英語学習は寝る前がベストって知ってる?誰でも簡単に学習を習慣化

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英語学習を習慣化したいけど、なかなか時間が確保できないという人は少なくないでしょう。ムリに学習時間を確保すれば、続かないという悪循環に陥ってしまいます。そんな人におすすめなのが「寝る前」の英語学習です!

実は、「寝る前に学習すると記憶が定着する」ことが研究で明らかになっています。この記事では、寝る前が英語学習に最適な理由を解説するとともに、簡単に習慣化できる学習もご提案します。

寝る前の英語学習がベストな理由

「寝る前の学習」は言い方を変えると「学習後に眠る」ということ。つまり、学習後の睡眠が重要なのです。まず、どうして学習後に睡眠が必要であり、寝る前の学習が効果的なのかを解説します。

そもそも「記憶」とは?

記憶は「短期記憶」と「長期記憶」に大別できます。短期記憶は短い時間だけ記憶してすぐに忘れてしまうもので、電話番号やパスワードなどを一時的に覚えるような感じです。

一方、長期記憶は「陳述的記憶」と「手続き的記憶」に大別され、比較的長い時間記憶が保存され、必要に応じて取り出せるものを指します。簡単に言うと、陳述的記憶は「頭で覚える記憶」で単語の暗記や計算のやり方などの記憶で、手続き的記憶は「体で覚える記憶」で自転車の乗り方や泳ぎ方などの記憶です。また、陳述的記憶には「エピソード記憶」と「意味記憶」があります。

引用元:授業に潜入!おもしろ学問 神経心理学I — 京都大学広報誌『紅萠』

英語学習に必要なのは頭で覚える「陳述的記憶」で、陳述的記憶は脳の司令塔である「海馬」が重要な役割を果たしています。

なぜ学習後に睡眠が必要なの?

学生のとき、試験前に徹夜で勉強したという人もいるのではないでしょうか。もちろん、勉強しないよりはした方がいいのですが、多くの場合は試験が終われば忘れてしまいます。つまり、この方法では長期的に情報を記憶することはできないということです。

なぜなら、「眠らないと記憶は定着しない」からです。これは神経科学に関連するオリジナルの研究論文に特化した科学ジャーナル『Nature Neuroscience』でドイツのリューベック大学が発表した研究で、覚えた後にすぐに眠るのがいいとされています。眠らないと記憶が定着しない理由は、陳述的記憶の中心的な役割を果たす「海馬」が寝ている間に情報や記憶を整理しながら保存しているからだそうです。そして、海馬は睡眠直後から記憶を保存するのです。

参考:記憶定着には「すぐ睡眠」が効果的、独研究 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

参考:Labile or stable: opposing consequences for memory when reactivated during waking and sleep | Nature Neuroscience

睡眠学習でも効果がある?

寝る前の学習だけでなく、寝ている間にも学習が可能だという研究もあります。これは、スイス国立科学財団の研究で、睡眠中の外国語の聞き流しに効果があるというものです。

この研究では、仮眠中に外国語の単語を聞いたグループと、起きている間に単語を聞き眠らなかったグループに分けて、数時間後に単語のテストをしています。結果は、睡眠中に単語を聞き流したグループの方が単語の意味を理解していたそうです。

単語を聞き流しながら眠ればいいだけなので、興味のある人は試してみてください。

参考:外国語を学ぶには睡眠学習が効果的:研究結果 | WIRED.jp

参考:Boosting Vocabulary Learning by Verbal Cueing During Sleep | Cerebral Cortex | Oxford Academic

寝る前に適した英語学習

寝る前の学習が効果的だとは言え、人が集中できるのは30分程度です。ですから、寝る前に30分を目安に英語学習をしましょう。30分以内であれば10分でもOK!短い時間でできて習慣化しやすい英語学習をご紹介します。

単語の暗記

1日3~5の単語を覚えましょう。1日3単語でも1ヶ月で90、1日5単語なら150の単語が覚えられます。5語までなら30分もかからずに覚えられるはずですが、最初はあまりムリをしないで覚えられる程度にした方が続けやすいかもしれません。単語帳から覚える語を選んだり、英語の本やウェブサイトから選んだりするといいでしょう。

リスニング

CD、アプリ、ポッドキャストなどを、寝る前に10~15分程度聞きましょう。知らない単語やフレーズを書き出して、可能であればその日のうちに意味をチェックします。好きな洋楽アーティストの歌や海外ドラマ、動画などなら楽しみながら覚えられるでしょう。

リーディング

一番簡単なのは、ウェブサイトから英語の記事を1つ選んで読むという方法です。当然、英語の本でも構いません。大切なことは、興味がある内容のものを選ぶこと。興味がないと読むのがイヤになってしまいます。

シャドーイング

短時間で効果的なシャドーイングもおすすめ。リスニングやスピーキングだけでなく、他のスキルの向上も期待できます。あまり長いとつらくなるので、3~5分程度で読み終わるものを選ぶのがコツ。知らない単語やフレーズがあれば、書き出して意味や使い方を確認しましょう。

日記

寝る前に英語で日記を書くのも効果的です。静かに1日を思い起こしたり翌日のことを考えたりしながらできるので、気持ちも落ち着きます。

独り言

1日の出来事を日記のように書き記すのではなく、言葉にして独りでブツブツとつぶやくというのも1つの方法。分からない単語やフレーズは調べた後に書き出すようにしましょう。

寝る前にやってはいけないこと

寝る前に学習した記憶を定着させるためには良質の睡眠が必要であり、睡眠が定着のカギを握っています。そのため、安眠を妨げることはやらない方がいいでしょう。

なるべく液晶画面を使用しない

よく知られているように、ブルーライトは安眠の大敵です。ブルーライトは眠くなるホルモン「メラトニン」の分泌を抑制するため、眠りが浅くなったり疲れが取れなかったりと、睡眠の質を低下させてしまいます。寝る前の学習でスマホやPCを使う際には、画面をなるべく見ないようにしましょう。リーディングの場合は、記事などをプリントアウトすることをおすすめします。

部屋の照明を明るくしない

ブルーライトにも関係することですが、部屋の中が明るすぎると「メラトニン」の分泌が抑制されてしまうことがあります。白色光よりは暖色系の光のもとで勉強する方が安眠の妨げにならないので、間接照明などをうまく活用しましょう。

ベッドの上で勉強しない

「ベッドは寝る場所」と習慣づけることが安眠への第1歩です。ベッドの上で勉強する習慣がつくと、身体が睡眠モードになりにくくなってしまうので注意しましょう。

まとめ

人間の記憶は睡眠によって定着することが明らかになっているので、この作用をうまく利用すれば効果的な英語学習が実現します。そして学習を習慣化するためには、負担にならずに楽しみながらできるものを選ぶのがコツです。もちろん1つの学習に決める必要はなく、いろいろなものを日替わりでやってみるのもいいでしょう。毎日寝る前に学習をしていくうちに、自分に合ったものが見つかるかもしれません。まずは寝る前に10分程度の学習から始め、慣れてきたら時間を長くしていきましょう。

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