AI技術が発達して、かんたんなコミュニケーションはgoogle翻訳と「ポケトーク」に任せられる時代が来ています。長い時間をかけて英語を勉強しても、時間の無駄なんじゃないか…と不安の声が聞こえるようになりました。キャリアの全てを語学に使ってきた私もその一人です。
結論からいうと、英語にはまだまだ学ぶ意味があります。「文化」「心理」という2つの面から、「対話する力」を高める勉強方法を紹介します。
英語はAIに任せられる? 機械翻訳はここまで進化した
機械翻訳の歴史は長く、1950年代から研究されています。コンピューターに文法を教え込んだり、統計に頼ったりしましたが、翻訳の精度はあまり高くなりませんでした。
2013年、googleの研究チームがブレイクスルーを起こします。ニューラルネットワークを使ったword2vecという新しい技術が開発され、言語をより正確に扱えるようになったのです。2016年、google翻訳が大幅アップデートされ、翻訳精度は大きく上がりました。
金融や医薬など専門レベルの高い翻訳ができるロゼッタ社「T-400」も登場し、機械翻訳はどんどん進化しています。ソースネクスト社「ポケトーク」は、かなりの精度で通訳ができます。
このまま進めば、英語を勉強する意味はなくなってしまうのでしょうか?
英語はAIに任せられない? 文化は翻訳できない!
「最近忙しいですからバイトは減らしたいです。週2日にします。ありがとうございました」
もし自分が店長だったとして、こんな言い方をされたらカチンと来ませんか? 一方的にありがとうと言われてしまうと、断らせる気がないように感じますよね。
I’m busy lately, could I work two days per week? Thank you.
英語ではお願いをする時、前もってありがとうと言っておく習慣があります。英語ネイティブが日本語を話すと、英語のくせで先にありがとうと言ってしまうのです。文化的な違いは、機械翻訳にはなかなか反映できません。
I’m busy lately, could I work two days per week? Thank you.
最近忙しいのですが、週に2日働けますか? ありがとうございました
Google翻訳を使うと、thank youがありがとうに直訳されてしまいます。文化の壁はなかなか超えられません。
英語をAIに任せると文化の壁にぶつかる
私たちが通訳機械を使って英語を話すときにも、同じことが起こりそうです。日本語では、相手があいづちを打つまで待つのがコミュニケーションのマナーです。でも英語圏の人は、最後まで話を言い切ります。スピーディーなコミュニケーションが好きなんです。
日本人:あのー、例の件のことなんですが
通訳機:Well, as for that event…日本人:最近私どもも少し日程がきつくて…
通訳機:Since our schedule has been tight lately…
英語ネイティブのイライラした顔が浮かんできます。スピーディーなコミュニケーションがしたいのに、いつまでたっても話が先に進まない。こんな相手に好感を持つでしょうか?
文化の壁を超えるために相手の言語を学ぶ
相手の言語の話し方を知っていれば、こんなことは起こりません。日本人が英語の話し方をしっかり勉強していれば、結論から入るようなスピーディーな話し方ができたでしょう。
相手も日本語的なコミュニケーションを勉強していれば、イライラしたりはしないかもしれません。通訳機があるとしても、外国語のマナーや話し方を勉強することは必要です。
英語をAIにまかせたら…コミュニケーションがつまらなくなる?
「メラビアンの法則」をご存知でしょうか。人間が相手から受ける印象は、視覚と聴覚で93%になってしまうという法則です。話の内容の影響力はたった7%にしかないと言われています。
7%という数字がどこまで正しいかはともかく、機械音声で話しても面白くないのではないでしょうか? コミュニケーションは身ぶり手ぶりや声のトーンが大事です。生の声で話すことの価値はなくならないでしょう。
英語をAIにまかせたら…今後の研究に期待がかかる
筆者の研究室でも、脳科学者とタイアップして、「通訳機を通した会話と、肉声の会話で、脳が受ける快感がどれだけ違うか」を研究する予定です。
結果がどうなるかはともかく、機械音声と会話するのはちょっと味気なさそうですよね。落ち込んでいる時に
頑張ってください。
と電子音で言われるのと、
頑張れよ!
と肩を叩いてもらうのとでは全然違います。通訳機はことばを伝えられますが、心を伝えることはむずかしいのです。
AIにできない英語 これからの英語学習は文化×心理
AIの翻訳・通訳の力は今後どんどん上がっていきます。ですが、人間にしかできないことはまだまだ残っています。相手の文化を理解して、気持ちよく対話することは、人間にしかできないからです。
英語AIに勝つために…決め手は対話力。とにかくたくさん話そう
「文化」の部分でAIに勝つためには、英語らしい話し方をよく知る必要があります。本をどれだけ読んでもあまり役に立ちません。どんどん英語を使うことが、英語の文化に慣れる近道です。
オンライン英会話は、英語文化のシャワーを浴びる最高の方法です。ドラマや映画を観ても、対話することはできません。オンライン英会話なら、スキマ時間に英語を話すことができます。話せば話すだけ対話力がアップし、AIには真似できない英語的な話し方をマスターできます。
英語AIに勝つために…ネイティブ英語だけが英語文化じゃない?
英語は世界で14億人が話している言語です。半分の7億人はネイティブではありません。ノンネイティブの英語文化は、ネイティブのものとも違います。
ネイティブでない英語で対話する力は、今とても注目されています。シンガポール英語・ロシア英語・中国英語など、英語は無限にあります。それぞれに適切な話し方を選ぶことは、AIでは不可能です。
What do you mean!?
それどういう意味!?It’s ridiculous!
バカバカしい!
ノンネイティブ同士だと、気を使った表現を知りません。こんなことばが飛び交います。 最初は驚きますが、必ずだんだん慣れてきます。直球のコミュニケーションは意外に楽しいです。筆者が就職が上手くいかず悩んでいた時も
It’s irrational! Japanese companies are stupid! Never mind! You should go on investigating!
不合理! 日本の企業がバカ! 気にすんな! 研究続けろ!
と超直球で励ましてもらえたりします。通訳機では無機質なことばしかかけられません。細かい文法はどうでもいいのです。友達が落ち込んでいる時に、自分の声で元気を与えられる人と、電子音しか出せない人…どちらが信頼されるでしょうか。
多様な背景の人とコミュニケーションする力は、今の通訳機にはありません。人間である私たちが絶対に勝てる戦いなのです。
まとめ
語学学習の形はこれから大きく変わります。それでも、人が人と話したいという気持ちが消えることはないと思います。
生のことばで人に影響を与えられる人は、いつの時代でも評価されるはずです。だからこそ、英語を勉強する意味は残るのです。語学の形は変わりますが、無くなることはありません。これからも言語の面白さをお伝えできればと思います。
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