「どれだけ勉強してもTOEICの時間が足りない」に対処する方法

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TOEICを学習中の方なら誰もが、リーディングパートにおいて「時間が足りない」という経験をしているはずです。TOEIC公開テスト会場で、リーディング100問を制限時間の75分で解き終わることができず、仕方なく当てずっぽうの解答をマークせざる得なくなることは身に覚えがあるはずです。今回は、TOEIC学習者の中でよく話題に上がる「TOEICの時間が足りない」について考えてみましょう。

「時間が足りる人」と「時間が足りない人」の違い

まずは根本的なところからの話になります。TOEICテストにおいて、990点(満点)取得者の割合は毎回0.2~0.3%と言われています。つぎに、正式なデータがなく、私自身の持っている情報からですが、990点を逃して985点となった受験者の大半の方はリスニング495点(満点)・リーディング490点(-5点)となります。この、リーディングで495点をとりトータル990点取得の受験者と、リーディングで490点となってしまいトータル985点となった受験者の違いは、まさにこの「時間が足りたor足りなかった」の差なのです。

話をまとめると、TOEICテスト全受験者のわずか0.2~0.3%だけが「時間が足りる人」であり、99%以上の受験者は「時間が足りない人」となっているのです。

それゆえ、大切なことは「時間が足りない」ことを前提に問題を解いていくことなのです。以下、パート別に「時間が足りない人」におすすめしたい解答法を紹介します。

パート5 短文穴埋め問題(30問) 標準解答時間10分

パート5の大原則はとにかく「時間厳守」です。解けない1問は問題ありません。時間を奪われてしまう1問が問題なのです。パート5は時間をかけても正答率は上がりにくいと言えます。無駄な時間を使わず、時間をかければ正答率の上がるパート7(長文読解問題)にその時間を回すべきなのです。

10分で30問を解くことは相当厳しいことですが、前述の通りできるだけパート7に時間をかけるためにもこの時間は厳守すべきです。よくある失敗パターンは、10分(600秒)÷30問=(1問あたり)20秒と考えてしまうことです。パート5では1問5秒で解答できる問題も30秒かかってしまう問題もあります。ですから、5秒で解答できる問題はすぐに解答してしまい、次の問題にどんどん進んでいくべきです。この5秒で解ける問題はパート5の最初の方で出題されることが多いため、なおさら注意が必要です。

また、問題をできるだけ速く解いていくには基本的な文法知識が不可欠です。
例えば次のような問題があります。

Amebro Office offers businesses a ( ) way to send invoices to clients online.
(A) secure (B) securely (C) securest (D) secures

このような問題も全文読む必要はありません。「冠詞」aと「名詞」wayの間に入ることができるのは「形容詞」だけです。選択肢の中で形容詞は(A)と(C)です。(C)の最上級が入るためには冠詞はtheとなるはずです。よって正解は(A)となります。つまり、a ( ) way の部分を見るだけで解答できるのです。

このような一連の思考は、しっかりした文法知識があればこそ可能となるのです。そのための文法知識を普段から培っていく意識が大切です。

パート6 長文穴埋め問題(16問) 標準解答時間8分

今年の5月に新傾向問題に移行してからは、1文章4問×4セットの構成となり、語句の補充だけでなく、一文全体を空欄に補充する問題が加わりました。このことにより、本文全体の内容理解がさらに求められるようになりました。

できる限りスピードを高めて読むためには、文中に空欄が出てきてもそこで止まって解答するのではなく、本文全てを読み終えてから解答すべきです。最近は空欄から離れたところに解答根拠(解答の手掛かりとなる記述)があることが多いため、一気に全文を読み終えなければ同じ箇所を何度も読んでしまうことになり、大きく時間をロスしてしまいます。

パート7 読解問題(1つの文章29問 複数の文章25問)
標準解答時間 1つの文章27分 複数の文章30分

同じことの繰り返しになってしまいますが、この読解問題にできるだけ多くの時間をかけることがハイスコアのポイントとなります。ここでは「1つの文章」と「複数の文章」で時間配分を分けましたが、さほど意識する必要はないでしょう。自分の解けそうな問題を見つけ、一つでも多く正解することを目指していきます。

全ての人に共通して言えるアドバイスは二つです。一つ目は、パート6と同じように、本文全てを読み終えてから設問に進み解答すべきです。本文を読んでいる途中で設問を解くと、本文中の同じ個所を複数回読むことになってしまい大幅に時間をロスします。

二つ目に、新傾向問題となってから最後の3セット(問題番号186~200)はトリプルパッセージと言って、3つの文章を読まなければならなくなりました。この部分に苦手意識を持たれている受験者が多いようですが、それはただの思い込みです。「3つの文章」ということで構えているだけで、一つ一つの文章は短く内容を理解しやすい英文が多いと言えます。よって、このトリプルパッセージはしっかりと時間をかけて取り組むべきなのです。

全体的アドバイス

ここまで詳細に時間配分等含め述べさせていただきましたが、あくまでもこのペースは理想的なものです。冒頭で記載した通り、99%の受験者は時間が無くなってしまいます。しかし、このペース配分を目標にすることによって、自分も持てる力を発揮できることは間違いないと言えます。頑張って挑戦してみてください。

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