英語では「あなたたち」にYouを使わない?!ネイティブが使う自然な表現を覚えよう

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英語は日本語と比べて単数形と複数形が明確な言語です。例えば、日本語で「花をもらいました」と表現すると、一本の花(a flower)なのか、何本かの花(some flowers)なのか、花束(a bunch of flowers)なのかわかりませんが、英語では明確ですよね。

同様に指示代名詞も、「これ」がThis、「これら」がThese、「それ」「あれ」がThat、「それら」「あれら」がThoseのように単数形と複数形が異なります。人称代名詞でも、一人称の主格(IとWe)と三人称の主格(He/She/ItとThey)では単数形と複数形が異なります。けれども、二人称のYouに関しては区別がありません。

ですから「あなたたち」と複数の人を表すときにもYouを使いますが、ネイティブのほとんどはカジュアルな会話で「あなたたち」にYouのみを使うことはありません。

この記事では、ネイティブが複数の人に対してYouを使わない理由や、「あなたたち」を意味する英語表現を解説します。さまざまな表現の違いを覚えて自然な英語を目指しましょう!

Youに対するネイティブの感覚

「あなたたち」という複数形でYouを使うのは、文法的に誤りではありません。つまり、日本の英語教育で習うことに間違いはなく、一人の相手に対しても、複数の相手に対しても二人称で使えるということ。

けれどもネイティブのほとんどが日常会話で「あなたたち」にYouを使いません。その理由を探るとともに、Youに対するネイティブの感覚を解説します。

単数でも複数でも使われるYouの歴史

中世の英語(11世紀から15世紀)において、二人称単数形の主格は「thou(ザウ)」で、「汝」や「そなた」のような意味。そして二人称複数形の主格は「ye(イィー)」で、「汝ら」や「そなたたち」という意味でした。

中世の英語において、二人称には相手に対する敬意や礼儀正しさを表す役割もあったそう。単数形のthouはより親しい関係や同等の立場の相手に対して使われ、「君」「お前」のようなニュアンスでした。一方、yeは複数形だけでなく、単数形としても敬意を表すために使われていたそう。言語の変遷や社会的な影響を受けながら、時間の経過とともに敬意の必要性が薄れ、yeがyouに変化し、一般的かつ標準的な形として受け入れられていったようです。

このようにYouの歴史を振り返ると、元は異なる単語を使っていたことがわかります。

ネイティブには「You = あなたたち」という感覚がない

多くのネイティブは、「Youは単数形」で「あなたたち」を表す複数形では使わないと主張します。つまり、ネイティブには「You = あなたたち」という感覚がありません。文法的にYouが「あなたたち」を示すことが正しくとも、そのような感覚を持ち合わせていないのです。

言い方を変えると、ネイティブは「You = あなた」という感覚で、一人の相手に対してのみ使うということ。ですから、複数の人に対して「See you!(またね!)」と表現するのは不自然で、言われた方も誰に言った言葉なのか理解できません。Youのみの場合は「対象は一人」と覚えておきましょう。

これは一人の相手に対して使うYouと、複数の人に対して使うYouを区別するネイティブの自然な感覚で、元々単数形と複数形を使い分けてきた歴史に由来するのではないでしょうか。

「あなたたち」にYouが使われる場合

すでに述べたように一対一の会話でYouが使われますが、文法的な誤りがないため「あなたたち」という複数の人を指す場合にも使われます。「あなたたち」を表すYouは、多くの人に向けてのスピーチや、特定の相手を指定しない場合などです。いくつか例を示しておきましょう。

Ladies and gentlemen, I appreciate each of you being here tonight. (ご列席のみなさん、今夜はお越しいただき、ありがとうございます)

You cannot obtain a driver’s license until you are 18 years old. (18歳にならないと運転免許を取得できません)

If you’re looking for information, you can find it on our website. (情報をお探しの場合は、当社の Web サイトで見つけることができます)

ネイティブが使う「あなたたち」の自然な表現

ネイティブがYouを一人の相手に対して使うことがわかったところで、複数の人に対してどのように「あなたたち」を表現するのか見ていきましょう。いくつか異なる表現がありますが、シチュエーションによっては避けた方がいい場合もあるので注意しましょう。

You guys

You guysはカジュアルな場面で最もよく使われる表現です。guyは「男の人」や「奴」という意味なので男性に対して使えますが、男女のグループに対してguysと表現しても問題ありません。ただし、女性だけのグループには向いていないので注意が必要です。

また、カジュアルな表現なので、目上の人や上司などには使わない方がいいでしょう。

Hey, you guys, did you have a good time at the concert? (ねえ、みんな、コンサートは楽しかった?)

Guess what, you guys? We’re going on a family vacation next month! (みんな、ちょっと聞いてくれる?来月家族旅行に行くことになったんだよ!)

You + ◯◯

You + ◯◯はYou guysに似た表現で、guysの代わりに他の「人を表す名詞の複数形」を置きます。例えば女性だけのグループの場合、You guysは適していないのでYou girlsのように表現するといいでしょう。

girlsの他にも、boys、kids、ladies、gentlemenなどで表現できます。また、studentsやteachersなどを使う場合は、特定の生徒や先生を対象にした表現です。

How’s it going, you boys? Long time no see! (調子はどうだい、みんな?久しぶりだね!)

How about a girls’ night out, you ladies? We could go see a movie. (みんな、女子会はどう?映画でも見に行こうよ)

As a reminder, you students have a quiz next Friday. (念のため言っておきますが、生徒のみなさん、来週の金曜日に小テストがあります)

You + 数詞

You + 数詞は、「あなたたち二人」「あなたたち三人」のように特定の人数に対して使う表現。数詞とは、one(1)、two(2)、three(3)のような数のこと。「あなたたち二人」の場合は、you bothでも表現できます。

What are you two planning for the weekend? (あなたたち二人は週末に何を計画しているんですか?)

Are you both planning to attend the family gathering next month? (来月の家族の集まりに二人とも参加する予定なの?)

You three, make sure to finish your homework before going out to play. (三人とも、遊びに行く前に必ず宿題を終わらせてね)

この表現は「数詞 of you」の形でも意味は同じで、both of youとしてもいいでしょう。

I heard two of you are planning a surprise for mother’s birthday. Can I help? (お母さんの誕生日のサプライズを二人が計画していると聞いたよ。手伝えることがある?)

Congratulations to both of you on your engagement! (二人とも、ご婚約おめでとうございます!)

Is it true that the three of you will be traveling to France next year? (来年三人でフランスへ旅行するって本当ですか?)

You all

You allはグループ全体を指した表現。「あなたたちみんな」というニュアンスで、アメリカでよく使われます。この表現もAll of youの形で表現でき、You allよりフォーマルな表現。どちらかと言うとYou allは、友達、仲間、同僚のような親しい関係においてよく使われます。目上の人やビジネスの場ではAll of youの方が無難かもしれません。

You all are invited to the family barbecue on Sunday. It’s going to be a great time! (みなさんは日曜日の家族のバーベキューに招待されています。素晴らしい時間になりますよ!)

I appreciate all of you for your hard work. (みなさんのご尽力に感謝しています)

また、All of youのような丁寧でフォーマルな表現には、EveryoneやEach of youなどもあるので併せて覚えておきましょう。

I’d like to express my gratitude to each of you for your contributions. (お一人お一人の貢献に感謝の意を表したいと思います)

You lot

You lotは主にイギリス英語で使われる口語的な表現。you allやyou guysのように、友人、同僚、グループ全体を指すときに使われます。

Fancy grabbing a drink after work, you lot? (仕事の後、みんなで飲みに行かない?)

Many thanks to you lot for helping with the project. We couldn’t have done it without you. (プロジェクトの手伝い、どうもありがとう。君たちなしではできなかったよ)

ちなみにfancyは動詞で、主にイギリス英語の口語で使われ、「~することを好む」「~したい気がする」という意味。

Yous

Yousは文字通り、Youに複数形の「s」をつけた非標準的な表現。イギリスの一部地域(アイルランドやスコットランドなど)の方言として使われたり、オーストラリアなどで友人やグループに対して使われたりします。

What do yous think about the new changes at work? (職場の新しい変更について、君たちの意見はどう?)

I’m thinking of going to the beach this weekend. Any of yous interested? (今週末ビーチに行こうと思っているんだ。君たちの中で興味ある人はいる?)

※Any of yous interested? はカジュアルな表現のため、動詞が無くても問題なく、ネイティブはそのように会話します。もし動詞を追加するとしたら、Are any of yous interested?となります。

Y’all

Y’allはアメリカ南部の方言で、親しみを込めたコミュニケーションに適しています。you allの短縮形で、「ヨール」と「ヤーゥ」の中間のような発音。

Y’all up for grabbing some lunch together? I know a great spot nearby. (みんな、一緒にランチでもどう?近くに素敵なところがあるよ)

How’s it going, y’all? Anything new and exciting happening in your lives? (みんな、元気?最近何か新しいエキサイティングなことがあった?)

※Anything new and exciting happening in your lives? も先ほどと同じくカジュアルな表現なので動詞が無くてもOKです。

ネイティブが使う自然な「あなたたち」を使ってみたいなら

相手や場面あるいは国などによって、「あなたたち」を指す英語表現はいくつかあります。最も大切なことは、Youだけを複数の人に対して使うと不自然な英語になるということ。英語スキルを上げるには、このようなネイティブの感覚を知ることも重要です。

ネイティブが使う自然な「あなたたち」を使ってみたいという人は、ぜひ、レアジョブ英会話の無料体験レッスンを活用してみましょう。

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