英語が使われているのに英語じゃない!?日常の中の和製英語

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サイズを表すS / M / Lは、small(小)、medium(中)、large(大)の略。英語でもS, please.(Sをお願いします)と言えばいいと思うかもしれませんが、実はS / M / Lは日本独自の略し方で、英語ではSmall, please.でないと通じません。このように、「英語が使われているからそのまま通じると思ってた!」という、略語を使った和製英語をご紹介。正しい英語に変換して覚えておきましょう。

便利な略語が、実は使えない

アルファベットの略語を使うと便利で覚えやすいためか、さまざまな日本独自の略し方が生まれてしまったようです。外国人にそのまま使ったら全然通じなかった!なんていうことにならないよう、次のような表現に注意しましょう。

「S / M / L」は日本式

S⇒small(小)

M⇒medium(中)

L⇒large(大)

「エス」と言うとすぐに「small(小)」を思い浮かべるのは、日本ならでは。英語ではsmall、medium、largeと言う必要があります。海外でも洋服のサイズ表示には「S / M / L」が使われていることがありますが、やはり「エス」とは読まず、話すときはsmallのように言います。

ところで「なぜ大きいサイズを表すのがbig(大きい)じゃないの?」と疑問に思ったことはありませんか?bigには「偉大な」「すごい」といった意味もあり、サイズについて「大きい」と言うには、一般にlargeが使われます。

「LLサイズ」を英語にすると?

LL⇒XL、2XL(特大サイズ)

日本では「特大サイズ」のことをよく「LL」と表現しますが、英語ではXL、またはXXLを略した2XLで表示します。Xはextra(特別な、規格外の)の略です。

Lを「エル」ではなくlargeと読むのと同様、XLは「エックスエル」ではなくextra large、2XLは「ツーエックスエル」ではなくdouble extra largeと読みます。

「Aコース、Bコース」では通じない

Aコース⇒course meal A

Bコース⇒course meal B

日本のレストランではセットメニューに「Aコース」「Bコース」と書かれていたりしますが、英語では料理のcourseとは、「セットメニューの中の1つの料理」。例えば、appetizer(前菜)、soup(スープ)、main dish(メイン料理)、dessert(デザート)のセットを4-course meal(4つの料理からなる食事)と呼びます。

course mealと言えば「セットメニュー」であることが理解してもらえますが、A course mealと書くとAが不定冠詞のaのように見えてしまうので、course meal Aとしたほうがわかりやすいでしょう。

IT関係の用語も通じなかった!

IT用語にはよくアルファベットの略語がありますが、実は日本で作られた言葉だったり、海外ではあまり使われない表現だったりすることもあります。以下のような表現は、普段使うときに注意するようにしましょう。

「DX」は日本生まれ

DX⇒digital transformation(デジタルトランスフォーメーション)

ビジネスでデジタル化を推し進めるdigital transformation(デジタルトランスフォーメーション)を盛んにDXと呼んでいますが、実はこれは、日本独自の略し方。英語ではdigital transformationのまま使います。

日本企業と取引している海外企業の中には、DXという言い方に親しんでいるところもあるようですが、一般的な英語ではないということを覚えておいてください。

「SNS」は通じにくい

SNS⇒social media(ソーシャルメディア)

SNSはsocial networking service(ソーシャルネットワーキングサービス)の略で、当然SNSがそのまま使えるかのように思えますが、外国人に「エスエヌエス」と言っても通じない可能性が。英語ではsocial media(ソーシャルメディア)という呼び方を使うのが一般的。

なお、LINEがよく使われているのは日本とアジアの一部の国だけで、海外ではFacebookやWhatsAppというアプリが人気です。I’ll LINE you.(ラインするね)と言ってもまったくわかってもらえないことが多く、こういったところにも注意が必要です。

「ノートPC」はNG

ノートPC⇒laptop(ノート型パソコン)

PCはpersonal computer(パーソナルコンピューター)の略。「パソコン」をPCと呼ぶのはOKですが、「ノート型パソコン」の場合、英語ではnote PCとは言わず、laptopまたはnotebook PCと呼びます。lapとは「膝(腰から膝頭までの、上側の部分)」を指し、lapの上に載せて使えることから、laptopと呼ばれるようになりました。

なお、「デスクトップパソコン」はdesktop PC、desktop computerです。

昔からある略語にも要注意

NG、TPOなど、日本で昔から使われているアルファベットの略語にも、実は日本特有のものがよくあります。うっかりそのまま英語で使ってしまわないよう、正しい表現の仕方を覚えておきましょう。

「NG」は和製英語だった!

NG⇒taboo(タブー)、prohibited(禁じられた)

NGはno goodを略して生まれたようですが、英語ではこのような言い方はしません。taboo(タブー)、prohibited(禁じられた)のような言い方が、日本語の「NG」に近いと言えます。

「TPO」を正しい英語で言おう

TPO⇒good manners(よいマナー)

TPOはtime, place, occasion(時間、場所、場面・機会)の略ですが、これも日本で生まれた言葉。TPOと言ってもまったく通じず、have good manners(よいマナーを守る)、behave appropriately(適切にふるまう)といった言い方を使う必要があります。

「CM」とは略さない

CM⇒TV commercial(テレビCM)

テレビで流れる広告のことを普段「CM」と呼んでいますが、これは日本でcommercial message(商業メッセージ)を略して作られた言葉。commercialは「商業の」または「商業広告」で、「テレビCM」であればTV commercialと言うようにしてください。

「Gジャン」は使えない

Gジャン⇒denim jacket

デニムの上着のことをよく「Gジャン」と呼びますが、これはjean jumper(ジーンズのジャンパー)を略した和製英語で、英語では普通denim jacketと言います。jean pantsを略したとされる「ジーパン」も海外では使えず、英語ではjeans(ジーンズ)と呼ぶようにしてください。

なお、denim jumperと言うと「デニムでできた上下のつなぎ服」、jumperだけだとイギリスの「セーター」がイメージされ、日本語の「ジャンパー」とはだいぶ意味が異なってきます。

略語を正しく使いこなすには?

これらの略語を、「てっきり英語で使えると思っていた!」という人も多いのではないでしょうか。和製英語と本物の英語を区別して正しく使いこなすには、例えば以下のようなことに注意してください。

・AIやChat GPTなど、英語から来てそのまま使われている言葉も数多くありますが、ニュースなどで見かけたとき、「これは何の略?」「英語でそのまま使われている?」と意識するようにしてください。

・普段から英語のニュースや映画などをよく見るようにしてください。服を選ぶときなど、「エス」「エル」ではなくsmall、largeと言っていることに気づくはずです。

・自分で話すときは、単語だけに頼らず、パラフレーズ(言い換え)ができるようにしておくといいでしょう。例えば、SNSと言って通じないとき、Such as Facebook, Instagram …(Facebookとかインスタグラムとか…)と言えば、相手がパッとSocial media!(ソーシャルメディア!)と気づくはずです。

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