英語の勉強に「デメリット」はある?

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世界的に、英語を勉強することが大事だということが強調されてきました。一方で、漠然と「英語は無駄だ」とか「勉強するとデメリットがあるのでは」と感じている方も少なくないのではないかと思います。

今回は、英語についてよく言われる「デメリット」と、筆者の考えを紹介していきたいと思います。

英語のデメリットは「お金の無駄」?

英語の勉強は「お金の無駄」と考えている方がいるようです。英語学習にはなにやら大きなお金がかかり、大金が無駄になってしまうのではないかという不安があるようです。

英語の勉強にお金はどれほどかかる?

英語の勉強には、どれほどのお金がかかるでしょうか?

この質問に答えるには、「英語の勉強」とはなんなのかをはっきりさせなければいけません。どのレベルの英語を習得したいのかによって、かかるお金は変わっています。

もし、本当にネイティブのような英語をマスターしたいなら、留学などである程度の出費があり得ます。子供なら、英語保育のようなサービスが必要かもしれません。

とはいえ、普通に「英語が使えるようになりたい」くらいの目標なら、多額の投資は不要だと私は考えています。

「適切なゴール設定」があれば多額の投資は要らない

「仕事・勉強で使える英語を身につけたい」ということであれば、そこまで多額の投資は要りません。「基礎的な文法と発音」「自分の専門領域の表現」だけを身につければなんとかなるからです。

一から英語を勉強するなら、お金は「三か所」に使う

私が一から英語を勉強するなら、次のものだけにお金を使うと思います。

・初級の文法と発音の参考書 併せて \3,000~4,000
・Netflixなど、海外ドラマや映画が見られる配信サービス 月 \1,000前後
・(周りに英語を話せる人が居ない場合)会話練習のための英会話サービス 月 \5,000前後 × 数カ月

多聴・多読のための教材はネット上にいくらでもありますし、辞書も無料で使えるものがたくさんあります。海外ドラマなどを英語字幕付きで見るための配信サービスは必須ですが、それ以外に大きな出費はありません。

いちばんお金がかかるのは資格試験?

お金がかかるとすれば、資格試験かもしれません。英検・TOEICはやや安価ですが、TOEFLは30,000円近い出費になります。もちろん、場合によっては対策教材なども買う必要があります。

お金を節約したいなら、差がつくのは資格試験の使い方

語学でお金がかかるという場合、たいていは資格試験のせいだと私は考えています。要らない教材を買い込み、なんとなく何度も受験してしまうと、確かにお金がかかりますね。

逆に言えば、資格試験を計画的に受験していけば、大きな出費にはなりません。目標のスコアを決めて、少ない受験回数で確実にクリアできるように努力すればよいのです。

英語のデメリットは「時間の無駄」?

英語を勉強するデメリットの中でも、「時間の無駄」という意見は多く聞きます。語学は時間がかかる割に、マスターできても使う機会がないという意見です。一理あるところもありますが、誤解も入っています。

「英語を勉強しても使わないのではないか」という不安

英語を勉強しても意味がないのではないか? という意見はよく聞きます。私自身、以前は「日本人だし、日本語が出来ればいい」と思っていました。

英語ができるようになっても、すぐに英語を使う仕事が出来るとは限りません。私は民間の企業のことは詳しくないのですが、周囲の方の話を伺う限りでは「英語力がある=英語を使う仕事が回ってくる」とはならないようです。

英語の勉強は「避難袋」と同じ。今すぐ使わない≠不必要

では、英語を勉強するのは時間の無駄なのでしょうか? 私は「無駄」とは思いません。
確かに、英語は今すぐ使うようなものではないかもしれませんが、できるとできないでは違います。

昇進の基準の資格試験

昇進の基準にTOEICを使っている企業で働いている方にとっては、英語はわかりやすく大事です。

ただし、そうでなくても、英語が出来ることは人生の選択肢を広げてくれます。

海外進学には英語が必須

学生なら進学です。日本で進学に失敗しても、英語が出来れば外国の一流大学に応募できる可能性があります。例えば私のいる台湾では、中国語が出来なくても、英語が出来れば一流大学に応募できます。

ヨーロッパでもアジアでも、英語が出来れば選択肢は広がります。例えば私の周りには、「英語コース」でドイツに留学してキャリアを作った方がいます。日本の受験戦争に上手く乗れなくても、英語が出来れば別のルートを探すことが出来ます。

英語力は社会人の選択肢を広げてくれる

社会人の方が学び直しで大学院に行く場合、海外の大学の方が手厚い奨学金をもらえる場合があります。ただし、海外大学は英語での足切りが確実にあります。

海外就職も同じです。英語が出来るだけで仕事が見つかることはないようですが、スタートラインに立つには英語が欠かせません。キャリアを海外で積みたいと思ったとき、英語ができるのとできないのとでは大きな差があります。英語だけでは差がつかないとは言っても、英語もできないのではスタートラインにも立てなくなります。

「備えあれば患いなし」の英語力

英語が出来るようになっておくと、「いざとなったら海外に行ける」という選択肢を持つことが出来ることがわかります。日本で上手くいかなくても何とかなるという余裕が持てるのです。

英語力は、災害の時の避難袋のようなものです。別に日常的には必要ありませんから、準備も怠りがちになります。普段は困らないかもしれません。でも、いざとなってから慌てても遅いのです。

英語を勉強すると日本語を忘れてしまうデメリットがある?

少し番外編的なお話になりますが、「英語を勉強すると日本語に悪影響が出る」という意見を目にすることがあります。特に、子供の教育でよく見かけますが、実際のところはどうなのでしょうか?

【子供の場合】英語を早くに勉強しても、日本語を忘れるレベルにはならない

子供の場合、早めに英語を勉強しても日本語を「忘れる」ほどにはなりません。

確かに、英語圏で長く暮らした子供の場合は、日本語を忘れてしまったり、不完全になってしまったりもします。とはいえ、日本で生活しているなら、日本語を忘れるほどにはならないでしょう。

【大人の場合】英語を勉強するデメリット:Language attritionとは?

大人が外国語を勉強すると、日本語に悪影響が出ることがあるのでしょうか? 少し専門的ですが、language attrition(言語喪失)という現象が知られています。長く母国語を使わないと、意外にもだんだん忘れてしまうのです。

外国語を徹底的に勉強すると、日本語を少しだけ忘れてしまうかもしれません。実は筆者自身、日本語の敬語がパッと出てこず困ることがあります。

とはいえ、母国語を完全に忘れることはまずありえません。外国語の勉強がひと段落すれば、基本的には元に戻ります。デメリットというほどではないでしょう。

まとめ

英語の勉強にもデメリットがあることは否定できません。時間もお金もある程度はかかるでしょう。とはいえ、それを超えるメリットがあることもまた事実です。

私は、自分の経験から、英語にはとても大きなメリットがあると考えています。時間とお金を投資するだけの価値は間違いなくありますので、大事なのは投資の効率を上げることです。

ぜひ、無駄のない投資で英語をマスターしましょう。

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