カンファレンスや、打ち合わせで名刺を交換した取引先の人。さっそく関係性を構築するためにも、一度は「今後ともよろしくお願いいたします」というメールを送りたいところですよね。
でも、「日本語の表現にしっくりくる英語が見当たらず、困ってしまった」ということはありませんか? 今回は、ビジネスメールでの挨拶に使える英語表現を見ていきましょう。
ビジネスメールの基本的な構成
名刺交換後、初めてとなるメール。このセクションでは、会社の資料を送ったり「これからよろしくお願いします」という簡単なメールを送ったりするシチュエーションで使えるメール例をご紹介します。
基本的に自己紹介を兼ねた英文メールの構造は以下のようになります。
<日本語訳〉(先日カンファレンスでお目にかかれて良かったです。おかわりなくお過ごしのことと思います。その際話に出た△△さんをご紹介したいと思います。△△さんはXX社で、過去2年間セールスを担当してらっしゃいます。
△△さんのEメールアドレスxxxxx@email.comまで、どうぞご連絡ください。私から連絡するよう勧めた旨、一言お伝えいただければと思います。)
では早速、それぞれ見てみましょう。
1.件名、タイトル(Subject line)
英語のビジネスメールでは、「件名」と「目的」を受信者に簡潔かつ明確に伝えることが重要です。毎日大量に届くメールでも目的がひと目で伝わり、スパムメールと間違われずに開封してもらえます。ここからはシーン別に使える件名を紹介します。
確認
Confirmation of Your Order (ご注文の確認)
Confirming Conference Call Details (電話会議の詳細の確認)
onfirmation for Meeting on June 20th (6月20日の会議の確認)
問い合わせ
「問い合わせ」を意味するInquiryを使います。問い合わせメールの目的は「情報の要求」です。例えば、受け取った請求書に対する情報や、製品のカタログや価格等の情報を求める場合など。「製品」についてならyour product(s)、「価格」ならprice(s)に変えましょう。
Inquiry about the Invoice #12345 (請求書番号12345についての問い合わせ)
Job Inquiry: Mike Smith (仕事についての問い合わせ:マイク・スミス(送信者の名前))
アメリカ英語ではinquire、イギリス英語ではenquireが好まれると言われますが、どちらの国の英語でも「問い合わせる」の意味です。ただし、イギリス英語ではinquireに「調査する」という意味もあるので、使い分ける人もいます。
フォローアップ(提案・申し出・依頼・苦情・お祝いなど)
フォローアップメールには、目的を最初に記しましょう。
Reminder to Register for ABC (ABCに登録するためのリマインダー)
Request for the Offering of Material (資料提供のお願い)
Be great to hear from you (ご意見をお聞かせください)
Follow-up: Email sent on 10th May (フォローアップ:5月10日に送信したメールについて)
Congratulations on Your Promotion (昇進おめでとうございます)
お知らせ
お知らせにはNotificationを使います。「移転」ならa Transfer、「発送」ならShipment、「担当者変更」ならChange of Person in Chargeです。
Notification of Reschedule (日程変更のお知らせ)
Notification regarding the new office open (新事務所開設についてのお知らせ)
報告
報告はReportを使いますが、「損益計算書(Profit and Loss statement)」はP&Lと略した方がいいでしょう。
Report: Monthly Summary (報告:月間集計表)
P&L: 5% loss expected for Q1 (損益計算書:第1四半期に5%損失の見込み)
感謝・お礼
感謝やお礼はシンプルかつ直接的な表現のThank you forを使います。感謝の内容が「力添え」ならYour Assistance、「会議への参加」ならYour participation to the conferenceと表記しましょう。
Thank you for the Invitation (ご招待への感謝)
Thank you for our Wednesday Meeting about New Project (水曜日の新しいプロジェクトについての会議に感謝)
謝罪・お詫び
謝罪やお詫びにはApologyを使います。受信者にメールを読んでもらえるように、目にとまりやすい件名にしましょう。「配送遅れ」ならShipment Delay、「不適切な従業員の行動」ならImproper Employee Actions、「支払いの遅れ」ならLate Paymentsです。
Apology for the delay (遅延のお詫び)
Apologizing for Offensive Behavior (不快な行動へのお詫び)
Please accept our apologies for the Inconvenience (ご不便をおかけしたことへのお詫び)
緊急
緊急のメールにはURGENTを使い、すべて大文字で書くと受信者の目にとまりやすいでしょう。
URGENT: Account Cancellation (緊急:アカウントの取り消しについて)
URGENT: Countdown to the deadline (緊急:締め切りの最終チェック)
2.宛名(○○様)
受信者の名前を知っている場合と知らない場合にわけて解説しますが、どちらにしてもビジネスメールでは宛名を必ず入れます。
受信者の名前がわかる場合
Dear Mr./ Mrs. /Ms. 〇〇
相手の名前がわかる場合の書き方を「男性」と「女性」にわけて示します。敬称の後はフルネームまたはラストネーム(名字)で表し、女性は既婚・未婚に関わらずビジネスシーンではMs.を使いましょう。もちろん、夫婦で知っているような人ならMrs.でもいいでしょう。
男性:Dear Mr. Bill Brown, または Dear Mr. Brown,
女性:Dear Ms. Emma Green, または Dear Ms. Green,
また、何度もやり取りをしている相手なら、Hi Mr. BrownのようにHiやHelloを使うこともあります。
受信者の名前も性別もわからない場合
相手の名前も性別もわからない場合は以下のように記します。
Dear Sir or Madam, (ご担当者様へ)
担当者・担当部署がわからない場合
担当者・担当部署がわからないという場合もあるでしょう。以下は定型表現なので覚えておくと便利です。
To Whom It May Concern, (ご担当者様・関係者各位)
部署・管理者宛の場合
部署宛のメールはDearで表します。管理者はManagerのほか、SupervisorやAdministratorなどを使ってもいいでしょう。
Dear Sales Department staff (営業部スタッフの皆様)
Dear Hiring Manager, AAA Corporation (AAA社の雇用管理者様)
よく日本語のビジネスメールで出てくる「ご担当者様(関係者各位)」という表現は、英語では“To whom it may concern”と表します。日本語と同様に、代表アドレスや問い合わせ用メールアドレスを使用して誰宛か分からない場合に使います。
3.書き出し、自己紹介
初めてメールを送る際には、どんな目的であろうとも、最初に自己紹介を入れます。その際には、名前・会社名・担当を伝えましょう。面識のない人とある人にわけて見ていきます。
面識がない人
I am Keiko Sato:自分の名前 from XXX Co., Ltd.:会社名 in charge of employment:担当. (私はXXX株式会社で採用担当をしている佐藤ケイコです。)
必要があれば会社の概要を簡潔にまとめ、必要ならばメールアドレスを誰に教えてもらったのかも伝えます。
Our company is managing in application redesign project:会社概要.
Mr. Smith:メールアドレスを教えてくれた人 from YYY corporation:教えてくれた人の会社名 gave me your email address and I am reaching out today. (当社はアプリケーション再設計プロジェクトの管理を行っております。YYY社のスミス氏からメールアドレスを教えていただき、本日連絡を差し上げた次第です)
I am reaching out(連絡しています)はビジネスで非常によく使われる表現です。
面識がある人
日本語のビジネスメールにも「大変お世話になっております」のように書き出しの決まり文句がありますが、英語でも同様です。意訳ですが、以下のように表現します。
I hope this email finds you well. (お元気でお過ごしでしょうか)
I hope all is well with you.(すべて順調であることを願っております)
面識のある人には、いつどこで会ったのかを伝え、必要があれば自分の仕事についても簡単に説明しましょう。
We met each other last week at ○○ Conference in Tokyo.
(先週東京で行われた○○カンファレンスでお会いしました)
I saw your presentation at ○○ Expo.
(あなたのプレゼンテーションを○○エクスポで拝見しました)
We talked briefly at the conference last month.
(先月のカンファレンスで簡単にご挨拶させていただきました)
My name is 〇●〇. We met last week at the ○○ event, where Alex introduced us. (私の名前は〇●〇です。先週、○○イベントでアレックスが紹介してくれて、ごあいさつさせていただきました)
As I mentioned during that night, I run XYZ, where I help companies like K Holdings Inc.その晩にお話したように、私はXYZを運営し、Kホールディングス社のような企業を支援しております)
4.目的/本文
目的はメールを構成する要素の中で最も重要です。目的によっては自己紹介の部分を省略し、目的から書き始めることもあります。
一般的な書き出し
“I am writing you in regards to/concerning〜”
“I am writing (you) to request information about〜”
“I am contacting you for the following reason.”
書き出しはI am writingやI am contacting youなどがよく使われ、臨機応変に使いこなしましょう。
また、 英文ビジネスメールや論文では、“I’m”や“We’d like to”などの省略形を用いるのではなく、“I am”、“We would like to”という非省略型の文章にすることでフォーマルな印象を与えることができます。
確認
I am writing to confirm Mr. Daniel Morton’s participation on the conference on Tuesday, June 6th at 1:00pm. (ダニエル・モートン氏が6月6日火曜日午後1時の会議に参加することを確認するために連絡しております)
問い合わせ
I am contacting you to enquire about frozen mango puree product. (冷凍マンゴーピューレ製品についてお問い合わせいたします)
I am reaching out to you because I would like to ask about your product. (御社の製品についてお伺いしたく、ご連絡を差し上げております)
フォローアップ
I am writing in reply to your request for information regarding our company’s new tour from Tokyo to Singapore:商品名など. (東京からシンガポールへの当社の新しいツアーに関する情報のご要望にお応えします)
I am following up on my application for the engineer:職種 position. (エンジニア職の応募についてご連絡申し上げます。)
I am writing today to complain about the poor service I received from your company on April 9, 2022:苦情内容. (本日私は2022年4月9日に貴社から受けたサービスの悪さについて不満を言うために連絡しています)
お知らせ
I am writing to provide our regular customers about the new product which you may be interested in. (興味深い新製品を常連客の皆様にご提供するためのお知らせです)
I would like to inform you that the document you asked for has been completed. (ご希望の書類が完成しましたので、お知らせいたします)
報告
This report is to provide an update on the SSS project that is due on July 5th. (このレポートは7月5日に予定されているSSSプロジェクの最新情報を提供するためのものです)
感謝・お礼
Thank you for your valuable feedback. (貴重なフィードバックに感謝いたします)
I appreciate your cooperation. (ご協力に感謝いたします)
I am grateful for visiting our new office. (新オフィスをご訪問いただき、誠にありがとうございます)
謝罪・お詫び
I apologize for the delay in the report to you. (報告の遅延をお詫びいたします)
Please accept my sincere apologies for the delay in sending the agenda. (議事事項の送付が遅れたことをお詫びいたします)
緊急
I apologize for the short notice but I am wondering if you could complete the XYZ report before July 22. (緊急で申し訳ありませんが、7月22日までにXYZ報告書を完成させていただけませんか?)
Sorry for the urgency, but could you please send me the XYZ report as soon as possible?(緊急で申し訳ありませんが、できるだけ早くXYZ報告書を送っていただけませんか?)
「添付ファイルをご参照ください」
こちらもビジネスメールでは頻出の表現。「添付する」を意味する動詞“attach”を使います。挨拶のメールをする際に、まずは自社のパンフレットや、話に出た資料を送りたいというシチュエーションなどで使いましょう。
Please find attached information you requested.
(ご依頼のあった情報を添付いたします。)
You will find the attached product brochure you requested.
(ご依頼いただいた製品パンフレットを添付いたします。)
Please find the attached file for your reference.
(ご参考までに、添付したファイルをご確認ください。)
5.締め文
実は、日本語メールの締めくくりに使う「よろしくお願いいたします」という便利な表現にぴったり該当する英語フレーズはありません。「今後一緒に仕事ができることを楽しみにしている」のような具体的な表現をかわりに使いましょう。
感謝を伝える
Thank you for your patience and cooperation. (ご辛抱とご協力に感謝いたします)
Thank you for your consideration. (ご検討の程よろしくお願いいたします)
Thank you for your time. (お時間をいただき、ありがとうございます)
気軽な問合せ、連絡をもらう
Please do not hesitate to contact me if you have any questions. (ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください)
Please feel free to contact me if you need any further information. (さらに詳しい情報が必要な場合は、お気軽にご連絡ください)
返信をもらう
I look forward to hearing from you soon. (ご連絡をお待ちしております)
I’m looking forward to your reply. (お返事をお待ちしております)
「~できれば光栄です」
We would be very pleased to have an opportunity to work with your team. (あなたのチームと一緒に働く機会をいただければ非常に光栄です)
I am honored to be able to work with your company. (貴社とお仕事ができることを光栄に思います)
6.結び
メールの結辞で、日本語の「敬具」や「早々」に当たる語。ビジネスメールでよく使われるのはBest regardsとRegardsです。
・Sincerely,
・Sincerely yours,
・Yours sincerely,
・Truly yours,
・Yours truly,
・Best regards,
・Kinds regards,
・Regards,
署名:Signature
結びの言葉の下にフルネームを入れます。メールアドレスと電話番号も入れるといいでしょう。
Best regards,
Ken Suzuki
kensuzuki@bbbb.ccc
090-1234-5678
すぐに使えるビジネスメール例文
自社のサービスにおけるビジネスメール
I am writing you in regards to our service I mentioned the other day. Please find the attached file for your reference. For further information or if you have any questions, please do not hesitate to contact us. I hope to have the opportunity to work with you in the future.
(先日お話した弊社のサービスについてご連絡差し上げております。参考に添付のファイルをご確認ください。より詳しい情報や、質問等ございましたら、お気軽にお申し付けください。お仕事できることを楽しみにしております)
問合せに関する解答ビジネスメール
Thank you for your interest in XXX Co.,Ltd.
Firstly, our service aims to promote a deeper understanding of the global warming by introducing the latest information and case studies on the XXXX landfill through webinars and other means.
The service provides information on its projects through Ministry of the Environment, Government of Japan’s Facebook page, etc. If you are interested in participating in those, please feel free to join.
Also, if you have any further questions about the XXXX landfill, please send any inquiries to us. We will introduce you to the contact person or organization for your inquiry.
株式会社XXXに興味をお持ちいただきありがとうございます。
まず、当社のサービスは、○○埋立地に関する最新情報や事例をウェビナーなどを通じて紹介することで、地球温暖化への理解を深めていただくことを目的としています。
環境省や政府のFacebookページなどを通じて事業の情報を発信していますので、ご興味のある方はぜひご参加ください。
また、XXXX埋立場についてご不明な点がございましたら、お問い合わせください。お問い合わせに関する窓口・担当機関をご紹介いたします。
ビジネスメールを英語で書くコツ
英語でビジネスメールを書くときには丁寧な言い回しや表現を使いますが、定型表現をおさえておくことが大切です。最後に、そのほかに注意すべきポイントを見ていきます。
短く簡潔にまとめる
すでに述べたように、ビジネスメールは要点を絞って、なるべく短く用件を伝えるのが鉄則。余計な情報を入れると、目的が的確に伝わらないので簡潔にまとめるようにしましょう。
省略形は使わない
一般的に社外宛(フォーマル)のビジネスメールでは省略形を使いません。
☓ I’m writing → ○ I am writing
☓ I’d like to → ○ I would like to
明確に段落をつける
ひと目でどこにメールの目的が書かれているのかがわかるように、段落をきちんとつけましょう。段落をつけずにダラダラと書けば、大切なメールを読んでもらえないかもしれません。
性別に中立的な表現を使う
海外、特に英語圏ではジェンダーに関して敏感なので、性別に中立的な表現を使った方が無難です。
☓ salesman → ○ sales person (外交員)
☓ foreman → ○ supervisor (親方・職長)
☓ businessman → ○ businessperson (経営者・実業家)
☓ workman → ○ worker (労働者)
適した接続表現を使う
ビジネスメールにはよく使われる接続表現があるので、適した表現を使って完成度を上げましょう。
● andの代わりに:also (また)、then (それから)、in addition (加えて)、moreover (そのうえ)
● soの代わりに:therefore (したがって)、hence (それゆえに)、thus (このように・だから)
● butの代わりに:however (けれども)
● 逆接:on the other hand (一方で)、in contrast (これに対して)、although (けれども)、even though (~にもかかわらず)
(まとめ)ビジネスメールを覚えてスキルアップ
ビジネスメールの書き方でインプットが増えて英語脳が育ってきたら、次はぜひその知識をアウトプットしましょう。レアジョブ英会話の無料体験レッスンなら、フィリピン人講師との英会話レッスンを2回まで無料で受けられます。興味のある人は、ぜひ検討してみてください。
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