海外で進学や就職を目指す際、IELTSのスコアを求められることも少なくありません。多くの大学や企業では、一つの基準として「7.5」というスコアを挙げていますが、一体どのくらいの英語力があれば取得できるのでしょうか。
そこで今回は、IELTS7.5のレベルや難易度、IELTSスコアが必要となるシーンなどを紹介していきます。さらに、おすすめの学習方法についても詳しく解説しているので、効率的に試験対策を進めたい方は参考にしてみてください。
IELTSスコアの仕組みは?
IELTS(International English Language Testing System)とは、英語圏での留学や就労、移住などを目指す際に課される英語試験のこと。イギリス発祥の試験で、特に欧州では多くの学校や企業がIELTSの受験を応募条件に挙げています。
IELTSは英検のような合否がある試験とは異なり、スコアで英語力を測定するのが特徴です。リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4技能を、0.5スコア刻みに1~9の9段階評価で測定。各技能のスコアを「バンドスコア」と呼び、各技能を総合した最終的な英語力を「オーバーオール」と呼び評価します。
留学や就職ではバンドスコアとオーバーオールの両方を聞かれることが多いことから、4技能をバランス良く学習することがIELTSでは不可欠だと言えるでしょう。
IELTS7.5は難しい!レベルはどのくらい?
IELTS7.5とは、どのくらいの難易度なのでしょうか。端的に言うと、IELTS7.5はネイティブでも対策無しでは取得が難しいレベルです。海外の大学や大学院への入学だけでなく、MBAを取得する際や移民の申請をする際にもIELTS7.5は一つの指標となります。
例えば世界的に有名なオックスフォード大学では、入学希望者へオーバーオール7.5以上のIELTSスコアを要求しています。実際の英語力としては、ネイティブと遜色ないくらい流暢に英語を話すことができ、ビジネスの場でも問題なく対応できるレベルが想定されるでしょう。
7.5を取得すればほとんどの大学や大学院の入学用件を満たすことができますが、簡単に取得できる点数ではないことを覚えておく必要があります。受験者のなかには、今まで何十回も受験してようやく取得できたという方も少なくありません。
IELTS7.5をほかの英語試験と比較するとどのくらい?
IELTS7.5を取得するためには非常に高い英語力が必要ですが、実際のところどのくらいのレベルを指すのかイメージできない方もいるかもしれません。
下記の表は、IELTSのオーバーオール7.5をTOEFL iBT・TOEIC・英検に換算した表です。
IELTS | TOEFL iBT |
---|---|
7.0~8.0 | 95~120 |
5.5~6.5 | 72~94 |
4.0~5.0 | 42~71 |
IELTS | TOEIC |
---|---|
7.5 | 970~990 |
7.0 | 870~970 |
6.5 | 820~870 |
6.0 | 740~820 |
5.5 | 600~740 |
5.0 | 550~600 |
IELTS | 英検 |
---|---|
7.0~8.0 | 1級 |
5.5~6.5 | 準1級~1級 |
4.0~5.0 | 2級~準1級 |
上記3つの英語試験で最も高い評価を取れるレベルの英語力がなければ、IELTS7.5の取得は難しいと考えておくべきでしょう。
参考:各資格・検定試験とCEFRとの対照表|文部科学省(平成30年3月)
IELTS7.5が必要になるシーンは?
「そもそも自分にIELTS7.5は本当に必要?」と気になっている方に向けて、IELTS7.5が必要となるシーンを詳しく解説していきます。
海外の有名大学への進学
海外の大学のなかでも、有名大はIELTS7.5以上が基本です。例えばイギリスのオックスフォード大学やケンブリッジ大学、アメリカのマサチューセッツ工科大学など名門校への進学には7.5程度のスコアが求められます。出願資格として明確に記載している大学も多いため、海外の有名大への進学を目指している方は早めに準備を始めましょう。
また、ただ7.5以上のスコアを取れば良いだけでなく、4技能それぞれで最低でも7.0以上が必要などバンドスコアの条件が指定されていることも少なくありません。そのため一つの技能だけで高得点を狙うのではなく、4技能をバランス良く学習することが重要です。
英語圏への移民・永住権申請
海外への移住を考えている場合、国によってはIELTSのスコアが7.5以上必要とされるケースもあります。IELTS7.5を条件としている国には、オーストラリアやアメリカ、カナダなど英語圏の国々があり、英語圏以外では6.0~7.0程度を基準にしている国が多いようです。
また、海外で看護師など特定の職種の業務に就く際に、IELTS7.5以上が求められるケースも珍しくありません。そのため、移住したい国の情報を調べることが重要です。一部の国を除けば、7.5より高いスコアを求められることはないため、まずは7.5を一つの指標として目指すのが良いでしょう。
ただ、移民・永住権申請に関しては学歴や就労経験なども問われるため、英語力だけで全て決まるわけではないことを覚えておいてください。
MBAの取得
海外でMBAを取得したい方は、ビジネススクールへ入学する際にIELTS7.5以上を求められることがあります。例えばイギリスのロンドンビジネススクールや、アメリカのハーバードビジネススクールなど、有名なビジネススクールに関しては7.5以上が最低ラインだとされています。
なかには7.0を最低ラインとしているところもありますが、基本的には高ければ高いほどアピールしやすいため、最低でも7.5を目標に勉強しておくのが良いでしょう。
ただ、ビジネススクールの入学に際してはIELTSだけでなくTOEFLが使えることもあるので、どちらでも良い場合は自分の得意な試験を受けるのがおすすめです。
IELTS7.5をとるにはどんな勉強をすればいい?対策は?
IELTS7.5を取得するためには、一体どのような学習方法が合っているのでしょうか。ここでは、目標スコアを達成するためにすべき4技能の鍛え方を紹介しているので、これから本格的に対策を始める方は押さえておきましょう。
IELTS用の単語帳をマスターしよう
IELTSで7.5を取得するためには、3,000~3,500程度の単語数が必要だとされています。単語力は4技能の基盤となる重要な要素であるため、確実に押さえなければいけません。
そこで、学習に使う単語帳にはIELTSに特化したものを選びましょう。例えば「実践IELTS英単語3500」は初心者から上級者まで幅広いレベルに適しており、これから本格的に学習を始める方でも使いやすく感じるはずです。
IELTSの試験に登場する英語はほかの試験とそこまで変わりませんが、専用の単語帳を使うことで頻出する言葉や類義語を効率的に覚えられるのがポイント。
また、単語帳のなかには音声ダウンロードが付いているものもあり、発音を確認しながら単語力とリスニング力が同時に鍛えられます。
精読→速読で素早く英文を理解できるようになろう
特にリーディングで役立つ学習方法が、精読をしてから速読をする訓練です。精読とは一つ一つの文章をしっかりと読み込む作業のことで、それに対して速読とは文章を速く読む作業のこと。はじめに精読の作業を通して文章の構造を理解することで、語彙力や文法力の土台を固めることが可能です。
精読の手順としては、まず英文を読んで、理解できなかった単語や文法にマーカーを引きます。そして一通り英文を最後まで読んだ後は、マーカーを引いた単語の意味を調べたり、文法や文章の構造を詳しく分析したりしてください。文章の構造がよく分からないときは、一度SVOなどの品詞に分解するのがおすすめです。
まずは精読で英文を細かく読めるようになってから、速く読む練習に取りかかることが重要。いきなり速読の訓練を始めるよりも、スムーズに英語を理解できるようになります。
発音の矯正をしよう
発音を矯正すると聴き取れない単語が減り、リスニングとスピーキング両方のスキルを上げることが可能です。
例えばリスニングで「音が聞き取れない」という悩みを抱える方は多いですが、その理由として“自分でも正しい発音を理解していないこと”が挙げられます。正しい発音を知らないために脳が音を認識できず、ただの雑音として聞き逃してしまうのです。
発音を学習する際は、基本的な発音記号から勉強するのが良いでしょう。数が多く面倒に感じるかもしれませんが、どれも規則性があるため一度覚えてしまえば簡単には忘れません。
また発音を矯正する際は自分の音声を録音して聞き返したり、ELSAなどの発音矯正アプリを活用したりするのがおすすめです。
シャドーイングとリプロダクションで耳を鍛えよう
シャドーイングとリプロダクションを繰り返すことで、リスニング力やスピーキング力の向上につながります。まずシャドーイングとは、流れる英語の音声を後ろから影のように追いながら読み上げること。リプロダクションとは、一つの英文を聞き終えてから、その英文を同じように読み上げることです。
リプロダクションは難易度が高いため、まずはシャドーイングができるようになることを目指しましょう。この2つのトレーニングを行うことで、英語の発音が聞き取れるようになることに加え、英語独特のイントネーションを理解できるようになります。
また、発音を真似することで、自身の発音を矯正することも可能。このシャドーイングとリプロダクションはプロの通訳を目指す方も実践する効果的な方法のため、確実に成果を出したいのであれば試す価値はあると言えるでしょう。
流暢にしゃべれるよう訓練しよう
IELTSのスピーキングテストでは、語彙力や文法の正確性だけでなく流暢性も問われます。いくら英語の知識があっても、話す訓練を別でしておかなければ言葉につまってしまうもの。英語を話すことに慣れるためにも、オンライン英会話などを利用して毎日話す練習をしておくのがおすすめです。
オンライン英会話は会社によって特性が異なりますが、IELTS専用のコースを用意している会社を選ぶのも一つの選択肢。また「まだスラスラと英語を話せる自信がない」という場合は、IELTS専用コースにこだわらず、初級者向けのコースで英語慣れするのも良いでしょう。
例えばレアジョブでは5,000以上の教材から自分に合ったものを選べたり、初心者向け日本人講師によるレッスンを受けられたりするので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
英字新聞や雑誌で知識を蓄えよう
IELTSでは、全体を通してさまざまな社会問題や学術的なトピックについて問われます。そのテーマに関する専門用語が登場することもあり、知識がなければ「何について話しているのかわからない…」と本番で固まってしまうことも。そのため日頃から英字の新聞や雑誌を通じて、社会問題や学術的なトピックに関する知識を蓄えておくことが重要です。
英字新聞というとレベルが高いイメージがありますが、政治や宗教などの難しいトピックに抵抗がある場合は、まずはライフスタイルなど日常的なトピックから触れるのがおすすめ。英文をじっくりと読み込み、分からない単語が登場したらその都度意味を調べましょう。
また、Japan Timesなどの日本語訳が付いている教材を選べば、自分がどこまで英文を読めるのか後から確認できるため学習しやすいですよ。
ライティングはIELTS専門の講師に添削してもらおう
ライティングは4技能を測る試験のなかでも特に難易度が高いとされていることから、そのほかの技能と比べてより力を入れて対策を練ることが重要です。
答えが決まっているリーディングやリスニングと違い、ライティングを自分ひとりで対策するのはなかなか難しいもの。そのためできれば、IELTSを得意としている講師に添削をお願いしてください。英会話教室やオンライン英会話を利用し添削してもらうことで、自身の苦手なポイントやミスをチェックしてもらえます。
また添削してもらうことで、語彙や文法だけでなく、英語の論理的な文章構成を学べるのも大きなメリット。さらに、ライティングを添削してもらうと同時に、時間内に文章を書き終えられるよう訓練しておくことも忘れないようにしましょう。
IELTS7.5のレベルと勉強法がわかったら
IELTSで7.5は確かに高い壁です。しかし、正しい学習法を知って、4技能を意識して伸ばせば、非現実的なスコアではありません。
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