英語ができない人でも外資系企業に転職できる？求められるレベルをご紹介

キャリアアップを目指して外資系企業への就職や転職を考えている場合、「英語ができないと難しいのではないだろうか」と不安に思うことがあるかもしれません。しかし、英語ができないと、本当に外資系企業へ転職することはできないのでしょうか。

この記事では、英語ができない人が外資系企業へ就職や転職することは可能かどうかや、外資系企業で求められる英語のレベルについてくわしく説明します。

英語ができなくても外資系企業に転職できる可能性はある

英語ができなくても、外資系企業に転職できる可能性はあります。外資系企業と一言で言ってもその業種や仕事内容はさまざまで、求められるスキルは異なります。外資系企業でも取引先は日本企業で、同僚も日本人ばかりで、英語はほとんど使わない、というケースもあります。

外資系企業で高い英語スキルが求められるのは、業務で英語を使う企業や、社内公用語が英語の企業です。このような企業では一定の英語力が入社時の条件となっていて、それに満たないと応募すらできないこともあります。

外資系企業に転職する場合はTOEIC 700点を目指そう

では、外資系企業に転職したいときに求められる英語のレベルは、具体的にどのくらいなのでしょうか。一般的に、外資系企業ではTOEIC700点が一つの目安と言われています。TOEICのスコアが700点以上あれば、英語で一般的なメールや電話のやり取りができます。外資系企業の上層部には外国人がいることが多いですが、700点以上なら社内でのコミュニケーションもほとんど問題なくできるでしょう。

外資系企業によっては、TOEIC800点以上が求められることもあります。TOEIC800点以上があれば、英語でのディスカッションに参加したり、報告書を自分で作成したりできます。取引先など外部関係者との英語での交渉が仕事内容に含まれる場合は、このくらいのレベルが求められるでしょう。

【業界別】外資系企業に転職する場合に求められる英語レベル

外資系企業ではTOEICのスコア700点が一つの目安になるとお伝えしましたが、業界によって求められるレベルは異なります。そこで、ここからは外資系企業に多い6つの業界を取り上げ、それぞれの業界で期待される英語のレベルを紹介します。

金融業界

金融業界の外資系企業は、投資銀行や証券会社、クレジットカード会社、生命保険会社などです。金融業界において、業務内で英語を使う場合は、ハイレベルな英語力が要求されます。仕事内容に直接お金が絡んでくるため、ささいなミスが致命的になってしまうこともあるからです。英語の細かなニュアンスを正確に理解できるとともに、相手にも誤解がないように正確に伝えられる英語力が求められます。

社内ミーティングや電話会議などでは、自分の意見を言うことがとても重視されます。それも単に発言するだけでなく、相手に納得させるような仕方で論理的に話すことが求められます。そのため、金融業界では、TOEICのスコアなどよりも、実践で使える英語を身につけているかという英語の実用性が重視されることも多くなっています。

IT業界

IT業界の外資系企業は、情報処理サービスやインターネット関連の会社などです。IT業界で求められる英語のレベルは、その企業が日本に進出してからどのくらいの期間が経っているかが関係しています。日本に進出して間もない企業の場合、マニュアルやノウハウは本社と同様であることが多いため、高いレベルの英語力が必要です。本社と密にやり取りをする必要があるため、実践的な英語力が求められます。IT関連の専門用語なども英語で理解し、正しく使いこなす必要があります。

一方、日本に進出して長い企業であれば、日本語でマニュアルや各種ルールなどが整備されていることもめずらしくありません。この場合、高い英語力がなくても採用してもらえる可能性が高いでしょう。

自動車製造業界

自動車製造業界では、全体的にそれほど高い英語力は必要とされていません。特に、自動車製造エンジニアの採用においては、英語力よりも専門的な技術の方が重視されることが多くなっています。高い英語力は必要としていないことをアピールしながら人材を募集する会社もあります。

営業も、主な仕事内容は国内顧客との交渉や打ち合わせであるため、それほど高い英語力は求められません。ただし、営業レポートを本社に提出するときなどは、英語で文章を作成する必要があります。

一方、本社勤務で世界の各拠点とやり取りをする場合には、世界のさまざまなアクセントの英語を理解できるなど、レベルの高い英語力が必要です。自動車製造関連の専門用語も理解しておく必要があります。

電子・機械メーカー

電子・機械メーカーでは、英語を使った実務経験が重要視されます。業務では、英語で記載された仕様書や図面などを扱うため、専門用語の理解も含めて高い英語力が必要です。部品調達や仕様書の確認などのために海外拠点とやり取りをすることも多く、英語でメールや電話を問題なくできるレベルが求められています。

ただし、自動車製造業界と同じように、営業職の場合はそれほど高い英語力は必須ではありません。普段は日本人の顧客と日本語でやり取りをするのみで、英語力に関しては日常会話程度でよいケースが多いでしょう。

医薬メーカー

医薬メーカーで求められる英語力も、職種によって異なります。高いレベルが要求されるのは、医療情報担当者のMRや研究職、開発職などです。このような職種では、医薬品に関する最新情報を英語で入手し、正確に理解しなければなりません。医療関係の専門用語も正しく理解している必要があります。

それとは対照的に、営業職では主に日本の医師を相手とするため、それほどハイレベルな英語は求められません。ただし、社内でのやり取りでは、報告書の提出など英語が必要なシーンがあります。

化学業界

化学業界の外資系企業では、高い英語力が求められるのは営業職です。海外とのオンライン会議やレポートの提出などが日常的にあり、ビジネスレベルの実用的な英語力が求められます。

技術職においては、英語でのディスカッションの機会は少なく、英語を使うのは主にメールです。そのため、日常会話程度の英語力があれば実務には支障がありません。化学分野の専門用語に関しては、すでに日本語としてなじみが深いものが多く、習得に苦労するということも少ないでしょう。

英語ができない人が外資系企業の転職を成功させる方法

業界別に求められている英語力が分かると、「英語に自信がなくても、よく選べば外資系企業への転職は可能である」ということが理解できたのではないでしょうか。そこで、ここからはその気持ちを後押しするために、外資系企業の転職を成功させるための具体的な方法を紹介します。英語に自信がない人も、以下のような方法を試してみて、外資系企業への転職に一歩近づきましょう。

英語力を重視していない企業や部署を選ぶ

1つ目の方法は、英語ができないのであれば、英語力を重視していない企業や部署を選ぶことです。外資系企業でも、業務で英語を使用しない仕事はたくさんあります。募集要項をよく読んで、どれくらいの英語スキルが求められているのかを確認してみましょう。特に、国内勤務の人材が募集されている場合は、高い英語力が求められていないケースが多くなっています。

取引先が国内企業か海外企業か、同僚や上層部の人員は外国人が多いかなどの要素によっても、英語を使う頻度や求められるレベルは変わってきます。英語ができなければ、取引先は国内企業で、社内コミュニケーションも日本語で行われている企業を選ぶのがポイントです。

ポテンシャル採用を行っている企業に応募する

2つ目の方法は、ポテンシャル採用を行っている企業に応募することです。ポテンシャル採用とは、今後の成長に期待して人材を採用することです。ポテンシャル採用を行っている企業なら、現在の英語スキルが求められているレベルに達していなくても、今後成長できるという見通しにより採用してもらえる可能性があります。

ポテンシャル採用において重視されるのは、意欲や熱意、適性などで、対象となるのは30代前半くらいまでの若年層です。英語力が基準に満たなくても、なぜこの会社で働きたいかを意欲的にアピールすれば、採用してもらえる可能性が高まるでしょう。

実務のスキルを磨く

3つめの方法は、英語力ではなく実務のスキルをしっかり磨くことです。外資系企業では英語力はもちろん重要ですが、職種や仕事内容によっては実務スキルの方が重視されます。それまでの経歴で専門的なスキルを持ち合わせていたり、必要な資格を持っていたりする場合は、英語力が乏しくても有用な人材とみなしてもらえます。特に専門職に応募する場合には、身につけているスキルや経験を積極的にアピールしましょう。

外資系企業に転職するための英語の磨き方

ここまでで、英語ができなくても外資系企業に採用してもらえる可能性があることをお伝えしてきました。しかし、その一方で、英語ができた方が転職にはずっと有利であることも事実です。ハイレベルの英語力があれば、キャリアアップや年収アップにもつながるため、英語力を底上げする努力を続けることはとても大切です。

この段落では、英語力を上げるためには具体的に何をすればよいのか、英語を磨くおすすめの方法を2つ紹介します。

まずは英語の基礎を身につける

1つ目は、まず英語の基礎を身につけることです。ビジネス英語と言うとハイレベルな英語というイメージがあるかもしれませんが、実際に使われているのは基礎的な文法が中心です。現在形・過去形・未来形、疑問詞など基本の文法をしっかり押さえて、必要な場面で実際に使えるようにしましょう。

どれだけレベルの高い英語を勉強しても、実際に使いこなせなければ全く意味がありません。ビジネスシーンで求められるのは、単に知識だけでなく、「実際に使える」英語です。簡単な単語や文法でも、使うことができればコミュニケーションは成り立ちます。

英語の基礎を身につけるのにおすすめの方法は、洋画や洋書などで英語に触れることです。自分の知らない英単語や言い回しに出会ったら、意味を調べて書き留めておきましょう。また、文法に関しては、TOEIC対策の教材を使って勉強するのがおすすめです。TOEIC教材の内容をひと通り理解できるようになったら、ビジネスのベースとなる英語の基礎力はほぼ身についたと考えてよいでしょう。

日常英語とビジネス英語の違いとは？

ここで、日常英語とビジネス英語は何が違うのかを知っておきましょう。日常英語ではくだけた表現が中心で、短縮形や省略形がよく使われます。否定形ではnotの短縮形が使われ、接続詞のthatは省略される、という具合です。

一方、ビジネス英語では省略形をあまり用いず、丁寧な表現が好まれます。buyではなくpurchase、butではなくhoweverなど、フォーマルな単語が使われるのも特徴です。ビジネスシーンできちんとしたビジネス英語を使えば、相手に失礼がなく、礼儀正しく丁寧な印象を与えられます。

学んだことをアウトプットする

2つ目は、学んだことをアウトプットすることです。ビジネスシーンでは「実際に使える」英語が求められるのはすでにお伝えした通りですが、学んだ知識を「実際に使える」レベルに引き上げるには、アウトプットが欠かせません。

特に、スピーキングやライティング能力を高めたいのであれば、アウトプットは必須です。日記を書く、独り言で英語を言ってみるなど、普段からアウトプットをする習慣をつけましょう。また、オンライン英会話でマンツーマンレッスンを受けるのも効果的です。レアジョブ英会話なら外国人講師との会話の中で、学んだ内容をアウトプットする機会が持てるのでおすすめです。

外資系企業に転職するための面接対策

最後に、外資系企業への転職で必須の面接対策について考えてみましょう。効果的に自分をアピールし、面接官によい印象を与えるためにできることを3つ紹介します。

企業や応募する職種について情報収集をする

1つ目は、企業や応募する職種についてリサーチすることです。企業についてよく調べたうえで応募すれば、入社後のミスマッチを避けられます。面接においてもその企業のことをよく知っているなら、入社への熱意が高いというアピールにもなります。

面接の練習や準備をする

2つ目は、事前に面接の練習や準備をしておくことです。面接はどうしても緊張してしまうものですが、前もって練習していれば心の余裕が生まれ、落ち着いて応対ができます。

面接で聞かれる質問はある程度決まっているため、事前に予想してどのように答えるか準備しておくことも大切です。面接でよく聞かれるのは、以下のような質問です。

Please introduce yourself. （自己紹介をしてください。）

What are your strengths/weaknesses?（あなたの長所と短所を教えてください。）

How would you describe yourself?（あなたの性格を教えてください。）

Why do you want to work for us? （志望動機は何ですか？）

What interests you about this position/job? （このお仕事にどのような点に興味を持たれましたか？）

What do you think you can contribute to our company? （弊社にどのように貢献できますか？）

What have you learned from your past jobs? （これまでの仕事からどのようなことを学んできましたか？）

英語で面接が行われる場合、このような質問に対して英語でスムーズに返答ができるように準備しておきましょう。

自分の意見をしっかりと伝える

3つ目は、自分の意見をしっかりと伝えることです。外資系企業では、自分の意見をしっかり持って積極的に発言できる人が好まれます。発言する内容はもちろん、意見を述べる姿勢や表情なども見られていることを意識しましょう。日系企業では謙虚な姿勢が好まれますが、外資系企業では謙虚さは「自信がない」「能力がない」と判断されがちです。謙虚さは面接ではいったん封印して、堂々とした態度で自分の意見を述べることが大切です。

このほか、面接では以下のようなことも注意しましょう。

しっかりと相手の目を見て話す

面接官が外国人の場合は、特にアイコンタクトが重要です。顔を上げ、恥ずかしがらずに相手と視線を合わせながら話しましょう。

自己紹介で話し過ぎない

自己アピールは大切ですが、自己紹介の時間の目安は3分です。経歴やスキル、保有している資格、今後の展望など要領よく話を展開し、長く話し過ぎないように気をつけましょう。

まとめ

英語ができなくても、業界や職種を選べば外資系企業に転職することは十分に可能です。また、英語の勉強を続けて英会話スキルを磨いておけば、可能性はさらに広がります。英語の基礎力を身につけるとともにアウトプットの練習もして、希望する会社に入社できるように準備しておきましょう。