うっかりしていて大切な物をどこかに忘れたり失くしたりしたことはありませんか?もし海外でそんな状況に出くわしたら、英語でどのように説明すればいいのか困ってしまう人もいることでしょう。また、誰かがなにかを落としたときに「落としましたよ!」と英語で表現できれば、日本国内にいる外国人にも気軽に声がかけられますよね。
この記事では、そんな困った状況ですぐに使える忘れ物に関する英語フレーズをお届けします!
「忘れ物」を表す英語
一口に「忘れ物」といっても英語ではいくつか表現があるため、「英語で“忘れ物”はなんていうの?」という質問に「○○だよ!」とシンプルには答えられません。まず、名詞としての「忘れ物」を表すフレーズから見ていきましょう。
カジュアルな表現
一般的に日常でよく使われる英語フレーズです。忘れた場所がわかっている場合とわかっていない場合では表現が異なるので注意しましょう。
忘れた場所がわかっている場合
忘れた場所がわかかる場合は「things left behind」です。left behindはleave behind (置き去りにする・取り残される)の過去形で、things left behindで「置き忘れた物」を意味します。
things left behind (忘れ物)
an umbrella left behind (忘れ物の傘)
smartphones left behind (忘れ物のスマホ)
ちなみに、「取り残された」を意味するleft behindは実質的に置いてきぼりにされたり、授業やレースなどについていけずに置いていかれたりした場合にも使われます。
I was left behind. (私は置いてきぼりにされた)
I got left behind at school with the maths. (学校の数学の授業についていけなかった。= 置いていかれた)
忘れた場所がわからない場合
忘れた場所がわからない、つまり「失くした」場合は、忘れ物は「lost item」「lost something」と表現します。lostはlose ([うっかりしていて物を]失くす)の過去形です。
lost item (遺失物・落とし物)
I helped my friend find a lost item. (私は友人の紛失物を見つけるのを手伝った。)
上記の文のように表現できますが、失くした物(例:find her purse [彼女の財布を見つける])で表現した方が自然でしょう。また、findの前のtoは省略されます。
フォーマルな表現
上記2つよりフォーマルな「忘れ物」を表す英語フレーズを見ていきます。
lost itemのフォーマル表現
lost articleはすでに示したlost itemのフォーマル表現です。lost itemと同様に忘れた場所はわかりません。
lost article (遺失物・落とし物)
I had to sift through a pile of papers looking for the lost article. (失くした物を探すために書類の山を入念に調べなければならなかった)
sift throughは「入念に調べる」、a pile of papersは「書類の山」という意味。
「忘れ物の箱」を意味する表現
lost propertyは学校やホテルなどで忘れ物を集めて入れておく箱などを指す言葉で、人が施設などで置き忘れた物を指します。
lost property (box) (遺失物・忘れ物)
You should restore the lost property to its owner. (拾った物を落とした人に返すべきだ)
「遺失物取扱所」を意味する表現
lost and foundは駅や空港などの「忘れ物カウンター」や「遺失物取扱所」を表すフレーズです。たいてい「Lost and Found」という看板があるので見つけられますが、場所がどこかを尋ねる表現や遺失物取扱所での表現も示しておきます。また、アメリカ英語とイギリス英語では「遺失物取扱所」の表現が異なるので注意しましょう。
lost and found (遺失物取扱所) ← アメリカ英語
a lost property office (遺失物取扱所) ← イギリス英語
Where is the lost and found? (遺失物取扱所はどこですか?)
How can I get the lost and found? (遺失物取扱所へはどう行きますか?)
I’m looking for the lost property office. Do you know where it is? (遺失物取扱所を探しています。どこかご存じですか?)
Is there any possibility the lost one is back? (紛失した物が戻ってくる可能性はありますか?)
I’ve left my jacket on the Yamanote Line this morning. (今朝、山手線にジャケットを忘れてしまったのですが)
「~を探しています」と表現するときにはI’m looking for ~を使い、失くした物を探すときも同様です。
I’m looking for my credit card. ([失くした]クレジットカードを探しています)
「忘れ物をしちゃった」を表す英語フレーズ
次いで、自分がなにかを忘れたり失くしたりしたときにすぐに使える英語フレーズを、忘れた場所がわかる場合とわからない場合に分けて見ていきましょう。
忘れた場所がわかっている場合
忘れた場所がわかっている場合は、leftあるいはforgotを使います。
leftを使う場合
「I left something (ちょっと忘れ物をした)」と表現し、somethingには実際に忘れたアイテムを入れます。もちろんsomethingのままでも構いません。
I left my key inside my room. (部屋にカギを忘れてしまった)
I left something in the bathroom. (トイレに忘れ物をしちゃった)
また、ホテルやレストラン等に忘れ物をして問い合わせをする場合のフレーズも併せてチェックしてきましょう。
A: Excuse me. I checked out this morning, but I realized I left my glasses in the room. They are thick-frame glasses. Could you please check it for me? (すみません。今朝チェックアウトしたのですが、部屋にメガネ忘れたことに気づいたので。フレームの太いメガネです。[私のために]調べていただけませんか?)
B: Certainly. What was the room number? (承知しました。お部屋番号は?)
A: It was 903. (903室でした)
B: Please wait a moment. Are they black thick-frame glasses? (少々お待ち下さい。黒くてフレームが太いメガネですか?)
A: Yes, exactly. I will pick them up this evening. I really appreciate it. (はい、その通りです。今夜取りに伺います。心から感謝します。)
forgotを使う場合
「I forgot to bring something (持ってくるのを忘れた)」も、実際に忘れたアイテムをsomethingの代わりに入れます。もちろんsomethingのままでも構いません。また、上記で示した会話例のleft をforgotに変えてもいいでしょう。
I have to go back to my house, I forgot something. (ちょっと忘れ物しちゃった、うちに戻らなきゃ)
I forgot my book in his car. (彼の車に本を忘れた)
I forgot to bring my wallet. (財布を持ってくるのを忘れちゃった)
I forgot to take the rubbish out. (ゴミを出すのを忘れてしまった)
最後の文のように、bringの代わりにtakeを使う場合もあります。
忘れた場所がわからない場合
次は、忘れた場所がわからない、「失くした」という意味の英語フレーズです。「I lost something (失くし物をした)」のsomethingには実際に失くしたアイテムが入ります。
I have lost my ticket. (切符をなくしてしまった)
I lost the watch. (腕時計を失くした)
I heard that you have lost your camera. Could you find it? (カメラを失くしたと聞きました。見つかりましたか?)
忘れ物や落とし物で人に声をかけるフレーズ
次に、「忘れ物はない?」「これはあなたのですか?」「落としましたよ!」など、他の人に忘れ物をしないように注意を促したり忘れ物や落とし物を目にしたりしたときに便利なフレーズを見ていきます。
「忘れ物はない?」と注意を促す場合
レストランや友人宅などを出る際に、「忘れ物はありませんか?」と注意を促す英語フレーズです。日常会話では以下のように、「You got everything?」のように疑問文にしないで尋ねる場合もあります。
Do you have everything? (忘れ物はない?)
You guys got everything? (みんな忘れ物はない?)
Are you all ready? (みんな準備はできた? = 忘れ物はない?)
Don’t forget anything! (忘れ物をしないでね!)
Make sure we have everything. (忘れ物がないか確かめて)
ちなみに、youは単数と複数を表すと学校で習ったかもしれませんが、単数しか表しません。複数で「あなたたち」と表す場合は、「you all」「All of you」「you guys」などと表現する必要があるので併せて覚えておきましょう。
「落としましたよ」と声をかける場合
前を歩いている人などがなにかを落としたときに、「落としましたよ」と声をかける英語フレーズです。見知らぬ人には「Excuse me. (すみません)」と声をかけてから、以下のように表現するといいでしょう。
You dropped something. Is this yours? (なにか落としましたよ。これはあなたのですか?)
somethingを実際に落としたアイテム(例:your wallet [財布])で表現してもいいのですが、「something (なにか)」にとどめておく方がプライバシーに踏み込まないので印象がいいかもしれません。
「忘れましたよ」と声をかける場合
レストランなどで近くの席にいた人がなにかを忘れたときに、「忘れましたよ」と声をかける英語フレーズです。この場合も、「Excuse me」と声をかけてから以下のように表現しましょう。
(I think ) you forgot something. (なにか忘れましたよ。)
somethingには実際に忘れたアイテムを入れてもいいのですが、「something (なにか)」のままでも十分相手に伝わります。また、I thinkを入れて「なにか忘れたと思うのですが」と表現してもいいでしょう。もちろん、forgotの代わりにleftを使うこともできます。
誰かに「忘れましたよ」と声をかけられた場合
自分がなにかを忘れたり落としたりして、誰かに「忘れましたよ」「落としましたよ」と声をかけられたときの返事も見ておきましょう。このような場合は、当然のことながらお礼を述べます。
Thank you so / very much. (どうもありがとうございます。)
I really appreciate it. (本当に感謝します。)
I’m grateful to you. (あなたに感謝します。)
You have saved my life! Thank you! (お蔭で命拾いをしたよ!ありがとう!)
最後の一文は財布などを落とした人が時々いうウイットに富んだ表現です。
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