英語の動名詞がよくわかる!混同しがちな「to不定詞」や「現在分詞」との区別も解説!

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英語の動名詞とは動詞をing形にして名詞として使用する用法です。例えばeat(食べる)ならeating、have(持つ)ならhavingといったように形を変え、名詞の役割を持たせて使用します。形としては単純ですが、さまざまな用法があるため学習者の悩みの種となることが少なくありません。同じようにing形にする現在分詞と混同したり、不定詞との違いがわからなかったり、そもそも「動名詞ってなに?」という人もいるでしょう。そんな人のために、今回の記事では動名詞の文法的な役割や意味について、例文を交えながら解説していきます。

動名詞の特徴|動詞と名詞の性格を持つ

動名詞はそもそも動詞からできているので、当然ながら動詞としての意味を持ちます。形が変わるからといって、元々持っている意味まで大きく変わってしまうことはありません。一方、役割としては名詞の性質を持ちます。動詞と名詞の両方の性格を持つのが動名詞の特徴です。以下では、動名詞の特徴について、一つずつ見ていきましょう。

名詞と同じ文の要素になる|名詞的性格

名詞は、文章を構成する大事な要素であり、主語、補語、動詞の目的語、前置詞の目的語になります。動名詞は名詞の仲間なので、名詞と同じ文の要素になることができます。動名詞がどのように文の要素となるのか、以下で例文とともに確認しましょう。

「主語」になる場合

Singing is fun.(歌うことは楽しい。)

Swimming makes me relaxed.(泳ぐことは私をリラックスさせてくれる。)

動名詞は主語として使うことができ、動名詞の場合は「~すること(は)」と訳されることが多いです。上記の例文の場合、最初の文章ではSingingがisの主語、2番目ではSwimmingがmakesの主語になっています。動名詞は、基本的に不可算名詞の扱いになるため、動名詞が主語の場合の動詞は、三人称単数の形にする必要があります。

「補語」になる場合

My hobby is playing tennis.(私の趣味はテニスをすることです。)

The purpose of my stay is visiting my friends.(滞在の目的は友達を訪ねることです。)

補語とは名詞と動詞のみでは文章が成立しない場合、主語を補って文章を完成させる語句のことです。例文ではplaying tennis(テニスをすること)、visiting my friends(友達を訪ねること)の部分がそれぞれの文の補語にあたります。意味で見たときに、「主語=補語」の形になるのが特徴です。

動詞の「目的語」になる場合

I like having a party with friends.(私は友達とパーティーをすることが好きです。)

I started learning English last year.(私は昨年、英語を学ぶことを始めました。)

最初の文章の動詞はlike、2番目の動詞はstarted、そして動名詞はそれらに対する目的語です。動詞の後ろに目的語として動名詞が置かれ、動詞の内容を詳しく説明します。ポイントとしては、目的語を取る他動詞が文の動詞になるときに限ります。

前置詞の「目的語」になる場合

She is good at playing the piano.(彼女はピアノを弾くことが得意です。)

I am interested in taking a Spanish class.(私はスペイン語の授業を受けることに興味があります。)

前置詞の後ろには必ず名詞がきます。「〜すること」といった、動詞を含む内容を前置詞の後ろに置きたいときには、上記のように動名詞にすることで正しい文章を成立させることができます。

冠詞は基本つかない|動詞的性格

動名詞の動詞的な性格の表れとして、基本的に冠詞(a/an/the)はつけません。ただし、名詞的な意味合いが強い動名詞に関してはつけることもあります。

We have a meeting every Monday.(私達は毎週月曜日に会議をしています。)

上記の文章中のmeetingはmeet(会う)の動名詞ですが、一般名詞のような扱いで、冠詞がつきます。他にも動名詞由来の名詞は複数ありますが、meaning(意味)、ending(結末)など、「1つ、2つ、と数えられるもの」に冠詞がつく傾向があります。

動名詞の修飾は基本的に副詞|動詞的性格

名詞を修飾する語句は形容詞で、動詞を修飾する語句は副詞ですが、動名詞の場合は、動詞的な性格が影響して、副詞によって修飾されます。

Speaking English fluently is difficult.(英語を流暢に話すことは難しい。)

この例文では、speaking English(英語を話すこと)をfluently(流暢に)という副詞が修飾しています。

しかし、冠詞で説明したように、動名詞の中には名詞のニュアンスが強いものもあり、その場合は以下の例文のように形容詞に修飾されることもあります。

She loves beautiful paintings.(彼女は美しい絵画が好きです。)

この場合のpaintingはpaint(描く)の動名詞ですが、そこから発展して「絵」という名詞になっています。名詞的性格が強い動名詞なので、beautiful(美しい)という形容詞で修飾されていると同時に、paintingsと複数形で使われているのもポイントです。

意味上の主語が表されることがある|動詞的性格

He told me about Mary’s joining our party.(彼はメアリーがパーティーに参加することについて私に教えてくれた。)

例文でMary’s(メアリーの)が使われているように、myやhis、theirといった所有格の語句が動名詞の前につくことがあります。これは動名詞の意味上の主語を表わすためです。動名詞の動作が「誰によって行われるのか」を明確に示しています。

例文では動名詞”joining”(参加すること)の前に”Mary’s”(メアリーの)がついています。これによって、「メアリーが参加すること」がわかりやすくなっています。

意味上の主語が表されない場合

一方で、動名詞の意味上の主語が省略されることもあります。省略されるのは、下記の3つの場合です。

(1)主節の主語と動名詞の意味上の主語が同じ場合

She has gone without saying good-bye.(彼女はさよならを言わずに行ってしまった。)

saying good-byeの意味上の主語は「彼女」であり、文の主語であるsheと一致します。

(2)目的語の主語と動名詞の意味上の主語が同じ場合

Thank you for cleaning my room.(部屋を掃除してくれてありがとう。)

動名詞、cleaning my roomの意味上の主語は「あなた」であり、thankの目的語であるyouと一致します。

(3)主語を指定する必要がない場合

Seeing is believing.(百聞は一見にしかず。)

厳密に考えると、意味上の主語はyou(世間一般の人々)となりますが、この文はことわざで、あえて書かなくてもわかるので記載されません。

(1)と(2)は文脈から判断できます。逆に言えば、文章全体を読んでも、動作主が判然としない場合には、主語を明示する必要があります。(3)は、ことわざや規則など、世間一般の人々のことや、普遍的なことを言う場合です。

「動名詞」と「to不定詞」の区別|どちらも「〜すること」を表す

動名詞と同じような働きをするものに「to不定詞」があります。どちらも「~すること」を表わし、似たような用法で使われることが多いので混乱する人も多いでしょう。中学英語では「動名詞=to不定詞」と教えられることも少なくなく、両者の違いについてそれほど意識していない人もいるのではないでしょうか。実際、ほとんどの場面では、どちらを使っても意味は通じます。しかし、この2つには明確な違いがあるので、以下で詳しく確認しましょう。

動名詞は「過去志向」

She gives up cooking Japanese cuisine.(彼女は和食を作るのをあきらめました。)

動名詞で表わされる動作には、過去のニュアンスが含まれます。例文の「和食を作る」はそれより前に経験のあることと考えられるので、使われるのは動名詞です。主節の動詞より前にその動作が行われたと考えられるフレーズであれば、動名詞を用いましょう。

to不定詞は「未来志向」

I wanted to see your mother.(あなたのお母さんに会いたかったです。)

to不定詞は、toから先に向かって進むイメージをもつ未来志向の表現です。上記の例文は過去形の文章ではありますが、wanted(~したかった)と思った時点においてsee(会う)はまだ行われていません。「wantedよりあとに起こること」=「これから起こること」と考えられるため、未来志向であるto不定詞が使われます。動名詞と同様に、文章や語句から未来志向が読み取れるならto不定詞が適切といえます。

「動名詞」か「to不定詞」か|動詞によって目的語が決まる

基本的に、動名詞とto不定詞のどちらも、動詞の目的語になりえます。ただし、動詞によっては、どちらかしか目的語に置けない場合や、どちらを目的語に取るかによって意味が変わる場合があります。これは文章のニュアンスによって左右されるものではなく、文法的なルールの話になるので、ぜひ以下を参考にしっかり覚えましょう。

動名詞のみを目的語にとる動詞

I’ve just finished cleaning up my room.(たった今部屋の掃除を終えました。)

You should avoid taking a shower when you have a cold.(風邪をひいているときは、シャワーを浴びるのは避けた方がいいですよ。)

She enjoyed playing baseball.(彼女は野球をすることを楽しみました。)

finish(終える)、avoid(避ける)、enjoy(楽しむ)は目的語に動名詞のみをとります。他にもmind(気にする)、suggest(提案する)、give up(諦める)などが後ろに動名詞を置きます。

to不定詞のみを目的語にとる動詞

Kenny decided to go abroad to study.(ケニーは留学することを決めました。)

They are planning to have a party this weekend.(彼らは今週末、パーティーを開こうと計画しています。)

I wanted to see her last night.(昨晩、彼女に会いたかったです。)

decide(決める)、plan(計画する)、want(~したい)の後ろに続くのはto不定詞のみです。他にもneed(必要とする)、hope(望む)、promise(約束する)なども、目的語にto不定詞をとります。これらのように、未来のニュアンスを感じさせる動詞は目的語にto不定詞を置く傾向にあります。ただし、すべての単語に必ずそのルールがあてはまるわけではないので注意が必要です。

動名詞もto不定詞も目的語になれる動詞

このように、動名詞かto不定詞のどちらかしか目的語におけない動詞は、一定数あります。上記で挙げた以外にもあるので、単語を覚えるときには目的語の用法も合わせて確認しましょう。一方で、どちらも置くことができる動詞、どちらを置くかによって意味が変わる動詞もあります。

どちらを取るかで意味が変わる

I remember to go to a post office.(郵便局に行くことを覚えています。)

I remember going to a post office.(郵便局に行ったことを覚えています。)

どちらもremember(覚えている)を使った文章ですが、若干ニュアンスが違います。to不定詞は「これからすること」を「覚えている」、動名詞は「過去にしたこと」を「覚えている」と、それぞれ未来志向と過去志向の文章になっています。

他にはstop(止まる、やめる)はto不定詞なら「~するために立ち止まる」、動名詞なら「~をやめる」という意味になります。forget(忘れる)、try(~してみる)などもどちらにするかによって意味が変わる単語です。単語を覚えるときや、文法問題などで出会ったときに、ひとつひとつ丁寧に確認しておきましょう。

どちらでも意味が変わらない

I like to play the guitar.(私はギターを弾くことが好きです。)

I like playing the guitar.(私はギターを弾くことが好きです。)

like(好き)のように、【繰り返し起こる動作】についてはto不定詞でも動名詞でも意味は変わりません。他には、love(好き)やhate(憎む)、start(始める)、begin(始める)も、どちらを使っても同じ内容を表わせます。

「動名詞」と「現在分詞」の区別|どちらも「〜ing」

現在分詞も動名詞と同じようにing形を作り、一見すると同じ形なので、混合しやすく注意が必要です。どちらも動詞の派生形であり、元来その単語が持つ意味やニュアンスは大きく変わりませんが、文章中で果たす役割が違います。ざっくり説明すると、動名詞は「名詞」、現在分詞は「副詞」もしくは「形容詞」の働きをします。以下で、例文で詳しく見ていきましょう。

動名詞は名詞の働きをする

動名詞の役割はあくまで「名詞」です。名詞は主語、補語、動詞と前置詞の目的語になります。

Reading is fun.(本を読むことは楽しいです。)

He loves reading.(彼は本を読むことが好きです。)

最初の文章は、run(走る)を動名詞にして、主語の位置に置いています。また、2文目ではloves(好き)の目的語に、動名詞のreading(読むこと)が置かれています。ちなみに、動名詞は抽象名詞の扱いになるので不可算名詞です。ただし、一般名詞化している動名詞についてはこの限りではありません。

現在分詞は副詞や形容詞の働きをする

現在分詞は、副詞もしくは形容詞の働きをします。副詞の働きをする現在分詞を使った例文をまず見てみましょう。

I waited for a bus reading a book.(私は本を読みながらバスを待ちました。)

副詞は主に動詞を修飾します。上の例文では、reading以降が副詞(句)で、waited(待った)について、詳しく説明を加えています。

次は、形容詞の働きをする現在分詞の例文を見てみましょう。形容詞は名詞を修飾します。

I found a crying girl.(私は泣いている女の子を見つけました。)

上の例文ではcrying(鳴いている)が形容詞の役割をして、girl(女の子)を修飾しています。

動名詞の応用|「否定形」「完了形」「受動態」の作り方

動名詞の働きがわかったら、具体的な使用法について見ていきましょう。実際の文章の中では、肯定文だけでなく否定文の中で使われたり、現在完了や受動態になったりします。それぞれの使い方を、下記で詳しく確認していきましょう。

否定形の作り方

Not drinking too much is good for your health.(お酒を飲みすぎないことは健康によいことです。)

I regret not saying anything to her.(私は彼女に何も言わなかったことを後悔しています。)

動名詞の内容を否定する場合、not+動名詞の形にします。

ちなみに、否定形は否定したい内容の前にnotを置くと覚えておくとわかりやすいでしょう。仮に、1つめの例文のgoodの前にnotを置けば「(健康に)よくない」という意味になり、2つめのregretの前にdo notを置けば「後悔していない」となります。

完了形の作り方

He is proud of having won the election.(彼は選挙に勝ったことを誇りに思っています。)

Do you know his having moved to the USA?(彼がアメリカに渡ったことは知っていますか?)

完了形はhave+過去分詞で表すので、それを動名詞にするには、having+過去分詞の形にします。もう一つ押さえておきたいのは、動名詞が完了形になる場合、主節の時点より過去に行われた動作になるということです。

1つめの例文を見ると、主節は、He is proud of〜(彼は〜を誇りに思っている)で、目的語となっているhaving won the election(選挙に勝ったこと)は、主節よりも過去に起こったことを表しています。2つめの例文ではDo you know 〜(〜を知っていますか?)が主節となりますが、目的語となっているhis having moved to the USA(彼がアメリカに渡ったこと)は主節で質問をしている時点よりも過去に起こっています。

受動態の作り方

I’m afraid of being scolded by mom.(私は母親に怒られることを恐れています。)

Mary is surprised at being awarded that prize.(メアリーはその賞を授与されたことを驚いています。)

受動態はbe動詞+過去分詞で表すので、「~されること」という受け身の動名詞を作るには、being+過去分詞の形にします。

動名詞の応用|動名詞を使った重要表現

最後に、動名詞を使った重要な慣用表現を紹介します。これらのフレーズはTOEICなどのテストでは頻出なので、ぜひ覚えましょう。

be worth ~ing:~する価値がある

It is worth visiting that museum.(その美術館は行く価値がある。)

worthは、「~に値する、~の価値がある」という意味の形容詞です。主語に人や物を入れることもできるので、That museum is worth visiting.と言うこともできます。

There is no ~ing:~することはできない

There is no accounting for tastes.(人の好みは説明することはできない:たで食う虫も好き好き。)

ポイントは、notではなくてnoで否定するということです。間違えやすいので気をつけましょう。

look forward to ~ing:〜するのを楽しみに待つ」

I was looking forward to seeing you again.(もう一度お会いできることを楽しみにしていました。)

このフレーズは用法を間違えやすいフレーズで、テストに頻繁に出題されます。なぜ間違えやすいかというと、forwardの後ろのtoをto不定詞と勘違いしやすいからです。しかし、実際にはこのtoは前置詞なので、後ろには名詞が続きます。そのため、動詞を続けたい場合には動名詞に形を変えましょう。

It is no use 〜ing:〜しても無駄だ

It is no use waiting for him.(彼を待っても無駄です。)

このitは形式主語で、実際の意味上の主語は~ingの部分です。そして名詞use(役に立つもの)をnoで否定しているので、「~ingは役に立たない/無駄だ」という意味のフレーズになります。ちなみに、There is no point/use in ~ingという構文で書き換えができます。どれも「~しても無駄だ、~しても仕方がない」という意味です。

on ~ing:~するとすぐに

On reading the letter, she started to write back.(手紙を読むとすぐに、彼女は返事を書き始めました。)

onというのは「接触」のイメージのある前置詞です。on ~ingと言うと、「~ingと同時に」といったニュアンスがあります。そのため「~ingするとすぐに」という意味で使われます。他のフレーズだとas soon asで同じ内容が表現できます。

in ~ing:~するとき

You have to pay attention to the people around you in driving a car.(車を運転するときには、周囲の人に気を付けなければなりません。)

in ~ingは文頭あるいは文末に置かれ、「~するとき、~する際」という意味になります。

duringとほぼ同じような意味で、文脈によっては「~している最中」と表現することもできます。

動名詞について理解できたら

動名詞は、動詞と名詞の性格がミックスしていてややこしかったり、to不定詞や現在分詞と混同しやすかったりと、整理しないといけないポイントが多い文法です。試験でも、英会話でも頻繁に出てくる重要な文法なので、ぜひ使い方をマスターして表現の幅を広げましょう。

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