“I got one.”と言われたら、普通は「1つ取った」だと思いますよね。でもこれは、実は「それを取った」(=それ、あります)という意味なのです。oneはこのように、「1つ」というだけでなく「それ」という意味の代名詞になることがあります。同じように使われるsomeやanyとともに、思いがけない代名詞の使い方を見ていきましょう。
oneは不特定の「それ」
会話の中で実はいろいろな意味で使われているone。「1」「1つ」というわけではないのは、例えばこういう場合です。
「(どれか)それ」のone
I’ll have one.(それください)
レストランなどでの注文の仕方。例えばWould you like coffee?(コーヒーいかがですか?)と聞かれたら、Yes, I’ll have one.(ええ、それください)と答えます。特定の1つのカップに入った特定のコーヒーではなく、「どれかコーヒーください」といった意味です(ただし、oneは単数なので、実際に注文しているのは「1杯」)。
もし、店員さんがおいしそうなケーキを持ってきてWould you like this?(これいかがですか?)と差し出したら、答えはI’ll have it/that.(それください)となります。oneは「いろいろあるもののどれか」、itやthatは「その特定のもの」を指します。
形容詞+one
I’d like a blue one.(青いやつください)
いろいろな色がある中で、「青いの」と言いたいときは、blue oneと「形容詞+one」を使います。「1つ」ならa blue oneとaをつけます。
onesと複数になる
These ones are nice.(これらはいいですね)
oneを「それら」と複数にしたいときは、onesを使います。
someは「いくらか」、anyは「何か」になる
someは「いくらかの」、anyは「何かの」で、数えられない名詞の前につく、と学校で習ったのではないでしょうか。「数えられない」というのは確かですか、実は、名詞と一緒ではなく単独で使うことがあります。
数えられない「いくらか」のsome
Would you like some?(いくらか、いかがですか?)
お菓子をたくさん持っていて、「(ちょっと)どうですか?」と言うつもりで差し出したりするときに使うフレーズ。「(お菓子のうちの)いくらか」を指す代名詞で、someの後にcookiesとかcakesといった語を入れなくても大丈夫です。
「~な人もいる」のsome
Some will like it.(好きな人もいるでしょう)
someは「不特定の何人かの人」を指すことができます。someの後にpeopleが省略されているというわけではなく、someだけで代名詞です。
「どれも~ない」のany
I don’t know any. (どれも知らない)
いろいろなことを聞かされて、その「どれも、何も」と言いたいときにanyが使えます。anyだけで代名詞です。
「何か」のany
Is there any left?(何か残ってる?)
「何か」と尋ねるときのany。leftは(残って)と後ろからanyを修飾しています。
会話例)
A: Would you like orange juice?
(オレンジジュースはいかがですか?)
B: Thank you. I’ll have one.
(ありがとう。それください)
C: I’d like something else. Is there any left?
(私は他のがいいです。何か残ってますか?)
A: We have mango juice. Would you like some?
(マンゴージュースがあります。いくらか、いかがですか?)
不定代名詞のeach、all、other
このone、some、anyのように、特定の「それ」(itやthatで指す)ではなく、漠然と、いくつかあるものの中の「それ」「いくらか」「何か」を指す語を、不定代名詞と呼びます。eachやall、otherなども不定代名詞として、後ろに名詞をつけずに使うことができます。
「~ずつ」のeach
I’ll take each of them.(それを一つずつください)
いろいろな種類がある中で、「1種類1つずつ」と言いたいときに使えます。
「すべてのこと」のall
All has been done.(すべて完了です)
このallは「すべてのこと、もの」という意味で、後ろにthingsなどをつけなくて大丈夫です。
「とりわけ、中でも」のamong others
He was the best among others.(中でも彼が一番だった)
otherは「他のもの、他の人」という意味になり、複数だとsがつきます。among othersは「他の人/ものの中では」で、「とりわけ、中でも」という意味で使います。
会話例)
A: Here are local crafts. All is handmade in good quality. The silk one is the best among others.
(これは地元の民芸品です。すべて手作りの良質なものです。中でもシルクのものが最高です)
B: I can’t decide. I’ll take each of them.
(決められません。それを1つずつください)
こういったoneやsome、anyの使い方は、普段の会話の中で何気なく登場します。オンライン英会話レアジョブのレッスンでも、先生からWhich one?(どれですか)、Do you know any?(どれか知っていますか?)といった質問を受けることがあるかもしれません。文法を理解するには、理論を知るだけでなく、たくさんの用例に触れることが大切。自分でもThat one.(それです)、I don’t know any.(どれも知りません)といった表現を使ってみて、不定代名詞を会話の中で使いこなせるようになりましょう。
まとめ
普段さまざまな英語の表現に触れていて、「このoneは、ひょっとして‟1つ”ではないのでは?」と、疑問に思うことはないでしょうか。そんなときは、辞書を引いたりレッスンで先生に質問したりして、その都度疑問を解決していくようにしましょう。このように文法をより深く理解することで、もっと多くの英語表現を、正確に使いこなせるようになりますよ。
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