失敗体験が少ないひとは伸びない?英語学習に「エピソード記憶」を活かす3つの方法

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うまく話せなかったらどうしよう、間違ってしまったら恥ずかしい……こんな風に、失敗を恐れて萎縮してしまう日本人の英語学習者は少なくありません。

しかしながら、英語学習においては、失敗こそが、英語力を飛躍的に伸ばす最大のチャンスとなるのです。実は、これには我々の脳の仕組みや記憶のメカニズムが大きく関係しており、失敗を繰り返すことで、記憶力を強化していくことができると言われています。

今回の記事では、この失敗体験と深く関わりのある「エピソード記憶」に注目し、我々の記憶のメカニズムを活用した英語学習法をご紹介します。

最も高度な働きを持つ「エピソード記憶」とは?

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人間の記憶は、時間的な持続の違いから「短期記憶」と「長期記憶」の2つに分類されます。「短期記憶」は、ほんの一瞬から数分までと持続時間が短いため、英語学習においては、単語や表現、文法などを出来る限り長期間覚えておくためにも「長期記憶」を鍛えていくことが重要となります。

そして、この長期記憶はさらに3つに分類されるといわれており、そのうちのひとつが「エピソード記憶」と呼ばれるものです。

長期記憶 エピソード記憶 個人的なエピソードや、社会が経験した出来事に関する、特定の「時間」と「場所」、さらに「感情」が結びついた記憶
意味記憶 数学の公式や歴史の年号などの一般的事実、さらには友人の誕生日など、意識して学習された知識についての記憶
手続き記憶 ピアノの弾き方や自転車の乗り方など、意識しないでも再現することが可能な、「体が覚えている」記憶

「エピソード記憶」とは、個人や社会が経験した出来事に関する記憶や思い出のことで、そこに何かしらのストーリーが含まれるというものです。例えば、大事な会議の前日についつい飲み過ぎてしまい、翌日遅刻してしまった……という出来事や、初めて海外旅行をしたというような思い出がこれに当てはまります。

人間にはさまざまな記憶がありますが、中でもこの「エピソード記憶」は一番高度な働きを持つといわれており、忘れにくいというのが大きな特徴です。

なぜ「エピソード記憶」は忘れにくいのか?

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先ほど例にあげたような個人の体験には、特定の時間や場所の他に、「うれしい・楽しい」といった感情や、反対に「悲しい・辛い」などといった、何かしらの感情が伴います。感情は、「記憶の質」に影響するといわれ、我々の脳のメカニズムでは、強い感情と結びついた記憶は、時間が経過しても忘れにくい傾向があるとされています。そのため「エピソード記憶」は長期的に保存され、定着しやすいのです。

失敗の繰り返しが「エピソード記憶」を強化する

それだけではなく、「エピソード記憶」は、失敗を繰り返すことによってさらに強化されるといわれています。

人間は、何度も繰り返して失敗をしていく過程で、「何がうまくいかなかったのだろう?」「どうしたらうまくできるようになるだろう?」と、失敗した原因や改善点を考え模索します。これを繰り返すことで、われわれの脳は、それを正しく理解すべき重要なことであると認識するようになり、結果として強く記憶に残るのです。

ですので、記憶のメカニズムの観点から考えると、失敗は決して恐れるものではなく、むしろ記憶力を強化することができる絶好のチャンスと言えるのです。
(※参考:『記憶力を強くする―最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方』池谷 裕二)

「丸暗記」が苦手になるのは当たり前!?

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実は、面白いことに、人間は大人になると脳の性質が変化し、年齢とともに得意とする記憶の種類は異なるといわれています。ですので、これを踏まえて、大人には大人に合った学習法を模索していく必要があるのです。

例えば、先ほどご紹介した3種類の長期記憶の中に「意味記憶」というものがあります。これは、いわゆる丸暗記の記憶のことで、歴史の年号をそのまま覚えたり、英単語を頭の中にひたすら叩き込んだりするというものです。

この「意味記憶」は、子供が得意とする記憶といわれ、反対に大人になるとその能力が低下するといわれています。これはなぜかというと、人間は大人になると、物事を論理的に考える力がつくため、自分が論理的に理解できないものについては覚えにくくなるからなのです。ですから、大人の学習者が、英単語を丸暗記するのが苦手と感じたり、なかなかうまくいかない…となるのも無理はないのです。

先ほど述べたように、大人になると物事を論理的に考える力がつきます。すると、理解して覚えることによって身につく「論理だった記憶」、つまり「エピソード記憶」が発達し、これを得意とするよう変化するのです。そのため、大人の学習者には、この「エピソード記憶」をうまく活用した学習法が適しているのです。

「エピソード記憶」を取り入れた学習法とは?

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それでは、この「エピソード記憶」を活用した学習法をご紹介します。

1)自分が学んだことをひとに話す・教える

自分が学んだことを誰かに話す・教えるという行為は、吸収した知識を体験へと変化させることができる効果的な方法だといわれています。これは、自分が理解した内容を誰かに説明するということで、単なる「意味記憶」だったものをストーリーが伴う「エピソード記憶」へと変換していくことになるからです。

例えば、英文法を誰かに教えるというやり方は、自分が本当にその知識を理解しているのかを確認することにも繋がるのでおすすめです。自分が理解していると思っていても、いざ説明するとなるとうまくいかない…ということも意外に多く、ここから学習を深めていくきっかけを得ることもできるのです。うまく説明できなかった場合でも、気まずい・恥ずかしいという感情が伴うため、その出来事は印象に残りやすく、また、反対にうまくいったときにはそれが自信となり、学習へのモチベーションを高めることにも繋がるのです。

2)SNSで発信する

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また、誰かに説明するという機会がなかなか作りにくいという場合には、自分が理解したことを、TwitterやFacebook・ブログなどにまとめて投稿してみるという方法でも、上記と同じような体験を得ることができます。
例えば、自分が読んだ英語の記事をまとめて伝えたり、新しく学んだ単語を使った例文を作成してツイートしたりすることで、吸収した知識を体験へと変化させていくのです。それを見た人からの反応やコメントが伴うことで、そこからさらなるストーリーが生まれ、記憶に残りやすくなるのです。

3)形式の異なる問題を解く

ある特定の情報に対して、それに付随した体験を増やしていくという方法も効果的だといわれています。例えば、文法の問題は、同じ項目に関するものでも、問題集によって、その出題のされ方はさまざまです。異なる形式の問題に数多く触れることで、また別の角度からその知識に触れることになるため、より深い理解を伴って記憶することができ、忘れにくくなるのです。

おわりに

いかがでしたでしょうか。英語学習の過程において、失敗や間違いは自分が成長できる絶好のチャンスとなります。失敗を恐れずに、どんどん実践の場で英語を使っていきましょう!

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