“I’m finding my keys.”
この文の意味が分かりますか?
find=見つける
ing=ている(進行形)
私は鍵を見つけている? ん? それってどういう状態?
ing形にした時どういう意味になるかは、動詞によってパターンが決まっています。TOEICのPART1など、この動詞のルールを知らないと損することがたくさんあるのです。
鍵になるのは「一瞬で終わる動作」か「一瞬では終わらない動作」かの違いです。
今回は、英語の動詞+ing形の本質をご紹介します。
ing形を使いこなすのに必要な4つのパターン
英語の動詞には4種類があります。
①状態を表わす know, loveなど
②動作を表わす run, walkなど
③達成を表す build, paintなど
④到達を表わす find, arrive など
①は「状態」を表わしています。動詞ですが動作がありません。
②③は、長い間続けることができる動作です。
④は、一瞬で終わってしまいます。
区別は、超有名な言語学者のベンドラーが1950年に発表したものです。わかりやすく解説していきます。
言語学者ベンドラーが発表した法則
ing形になったとき、「①状態を表わす動詞」「②③長く続けられる動作」「④一瞬で終わる動作」は意味が全く違います。
「①状態を表わす動作」にはingが付けられません。
「②③長く続けられる動作」にingが付くと、「現在進行形」になります。まさにその動作をやっているという意味ですね。”running”なら走っている、”walking”なら歩いている…,etc.
「④一瞬で終わる動作」にingが付くと、「まだ出来ていないけど、そろそろ出来そう」という意味になります。”finding”なら「見つかりそうだけど、まだ見つかっていない」、”arriving”なら「到着しそうだけどまだ到着していない」です。これ、意外じゃないですか?
英語をマスターするのに絶対必要!なのに全然知られていない!
ベンドラーの分類は、言語を専門に勉強した人なら100人中100人が知っています。それだけではありません。TOEICのPART1など、英語のテストでも絶対に必要になります。
なのに、なぜか英語の教科書でしっかり紹介してもらえません。これでは英語ができるようになるのはむずかしいです。
意外な盲点、ing形の意味の違いについて、わかりやすく解説していきます。
英語のing形+一瞬で終わる動作 どういう意味になる?
一瞬で終わってしまうような動作にingがつくと、「まだできていない、でもまもなくできそうだ」という意味になります。
I’m finding my keys. もう見つけたの?
find(見つける)は、典型的な「一瞬で終わる動作」です。「あった!」「見つけた!」で終了ですよね。findにingがつくと、「見つかっていないけど、見つかりそうだ」という意味になります。
I’m finding my keys.
(鍵、見つかりそう。)
“finding”は「見つかりそう、でもまだ見つかっていない」という意味になるのです。2003年のディズニー映画『ファインディング・ニモ』を覚えている方もいると思います。ニモというキャラクターを探すお話しです。探している=まだ見つかっていないから、Finding Nemoなのですね。
TOEICで狙われるputtingとwearingのちがい
A woman is putting on a hat.
A woman is wearing a hat.
どう違うでしょうか? ヒントは、動作が一瞬で終わるかどうかです。
putは、頭に帽子をのせた瞬間に終わっています。一瞬で終わる動作なので、ingがつくと、「できかけている」という意味になりますね。ですから、
A woman is putting on a hat.
(女性が帽子を頭に乗せようとしている。)
まだ帽子が頭についていないならこちらが正解です。
では、”wearing”はどんな意味になるのでしょうか? ポイントは、”wear”という動作はどのくらい長く続けられるかです。
ing形+時間がかかる動作、どんな違いがある?
wearing a hat = 着た状態が続いている
“wear”は着た状態を表わす動詞なので、長い時間つづけられます。長い時間つづけられる動作にingがつくと、「その動作を続けている」という意味になります。
A woman is wearing a hat.
(女性が帽子をかぶった状態だ。)
もう頭に帽子が乗っていたら、”A woman is wearing a hat. “が正解です。
このように、長い間続けられる動作にingがつくと、「その動作を続けている」という意味になります。
running = 走っている
doing = やっている
painting = 描いている
長く続けられるものにingがつくと、「いま進行中です!」というニュアンスになるのです。
東京に住んでいる=I’m living in Tokyoでいいの?
私は東京に住んでいます。
“I live in Tokyo.”
“I’m living in Tokyo.”
どちらが正しいでしょうか? live(住む)は、長い間続けられる動作です。ですから、「今まさに住んでいるよ!」という意味で”living in Tokyo”と言いたくなります。でも、ここが落とし穴なんです。
liveは、ベンドラーの分類の「①状態を表わす」に入っています。①に入っている動詞は、そもそもingをつけると違和感があるのです。
ですから、”I’m living in Tokyo”ということはできません。”I live in Tokyo”が正解になります。
さっき出てきたwearも状態を表しているんじゃないの? という声が聞こえてきそうです。確かにその通りなのですが、”wear”は「袖を通す」という動作が入っていますよね。liveは「住んだ状態」だけを表わしています。
①の状態だけを表わす動詞には、ingは付けられません。
知っている=knowingじゃないのはなぜ?
彼のことよく知ってるよ!
“I know him.”
“I’m knowing him.”
どちらが正しいでしょうか? ここまで読んでくださった方ならもうわかるはずです。knowは知っている「状態」を表すので、ingは付けられません。I know himが正解です。
大事なのは「一瞬で終わるか?」
日本人にとってむずかしいのは、一瞬で終わる動作にingがついたパターンです。
電車のアナウンスを聴いてみて下さい。
“The train is arriving at the Shinjuku station.”
「電車は新宿駅についています…」。でもまだ走っているよね?
“arrive”は「到着したら一瞬で終わる動作」です。はい、ingがついたらどんな意味になりますか? 「まだ着いてないけど着きつつある」ですよね!
The train is arriving at the Shinjuku station.
(電車がそろそろ新宿駅に到着します。)
もしTOEICのPART1で、もう駅についている電車の写真と一緒に”The train is arriving at the Shinjuku station”が聞こえて来たら、もう間違いだとわかりますよね? もう着いているのだから、”arriving”はおかしいですよね。
気をつけてみてみると、このパターンのひっかけはよく狙われます。日常会話でも、例えばおいとましたい時に”I’m leaving”と言います。「出発してないけど、そろそろ出たい」という意味でingを使っているんです。「そろそろ」のingは日本人の盲点だと私は思います。
盲点を克服するには、ingの本質を理解すればよいのです。「一瞬で終わるのかそうでないのか」の区別に敏感になるのがその第一歩です。
まとめ
言語を研究している人なら誰でも知っているのに、一般の方に伝わっていないものは結構あります。今回の動詞の問題はその代表例です。
一見ややこしいだけのルールに見えますが、日常会話からテストまで役に立つ大事な基礎の基礎なのです。
言語研究の成果から、英語の本質を学び取って下さい!
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