「お金」にまつわる英単語というと、money(お金)、bank(銀行)、cash(現金)、finance(金融・財務)、save(節約する)、go bankrupt(倒産する)といったところがパッと思いつくものでしょう。
しかし英語には直接的に「お金」に関する単語を使わない、あるいはほかの単語を組み合わせて作られた、家庭の財政状況や支払いを表すイディオムがたくさんあります。
数多くあるお金にまつわるイディオムの中でもよく使われるものや、知っておくと便利なものをリストアップしました。日本語にはない面白い表現もあるので、気に入ったものは覚えて使ってみてくださいね。
お金を稼ぐことや生活に関わるイディオム
最初に生活に密着したお金にまつわるイディオムを学びましょう。お金と全く関係ない単語を使っているものもあるので、頭にイメージしながら見てみると覚えやすいです。
bring home the bacon「生活費を稼ぐ」
家族が生活するために必要なお金を稼ぐことを「ベーコンを家に持って帰る」とは面白い表現です。
この言葉の起源には2つ説がありますが、一般的な説は次のものです。
12世紀初頭、英国の小さな街の領主と妻が、一年間口論しなかったことへの祝福を司祭に求め、司祭が二人へflitch(ベーコン)を与えたところ、同じように献身的な夫婦にベーコンを与えることを条件に夫婦が修道院に土地を分け与えたことが起源とされています。現在も「ダンモウ・フリッチ」として4年に一回優勝したカップル者にベーコンが与えられるコンテストが行われています。
I’m a stay-home mom. My husband brings home the bacon.(私は主婦です。主人が生活費を稼いでくれています)
It’s hard to work long hours, but someone has to bring home the bacon.(長時間働くなのは大変だけど、誰かが生活費を稼がないと行けないから)
bread and butter「生活の糧」
生活に必要なお金を提供する仕事や活動を意味します。パンとバターは生活するために必要な基本的な食べ物との認識からできた表現です。
I hate my job, but I can’t quit. It’s my bread and butter.(仕事は大嫌いだけど辞められない。生活の糧だから)
Currently, tutoring high school students is my only source of bread and butter.(今は高校生の家庭教師として働くことでしか収入がない)
fast buck「あぶく銭」
fast buckと同じ意味でquick buckという表現も使われます。buckはドルのことで、「早いドル」つまり、簡単に短期間で稼げるお金を意味します。
You can make a fast buck by selling used items on auction sites.(オークションサイトで物を売ればすぐお金が稼げるよ)
They’re more interested in making a quick buck than helping clients choose the right product.(彼らは顧客に合った製品を選ぶことを手助けするのではなく、簡単にお金を稼ぐことにしか興味がない)
be laughing all the way to the bank「簡単に大金を稼ぐ」
そのままの意味は「銀行までずっと笑っている」ですが、簡単に大金を稼いで笑いが止まらない状態を想像すると覚えやすいでしょう。誰かが無知で愚かだったために自分のところに大金が舞い込むことを意味することが多いです。
We’ll be laughing all the way to the bank if we get this deal.(この契約がまとまれば、簡単に大金が稼げる)
I can’t believe we missed the opportunity! Our competitor must be laughing all the way to the bank!(チャンスを逃したなんて信じられない!競合が楽に儲けたに違いない)
gravy train「楽に儲かる仕事」
gravyはソースのグレービー以外に、スラングで不正に取得した利益や簡単に儲けたお金という意味があり、gravy trainはたいした努力もせずに楽に、しばしば不正にお金を稼ぐ方法を指します。
「乗る」という動詞と合わせて使うride the gravy trainは、必ずしも相応しくない場合に、過剰な富、快適さ、贅沢、成功などを手に入れることを意味します。また、楽に儲けている状態について述べるときは、be on the gravy trainと表現します。
Seminars are seen as a gravy train by many coaches.(多くのコーチにとってセミナーは楽に稼げる場と見なされている)
Tim has been on the gravy train so long. He doesn’t remember what it’s like to struggle.(ティムは長いこと楽にお金を稼いできたから、苦労するとはどういうことかを忘れてしまっている)
She’s riding on the gravy train with her business. All she does is work 2 hours a week and makes $1000!(彼女はビジネスでとてもうまくやっている。週2時間働くだけで1000ドルも儲けているんだ)
cash cow「財源」
製品やビジネスなど利益の源泉となるもので、ビジネス全体の利益に最も貢献する稼ぎ頭のことを指します。この言葉は、乳牛が生み出す牛乳によって安定した収入を得られることが語源となっています。
I think your idea is great, but it doesn’t mean it will be a cash cow.(あなたの発想は素晴らしいと思いますが、それが稼ぎ頭になるかどうかはわかりません)
We didn’t expect that our new product would be a cash cow.(新製品が稼ぎ頭になるとは思っていなかった)
live from hand to mouth「その日暮らしをする」
ほとんどお金がなく、生活費がやっとという状態。生きていくのにぎりぎりのお金しか持っておらず、貯蓄する能力もないため、食べ物や住まいなどを手に入れることができるかどうかの瀬戸際に常にいることを意味します。文字通り、手にしたものをすぐ口に入れる生活をイメージするとわかりやすいでしょう。
I was living from hand to mouth after I lost my job.(仕事を失ってからは生活がとても厳しい)
I have 5 brothers and sisters and my parents didn’t earn much, so we lived from hand to mouth.(私は5人の兄弟姉妹がいて、両親の収入が少なかったため、生活するのがやっとだった)
strapped for cash「懐が寂しい」
「strapped for」は何かが欠けていることを意味する言葉です。「お金が欠けている」つまり使えるお金がないことを指します。同じような意味でよく使われる別の表現で、short on moneyという言葉を合わせて覚えておきましょう。
I can’t join you guys tonight. I’m strapped for cash.(今夜は参加できない。お金がなくて)
I subsisted on cup noodles as I was strapped for cash.(お金がなくて、カップ麺で食いつないでいる)
save for a rainy day「いざという時のために貯金する」
「雨の日のために貯蓄する」つまり、失業や大きな医療費などの緊急事態に備えてお金を蓄えておくことです。
It’s important to save for a rainy day. You never know what will happen in the future!(いざという時のための貯金は大事だ。将来何があるかわからないからね)
Instead of buying a new car, I decided to save for a rainy day.(新車を買う代わりに、いざという時のために貯金することにした)
a penny saved is a penny earned「儲ける考えより使わぬ考え」
「1ペニーの節約は1ペニーの儲け」つまり、無駄遣いをせず少しずつでも貯金をすることを意味する慣用句です。一般に広く知られていることわざのため、後半部分を省いて、単に「a penny saved」と短縮されることも多い表現です。
I tried to make her stop buying new clothes, but she didn’t listen. You know, a penny saved is a penny earned!(彼女に新しい服を買うのをやめさせようとしたけど、聞いてくれなかった。無駄遣いはしない方がいいのにね)
I put some money aside every month. My parents always say a penny saved is a penny earned!(毎月少しずつ貯金しているの。両親がいつも無駄遣いしないせず貯金するように言ってるから)
nest egg「貯蓄・準備金」
nest eggとは、雌鶏に産卵を促すために入れておく陶器などでできた人工卵を指します。これが貯蓄にどう結び付けられたのかは不明ですが、巣篭もり卵は雌鶏が卵を産んだ後に回収できるものなので、貯蓄にとして比喩されるようになったのではないかと考えられています。
I have a nest egg for my kids’ education.(子供達の教育費として貯蓄がある)
I built up a nest egg to live comfortably after my retirement.(退職後にゆとりある生活ができるよう貯蓄した)
支払いやお金の価値に関するイディオム
支払いや高い・安いなどのお金の価値に関するイディオムを学習しましょう。どれもよく使われるものなので、覚えておくと便利です。
chip in「お金を出し合う・寄付する」
日常会話でよく使われる表現で、何かの目的のためにみんなで少しずつお金を出し合うことを意味します。
If we all chip in, we can rent a beach house for the summer.(みんなでお金を出し合えば、夏休みにビーチハウスを借りれるね)
They chipped in $1000 and bought their mom a new car.(彼らは1000ドルずつ出し合って、母親に新車を買ってあげた)
break the bank「お金がかかりすぎる」
「銀行を潰す」つまり非常に高価でお金がかかるものや、全財産を費やすほど高いものを指します。
I’m looking for a new laptop which won’t break the bank.(高すぎないノートパソコンを探しています)
Let’s go watch the new musical. It costs only $30. That’s not going to break the bank!(新しいミュージカルを見に行かない?たった30ドルだし、払える金額でしょ)
tighten your belt「節約する」
出費を減らし、倹約生活を行うことを意味します。少ないお金で生活するために、自然とお腹周りがスリムになるため「ベルトを締める」必要があるというイメージで覚えましょう。
I got fired, so I need to tighten my belt till I find a new job.(解雇されたから、次の仕事が見つかるまで節約しないと)
Many people tighten their belts due to the heavy inflation.(厳しいインフレで多くの人が倹約している)
money talks「金がものをいう」
お金がいかに影響力をもち、個人や企業に権力や力を与えるかをさす言葉です。
If you want to fit in, you need to be rich. Money talks around here.(ここに溶け込みたければ金持ちにならないと。この辺では金がものをいうからね)
He got away with the crime he committed. You know, money talks.(彼は犯罪を犯したのに逃げおおせた。金を使ってうまくやったから)
money doesn’t grow on trees「金のなる木はない」
お金は限りあるものであり、無駄遣いしないよう戒める言葉です。
Turn off the A/C when you leave the room. I’ve been paying the higher electricity bill for the last few months. Money doesn’t grow on trees, you know!(部屋を出るときはエアコン消してね。ここ数ヶ月の電気代が高くて。無限にお金があるわけじゃないのよ)
Money doesn’t grow on trees. I can buy you only one new pair of shoes.(いつでもお金があるわけじゃないからね。新しい靴1足だけなら買ってあげるわ)
daylight robbery「法外な金額・ぼったくり」
highway robberyとも言います。白昼強盗は夜間強盗に比べて大胆です。そのことから法外な金額を請求する状態を意味します。
$10 for a cup of coffee? It’s insane! That’s just a daylight robbery!(コーヒー一杯が10ドル?まじかよ!ぼったくりもいいところだね)
$50 to get in the club is a highway robbery.(クラブの入場料が50ドルなんて、ぼったくりもいいところだ)
pick up the tab「勘定を払う・奢る」
tabは勘定のこと。特にレストランやバーの支払いで使われる表現です。
I’ll pick up the tab this time.(今回は私が奢るよ)
He always picks up the tab when we go out together.(一緒に出かけると、彼はいつも奢ってくれる)
go dutch「割り勘にする」
いくつかの説があるようですが、なぜ「オランダ人のようにする」が「割り勘にする」になったかというと、17世紀にイギリスとオランダが政治経済でいがみ合っていた時、イギリスから見てオランダはケチな国の象徴であり、彼らがするように男性が女性に驕らず割り勘にすることから生まれたようです。
It’s common for young couples to go dutch nowadays.(最近の若いカップルは割り勘にするのが普通だ)
Let’s go dutch this time – $40 each.(今回は割り勘にしよう。40ドルずつでよろしく)
balance the books「帳尻を合わせる」
bookは複数形で使われる場合、帳簿を指します。「帳簿のバランスをとる」つまり、収支を一貫させて帳尻を合わせるという意味です。
My accountant helps me to balance the books every year.(私の計理士が毎年帳尻を合わせるのを手助けしてくれている)
We need more sales in order to balance the books.(帳尻を合わせるのにもっと売り上げを伸ばさないと)
cook the books「帳簿をごまかす」
帳簿を調理する、つまりごまかすことをcook the booksと言います。balance the booksと合わせて覚えておくといいですね。
He got fired when his boss found out he was cooking the books.(彼は帳簿をごまかしていたことが上司に見つかって解雇された)
They found that the company had been cooking the books for many years.(彼らは会社が何年にも渡って帳簿をごまかしていたことを突き止めた)
golden handshake「重役退職金」
一般社員ではなく、会社の上層部が解雇・早期退職・定年退職する際に支払われる退職金を指します。現金だけではなく、ストックオプションなどほかの報奨金も含まれ通常何百万ドルもの高額が送られます。
He was given a golden handshake, but returned as a consultant.(彼は高額の退職金をもらったのに、コンサルタントとして戻ってきた)
The company gave 20 executives a golden handshake.(会社は重役20人に対して早期退職金を支払った)
その他のお金にまつわるイディオム
ほかにも面白いお金にまつわるイディオムをいくつかご紹介します。
money to burn「腐る程のお金」
燃やしても困らないほどのたくさんのお金、必要ではないものに使えるお金があることを意味します。
He bought a new car again. He has money to burn.(彼また新車買ったんだよ。腐る程お金があるから)
I have no idea what he does for a living, but he seems to have money to burn.(彼が何している人が知らないけど、お金が有り余っているみたいだね)
born with a silver spoon in her mouth「お金持ちの家の生まれ」
高価な銀のスプーンを口にして生まれた、つまり社会的に地位が高くお金持ちの家柄出身の人を指します。
She was born with a silver spoon in her mouth. Her parents give her whatever she wants.(彼女の実家はお金持ちで、両親は彼女が望むものをなんでも与えている)
look like a million bucks/dollars「輝いて見える」
高価なものや美しいドレスなどを身につけて光り輝くほどに素敵に見えることを、100万ドルに例えている表現です。褒め言葉として使われます。
Wow, you look like a million dollars in that red dress!(わあ、その赤いドレスめちゃ似合っててすごく素敵!)
cheapskate「けち」
必要なことにさえもお金を使いたがらないケチな人を指します。
He’s so rich, but he never buys a drink. He’s such a cheapskate!(彼はすごくお金持ちなのに、お酒一杯も奢ったことがない。ほんとけちだよね!)
His company makes a lot of money, but he underpays his employees. He’s a cheapskate.(彼の会社は儲かっているのに、社員は安月給。けちな人だ)
put in one’s two cents「意見を言う」
two centsは「意見」という意味で、必ずしも意見を求められていない場面で、あえて意見を述べることを指します。SNSで「My two cents」とコメントされているのを見たことがあるかもしれません。海外のSNSでは非常によく使われる言葉なのでぜひ覚えておきましょう。
If I could put in my two cents, I think we should focus on marketing the existing products.(意見を言わせていただければ、既存品のマーケティングに注力すべきだと思います)
I’m not asking for your two cents!(君の意見は聞いていないよ!)
put your money where your mouth is「つべこべ言わず行動する」
口先であれこれ計画やアイデアを言うだけではなく行動すること、お金を目に見える形で投資することを意味します。
If you are really interested in helping poor children, you should put your money where your mouth is.(貧しい子供達を本当に助ける気があるなら、口だけじゃなくて行動に移すべきじゃないかな)
I’m tired of hearing your ‘great ideas’ and ‘future projects’. Why don’t you put your money where your mouth is?(君の「すごいアイデア」や「将来の計画」は聞き飽きたよ。口先だけじゃなくやったら?)
the other side of the coin「反面」
コインの裏側、つまり、あることをいいか悪いかは別として逆から見た面を指します。
Running a website is fun, but the other side of the coin is that it takes a long time to start making money.(ウェブサイトの運営は楽しい反面、儲けられるようになるまで長い時間がかかる)
I like wearing white pants, but the other side of the coin is that it gets dirty easily.(白いズボンを履くのは好きだけど、すぐ汚れるのよね)
go for broke「死力を尽くす」
大きな成功など欲しい結果を得るために、リスクを犯してでも全力投球して全てを賭けること。go brokeは「破産する」という意味です。go for brokeとは意味が全く異なりますので、間違えないようにしましょう。
You have nothing to lose. Go for broke!(失うものは何もないんだから、死ぬ気でやりなよ!)
I really wanted the scholarship to study in the US, so I went for broke and spent all my time in studying.(アメリカに留学するのに奨学金が欲しくて、使える時間全て使って死ぬ気で勉強した)
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