありますよね。
英語学習にしても、「自信満々で臨んだ試験の点数が前回より悪かった」「こんなに努力しているのに、全く英語力が上がった気がしない」「会議でひとことも発せなかった」など、モチベーションが下がるできごとがたくさんあるでしょう。
ほんの短い間、気分が落ち込むのはかまいませんが、それを受け入れ、何がいけなかったのかを考え、また新たに前進することが必要です。少しぐらいうまくいかないことがあっても、おおらかな気持ちでやり過ごすこと。もしそれがどうしても難しいなら、また「なぜ学習しないといけないのか」「なぜこのことを目標にしているのか」「自分はどうなりたいのか」といった最初の気持ちを思い出してみてください。
サポートを受ける
あなたを最も元気づけてくれる友人を呼び、ちょっとした激励の言葉をかけてもらいましょう。またはコーチやメンターにあなたを監視してもらうのも、モチベーションを維持するための効果的な方法です。オンラインでも現実の世界でも、良いサポート・ネットワークがあれば、道筋を見失うことなく前に進めます。
達成度を確かめる
モチベーションを維持するためには、進行中の学習目標がどの程度達成されているかの定期的な確認が必要です。大きな目標を達成する途中にある小さな目標の達成度を確かめるために、試験を受けたりジャーナリングをしましょう。
客観的に到達点を見つめることで、今後の学習の課題や目標設定・計画の見直しができます。また、「自分はこれだけできたんだ！」と振り返ることが達成感とモチベーションの維持を手助けしてくれます。
英会話力がどこまで伸びたかを確認するなら、スピーキングテスト『PROGOS』を受験するのもおすすめです。PROGOSのアプリ版は現在、毎日1回無料で測定可能ですので、利用しないのはもったいないです。スマホだけで受験でき、試験時間も約20分程度なので、すきま時間にできて便利です。
毎日→英会話練習の一環として
月1回→英語力の確認に
このような使い方がいいと思います。英語力はそんなにすぐには向上しませんので、点数に一喜一憂するとモチベーションが下がってしまう可能性もあります。あくまでも「自分の課題が克服されているか」「今後の課題は何か」のための指標に利用するのがいいでしょう。
自分へのプレゼント
小さな目標を達成したら、その都度自分にご褒美をあげましょう。モチベーションを持続する助けとなります。
ご褒美の内容はできるだけシンプルなものにしてください。例えばいつもより少し高いメニューのマッサージコースや、ステキなレストランでの食事など。
普段食べない高いチョコレートを箱で買っておき、毎日やると決めたことを終わらせた時点で一つずつ食べるのもいいですね。
ほとんどの人はご褒美がないとやる気が持続しません。中には達成感や自信など目に見えないものがご褒美になる人もいますが、目に見えないものはわかりづらく、ご褒美がもらえるまでに時間もかかるので、やはり目に見えるシンプルなものがおすすめです。
モチベーションをどう保つかがわかったら
モチベーションは上がったり下がったりすることが普通なので、あなたを励ましてくれる人を見つけられると良いですね。
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