世の中にはかつてないほど情報があふれていますが、英語学習の世界も同じです。たくさんの人によって「この方法は効果がある」「これをやると英会話ができるようになる」と数え切れないほどの英語学習法やアプリがシェアされ、似たような教材が多く販売されています。
しかし実際は誰がやっても効果が上がる方法というのは限られており、異なるように見えている学習法でも実はちょっとアレンジしただけだったりするのが実状。色々試してみて、お金も時間も使ったけれど、思ったほど上達した気がしない…そんな方もかなりいらっしゃるのではないでしょうか。
ではどんな方法で英語学習を行えばいいのか、今回はその点について解説します。
英語学習者が陥ってしまう過ちとは
英語学習者の多くが陥りやすい過ちには共通点がいくつかあります。自分が次にあげる3つの間違いを犯していないかチェックしてみましょう。
色々な勉強法に手を出してしまう
どんな勉強にも共通することですが、学習のやり方を間違えると遠回りとなり、貴重な時間を結果的に無駄に過ごしてしまう場合も多いですよね。英語学習はピアノの練習に似て地道な努力が必要、かつ目に見える効果がすぐに表れません。
上達が感じられないと「これはきっと自分に向いていない」「あっちの教材の方が良さそうだ」と目移りして、結局どれも中途半端なまま途中で投げ出してしまいがちです。
英語が上達するためには、決めたいくつかのことを集中的に継続してやり、一度決めた教材や学習方法は最後までやり遂げることが大切です。他の人に「こっちの方がよかったよ」と聞いても安易に目移りしないようにしましょう。
また、同じ教材を何度か繰り返すことも大事。一度やっただけでは前の方は忘れてしまっていたり、やり終えたことだけに満足してしまいがちです。
例えば文法書やフレーズ集などはちょっとずつ中身が違っていても基本的に中身は同じです。まずは一つのものを2巡、3巡して自分のものとしてしっかり身につけることです。
日によってやることを変える
日によってやることを変えるのも英語の上達が遠回りとなる原因です。
語学学習は楽しく行うことも大切ですが、特に高いレベルを目指しているのであれば、地味でつまらない作業も避けることはできません。集中して地道に続けることが必要です。
さすがに来る日も来る日も同じことをやるのは飽きるので、1つか2つ必ず毎日やることを決め、それにプラスして一日おきに別のことを行うのがおすすめです。
例えば、毎日英文を5つ覚えることを決めたとします。
それにプラスして、月・水・金は文法書と読解を、火・木・土日はリスニングを行う、などのように自分のスケジュールとどの弱点を強化したいのかに合わせてプランを考えるといいですね。
早い効果を期待する
毎日5分勉強しただけですぐ英語ペラペラになれるのであれば、こんなに多くの人が英語学習に取り組むことはないですし、日本人全員が自由に英語を操れるようになっていてもおかしくありません。
誰しも楽に英会話ができるようになりたいと思うことは普通です。
しかし残念ながら「聞き流し英語を毎日5分で1週間後に映画もドラマも字幕なしで見れる、ペラペラと話せるようになる」という夢のような勉強法はありません。
今日覚えた単語が実際自分のものとして使えるようになるのは3ヶ月後と言われています。
これは今日覚えた単語をそのままにして、ずっと何もせずにいたら3ヶ月後に会話で普通に使えるようになる…という意味ではありません。その3ヶ月間継続的に学習を続けた結果、何度も口にしたり書いたり耳にしたりすることで、知識がきちんと定着し、自然に使えるようになるということです。
「継続は力なり」とはまさにこのことで、地道に努力していれば、すぐに効果が現れなくても自分のものになっていることを実感できる時が必ずきます。
学習をどれぐらい集中して行っているかにもよりますが、正しい学習方法を行っていれば、早い人で1−2ヶ月後、遅くても半年後には効果を実感できる瞬間が来るので、効果がすぐに表れなくても焦らずじっくり取り組んでいきましょう。
やるのはこれだけ!数ある学習法の中で効果がある勉強法
色々な学習法がある中で迷う人に、継続すると数ヶ月後に違いを感じられる私が過去に実際試した方法をご紹介します。
数分程度の英語を繰り返し聞く
聞き流しは英語の音に慣れる以外の効果はありません。数分程度の動画や音声を何度も繰り返し聞くことがリスニング力アップに効果的です。教材としてはできればスクリプトや字幕が出せるものがいいですね。
やり方としては、次のような順序で学習しましょう。
1.通して何度か聞く
意味がわからない単語や聞き取れない単語で思考を止めず、全体として何がテーマなのか、何を伝えようとしているのかを理解することに集中します。
2.スクリプトや字幕を見ながら聞く
聞き取りが難しい部分を確認しながら聞きます。
3. ディクテーションをする
ディクテーションは聞いたものをそのまま書き取っていく作業です。こうすることによってなんとなく聞き取れている気分になっていた単語やフレーズも、本当に聞き取りができていたのかを確認することができます。スクリプトや字幕で自分の書いたものと確認し、間違って聞き取っていた部分や聞き取れなかった部分を確認します。
4.知らない単語の確認をする
単語はできるだけ前後の意味から推測します。どうしても意味がわからないものは辞書で調べましょう。
5.ついていける範囲で音声を切って声に出して真似する
音を真似することで発音力強化や英語の語調に慣れることができ、英会話の練習に繋がります。
使う動画や音声は、ゆっくり話される簡単なものから徐々にレベルを上げていくのがおすすめです。自分には少し簡単かな?と思われるものから始めると、無理なくレベルをあげて行くことができます。いきなり自分のレベル以上のものはやる気がなくなるのでおすすめしません。
英語学習用音声教材→ドキュメンタリーやネイティブの子供向け動画→英語ニュースやスピーチ→ドラマ・映画、の順に聞き取りが難しくなっていきます。
自分の理解度に応じて難易度をあげていくと良いでしょう。
映像や音声の長さが学習スピードにもよりますが、3日〜1週間で1本のペースを目標とすると仕事が忙しくても無理なくできると思います。
インターネット上でディクテーションに適した色々な教材を利用してもいいですね。
・無料のディクテーション教材
・レアジョブのリスニング教材(毎日更新・スクリプト付き)
簡単な英文の丸暗記
数多くの簡単な英文の丸暗記は英会話の絶大な効果を発揮します。ネイティブの話す英語は長く聞こえても、実は短い文を繋げたものです。数多くの例文を覚え、文の一部を変えることで、その何十倍ものパターンに応用できます。
無理のない範囲で毎日5文、多くても10文程度を覚えるようにしましょう。
単に覚えるだけではなく、さらに覚えた文の単語の入れ替えをして練習します。
こうすることで応用力がつくようになり、会話中にさっと言葉が出てくるようになります。
例えば、”I like playing tennis.”(テニスをするのが好きです)という文章を覚えたとします。このplaying tennisの部分を変えると、
・I like watching TV.(テレビを見ることが好きです)
・I like playing the piano.(ピアノを弾くのが好きです)
・I like shopping.(ショッピングが好きです)
・I like cooking.(料理が好きです)
など数え切れないほどの多くのパターンの英語を言えるようになりますよね。
このように覚えた文の一部を変えて口に出してみると、知識が定着し自分のものとして使えるようになるようになります。
文例集は好きなものを使って構いません。
大学受験用の文例集がまだ手元にあればそれもおすすめですし、私はそれを使って全ての文章が滞りなく言えるように、必要な時にさっと頭に浮かぶようになるまで暗記・練習しました。
実際の英会話に比べると、ちょっと堅苦しい文章もあるかもしれませんが、基礎ができれば応用は簡単で、慣れればいくらでも「崩した」英語を使えるようになります。まずはしっかり基本的な文例を覚えることに注力しましょう。
ご参考までに一例として一つ教材をご紹介します。
文章の音読と模写
雑誌の記事や本の一節、ブログなどなんでもいいのですが短めの好きなテキストを音読し、さらに模写することもおすすめです。
声に出して文章を読むことで発音練習になりますし、文の構や英語的考え方を感覚で理解するのに役立ちます。さらに書き取ることによって、スペルの確認や知識の定着に繋がります。
やってみるとわかりますが、声に出して読むのとそれをそのまま模写するのとではかなり感覚が違います。
「この部分はどうしてこの単語を使っているんだろう」「文節はこうやって繋げるとスッキリするんだな」など、口頭で読んだだけではわからなかった「気づき」が模写によって生まれます。
小学校の国語の授業を思い出してください。順番に口頭で読まされた後に、教科書の模写をしませんでしたか?母国語でも同じですが、外国語も言語に対する五感のようなものを養うには、口頭+模写が非常に効果的です。
辞書を引かずに英文を読む
単語帳を使って単語を覚えようとするのは実は知識として定着しませんし、学習方法としても非常に苦痛です。一つの単語に色々な意味があり、それを単語単体で全て覚えて文の中で使おうとするのは、はっきり言って不可能です。
単語の意味や用法を覚えるには、英文を多く読むことが効果的です。
頻度の高い単語はさまざまな文章で頻繁に出てくるので、無理に覚えようとしなくても自然と覚えることができるからです。実際私も中高生の頃、英単語を覚えることが苦痛で悩みましたが、数多くのテキストを読むことで単語帳を覚えなくても自然に語彙力を増やすことができました。
英文を読むときのポイントとしては、できるだけ辞書を使わずに読むこと、わからない単語があっても辞書に頼らず前後の文脈から意味を推測することです。これは英会話でもそうですが、英語を理解する時に一語一句単語の意味を正確に理解する必要はありません。
日本語の本を読んでいても一つや二つ知らない単語があるのではないでしょうか。それでも本を読むことに支障はありませんよね。それは知らない単語があっても前後から意味が推測できることと、その一つの単語が全体の意味を理解することに支障をきたさないからで、英語も同じです。
まずは英文テキストを通して読み、知らない単語が出てきたら前後の文脈から意味を推測しましょう。何度か読んでもどうしても意味が推測できない単語があれば、その時に初めて辞書を引きます。
辞書を引く際は、単にその文章に合う意味を調べるだけではなく、例文も見てみるとさらに理解が深まります。慣れてきたら英英辞典もぜひ活用してください。日本語だけでは伝わりにくいニュアンスの違いなどの理解に役立ちます。
知らない単語の意味を推測する力、素早く文章のポイントをつかむ力はTOEICなどの資格試験や大学受験の英文読解に非常に役立ちますので、ぜひトレーニングを積みましょう。
リーディングの教材は、好きな雑誌やニュースなど興味があるものを使いますが、ブリティッシュカウンシルのこちらのサイトもおすすめです。
初級から上級までレベル別に様々なテーマを扱った英文が掲載されており、ボキャブラリーの確認問題や、文章がきちんと理解できているかの練習問題(Task)もついているので、きちんと理解しているかの確認をすることができます。
また、練習問題の後には、さらにdiscussionとして自分の意見を答える質問があります。口頭で答えれば会話練習になりますし、書くのであればライティングの練習になります。
worksheetとしてPDFもダウンロードできますので、プリンターが家にある方はプリントアウトするといいでしょう。毎日1つの英文をこなすのであれば、1週間分をまとめてプリントアウトして学習予定日の日付を書いておけば、迷うことなく毎日英文を読む習慣をつけることができるようになるのではないでしょうか。
余力がある人にこの学習法もおすすめ
余力がある人は、次の2つの学習方法もあわせて行うと、特に英会話力向上に役立ちますので、ぜひ挑戦してみてください。
日記を書く
毎日ちょっとでもいいので英語で日記を書きましょう。英語で考え文章にする練習になり、英会話で状況説明をする時などに効果を発揮します。
日記を書く際の注意点としては、頭の中で和訳するのではなく英語でダイレクトに考えた文章を書くことです。なぜかというと、日本語能力の方が英語よりはるかに高いため、複雑な日本語の文章から英語にするには非常に困難だからです。
また、実際の英会話では、いちいち日本語で考えたものを英訳する時間はありません。
英会話講師は慣れているので、なかなか言葉が出てこなくても待ってくれたり、助け舟を出してくれたりすると思います。
では普通の友達との会話ではどうでしょうか。おそらくどんどん先に進んでしまうのでは?話についていくためには、どんなにつたない英語でもとにかくその瞬間に口に出すということが大切です。
英語で日記を書くことで、この「英語でダイレクトに考えてアウトプットする」という力がつきます。
「英語で日記を書く」と聞くと非常にハードルが高く聞こえるかもしれませんが、そんなことはありません。最初は「今日会社に行った。クライアントとミーティングがあった。夕食はカレーだった。」みたいなごく簡単な文章でかまいません。徐々に自分の感情やさらに詳しい情報を入れていくようにしましょう。
私自身も中学に入って初めて英語を習い、まだ現在形しか学習していないのに無謀にも英語での日記をつけていました。それこそ幼稚園生の文章で、2行ほどのものです。それさえも30分かかったりしていました。
でも知識が増え、書くことに慣れていくにつれ、だんだんと1ページや2ページの日記でも少しの時間で書けるようになっていき、それと同時に英会話力も向上していきました。
日記は正しい英文を書くことが第一目的ではありません。プライベートなもののため、講師に添削してもらう必要はなく、あくまでも自分の練習です。
最初は頭に浮かぶ文章があまりに初歩的でショックを受ける人もいるかもしれませんが、それが現在の会話力です。徐々にもっと高度な文章も頭にすぐ浮かぶようになるので、気落ちせず気軽にトライしてみてください。
一人英会話
もう一つ会話練習に非常に効果がある方法が、一人英会話です。
会話は相手がいて成り立ちますが、相手がいなくても友達に話す気持ちで会話をシミュレーションして一人二役をやってみたり、「掃除しなくちゃ」みたいな独り言を全て英語でつぶやく練習方法です。
これも日記と同じで英語でダイレクトに考えるクセをつけることが大切です。
やり方としては、日常の独り言以外に授業で習ったロールプレイを一人で内容を少し変えて行うこともおすすめです。ロールプレイの欠点として、少し違った状況になると応用がきかないことですが、この欠点を補うことができます。
また一人英会話は外出先でもできます。
今はマスクをしている人が多いので、口だけパクパク動かせば、電車の中でも練習できますし、頭に浮かべるだけでもかまいません。無意識にいろいろ考えていることを英語でつぶやく練習をするのです。
英会話の授業だけでは圧倒的にアウトプットの時間が足りません。一人会話をすることで、その量を爆発的に増加させることができますし、英会話の授業にも役立ちます。
「何をつぶやけばいいのかわからない」「英語での表現の仕方がわからない」という方はこちらのような本も参考にしてみてはいかがでしょうか。
英語の勉強法を試してみようと思ったら…
もっと英語を学びたいとテンションが上がったなら、今度は英語を「使う」ことにもチャレンジしてみましょう。
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