アメリカ英語とイギリス英語はココが異なる!両者の違いを徹底解説

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英語を学んでいて、アメリカ英語とイギリス英語の違いに驚いたことがあるかもしれません。発音の違いも大きいですが、スペルや使われる単語、一部の文法も異なります。日本でいえば標準語と大阪弁といった感じの違いになります。世界的にはイギリス英語が主流で、いわゆる標準語にあたります。特にビジネスの場ではイギリス英語が基本となります。

日本は第二次世界大戦後の社会的影響もあり、学校でもアメリカ英語を主に学んでいると思いますし、映画や音楽もアメリカのものをより多く目にしたり耳にしているでしょう。しかし現在のアメリカのベースはイギリスからの入植者ですし、世界の英語圏の多くは現在や過去にイギリスの植民地であったり、イギリスからの入植者によって英語が普及された国です。

特に仕事で海外とのやりとりが多い方や、アメリカ以外の英語圏に留学予定のある方は、知識として大まかな違いを知り、戸惑うことのないようにしましょう。

アメリカ英語とイギリス英語の主な違い

アメリカ英語とイギリス英語は、大きく分けてスペル、発音、文法、単語という4つの違いあります。ここでは代表的な違いについて解説します。

スペルの違い

er(米)→ re(英)

単語の語尾のeとrが入れ替わります。

center(米) → centre(英)

letter(米)→ lettre(英)

ze(米)→ se(英)

動詞の語尾がアメリカでzeとなるものが、イギリスではzの代わりにsが使われます。

organize(米)→ organise(英)

recognize(米)→ recognise(英)

or(米)→ our(英)

イギリスでは語尾がorのoとrの間にuが入ります。

color(米)→ colour(英)

labor(米)→ labour(英)

e(米)→ ae/oe(英)

アメリカでeがイギリスではaeあるいはoeになるものがあります。特に医学などの専門用語にこの傾向がありますが、archaeologyのように両国とも同じスペルという例外もあります。この場合アメリカではaを省いたarcheologyもよしとされていますが、イギリスでは間違いです。

maneuver(米)→  manoeuvre(英)

pediatric(米)→ paediatric(英)

maneuverはイギリスでは語尾のeとrも入れ替わることに注意しましょう。

og(米)→ ogue(英)

イギリスでは語尾のogにueが追加されます。ただしアメリカでもogueの形が一般的な単語も多いです。

catalog(米)→ catalogue(英)

dialog/dialogue(米)→ dialogue(英)

この例ですと、アメリカではdialogueは会話、dialogは会話の吹き出しの意味で使い分けられています。このようにアメリカではgueにならず、gで終わる場合は主にコンピューター関連の用語として意味の使い分けがされているものも多くあります。

発音上の違い

普段耳にすることの多い大きな発音の違いは次の3つです。

rの発音

rはアメリカでは舌を巻いた音になりますが、イギリスでは母音の後にくるrは発音されません。例えば、carはアメリカでは平たくいえば「カール」のように聞こえますが、イギリスでは「カー」のように聞こえます。この点で日本人にはイギリス英語の方が発音しやすいといえます。

なお、poreなどのようにrの後に母音がくる場合は、イギリスでもrが発音されます。

tの発音

イギリスではwaterのtはしっかり発音され「ウォーター」となりますが、アメリカではカタカナで書くと「water = ウォーラー」のようにラに近い音に聞こえます。アメリカで発音されるtは舌を軽く震わせるフラップという音になり、「dを素早く発音したような音」と表現されるように、ネイティブにはどちらかというとdに近い音に聞こえるようです。実際、舌をはじく位置はlではなく、もう少し後ろのdの位置になります。

canの発音

アメリカでは「キャン」あるいは「キャーン」のように発音されますが、イギリスではシンプルに「カン」と発音されます。

文法上の違い

過去形・過去分詞の末尾がed(米)→ t(英)

learned、burned、dreamedのように過去形・過去分詞の末尾がedのものは、イギリスではlearnt、burnt、dreamtのようにedの代わりにtになります。

アメリカ英語は集合名詞が単数

アメリカでは、集合名詞は単数として扱われます。staffは従業員として一つのグループ、bandはミュージシャンとして一つのグループ、teamはスポーツ選手の集まりとして一つのグループという具合です。

例えば、アメリカでは”The band is great!”(このバンド最高!)というように単数で表現されますが、イギリスでは単数の “The band is great!”も複数としての “The band are great!”のどちらも使われますが、複数として扱われることが多いようです。

過去の表し方の違い

イギリスでは現在に関連すると思われる過去の行動について話すとき、現在完了が使われます。一方アメリカでは、ある行動が終わったと考えるときには過去形が使われますが、このケースは特に副詞のalready、just、yetでよく見られます。

「ちょうど昼食をとったところです」
アメリカ:I just had lunch.
イギリス:I’ve just had lunch.

「もう宿題したよ」
アメリカ:I already did my homework.
イギリス: I’ve already done my homework.

「もう歯を磨いた?」
アメリカ:Did you brush your teeth yet?
イギリス: Have you brushed your teeth yet?

gotten(米)→ got(英)

イギリスではgetの過去分詞はgotですが、アメリカではgottenが使われます。ただし、所有や必要性の場合はアメリカでもhave gottenにはならず、have gotが使われますので注意しましょう。

「彼はすごく太ったね」
アメリカ:He’s got so fat.
イギリス: He’s gotten so fat.

「君は怪我をするところだったよ」
アメリカ:You could have got hurt.
イギリス: You could have gotten hurt.

ただし、次の場合は米英共にgotを使います。

「10ドル持ってる?」→所有
Have you got $10?
(Have you gotten $10?とは言わない)

「もう行かないと」→必要性
I’ve got to go.
(I’ve gotten to go.とは言わない)

使われる単語の違い

イギリスとアメリカでは日常的に使われる言葉で異なるものがたくさんあります。私の住んでいる香港はイギリス英語が基本なので、日常で使われる単語は主にイギリス英語です。実際日常でよく使っていたり耳にするものをリストにしました。このほかにも本当に数多くありますので、ご興味ある方は調べてみてくださいね。

(アメリカ)(イギリス)
トランクtrunkboot
薬屋drugstore/pharmacychemist
なすeggplantaubergine
ゴミgarbagerubbish
ゴミ箱trashcanbin
一階first floorgroundfloor
フライドポテトfrench frieschips
ポテトチップスpotato chipscrisps
映画館movie theatercinema
アパートapartmentflat
ガスgaspetrol
消しゴムeraserrubber
fallautumn
郵便mailpost
スニーカーsneakerstrainers
ズボンpantstrousers
(pantsはイギリスでは下着のこと)
歩道sidewalkpavement
エレベーターelevatorlift
電話するcallring
セーターsweaterjumper
映画moviefilm
オムツdiapernappy
キャンディcandysweets
小包packageparcel
祝日public holidaybank holiday
休暇vacationholiday/hols
往復round tripreturn
片道one waysingle
サッカーsoccerfootball
(footballはアメリカではアメリカンフットボールのこと)
トラックtrucklorry
掃除機vacuum cleanerhoover
持ち帰りtakeouttakeaway
学校の休憩時間recessbreak
駐車場parking lotcar park
復習するreviewrevise
試験を受けるtake an examsit an exam

アメリカ英語とイギリス英語に関する豆知識

最後に豆知識として、アメリカ英語とイギリス英語に関するいくつかの興味深いお話をご紹介します。

アメリカ英語の方が古い

アメリカ英語の方が古い、といってしまうと語弊がありますが、現代の英語ではアメリカ英語の方が移植当時の古い英語が使われています。特に発音では16-17世紀当時の音が数多く残っており、代表的なものは「r」の発音です。あの強いrは実はシェークスピア時代にイギリスで話されていたものなのです。現在のアメリカ英語はシェークスピア時代の日常会話に近いと言われています。

移植が行われた当時が、ちょうど英語が変化していく過渡期でした。イギリスではそれから現在の英語へと変化を遂げましたが、陸続きではないアメリカではイギリスの変化の波の影響を受けず、そのまま古い形式が保たれました。そしてさらに独自の言葉へも変化をしていき現在のアメリカ英語としての形になったということです。

なおイギリスでは南部の新上流階級が自分たちを区別するために、もっと柔らかいrの発音を好むようになり、それが広まったそうです。

イギリス英語はフランスの影響が強い

イギリス英語はフランス語の影響を非常に強く受けていますが、2度影響を受けるきっかけになった時期があります。

最初は11世紀にウィリアム征服王がイギリスに侵攻したときです。ノルマン系フランス語を持ち込み、学校、裁判所、大学、上流階級で使われる高尚な言語としようとしましたが、定着せず、当時のあらゆる言語の影響が混在した中世の英語へと進化してきました。

2度目は1700年代で、イギリスではフランス語風の単語やスペルを使うことが流行しました。この時アメリカでは陸続きではなかったため、この流行にはまったく影響を受けませんでした。現在のイギリス英語はこの時の影響が残っているため、アメリカ英語よりもフランス語との言語的類似性が高くなっています。単語もフランス語と同じ、あるいは似ているものが非常に多く、フランス語話者が英語を簡単だと感じる理由もこの辺にあるようです。

一方アメリカでは辞書の編纂がウェブスターによって行われ、イギリス英語と異なるスペルに変えることでイギリス支配からの独立を示そうとしました。例えばcolourのようにourで終わる単語の多くはフランス語の影響を受けていますが、ここからuを除いてcolorにしたり、organiseの「se」のように発音が「z」であるものを音に合った形のorganizeに変えたり、といったことがあげられます。

イギリス英語は世界で最も魅力的!?

イギリス英語が2018年のCEOWORLD誌の調査で世界一魅力的なアクセントとして選出されました。「英語のアクセントはフランスやジャマイカのアクセントがセクシーだ」という人に何人も会ったことはありましたが、イギリス英語に関して特にそういった話を聞いたことがなかったので個人的には意外な結果でした。おそらく英語ネイティブは除外されての意見だったのでしょう。

トップ5はイギリス英語以下、アイルランド、オーストラリア、アメリカ、フランスとなっており、日本語なまりも11位にランクインしています!英語が公用語や準公用語ではない国で、フランス、ドイツに続いての3位です。「自分は英語の発音は下手だから恥ずかしい」などと言わず、自信を持ちましょう。

(出典)
Revealed: The Most (And The Least) Attractive English Accents In The World – CEOWORLD magazine

イギリス英語とアメリカ英語の違いがわかったら

イギリス英語とアメリカ英語のどちらがより優れているとか、ベターだということはありません。どちらか好きな方を中心に学習を続けましょう。ただしごっちゃになると変なので、一方を集中して身につけ、その上で知識として違う点を頭に入れておくといいと思います。世界ではアメリカ大陸とフィリピンなどのアジアの一部地域を除いてイギリス英語が基本です。留学や海外移住を考えているのであれば、行く予定の国に合わせて選んでもいいかもしれませんね。

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