英語を話すときには大切なのは、きれいな発音?それとも使う表現?
実は、通じやすい英語を話すには、イントネーションが肝心です。例えばHow are you?(元気ですか?)と尋ねるとき、平坦に「ハウ・アー・ユー」と言うのではなく、「ハワィユ」と途中を強調するか、「ハゥァユー」と、最後の「ユー」を強くします。こういった英語の独特のリズムをつかむために有効なのが、「チャンツ」という練習法です。ここではチャンツを普段の会話トレーニングに生かす方法をお教えしましょう。
チャンツとはどのようなもの?
チャンツchantsとは、単語や文をリズムに乗せて言ってみることで、歌の世界のラップのようなものだと思ってもらえばいいでしょう。言葉を覚え、発音やイントネーションを鍛えるための効果的な方法として、英語圏では小さい子どもが英語を学ぶときに使います。これを、日本で大人が英語らしい話し方を身につけるために活用することができるのです。
例として、次の動画を見てみてください。
Don’t worry. I’ll do it.(心配しないで。私がやります)
That’s a promise.(約束します)
といった、日常の中で使われる表現をテンポよくつぶやいているだけなのですが、
「ドント・ウォリー。アイル・ドゥー・イット」
「ザッツ・ア・プロミス」
ではなく、
「ドンウォリー。アイルドゥーイッ」
「ザッツァプロミス」
と、リズムに乗せて歌うように話しています。こういったチャンツの練習は、なんだか楽しい感じがするというだけでなく、次のような効果があります。
音の塊がつかめる
例えばDon’t worry.は「ド・ン・ト・ウォ・リー」ではなく、tがほとんど発音されずに「ドン・ウォ・リ」という3つの塊になります。
イントネーションがわかる
Don’t worry.は「ド」と「ウォ」に強勢を置いて「ド(ン)ウォ(リ)」のように言うと、英語らしい話し方になります。
言葉をフレーズで覚えることができる
例えば「心配しないで」はdon’t+worryでDon’t worry.と覚えるのではなく、「ド(ン)・ウォ・(リ)」という音の塊が「心配しないで」なのだと、感覚的に理解することができます。
チャンツを実践してみよう!
チャンツの練習をするには、まずはまねしてみるのが一番。お手本をまねすることでチャンツのコツがつかめてきたら、覚えたい表現を自分でリズムに乗せて言ってみるという方法もあります。例えば、次の文を声に出して読んでみてください。
(レストランで)Do you have any local specialties?
(地元の名物料理はありますか?)
これを「ドゥー・ユー・ハヴ・エニ・ローカル・スペシャルティーズ」と読んではいないでしょうか。チャンツ風に言うと、例えばこんな感じになります。
「ドゥ(ユ)・ハヴェ(ニ)・ロウク(ル)・スペシャ(ル)ティ(ズ)」
これを歌うような調子で繰り返し読んでみてください。local specialties(名物料理)という言い方が、「ロウク(ル)・スペシャ(ル)ティ(ズ)」という音ともに、頭の中に残っていくはずです。
日頃「自分の英語は通じないのは、やっぱり発音が悪いせい?」と思っている方、原因は l と r が区別できないといった発音の問題だけでなく、このような英語のリズムがつかめていないことにあるかもしれません。チャンツでさまざまな表現を覚えつつ、「英語らしく話す」ためのコツをつかんでください!
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