海外留学・移住を目指す人にとって国際的に広く認められている試験がIELTS。日本ではTOEICがまだまだ主流ですが、TOEICは基本的に日本と韓国以外では知られていません。海外では移住や正規留学にIELTSが必要ですが、試験費用が高いので実力試しに気軽に受けられるというものではありません。でもブリティッシュ・カウンシルが無料で提供しているアプリなら、IELTSの模擬試験を受けたり、試験に備えて準備することができます。
今回はIELTSに興味がある人や受験の予定がある人向けの2つのアプリを使ってみたのでご紹介します。IELTSを受験する予定がなくても、英語レベルを無料で判定でき、さらに英語学習の読み・聞く・話す・書くという4技能の強化に役立つので、特に中級レベル以上の学習者にぜひ利用していただきたい、優れものアプリです。
EnglishScore：英語力を第三者に証明できる
テストは会場受験並みの厳密さ。スコアは公的証明書として多数の企業や大学で受け入れ可能。
純粋に英語力を確認することができるアプリです。さすがのブリティッシュ・カウンシル製で、数分で簡単にできるようなものではなく、3つの分野であるコアスキル（文法・語彙・リスニング）、スピーキング、ライティングをそれぞれ30分ほどかけてテストするもの。
スコアは点数ではなく、CEFRの基準（A2-C2）で評価され、オフィシャルな証明書として＄24.99～＄49.99※で購入することができます。A1はスコアが低すぎるとして評価されません。※価格は2023.12現在
結果は2年間有効で、世界中の150を超える大学や企業から英語能力の公式な証明書として受け入れられています。
もちろん何度もテストできるので、毎月受験してみて、PROGOSやIELTS、英検2次試験など各種英語資格試験の模擬テストとして利用したり、自分の習熟度を確認するという使い方ができます。テストは24時間以内に2回まで、28日間で10回まで受験可能です。
テストの禁止事項
試験結果はオフィシャルスコアとして認められるので、不正行為を防ぐためカメラをオンにして一人になり、顔全体が映っている状態で受験します。周りの音があると、特にスピーキングテストで自分の音声が不明瞭になりますし、リスニングも集中できないので、できるだけ雑音のない静かな場所で行いましょう。
禁止事項とされているのは次の行為です。
・カンニング：試験中の辞書の使用やネットでの調査、第三者からの助け
・試験中のカメラの使用：問題を含む試験の全てのコンテンツのスクリーンショット、コピー、ダウンロード、別のカメラでの撮影はすべて禁止されています（これをするとセキュリティチェックが働いていないとみなされ、オフィシャルスコアとして使えません）
・なりすましでの受験：テストは自分で受験する必要があります
・コンテンツのシェア：質問や回答を第三者にシェアしたり、オンラインでの公開
・証明書やスコアのコピー：写真のすり替え、証明書を自分でコピーすること、証明書を改ざんすること、証明書やスコアの他者への販売
・アカウントを一つ以上作ること：作れるアカウントは一つのみ
テストの形式
テストはCore Skill（文法・語彙、リスニング、リーディング）、Speaking、Writingの3つに分かれています。質問によって15秒程度から7分で回答していきます。どれも30−40分ほどかかるので、全て一度にやるならば、1時間半〜2時間はみておきましょう。試験が始まると、途中で止めることができませんので、時間に余裕があるときに受けてください。また、試験中にメモや本、辞書、PCやほかのデバイスを見ることは禁止されています。
Core Skill（文法・語彙、リスニング、リーディング）
テストは次の順番で行われます。
・文法・語彙に関する質問48問（1問につき制限時間15秒程度）
マークシート形式です。ここで点数が低すぎると判断された場合、次のリスニング・リーディングに進めず、試験はその場で終了となります。
・リーディング12問
マークシート形式で、テキストの内容に応じた質問に回答していきます。文を埋めたり、内容からタイトルを考えたり、いろいろなタイプの質問があります。
・リスニング12問
基本的にはふたりの日常会話を聞いて回答する形で、マークシート形式です。内容は難しくありませんし、通常の会話よりは少しゆっくりめの印象でした。英語は基本的にイギリス英語ですので、アメリカ英語に慣れている人は少し聞きづらい印象を受けるかもしれません。
Speaking（スピーキング）
試験は次の4つのタイプがあります。実際に受験して確認しましたが、秒数や中身は記憶が不確かな部分もあるかもしれませんので、一度受験してご確認ください。
・文章の読み上げ：短い文章を読み上げます。はっきりとした声で読みましょう。
・ビデオで話されている文章の繰り返し（リピーティング）：メモはできませんので、しっかり記憶できるようにしましょう。文は2回聞くことができます。
・ビデオを見て自分の意見を述べる：仕事や日常に関わるさまざまなテーマで、準備に1分ほど、回答は30秒以内で行います。
・ほかの受験者の評価：20名の世界各国の受験者の回答を聞いて、明瞭さと質問にきちんと答えているかについて5段階で評価します。これにかなり時間がかかりますが、テストの一部なので省くことはできません。適当に評価するのではなく、きちんと評価してあげましょう。
いろいろな訛りに慣れるという意味でも勉強になります。話す内容はしっかりしているのに、雑音が多かったり、話し声が小さくボソボソとしていて聞きづらく、残念に感じた受験者もいました。スピーキングテストは携帯用マイクを使ったり、なければ口を近づけてはっきり聞こえるように回答しましょう。
Writing（ライティング）
ライティングはタイプが5つあったと記憶しています。次のような質問タイプがありました。
・聞いたものを書く：たしか2回聞くことができたと思いますが、長めの文も出てくるので記憶力が鍵になります。
・質問に対して回答する：自分の意見をまとめて、きちんとした文章で書けることが大事です。回答時間は含めて数分だったと思います。
・写真の説明：ほかの英語資格試験ではスピーキングの一部でよく取り入れられているものですが、文で説明します。回答時間は1分ほどだったと思いますので、写真から読み取れる情報を瞬時に書くことが必要です。
・チャットする：チャット形式で質問に対して回答していきます。同僚や友達にアドバイスをするという感じでした。
・ほかの受験者の評価：スピーキングと同じく、20名の世界各国の受験者の回答を読み、5段階で評価します。
詳しい受験要項はこちらをご覧ください。
IELTS Prep APP：IELTSの模擬試験アプリ
IELTSの模擬試験が無料で3回受けられる。練習問題や動画レッスンも豊富。
IELTSの受験準備学習と模擬試験ができる優れものアプリです。受験を控えている人、興味がある人だけではなく、普段の英語学習の一貫としてぜひ活用してください。使ってみた感想としては、無料でできるアプリの中では突出していると思います。
アプリをダウンロードしてログインすると、ダッシュボードに次のテーマが表示されるので、やりたいこと・読みたいものを選びます。
How to use this app（アプリの使い方）
総合的なセクションで、これをクリックして次のページのApp featuresを開くとそのほかのセクションにここから飛ぶこともできます。
About IELTS（IELTSに関する説明）
IELTSの試験タイプや概要について知りたい場合に目を通しましょう。
IELTS test sections（IELTS試験に関する説明）
リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4つの試験内容について詳しく説明されています。ここから模擬試験ページにいくことができます。
例えばリスニングであれば、リスニングのセクションの中の「Practice the Listening Test」をクリックします。すると模擬試験のページが開きますので、そこから受験します。模擬試験は3回まで無料で受験できますので、本番試験と同様の形式と制限時間で作られているこの模擬試験をぜひ有効活用しましょう。4回目以降は購入が必要ですが、ランチ一回分ほどの金額です。
模擬試験を受ける前に、メモの用意を！本番の試験と同じ形式で進み、自分で回答を書いてからアプリに答えを移す時間があります。その場でどんどんアプリに記入していく形式ではないのでメモの用意は必須です。
Prepare for IELTS（IELTSの試験準備）
模擬試験はこのセクションからもアクセスすることができます。「Complete Practice Test」をクリックして、目的に合わせてGeneral TrainingかAcademicを選びます。一般的には移住や企業への英語力証明ならばGeneral、正規留学ならばAcademicです。
このセクションには文法と語彙に関しての練習問題もたくさんあるので、ぜひ活用しましょう。ゲーム感覚でできますし、すきま時間の英語学習にもピッタリです。練習問題はすぐ正解かどうかがわかるので、間違えた問題はここでしっかり確認・復習すると英語力アップに役立ちます。
Book your IELTS test（IELTS受験予約）
アプリから実際の試験が予約できます。このアプリで予約すると特典として次のコンテンツにもアクセスできるようになります。
・トレーニングコース「Road to IELTS」：9本のレッスン動画、100個の練習問題、2回の模擬試験
・公式テストスコアの自動送信：大学や移民局、企業などテストスコアを送りたい場所5つまで無料で送付してもらえます。
IELTS試験対策ができるアプリの使い方がわかったら
無料で使える英語学習アプリはたくさんありますが、コンテンツレベルや使い勝手がいまひとつのものも少なくありません。やはりしっかりとした専門機関が作成しているアプリは信頼度も使い勝手も素晴らしいですね。無料で使えるもので、ここまでレベルの高いものはなかなかないと思います。ぜひ積極的に活用して、普段の英語学習や、定期的なレベルの確認に役立ててください。
IELTS受験準備をするなら、レアジョブ英会話の無料体験レッスンを活用してみましょう。
初回レッスンのレベルチェックをもとに日本人カウンセラーがあなたのためにアドバイスします。
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