Let’s notってどう使う?日本人が間違えやすい英語「Let’s」の使い方をマスターしよう

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日本語でも「レッツゴー!」のように使われるLet’sですが、日本語をもとに英訳すると使い方を間違えることがあります。また、ネイティブから「日本にはLet’sを使った不自然な英語の案内板がある」という話も聞いたことも。

そこで今回は、日本人が間違えやすいLet’sの使い方と正しい表現を解説するとともに、日本ではあまり聞かない「Let’s not」の使い方もご紹介します。この機会に正しい「Let’s」の使い方をマスターしましょう!

日本人の間違ったLet’sの使い方

日本人がLet’sの使い方を間違えるのは、英語と日本語の言語構造や文化的な違いなどによるものです。日本では協力や注意などを促すとき、「~しなさい」などの直接的な表現よりも、「~しましょう」のような謙虚で丁寧な表現が好まれます。

そのため、「~しましょうを英語にするとLet’sだから」と、注意などを促す案内にLet’sを使い、不自然な英語になってしまうことがあるようです。不自然になる理由はいくつかあるので、早速見ていきましょう。

Let’sを使った間違いだらけの案内板

以下はLet’sを使った間違った案内板の例です。

直接的な指示が必要な場合

緊急の場合は直接的な指示が必要で、Let’sを使った協力的な提案は適していません

間違った案内:Let’s exit the building in case of a fire.
正しい案内:In case of fire, exit the building immediately. (火災の場合は直ちに建物から退避してください)
正しい案内:In case of fire, evacuate the building. (火災の場合は建物から避難してください)

ルールや規則に基づいた指示が必要な場合

トイレ、エスカレーター、交差点のような公共の場の注意喚起にはLet’sを使った提案ではなく、ルールや規則に基づいた指示が適切でしょう。

間違った案内:Let’s hold on to the handrail when riding the escalator.
正しい案内:Please hold on to the handrail when riding the escalator. (エスカレーターに乗る際は手すりにおつかまりください)

間違った案内:Let’s use the crosswalk to cross the street.
正しい案内:Please use the crosswalk to cross the street. (道路を渡る際は横断歩道をご利用ください)

断定的な指示が必要な場合

静粛を促す際や座席の清潔さなどに関する案内や指示も協力的な提案ではなく、断定的な指示が適しています。

間違った案内: Let’s stay quiet during the performance.
正しい案内: Please remain quiet during the performance. (公演中はお静かにお願いいたします)

間違った案内:Let’s keep your seats clean.
正しい案内:Please keep your seats clean.(座席を清潔に保ってください)

日本人がよく間違えるLet’sの使い方

次にLet’sの使い方に関して、日本人がよく間違える例をいくつか挙げます。これらは一般的な誤りで、日本語と英語の文法の違いによるものです。心当たりがないかチェックしてみてください。

日本人の間違った使い方1:Let’s shopping

「Let’s +動詞の現在分詞」の形で表現する人が散見されますが、Let’sはLet usの短縮形となるので、Let’sの後は「動詞の原形」を置かれなければなりません。日本語では「買い物しよう」と省略できますが、英語では「go shopping」のように「go」を含めて使います。

間違った使い方:Let’s shopping.
正しい使い方:Let’s go shopping. (買い物に行こう)

間違った使い方:Let’s cooking dinner.
正しい使い方:Let’s cook dinner. (夕食を作ろう)

日本人の間違った使い方2:Let’s fun

「Let’s +形容詞」も間違い。「楽しむ」は「have fun」の形で使われ、前に動詞のhaveを置くのが一般的です。

間違った使い方:Let’s fun at the amusement park.
正しい使い方:Let’s have fun at the amusement park. (遊園地で楽しもう)

Let’sの後に形容詞を続けたいときには、「Let’s be + 形容詞」の形で表します。

Let’s be honest about this. (これについては正直に話そう)

Let’s be free! (自由になろう!)

日本人の間違った使い方3:Let’s to eat sushi

「Let’s + to + 動詞の原形」もときおり目にしますが、すでに述べたようにLet’sの直後は動詞の原形となるので誤りです。「to」は不要で、直接動詞の「eat」や「go」が続きます。

間違った使い方:Let’s to eat sushi for lunch.
正しい使い方:Let’s eat sushi for lunch. (お昼にお寿司を食べよう)

間違った使い方:Let’s to go to the beach.
正しい使い方:Let’s go to the beach. (ビーチに行こう)

日本人の間違った使い方4:Let’s call me

すでに述べたように、Let’sはLet us(私たちに~させて)の短縮形、つまり「一緒に~しましょう」という意味となるので、Let’s call meだと「(私たちと一緒に)私に電話しましょう」という不自然な文になってしまいます。正しくは「Let me call you」または「Call me(電話して)」です。

正しい使い方:Let’s meet at 3 PM. Let me call you. (午後3時に会おう。私の方から連絡するね[電話させて])

日本人の間違った使い方5:申し出の「しましょう」の誤用

日本語では「手伝いましょう」「水を持ってきましょう」など、何かを申し出るときに「~ます」の代わりに「~しましょう」を使うときがあります。そのため、このような場合にLet’sを使うと不自然な英語になってしまいます。

間違った使い方:Let’s help you.
正しい使い方:I’ll help you. (手伝おう)

間違った使い方:Let’s bring some water.
正しい使い方:I’ll bring you some water. (水を持ってこよう)

上記は文法的な誤りはありませんが、誰かに手を貸したり水を持ってきてあげたりするときには不自然な表現。例えば、数人のグループで「Let’s help him(彼を助けよう)」や「Let’s bring some water here(ここへ水を持ってこよう)」などと表現する場合は自然です。

Let’sの正しい使い方

私たち日本人が間違ったLet’sの使い方をしているのが理解できたのではないでしょうか。ここでは例を示しながらLet’sとLet usの違いや、Let’sの正しい使い方や見ていきます。

使役動詞のLet, make, Get, haveの違い

Let’sの正しい使い方を解説する前に、Letについて簡単に解説します。Letは使役動詞(Causative Verbs)で、他の人に何かをするように促す際に使われます。英語の使役動詞には他にも「Let」「make」「Get」「have」があるので、それぞれのニュアンスも確認しておきましょう。

使役動詞のLetの使い方

Letは他の人に何かを許可するか、何かをする機会を与える際に使われます。相手に選択権や自由意志があり、「~するのを許す」こと。もちろん、Letの後には動詞の原形が続きます。

She was happy to let me do all the work. (彼女は喜んで私にすべての仕事をやらせてくれた)= すべての仕事をするのを許可した

I’ll let you know my new phone number.(新しい電話番号を知らせるね)= 電話番号を知らせるのを許可する

Wait a minute, let me check if I understand this correctly. (ちょっと待って、これを正しく理解したかどうか確認させて)= 確認するのを許可する

使役動詞のMakeの使い方

Makeは他の人に何かを強制的にさせたり、やる気を起こさせたりする際に使われます。相手に選択権や自由意志がなく、「~するのを強制する」こと。Makeの後は目的語が続きます。

My boss makes me work overtime. (上司は私に残業をさせる)= 残業を強制した

Don’t make him even more angry! (彼をこれ以上怒らせないで!)= 怒らせないよう強制した

The coach makes the players practice every day. (コーチは選手たちに毎日練習させる)= 練習を強制する

使役動詞のGetの使い方

Getは他人に何かをしてくれるように頼んだり、物事を取ってくるように依頼したりする際に使われます。また、何かを達成するための手段や方法を見つける際に使ってもいいでしょう。「~をしてもらう」というニュアンス。

She gets her nails done every week. (彼女は毎週爪を整えてもらっている) 

She got her friend to drive her to the airport. (彼女は友だちに空港まで送ってもらった)

I’ll get the mechanic to check the car’s engine tomorrow. (明日、整備士に車のエンジンを点検してもらうつもりだ)

使役動詞のHaveの使い方

Haveは他の人に何かを頼んだり、お願いしたりする際に使われます。主体自身が直接的に関与することはありませんが、他人に何かを行うように依頼して「義務として~させる・してもらう」というニュアンス。Haveの後には目的語を置きましょう。

I had my hair cut at the salon.(美容院で髪を切ってもらった)

I’ll have to have the air conditioner repaired. (エアコンを修理してもらわなければならない)

I’ll have him call you back. (彼に折り返し電話させるよ)

Let’s, Let us, Letsの違い

次は、「Let’s」「Lets」「Let us」の違いを見ていきます。これらは似たような表現に見えますが、それぞれ異なる使い方と意味を持つ英語表現です。

Let’sとLet usの違い

Let’sはLet usの短縮形ですが、「Let’s ~(~しましょう)」と「Let us ~([私たちに]~させて)」では意味が異なる場合があるので注意が必要です。

例えば、子どもたちが公園に行きたいのを母親がダメだといった場合、子どもたちは以下のようにLet usを使って表現しますが、Let’sの文は単なる提案となり意味が異なります。

Let us go to the park. ([私たちを]公園に行かせて)

Let’s go to the park. ([一緒に]公園へ行こう)

Let usはLet’sの正式な形式で、よりフォーマルな状況や文章で使われます。「提案」「勧誘」「提案の受け入れ」「呼びかけ」などの用法があります。

提案:

Let us consider the implications of this decision. (この決定がもたらす影響について考えさせて[考えましょう])

勧誘:

Let us invite all stakeholders to the meeting. (すべての関係者を会議に招待させて[しましょう])

提案の受け入れ:

Let us accept the challenge and find solutions together. (課題を受け入れ、解決策を見つけるために協力させて[協力しましょう])

呼びかけ:

Let us come together as a community to support those in need. (コミュニティとして力を合わせて、困っている人たちをサポートさせて[サポートしましょう])

Lets は動詞 let の三人称単数現在形

Letの三人称単数現在形はletsです。つまり、主語が三人称単数形(he, she, itなど)の場合に使われます。

He lets his dog run in the park near his house. (彼は家の近くの公園で犬を走らせる)

She lets her children play outside. (彼女は子どもたちを外で遊ばせる)

It lets users customize the settings according to their preferences. (それはユーザーが設定を好みに合わせてカスタマイズできるようにする)

状況別のLet’sの使い方

すでに述べたようにLet’sはLet usの短縮形で、他の人々と一緒に何かをすることを提案するときに使われる英語のフレーズです。協力と提案を表現するのに便利な表現でさまざまな状況で使えますが、正しい文脈で使うことが重要です。Let’sを使う際には提案が相手に受け入れられるかどうかを考慮し、適切な状況で使うように心がけましょう。

友人や家族などに対する提案

Let’sは、友人、家族、同僚、仲間などと一緒に「何かをする提案」をするときの表現。協力的で共感を示すもので、何かを始めるための提案として使います。

Let’s go to the movies tonight. (今夜映画に行こう)

Let’s have a picnic in the park this weekend. (今週末、公園でピクニックをしよう)

Let’s work together to complete this project. (このプロジェクトを完成させるために一緒に働こう)

グループや複数の人々に対する提案

Let’sは複数の人々が参加できる活動や計画に最適です。提案がグループ全体に対して示されることで強調されます。

Let’s all meet at the restaurant at 7 PM. (みんなで7時にレストランで会おう)

Let’s invite our friends to the party. (友だちをパーティーに招待しよう)

協力と共感

Let’sを使うことで、提案を受け入れる人々との協力と共感を示すことが可能です。これは提案をより魅力的にし、行動への参加を奨励します。

Let’s help our neighbor with their yard work. (近所の人の庭仕事を手伝おう)

Let’s support each other through this difficult time. (この困難な時期をお互いに支えよう)

Let’s notの正しい使い方

最後に、あまり馴染みがない「Let’s not」の使い方を解説します。日本の英語教育ではあまり見聞きしないフレーズですが、日常英会話ではよく使われるので覚えておきましょう。

Let’s notの適切な使い方

Let’s notは何かをしないこと、あるいは何かを避けることを提案する際に使われる英語のフレーズです。提案が否定的なものであってもよりソフトに伝えることができるため、提案を受け入れたくない場合に役立ちます。ただし、文脈によってはLet’s notが不適切な場合もあるため注意が必要です。

アクションを避ける提案

Let’s notは、何かをするのを避ける提案を表現するために使われます。この表現は行動を制限したり、特定の行為を回避したりするための提案です。

It’s already getting late, so let’s not stay out too late tonight.(遅くなってきたから、今夜はあまり遅くまで外にいないようにしよう)

Let’s not swim in the sea today. (今日は海で泳ぐのはやめよう)

情報の非公開

Let’s notは、特定の情報や計画を他の人に知られないようにする提案としても使えます。

Let’s not tell anyone about this surprise party yet. (このサプライズパーティーのことはまだ誰にも言わないでおこう)

Let’s not mention it anymore. (それについてはもう言及しないようにしよう)

意見や提案への反対

Let’s notは、他人の提案に対して反対意見を表明するためにも使えます。丁寧に反対意見を提示するのに最適です。

Let’s not order pizza for lunch. I’d prefer something healthier. (ランチにピザを注文するのはやめよう。もっと健康的なものの方がいいよ)

Let’s not take a taxi. We can easily walk there. (タクシーには乗らないようにしよう。そこへは簡単に歩いて行けるよ)

意志の反映

Let’s notは、話者の意志や意向を表現する際にも使えます。自分自身の意志を他人に共有するために使ってもいいでしょう。

We’re trying to save money, so let’s not eat out this week. (お金を節約しているので、今週は外食をやめよう)

Let’s not interfere in other people’s affairs. (他人のことに干渉しないようにしよう)

Let’s notの不適切な使い方

Let’s notは特定の文脈や状況によって不適切な場合もあるため、不適切なケースと代わりの表現も簡単に示しておきます。

非常にフォーマルな文書

Let’s notはカジュアルなコミュニケーションに適していますが、ビジネスの場での提案書や公式な報告書などの非常にフォーマルな文書では適していません。何かを提案する場合は以下のように表現します。

We recommended that you do not continue with this project at this time. (現時点ではこのプロジェクトを続行しないことをお勧めします)

感傷的な場面

喪失、哀悼、同情などが必要な感傷的な場面では、Let’s notは感情を無視しているように受け取られる可能性があります。このような場面では、適切な共感や配慮を示す表現を選びましょう。

I know you are deeply saddened. We should refrain from discussing this issue for now.(あなたが深く悲しんでいるのは承知しているよ。今のところ、この問題について議論しない方がいいね)

他人の感情を重視する場面

他人が何かを望んでいる場合や感情的なサポートが必要な場合、Let’s notは無理解であるか、感情を軽視していると受け取られる場合があります。他人の感情に注意を払って、以下のように言葉を選びましょう。

I heard that you’re upset. Please feel free to consult with us anytime without having to deal with it all to yourself .(あなたが動揺していると聞いたよ。 ひとりで抱え込まず、いつでも気軽に相談してくださいね)

日本人が間違えやすいLet’sの使い方がわかったら

日本語と英語の文法的な違いや文化的な違いから、日本人は誤ったLet’sの使い方をしているのが理解できたのではないでしょうか。日常英会話でも頻繁に使われる表現なので、この機会にLet’s notも含めてマスターしてくださいね!

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