英語で「耳」はan earまたはearsだというのは多くの人が知っているでしょう。では、慣用句の「聞き耳を立てる」や「空耳」「初耳」のような言葉は英語でどのように表現すればいいのでしょうか?
この記事では耳に関する基本的な表現をはじめ、「聞き耳を立てる」のような慣用句や「パンの耳」といった「耳」がつく言葉の英語表現を幅広くまとめます!
「耳」に関する基本的な英語表現
「耳」に関する基本的な英語表現から見ていきます。
earの発音
まず、earの発音をおさらいしましょう。すでに述べたように、「耳」はan ear(片方の耳)またはears(両耳)です。earはyearと似た発音で、カタカナではどちらも「イヤー」ですが、両者の発音は語頭の音が微妙に異なります。
ear | / ɪr / または / ɪə(r) / |
year | / jɪr / または / jɪə(r) / |
earの語頭の音である/ɪ/は、日本語の「イ」と「エ」の中間のような音。口は「エ」ほど上下に開けず、「イ」ほど左右に広げません。
一方、yearの語頭の/j/は「ィヤッ」のような音で、舌の両側を奥歯に接触させるようにして発音します。英語を話すときにとっさに使い分けるのは難しいので、日頃から練習しておくことをおすすめします。/ɪ/と/j/が含まれる単語をいくつか以下に示しておきますので発音してみてください。
/ɪ/が含まれる単語 | 発音 |
---|---|
big | /bɪɡ/ |
hear | /hɪr/ |
visit | /ˈvɪzɪt/ |
river | /ˈrɪvər/ |
cinema | /ˈsɪnəmə/ |
/j/が含まれる単語 | 発音 |
---|---|
yeah | /jeə/ |
yet | /jet/ |
yellow | /ˈjeləʊ/ |
yesterday | /ˈjestərdeɪ/ |
yogurt | /ˈjəʊɡərt/ |
耳の働きを表す英語表現
次に、耳の働きに関する英語表現を見ていきます。
聴力
聴力 | hearing |
一般的に「聴力」はhearingですが、hearing ability(聴覚能力)やauditory perception(聴覚認知)と表現する場合もあります。
Her hearing is very acute. (彼女の聴覚は非常に鋭い)
Yesterday I took a hearing test. (昨日私は聴力テストを受けた)
難聴・聴力損失・耳が聞こえない
難聴 | hard of hearing / difficulty in hearing |
聴力損失・難聴 | hearing loss |
耳が聞こえない | deaf |
聴覚障がい者は、deaf person / hearing-impaired person / person having difficulties in hearingのように表現します。
I thought he was hard of hearing. (彼は難聴だと思った)
My son was diagnosed with hearing loss. (息子は難聴[聴力損失]だと診断された)
人や動物の耳を形容する英語表現
人の耳は「福耳」やサイズの「大小」などで表します。一方、動物の耳の形は「垂れ耳」や「立ち耳」のように形容するのではないでしょうか。人でも横に広がった「立ち耳」の人もいるので、表現の違いを確認してみてください。
大きい耳・小さい耳
大きい耳 | big ears |
小さい耳 | small ears |
耳の大小はbigとsmallで表すので簡単ですね。もちろん、large(大きい)でも構いません。一般的に、主観的に「大きい」場合はbig、客観的に「大きい」場合はlargeを使いますので、人の場合はbig、動物の場合はlargeが使われることが多いようです。
I have a complex about my big ears. (私は耳が大きいことがコンプレックスだ)
Sea lions are cheerful animals with the small ears. (アシカは小さな耳を持つ陽気な動物だ)
福耳
福耳 | plump ears / fleshy earlobes / ears with big earlobes |
plumpは「ふくよかな」、fleshyは「肉づきのいい」、big earlobesは「大きい耳たぶ」という意味。「福耳」は東洋のものなので、西洋人にはplump earsのように表現しても、言葉通りに「ふくよかな耳」という意味にしかなりませんので、以下のように説明しましょう。
It is said that people with plump ears, which are said to bring good fortune, will be blessed with financial luck. (福を招くとされるぷっくりとした耳を持つ人は金運に恵まれると言われている)
垂れ耳・立ち耳
垂れ耳 | lop ear (lop-ears) / floppy ears |
垂れ耳の | lop-eared / flap-eared |
立ち耳(動物) | erect ears / pricked ears / pointed ears |
立ち耳の | prick-eared |
立ち耳(人) | protruding ears / prominent ears |
動物の耳が垂れていたり立っていたりするさまを表す特別な単語はありません。ですから、上記のように見た目をそのまま表します。lopは「だらりと垂らす」という意味で、lopだけで「耳の垂れたウサギ」という意味でもあります。floppyは「だらりとした」、erectは「直立の」、prick は(尖ったもので)「刺す」、pointedは「尖った」、protrudingは「突き出ている」、prominentは「張り出した」という意味。
African elephants have large floppy ears. (アフリカゾウは大きな垂れた耳を持っている)
I would like to raise a lop-eared rabbit. (垂れ耳ウサギを飼いたいと思っている)
Large dogs with erect ears look aggressive. (立ち耳の大型犬は攻撃的に見える)
Prominent ears do not cause functional problems such as hearing loss. (立ち耳は難聴などの機能的な問題を引き起こすことはない)
耳につけるものの英語表現
次いで、耳につけるものを簡単に見ていきます。
耳飾り | earrings |
耳あて | earmuffs |
補聴器 | hearing aid / aural aid |
イヤホン | earphone / earbuds |
ヘッドホン | headphone |
耳栓 | earplugs |
「ピアス」はpierced earringsですが、たいていearringsのみで表現。「身につける」を表す動詞はput onまたはwearです。
The earrings are a gift from my partner. (イヤリング[耳飾り]はパートナーからの贈り物だ)
She put on her earmuffs and headed to the station on her bicycle. (彼女は耳当てをして自転車で駅に向かった)
My grandfather wears hearing aids. (祖父は補聴器をつけている)
Earphones have transitioned from wired to wireless. (イヤホンは有線から無線に移行した)
Many people wear earbuds everywhere. (多くの人がどこでもイヤホンをつけている)
Which wireless headphones do you recommend? (おすすめのワイヤレスヘッドホンはどれですか?)
Earplugs are necessary when flying. (飛行機に乗るときは耳栓が必要だ)
「耳」がつく言葉の英語表現
「耳がいい」「耳元で」のように、体の一部としての耳を使った言葉の英語表現も見ていきましょう。
耳がいい
耳がいい | have sharp ears / have good ears / have great hearing |
「耳がいい」とはよく聞こえることなので、上記のように鋭い耳(sharp ears)、いい耳(good ears)、優れた聴力(great hearing)を「持つ」を意味するhaveを使って表現します。
Birdwatchers need to have sharp ears and eyes. (バードウォッチャーには敏感な耳と目が必要だ)
He plays musical instruments, so he has good ears. (彼は楽器を演奏するので耳がいい)
The animals with the best hearing are bats, dolphins, elephants, pigeons, and moths. (最も聴覚が優れている動物は、コウモリ、イルカ、ゾウ、ハト、ガです)
耳に心地いい
耳に心地いい | be pleasing to the ear / euphonious / melodious / pleasant to the ear |
be pleasing to the earは「音楽など」、euphoniousは「発話など」、melodiousは「音や声など」が耳に心地いいときに使います。pleasant to the earは何かを聞いて楽しかったり満足したりする状況で使いましょう。
A: What is another word for “pleasing to the ear”? ([耳に心地いい]ことを表す別の言葉は何ですか?)
B: Probably “euphonious”. (おそらく「euphonious」だろう)
That composer’s music is always very melodious. (あの作曲家の音楽はいつもとても耳に心地いい)
The sound of the waves was pleasant to the ear and made me feel calm. (波の音が耳に心地よく、穏やかな気持ちになった)
耳元で
耳元で | in one’s ear |
耳元はin one’s earの他に、about one’s ears(耳のあたり)やnear one’s ear(耳の近く)でも表現できます。
She shouted in his ear, which surprised him very much. (彼女が彼の耳元で叫んだので彼はとても驚いた)
A balloon burst near her ear. (彼女の耳元[耳の近く]で風船が割れた)
「耳」がつく慣用句の英語表現
「耳が痛い」には言葉通りに体の一部として「耳が痛い(my ear hurts)」という意味と、慣用句の「自分の過ちや弱点を指摘されてつらい」という意味があります。もちろん言葉通りに表現すれば、慣用句の意味にはなりません。なぜなら慣用句とは言葉通りの意味ではなく、全体で特定の意味を言い表すからです。そのため日本語の慣用句を英語で表現する際には、慣用句の意味をよく考える必要があります。
耳で始まる慣用句の英語表現
「耳」で始まる慣用句はたくさんありますが、その中からいくつかピックアップしました。
耳が痛い
耳が痛い | ashamed to hear / tingle in one’s ears |
「耳が痛い」は自分の過ちや弱点を指摘されることなので、ashamed(恥ずかしい)やtingle(刺されたようにチクチクする)で表現。
I was deeply ashamed to hear that. (それを聞いてとても恥ずかしい[それはとても耳が痛い])
Those words tingle in my ears. (その言葉で針で刺されたように痛む[その言葉は耳が痛い])
耳打ちする
耳打ちする | whisper in a one’s ear / whisper to someone |
「耳打ち」は耳元でささやくことなので、whisperを使います。
My daughter whispered softly in my ear. (娘は私の耳元でそっとささやいた[耳打ちした])
I whispered to her so that no one else could hear. (私は他の人に聞こえないように彼女にささやいた[耳打ちした])
耳が遠い
耳が遠い | have poor hearing / be hard of hearing |
「耳が遠い」はよく聞こえないことを表すので、「難聴」で示したhard of hearingでも表現できます。
His dog has poor hearing, probably due to the age. (彼の犬はおそらく年齢のせいで耳が遠い)
The old man is hard of hearing so he asked me many times. (その老人は耳が遠いので何度も私に尋ねた)
耳より
耳よりな話 | welcome news / good news / encouraging news |
「耳より」は聞く価値があることを意味するので、welcome news(吉報)やgood news(朗報)で表現。encouragingは「心強い」という意味。
That’s welcome news / good news. (それは耳よりな話だ)
The announcement of tax cuts was welcome news / good news for everyone. (減税の発表は誰にとっても耳よりな話だった)
We were very relieved to hear this encouraging news. (この心強い知らせ[耳よりな話]を聞いて私たちはとても安心した)
耳に残る
耳に残る | stuck in one’s head |
「耳に残る」とは忘れることなく記憶として頭に残ることなので、stuck in my head(頭から離れない)が一番しっくりくる表現です。stuckは「動けない」「くっつく」という意味。can’t get something out of one’s head(何かが頭から離れない)でも表現できます。
His words are stuck in my head. (彼の言葉が頭から離れない[耳に残っている])
The song I listened to yesterday song is stuck in my head. (昨日聴いた曲が頭から離れない[耳に残っている])
I can’t get that song out of my head. (あの曲が頭から離れない[耳に残っている])
耳を貸す
耳を貸す | lend an ear to / give ear to |
「耳を貸す」は言葉の通りにlend(貸す)で表現。どちらも「~に耳を傾ける」という意味。
Lend an ear to her. Because she knows the whole story.(彼女に耳を傾けて[耳を貸して]。彼女はすべての話を知っているから)
She should not give ear to such useless talk. (彼女はそんなムダな話に耳を傾ける[耳を貸す]べきではない)
耳にタコができる
耳にタコができる | be tired / feel annoying / hear enough |
「耳にタコができる」は何度も聞かされてうんざりすることなので、be tired(げんなりする)、feel annoying(うるさく感じる)、hear enough(十分聞く)で表現。
I’m tired of always being told the same thing. (いつも同じことを言われてうんざり[耳にタコができそう]だ)
I understand why the teacher keeps saying the same thing over and over, but it feels really annoying. (先生が同じことを何度も言う理由は分かるが、本当に煩わしく感じる[耳にタコができそうだ])
I’ve heard enough of your excuses. (あなたの言い訳はもう十分[耳にタコができるほど]聞いた)
耳を疑う
耳を疑う | not believe one’s ears |
「耳を疑う」は聞いたことが信じられないことなので、not believe one’s ears(耳を信じない)で表現します。
I couldn’t believe my ears at the sudden news. (突然の知らせに耳を疑った)
It’s a shocking story, and you probably won’t believe your ears. (衝撃的な話で、おそらく君は耳を疑うだろう)
耳を揃える
耳を揃える | clear off one’s debts / pay in full |
「耳を揃える」は必要なお金を不足なく用意することなので、clear off one’s debts(借金をきれいに返す)やpay in full(全額を支払う)で表現しましょう。
Could you please pay off your debt as soon as possible? (できるだけ早く[耳を揃えて]借金を返してもらえませんか?)
Rent must be paid in full by the end of the month. (家賃は月末までに全額[耳を揃えて]支払わなければならない)
耳が含まれる慣用句の英語表現
そのほかの耳を含む慣用句の英語表現を見ていきましょう。
小耳にはさむ
小耳にはさむ | happen to hear / overhear |
「小耳にはさむ」は、happen to hear(たまたま聞く)やoverhear(ふと耳にする)で表現。また英語の慣用表現には、「A little bird told me(風のうわさで聞く・人づてに聞く)」があります。これはプライベートな内容のことが多く、情報の出どころをはっきりさせたくないときに便利な表現です。
I happened to hear them talking about you. (彼らがあなたのことを話しているのを偶然聞いた[小耳にはさんだ])
He overheard two girls talking seriously. (彼は2人の女の子が真剣に話しているのを耳にした[小耳にはさんだ])
A little bird told me (that) Kate finally got married. (風のうわさで聞いたけど[小耳にはさんだんだけど]、ケイトがついに結婚したんだって)
寝耳に水
寝耳に水 | a bolt from the blue / a complete surprise |
「寝耳に水」は突然の出来事で驚くことなので、a bolt from the blue(青天のへきれき)やa complete surprise(完全な驚き・心底からの驚き)で表現し、よくない出来事に使います。ちなみに、a bolt from the blueは英語の慣用句です。
His sudden death came as a bolt from the blue. (彼の突然の死は青天のへきれき[寝耳に水の出来事]だった)
Your divorce came as a complete surprise. (あなたの離婚はまったくの驚き[寝耳に水]だった)
聞き耳を立てる
聞き耳を立てる | prick up one’s ears / strain one’s ears / keep one’s ears open |
prickは「立ち耳」で示した単語ですね。「聞き耳を立てる」は「耳を澄ます」や「耳をそばだてる」を意味する上記の表現でOKです。
My friend stopped talking and pricked up her ears. (友人は話すのをやめて耳を澄ました[聞き耳を立てた])
She strained her ears but heard nothing. (彼女は耳を澄ました[聞き耳を立てた]が何も聞こえなかった)
The woman at the next table kept her ears open. (隣のテーブルの女性は耳をそばだてていた[聞き耳を立てていた])
耳で終わる言葉の英語表現
「耳」で終わる慣用句もさっと見ていきましょう。
初耳 | news to / the first (time) I’ve heard |
空耳 | mishearing / hearing things / imagination / fancy / |
地獄耳 | have big ears / long ears |
the first I’ve heardは「初めて聞いた」、mishearは「聞き違える」、imaginationとfancyは「空想・気のせい」という意味。地獄耳は先述したsharp earsでも表現可能です。big earsはサイズを表す場合と同じ表現なので使い方に注意しましょう。同様に、big mouth(大きな口)で「おしゃべりな人」という意味です。
また、「Little pitchers have long ears.」は英語のことわざで、直訳すると「小さな水差しには大きな取っ手(耳)がある」となり、「子どもは大人の内緒話を耳ざとく聞いていて、うっかりどこかで話してしまうかもしれないから注意した方がいい」という教訓。「地獄耳」と同様に、longの代わりにbigで表す場合もあります。
That’s news to me. = That’s the first I’ve heard of it.(それは初耳だ)
I thought I was hearing things. (空耳だと思った)
It was just my imagination / fancy. (私の空耳だった)
My sisters have big ears that can hear whispers. (私の姉妹はささやき声でも聞こえる地獄耳を持っている)
Little pitchers have big ears. (子どもは聞いていないようで何でも聞いている)
「端」を意味する耳がつく言葉の英語表現
慣用句ではありませんが、「パンの耳」のようにものの端やへりを意味する言葉の英語表現も簡単に見ていきましょう。
パンの耳 | bread crust |
ピザの耳 | pizza crust |
(ものの)端 | the edge of ~ |
パンやピザの耳はcrust(硬い表面)、ものの端はthe edge of ~(~の端)で表現します。
I always cut off the bread crust when I make sandwiches. (サンドイッチを作るとき、いつもパンの耳は切り落とす)
Some people leave the pizza crust uneaten. (ピザの耳を食べずに残す人もいる)
「耳」がつく言葉を実践で使ってみたいなら
「耳」がつく言葉はたくさんありますね。慣用句は直訳すると英語では意味が伝わらないので、日本語の意味をよく考えて表現するようにしましょう。
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