褒めるってむずかしいですよね。ただ「すごい」とだけ言っても中身がない感じがしてしまいますし、嫌みに受け取られることもあります。特に、立場が違う相手を褒めるのは気を使うもの。英語で相手を褒めるとき、どうしたら誤解されずに気持ちを伝えられるでしょうか?
今回は、そんな不安を解消するマナー&フレーズを解説します。
ビジネス英語の「褒めるマナー」とは
英語圏はフランク、というイメージがありますよね。「日本語は敬語があるから、立場の上下を気にしすぎる。英語は敬語がないから、立場を気にせずに意見が言える」というような意見を目にしたことがあると思います。
実際、英語圏は日本語に比べるとフランクです。でも、マナーがないというわけではありません。上下関係には緩くても、やっぱりことばづかいのマナーはあるのです。
ビジネス英語の褒めるフレーズはあまり立場を選ばない
例えば、人のプレゼンを褒める場面を想像してみてください。日本語では、相手が友達なら、「プレゼンすごかったよ」と言ってしまって大丈夫だと思います。でも、目上の人には「プレゼン上手ですね」とは言いにくいと思いませんか? ちょっと上から目線に感じてしまうからです。
「プレゼンを聴いて(私が)勉強になりました!」のように、「自分のこと」として言い換えると思います。英語では、直球で褒めることができます。
・部下から上司:今回のプレゼンは素晴らしかったです。
Your presentation was fantastic.
・上司から部下:今回のプレゼンは素晴らしかったです。
Your presentation was great.
どちらも、「あなたのプレゼンはよかったです」と直球で褒めています。
ビジネス英語の褒めるフレーズには「カジュアルかフォーマルか」の違いはある
・部下から上司:今回のプレゼンは素晴らしかったです。
Your presentation was fantastic.
・上司から部下:今回のプレゼンは素晴らしかったです。
Your presentation was great.
もう一度フレーズを見てみてください。
文の形はどちらも「あなたのプレゼンは(Your presentation was)」+「よかった(fantastic. great)」で同じですよね。
違うのは、褒めことばが「fantastic」か「great」かです。fantasticはすこしフォーマルな場面で使われ、greatはカジュアルめのことばです。フォーマルなことばを選ぶか、カジュアルなことばを選ぶかで、褒めことばの使い分けになるのですね。
ビジネス英語の「褒める」メカニズム:英語らしい「直球」の褒め方
日本語では、褒めるときにかなり気を使って、上から目線にならないようにします。英語では、相手を褒めるときには直球で褒めます。使うことばがカジュアルなのかフォーマルなのかで、ていねいさが決まります。実際のフレーズを見てみましょう。
ビジネス英語で褒める:英語圏はフランク、の本当の意味は?
説明してもらってお礼を言う場面を想像してみてください。
・部下から上司:とても分かりやすいご説明ありがとうございます。
Thank you for giving me such a clear explanation.
・上司から部下:とても分かりやすいご説明ありがとうございます。
Thanks for explaining so clearly.
部下から上司のフレーズでは、「thank you for giving me such a clear explanation」と、長めのことばを使っていますよね。上司から部下のフレーズでは、「thank you」の代わりに「thanks」を使っています。「説明してくれる」の部分は、「explaining so clearly(はっきり説明してくれて)」の三単語だけです。
英語では、ていねいな場面ではフレーズが長くなるのです。長い文をはっきり最後までいいきることがていねいさなのですね。この感覚は、日本人には意外かもしれません。
ビジネス英語で褒める:「ていねい→長くなる」の法則
意見をもらった場面を想像してみてください。
・部下から上司:ためになるご意見ありがとうございます。
I appreciate getting such a useful feedback from you.
・上司から部下:ためになるご意見ありがとうございます。
Thanks, that’s helpful.
「I appreciate ○○」は、フォーマルな場面で使える「thank you for ○○」です。反対に、上司から部下のフレーズでは「thanks」の一言で済ませています。上司と部下の関係だけではありません。友達など親しい相手には、「thanks」だけでお礼を言えます。
人間関係によって「ためになる」の言い方も変わってきます。カジュアルな場面では、「that’s helpful(役に立つ)」で済ませています。フォーマルないい方では、「such a useful feedback(こんなに役に立つフィードバック)」と長めのフレーズを使っています。
・カジュアルな褒め方:短いフレーズでかんたんに
・フォーマルな褒め方:長いフレーズで具体的に
ビジネス英語で「褒める」メカニズム:「場」でことばを使い分けるか?
英語は、日本語ほど上下関係を大事にしません。大事なのは「カジュアルなことばを使う場面なのか」「フォーマルなことばを使う場面なのか」の違いです。
カジュアルなことばの特徴
1. かんたんな単語を使う
2. 短いフレーズを使う
フォーマルなことばの特徴
1. 難しめの単語を使う
2. 長めのフレーズを選ぶ
ビジネス英語で褒める:英語は場面を大事にする
同じ「すごい!」でも、カジュアルな場面では「great」のような単語を使います。「awesome(アメリカ英語)」はカジュアルな場面でしか使えません。
フォーマルな場面では、難易度の高い形容詞を使って褒める傾向があります。「fantastic」「excellent」などがよく使われます。
会場選びのセンスを褒める場面を想像してみてください。
・部下から上司:会場のチョイスがとてもよかったです。
Your choice of venue was excellent.
・上司から部下:会場のチョイスがとてもよかったです。
It was a great choice of venue. / Good job with the venue! (より砕けた言い方)
同じ「よかった」でも、excellentとgreatでは使える場面が違います。greatはカジュアルな場面で使いやすく、excellentはフォーマルな場面で使いやすいのです。
ビジネス英語で褒める: 外見を褒めてもいい?
日本語では外見や服装を褒めにくいことが多いですが、英語では普通に褒めることが多いです。それでも、カジュアルな場面、フォーマルな場面の違いはあります。
・部下から上司:今日の服装は決まっていますね。
Your outfit is very stylish.
・上司から部下:今日の服装は決まっていますね。
You’re looking smart today.
同じ「服装」でも、フォーマルな場面では「outfit」という少し硬い単語を使っています。カジュアルな場面では、「looking smart(かっこよく見える)」と、かんたんな単語を組み合わせて使っていますね。むずかしめのことば=フォーマル=ていねい、かんたんなことば=カジュアル=親しい、というニュアンスの違いが出ています。
また、同じ「決まっている」でも、「smart(かっこいい)」と「stylish(スタイリッシュだ・決まっている)」では、stylishのほうがフォーマルなニュアンスになります。smartはよく使うことば(「頭がいい」という意味が多い)ですが、stylishはあまり使われない、むずかしめの単語だからです。
まとめると、英語で相手を褒めるときは
フォーマルな場面
1. 長い文を使う
2. むずかしめの単語を使う
カジュアルな場面
1. 短い文で済ませる
2. よく使われている単語を使う
この法則を守れば、誤解なく気持ちが伝わります。
まとめ
「褒める」やり方には、言語の特徴が出ています。日本語では、目上の人を褒めるのは失礼という文化があります。英語では、目上の人でも積極的に褒めるのが普通です。
英語圏の人は、目上の相手でも平気で褒めます。でも、もちろんルールがないわけではありません。「文の長さ」「単語のむずかしさ」を場面に合わせる工夫をすれば、より英語らしい褒め方になります。
英語の褒め方をマスターして、「すごい!」という気持ちを誤解なく伝えましょう!
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