英語と日本語の自己啓発はどう違う?自己啓発でよく使われる8つの動詞をチェック!

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ビジネスやプライベートに役立てるために自己啓発本を読んだことがある人も多いのでは?日本で出版されている自己啓発本の多くは元ネタが海外発です。そのため意図を深く理解するためには、オリジナルである英語版を読んでみるのがおすすめです。翻訳版があるものでも、著者の考えをスッと理解するのには、やはり英語版がいいですね。

この記事では自己啓発の英語での意味とよく使われる単語を解説します。最後に初級者から読める英語の自己啓発本の紹介もしていますので、時間のあるときに少しずつ英語の本を読むことにチャレンジしてみましょう。

英語の自己啓発とは

自己啓発にあたる言葉は英語でself help、self-improvement、あるいはpersonal development。これを日本語に訳すとそれぞれ「セルフヘルプ」「自己改善」「自己開発」になりますが、日本語の印象だと次の意味で使われているのではないでしょうか。

セルフヘルプ:依存症や心に問題を抱えている人の自己セラピー
自己改善:特定の問題に対して自ら変えていくこと
自己開発:仕事に直接的に結びつくことを学ぶ
自己啓発:自己を高めるためにセミナーや本で学ぶ

しかし英語ではどれも同じものとしてとらえている人も多いです。あえて細かくいうと次のような分け方になります。全く逆のことをいう人もいますが、多くの人の認識はこの形です。

self help=セラピストなどの力を借りず、自分で学んで自己改善していく
self-improvement=ほぼself helpと同義。特定分野に対しての自己改善
personal development=大きな意味での自己改善。分野は人生に関わる全て

図式としては、personal development>self-improvement>=self help

日本語との大きな違いは、日本語はそれぞれ独立している印象である一方、英語ではダイエットをはじめとする身体に関わること、人間関係、精神、経済、キャリアなどのいろいろな分野で自分をより成長させるという全ての行為が「自己啓発」であること。どれも相互に関係していて、切り離すことができません。

ダイエットを例にしましょう。「痩せたい」という気持ちはどこからきて、目的は何でしょうか。「キレイになって自信をつけ、新しいことや転職にチャレンジする」という場合もあるでしょうし、「コンプレックスを克服して、自分のネガティブなメンタルを改善したい」「もっと恋愛に前向きになりたい」などさまざま場合が考えられます。

また、コミュニケーションが苦手な人の場合はどうでしょうか。以前経験したことがトラウマになっていたり、もともとの性格だったり、なんらかの理由で自分に自信がないことであったり、人からの評価を気にしすぎていたり…。「コミュニケーション能力」というと、日本ではキャリアに結びつけた「自己開発」分野、あるいはメンタルヘルスに入りますが、英語では包括的な自己啓発の分野になります。コミュニケーション能力を改善し、最終的にやりたいことができて自信をもてば、自分自身だけではなく周りにもポジティブな影響を与えて幸福になれるのでしょう。

このようにメンタル、身体、社会環境、人間関係、キャリアなど、自分自身と自分に影響する周りの全ては相互関係にあり、切り離すことはできません。自分を見つめ、より深く理解することに自己啓発の原点はあり、改善が必要だと思う部分を成長させていくということを意味します。

自己啓発分野でよく使われる8つの動詞

自己啓発分野では、決まった単語が繰り返し使用されることが多いのですが、その中でもよく頻繁に使われる動詞8つと、使われ方の例をご紹介します。英語の自己啓発の本やブログを検索したり読むときの参考にしてください。

overcome(打ち勝つ・克服する)

overcomeは何かに打ち勝ったり、問題への対処に成功することを意味する動詞です。特に難しいことに勝つという意味合いがあり、自己啓発では何かの弱点を克服することを強調して使われます。

overcome your fear of failure(失敗への恐れを克服する)

overcome your fear of change(変化への恐れを克服する)

overcome procrastination(先延ばしを克服する)

overcome obstacles(障害を克服する)

overcome worry(心配する気持ちに打ち勝つ)

overcome self-sabotage(自分を妨げる感情を克服する)

overcome self-doubt(自信喪失を克服する)

overcome difficulties to reach your goals(目標達成のための困難に打ち勝つ)

overcome adversity(逆境を克服する)

embrace(受け入れる)

embraceは「大きな関心や熱意をもって何かを受け入れること」と、「愛情や同情を表す時や挨拶や別れの時に腕で人を抱き寄せること」という2つの意味があります。自己啓発では、感情や変化を積極的にポジティブに受け入れることに使われる単語です。

embrace empathy(共感を抱く)

embrace gratitude(感謝の気持ちを持つ)

embrace integrity(誠実さを受け入れる)

embrace change(変化を受け入れる)

embrace imperfection(不完全さを受け入れる)

embrace uncertainty(不確実性を受け入れる)

embrace new opportunities(新しい機会を受け入れる)

embrace challenges(挑戦を受け入れる)

embrace positive self-talk*(自分自身に対してポジティブになる)

*self-talk:自分自身に対する内なる声。ポジティブなものは自分を力づけたり慰めたりするものですが、ネガティブなものは自分に対して非常に批判的だったり悲観的なものです。

deal with(処理する・対応する)

deal withは、何かを達成するため、あるいは問題を解決するために行動を起こしたり、誰かや何かを管理すること。自己啓発では、特にネガティブなもの、例えばストレスや難しい人にうまくつきあっていく、ということを指します。

deal with a stressful workplace(ストレスの多い職場に対処する)

deal with jealousy(嫉妬とうまくつきあう)

deal with emotions(感情に対応する)

deal with negativity bias(否定的なバイアスを処理する)

deal with toxic people(有害な人に対処する)

deal with stress/anxiety/worry etc.(ストレス/不安/心配などに対処する)

stay(〜のままでいる)

stayは形容詞と一緒に使うとき、何かをし続けること、あるいは特定の状態にあり続けることを意味します。自己啓発では、ポジティブな行動や状態を維持することを促す場合によく使われる単語です。

stay focused(集中力を保つ)

stay energetic(活力がある状態を続ける)

stay motivated(やる気を維持する)

stay organized(ものごとが整理整頓された状態を維持する)

stay present(「今ここにある」状態を保つ)

stay consistent(一貫性を持ち続ける)

stay fit(健康な状態を保つ)

stay positive(前向きでいる)

build(築く)

buildはそれまでなかった何かを長い時間をかけて築き上げていくことを表します。自己啓発では短期間で大きな成果を期待するのではなく、時間をかけてゆっくりと作り上げていくものに対して使われます。

build resilience(レジリエンスを高める)

build self-esteem(自尊心を育てる)

build confidence(自信をつける)

build better focus(集中力を高める)

build trust(信頼を築く)

build daily habits(日々の習慣をつける)

build personal empowerment(自身をエンパワーメントする、自分の本来の力を発揮する)

build a productive morning routine(生産的な朝の習慣を身につける)

find(見つける・探し出す)

「find」は日本語で一般に「見つける」と訳されますが、「偶然に何かを発見すること」から、「意図的に探し求めて見つけ出すこと」までを意味します。自己啓発の文脈では、「find」は自分が意識的または無意識的に追い求めているものを見つけ出し、その目標や理想にたどり着く、という意味で使われることがあります。

find clarity in life(人生を明確にする)

find inner peace(心の平安を見つける)

find more positivity/possibility/balance in life(人生にもっと積極性/可能性/バランスを見出す)

find your strengths(自分の強みを見つけ出す)

find inspiration(インスピレーションをもらう)

find courage(勇気を出す)

find yourself(自分を見つける)

develop(伸ばす・持つようになる)

developは、何かをより高度で大きく、またはもっと強い形に成長させたり変化させることを表します。自己啓発の文脈では、自分の潜在能力やまだ足りない力を育成し、実現させていくという意味合いで使います。

develop a growth mindset(成長マインドセットを身につける)

develop a money mindset(お金のマインドセットを身につける)

develop leadership skills(リーダーシップを養う)

develop grit(困難にあってもくじけない力を身につける)

develop optimism(楽観的な気質を養う)

develop better listening skills(聞き上手になる)

develop self-encouragement(自分自身を励まし勇気づけるようにする)

boost(高める)

Boostは、何かを改善したり増大させたりすることを意味します。get boostedで「ブースターワクチンを受ける」という意味にもなります。自己啓発では、ゼロからではなく、すでに自分が持っている能力や特性などで、さらに成長の余地があることに対して使います。

boost emotional growth(感情の成長を促す)

boost self-understanding(自己理解を高める)

boost self-confidence(自信を高める)

boost self-worth(自己価値を押し上げる)

boost productivity(生産性を高める)

boost positive thinking(ポジティブ思考を高める)

boost happiness(幸福感を高める)

boost resilience(レジリエンス(困難や障害から回復する力)を高める)

初級者から読める英語の自己啓発本

自己啓発をはじめとする実用書は、多くの場合、誰にでも理解できるよう簡単で読みやすい英語で書かれています。中にはすでに知識や経験がある人を対象にしているものもありますが、一般的な自己啓発本は基礎的な英語力があれば読むことが可能です。最初から英語で読むことが不安な場合は、日本語版を先に読んで内容を理解してから読み始めるのがおすすめです。

ただし日本語版は英語のニュアンスや意味を厳密にとらえられていないこともあります。「リーディング力を高めたい」という場合は、自分自身の向上や気づきにつながる自己啓発本がおすすめです。習慣や時間管理、メンタルヘルスやコミュニケーションなど、仕事や自分自身の問題に関係しているものを選ぶと、比較的楽しんで読書できると思います。

気をつけなくてはいけないのが、英語の実用書は同じことを繰り返し長々と説明していたり、ポイントに入るまでが長いものも多いこと。読み飛ばすところは読み飛ばして、ポイントが書かれているところに注意して読む、という形だと挫折がないでしょう。

Atomic Habits by James Clear『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』

悪い習慣を断ち切り、良い習慣を形成することで、目覚ましい成果につながる小さな行動をマスターする方法について解説した本。「習慣形成のプロセスを単純化しすぎだ」「確かな証拠や科学的研究よりも個人的な話に頼りすぎている」といった批判もありますが、何かをやり続けることが難しい人には実践的でわかりやすい内容です。

Start With Why: How Great Leaders Inspire Everyone To Take Action by Simon Sinek『WHYから始めよ!インスパイア型リーダーはここが違う』

リーダーは「なぜそれをするのか」を問いかけ、行動の背後にある目的を理解することで、チームを盛り立て、成功への強固な基盤を築くことができるということを主張しています。ウォルマートの創設者サム・ウォルトン、サウスウエスト航空の創設者ハーブ・ケレハー、マイクロソフトの創設者ビル・ゲイツ、そのほか多くの事例が取り上げられていて、どういうことなのかを具体的にイメージしやすくなっています。前半部分はTEDトークで話している内容なので、リスニングスキルを養うことを目的に、こちらを見てから読んでもいいかもしれません。

The Gifts Of Imperfection by Brené Brown『「ネガティブな感情」の魔法』

ありのままの自分で生きたいと願っていても、自信の欠如や同調圧力など「ありのまま」でいるための障害もあります。Brené Brownは完璧さを追い求めるのをやめて、正直であること、自分の弱さを受け入れること、他人の目を気にせず日々決断すること、勇気と思いやりを持つことの重要性について書いています。ネット社会の弊害でトラウマを抱えたり、自信をなくしたり、いいところだけを見せようとして心の消耗を感じている人々におすすめの一冊です。

Eat That Frog!: 21 Great Ways to Stop Procrastinating and Get More Done in Less Time by Brian Tracey『カエルを食べてしまえ!』

「カエルを食べろ」という面白いタイトルですが、これはマーク・トウェイン「カエルを2匹食べるのが仕事なら、大きいほうを先に食べるのが一番だ」という名言から著者がインスパイアされたもの。カエルを好んで食べたい人は少ないでしょう。ここでのカエルは要するに「一番大変だけど大事なこと」ということを指しています。「決断力・規律・決意」の3つを前提に、先延ばしを克服する21の方法について解説しています。

Subtle Art of Not Giving a F*ck: A Counterintuitive Approach to Living a Good Life by Mark Manson『その「決断」がすべてを解決する』

Fワードを使った衝撃的なタイトルが話題になった自己啓発本。Not Giving a F*ckとは、「屁とも思わない」という意味です。人生で起こるすべてのことに責任を持ち、自分の無知を自覚し、自分の欠点を認め、ノーを言ってノーを聞き、いずれ死ぬことを意識することで、本当に重要なことに集中することを主張しています。従来の自己啓発本は、ネガティブな部分を否定していくスタイルが主流ですが、逆にネガティブな部分を受け入れる重要性を説いたこの本は、理想の自分を追い求めていくことに疲れた人たちから絶大な支持を得ました。「もっと楽に生きながら、幸せになりたい」と思う人におすすめです。

自己啓発に関連する英語がわかったら

自己啓発は必要ですし、取り組んでいる人も多いと思います。自分の興味ある分野の海外の自己啓発本を読んでみてください。人生や自分のやるべきことのヒントも学べ、英語学習にもなるので一石二鳥ですよ。

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